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【リノベ体験記】間取り成功のお手本!デンマーク風の作りこみ過ぎないリノベ事例。3人家族が制約の中で部門最優秀賞受賞!

リノベーション体験記

デンマークに4年ほど暮らしていたSさんご夫婦。
家具が大好きで、お気に入りの家具をデンマークから持ち込んで日本に帰国後、中古マンションの購入とリノベーションを行いました。

ドアを極力作らない、間仕切りの壁も必要なぶんだけ。実はドアがあるのはお風呂やトイレに向かうサニタリールームの1枚のみ

そんな作り込み過ぎない間取りによって、広さ、眺め、ひかり、子供の様子や気配を感じるゆったりした生活を得られるようになりました。

ご主人「とにかく新築で狭いのは絶対に良くないっていう話をしてました。住んでたヨーロッパでは、築100年とかそういうのも普通で、リノベーションして住むのが当たり前だったので、日本でもそんな生活が良いんじゃないかと思って」

リノベーションでおしゃれにできるのは当たり前のこと。本当に大切なのは、間取りによってどれほど暮らしが豊かに、快適になるかということです。

壁構造という制約の中でリノベーションオブザイヤーの部門最優秀賞を受賞した、ゼロリノベの考えるつくり込み過ぎない間取りを解説していきます。

目次

生まれ変わった築40年の中古マンションの間取りの秘訣

リノベーション前のリビングダイニング写真

before

リノベーション後のリビングダイニング写真

after

このビフォーアフター写真はほぼ同じ位置から撮影しています。明るく生まれ変わりました。

お持ちのお気に入り家具をゆったり配置して、いつでも家具を眺められるようになっています。

お引越し前のリビングダイニング

家具メインというコンセプトなので、家具が入る前だと本当にシンプルな空間であることがわかります。

ギャラリーや美術館のように、家具1つ1つが作品であるように際立つ工夫として、床も無垢のフローリングではなく、色味を抑えた薄いグレーのPタイルを使用しています。(木材の無垢フローリングよりも空間が明るく感じられます)

家具が入ったダイニング

家具が入ることで空間の雰囲気が一気に変わります。また、beforeの写真に比べて明るくなった理由は、見えていないキッチン側もドアや間仕切りがなく、北東側の窓からも光が入ってくるためです。

図面を見てみましょう。こちらの住まいにはサニタリールームにしかドアがありませんが、通常であればドアを取り付けるであろう部分に”ドアなし”と入れています。

リノベーション後の間取り図

キッチンがある左(北東)側から入る自然光がドアに遮られることなく、どこにいても明るく、視界が抜けて広さを感じやすい間取りになっています。ではどれだけ自然光が入ってくるかダイニング側からキッチンを見てみましょう。

自然光がしっかり入ってきていることがわかります。

奥がキッチンがある北東側です。通常の間取りであれば、ドアがあり、北東側の光はダイニング側には届きません。また、ドアや壁が少ないため、少し移動するだけで、子どもの様子がわかるというのは子育て世代にとって大きなメリットのひとつです。

もうひとつ、ドアを使わないメリットをあげるなら、お掃除ロボットの活躍が挙げられます。

お掃除ロボットが活躍する間取り

お掃除ロボットは、通常リビングだけ、ダイニングだけで、しかもうまく動けず充電切れでとまってしまうこともあります。

しかし、今回の間取りのように、お部屋どうしに段差がなくドアもないフルフラットな状態にしてあげれば、帰ってくれば掃除が終わっているようなホテルライクな暮らしも可能です。ゼロリノベでは、おしゃれなだけでなく、快適な暮らしのための間取りの工夫を心がけています。

また、あまり知られていませんが、実はドア1枚を取り付けるまでにかかる費用は十数万円であることも。お部屋や空間を細かく区切るほど、必要な予算も上がっていきます。必要であればいいですが、やたらとドアを取り付ける必要はありません。

サニタリーのみ引き戸

3LDKなどの画一的な間取りに暮らしていると、廊下や各部屋への入り口にはそれぞれドアがあるのが当たり前だと思いがちですが、必ずしも必要なものではありません。

今回の住まいも、お部屋を細かく分けようと思えば、4LDKや5LDKにすることも可能な広さの物件です。しかし、お部屋を細かく分けて数が増えても住みやすくなるわけではありません。(数字が多いほどグレードが高くて広くて快適に感じてしまうのは不動産業界の広告効果です)

今回の住まいは、壁構造という中の壁を全て抜くことができないマンション構造をした物件で制約の中で様々な工夫をしました。しかし、多くのマンションはラーメン構造といい、中の壁は耐震や構造には関係なく大幅に間取りを変更することが可能です。

それでは次はキッチンや収納、子ども部屋など、それぞれどのように工夫しているかを見ていきます。

作業がしやすい広々キッチン+造作カウンター

キッチンと造作カウンター

壁付の広いキッチンと下がたっぷりの収納になっている造作カウンターによって、全体的にすっきりと収まっているキッチンスペース。作ったものを置いておけて、料理以外の時間も何かと使えるスペースとなっています。

<奥様> キッチンが一番好きです。作業スペースがあるのが良いですね。夫婦どちらも使っていて、私はケーキを焼いたり。彼はパンとかピザとかをつくっていますよ。

造作カウンター

造作カウンターは後ろも前も扉がついていて収納力は抜群です。このカウンターがあるおかげで、圧迫されやすいキッチン上部がすっきりしています。

シンクの上に収納スペースがあったほうが便利と考える方ももちろんいますが、どれが正解というものはなく、自分たちが気持ちよく使うために何を選ぶかというのを決めていけるのがリノベーションの醍醐味です。

いちいち脚立に乗って奥のものを取るのはめんどう…とお考えの方は、収納を兼ねた造作カウンターがおすすめです。

収納を一箇所に集める驚きの効果とは

ウォークスルークローゼット
ゼロリノベでよく取り入れるのが、家族の収納を一箇所にまとめるという方法。その効果はモノを必要以上に持たなくて済む、管理が楽になるなど様々です。

なぜなら、収納スペースに入らなくなったら何かを手放すというルールづくりができるからです。しかも、収納スペースが一箇所にあれば、他のスペースはモノが少なく生活感も出にくい快適な空間を維持しやすくもなります。

収納箇所の間取り

今回はウォークスルー型とウォークイン型のハイブリットのようなクローゼットとなっています。玄関側に季節物の収納スペースはありますが、普段使いの持ち物を一箇所に集めるというルールは同じです。また、3箇所も収納への入り口があるためかなり使い勝手のいいスペースと言えます。

ここまでモノを減らすのはちょっと無理かも、と思った方も大丈夫です。場合によってはロフトを作って延べ床面積を増やすことができるのもリノベーションの大きなメリット。

掃除や片付けをしてもすぐ生活感が出てしまうと悩んでいる方は、広く確保した一箇所収納を取り入れてみてはいかがでしょうか。

子ども部屋を最初から作るのはデメリットだらけ!?

子供部屋になる予定のフリースペース

図面にはベッドが置いてありますが、お子様が小さいため今はまだフリースペースとなっています。

リノベーションのご相談で非常に多いのが、「子ども部屋をどうすればいいか」というもの。お子様がまだ2〜4歳程度で小さい場合、ゼロリノベでは”必要になってからつくる”ことをご提案しています。

なぜなら、最初からつくってしまうと第二の収納スペースになってしまったり、つくり込み過ぎて子どもがこもってしまうようなしっかりしたものにしてしまいがちだからです。

四方を塞いでドアを付けてとつくり込まなくとも、プラベートを確保できる空間にする方法はいくらでもあります。

それに、必要になったときに一緒にどれぐらいのスペースにするか考えるのは家族にとってもいい体験になります。将来のためにも、今つくり込んでしまうのではなく、必要になったら付け足すほうが、ベストなサイズを検討しやすいはずです。

ゼロリノベでは、将来の空間的余白を確保するためにも、つくり込みすぎない空間設計を心がけています。

中古マンション+リノベーション、実際どうだった?

<ご主人>とにかく新築で狭いのは絶対に良くないっていう話をしてました。住んでいたヨーロッパでは、築100年とかそういうのも普通で、リノーベーションして住むのが当たり前だったので、日本でもそんな生活が良いんじゃないかと思って。

<奥様> 広さは絶対条件でした。最初は部分リノベーション、リフォーム的なのも視野には入れていましたけどね。ネットで色々事例を見てる中でゼロリノベさんに辿り着きました。一番食いついたのは事例ですね。事例で見たキッチンをやりたくて。最終的にはぜんぜん違う事になりましたけどね(笑)

<奥様> 購入にあたっての不安は、お金の問題とやっぱり耐震性ですよね。お金の面は、ゼロリノベさんご紹介のファイナンシャルプランナーさんに相談させてもらって、上限が分かってそれでローンを組んだ感じです。

<ご主人> 耐震面も、まぁ結局ここの物件は壁構造で。

<奥様> むしろなんか、抜けないから嫌だなとは思っていたんですけど、その耐震性が強いって言う面で決めたっていうのはありますね。 設計担当さんも良い人でしたよ。否定がなかったです。なんか全部褒めてくれるよね。家具の写真とかサイズ送っても、良いですね~、かわいいですね~って。

<ご主人> 最初は収納のスペースも白色だったんだよね。でもグレーあったら面白いですよねみたいな。

<奥様> 言ってくれたのも設計担当さんでしたね。あの発想はなくて、さすがって思いました。

中古マンション購入+リノベで失敗しない方法

リノベーション会社や不動産会社に家の相談をしに行って、で、ご予算は?と聞かれて戸惑ったことはありませんか?

ほとんどの会社は予算はお客が責任を持って決めるものだと思っていて、営業マンは家ありきで話を進めていこうとします。

ですが、どうか家ありきではなく、人生ありきで家の購入を検討してください。なぜなら、家はあくまでも、今よりも幸せになるための「ツール」だからです。ツールにお金をかけすぎて、その後の暮らしが苦しくなってしまうのは本末転倒です。

ゼロリノベでは、「小さいリスクで家を買う」をメインテーマに、

・100年マンションの見分け方
・マンションの価格が下がるとき
・たったひとつの家の買い時とは
・不動産ポータルサイトで見るべきポイント
・希望物件に1ヶ月でめぐり合う方法
・未公開物件のカラクリ
・具体的なリノベーション事例と費用

など、ネットで言いにくい内容も含めて、セールスのない無料のセミナーでお伝えしています。

物件を探してリノベーションをして、住むまでにはおおよそ10〜12ヶ月程度かかります。いずれは自分たちの住まいを。と検討しているなら、慌てる必要のないうちに、ぜひ情報収拾にお越しください。

一度セミナーを聞くだけで、自分たちが今何をすればいいのかはっきりします。

ご興味があれば下のリンクからセミナーの内容をご確認いただけます。

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編集後記

ブレイス

「普通あるよね」という場所にドアが全然ない、斬新な空間づくりに驚きました。でも、明るい・お掃除ロボットが掃除しやすい・費用も抑えられるとメリットもたくさん!リノベーションならではの「自分たちのニーズに合った自由な間取り作り」はぜひお手本にしたいです。

もっとほかの事例も見てみたいという方は、「【写真付き】リノベーションのビフォーアフター事例22選|マンションと戸建てをそれぞれ紹介」の記事も参考にしてみてください。

大月

実は私もデンマークに住んでいたことがあるのですが、北欧の人は住空間に対するこだわりや本気度が全然違うんです!(笑)家も家具も長く付き合うことが前提だからこそ丁寧に選び、大切に使う。本当に必要なものを見極めて、お金を割くんですね。経済的にも、空間的にも、作り込みすぎずに余白を残しておく。こちらはまさにゼロリノベが大切にしている「余白のある住まい」だなと感じます。

楢崎

日本にいながらも海外のような雰囲気を味わえる空間にはとても魅力を感じます。その要素の一つには、フラットで境界線のない開放的な作りが大きな鍵になっているように思います。ドアひとつとっても必要なのかを考えるリノベーションは、暮らしの豊かさを見直すきっかけにもなりますね。

この記事の制作体制
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

  • ブレイス 麻衣

    本サイトの企画担当。翻訳・通訳を学んだ後、豪州のMICE施設にて現地採用。帰国後は、東京の外国人をターゲットとした不動産会社に主任として3年間従事し、5年間渡独。SEOやサイト運営を学びつつライター活動をする中、SEOコンテンツ制作・ディ...

  • 楢崎優司朗

    ゼロリノベのデザイナー。美術大学で空間デザインを専攻。在学中にデザイン会社を起業し、イベントやプロモーションの空間演出を手掛ける。卒業後はブランディングや企画制作に多く携わる中で、生活空間のデザインやリノベーションの持続可能性...

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