マンションの天井の高さを上げる方法│費用やメリット・デメリット
マンションの天井の高さは、住まいの開放感や快適性に大きく影響を与えます。そのためどれくらい高ければ圧迫感を感じないのか、一般的な高さはどれくらいなのかを知りたいと考えている人も多いのではないでしょうか?
また今住んでいるマンションや購入を予定しているマンションの天井高を今よりも高くすることができるのかを知りたい人もいるでしょう。
そこで今回は、以下の内容を紹介します。
- マンションの天井の平均的な高さ
- マンションの天井の高さを上げられる条件やリフォーム方法
- マンションの天井を高くするメリット・デメリットや費用の目安
- 天井を高くする以外に開放感を出す方法
マンションの天井の高さについてよくある質問も紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
マンションの天井の高さは平均でどれくらい?
天井の高さは、マンションでも戸建てでも2.1m以上と建築基準法で定められているため、これ以下の物件はありません。近年の新築マンションでは2.4mが平均的で、2.5mを超える物件も増えてきました。
一方築30年を超えるような団地などでは、梁(はり)の下だと2.1m程度しかない物件もあります。ただしこの場合でも、リビングなどは2.3m~2.4m程度の高さが多いです。
また昔の物件ほど天井が低いかというと、そういうわけではありません。マンションが建てられた当時の意図によって、天井の高さは変わります。
実際、天井までの高さが2.7m近くある中古物件もあります。中古マンションを探している方は、今住んでいる賃貸物件で高さを測り、自分たちはどれくらいの高さを希望するのかを先に把握しておきましょう。
天井を高くすることはできる?
購入を希望するマンションの天井の高さが低い場合でも、天井高を上げることが可能な物件もあります。それは、二重天井という構造になっている物件です。
二重天井とは、天井のコンクリートスラブから内装天井を離して仕上げる工法を指します。間に空間があるため、内装を撤去し、スラブを現しにすることで天井高を上げられるのです。
下の写真は二重天井を撤去し、躯体現しとすることで天井高を高くした事例です。レンジフードのダクト部分は元々天井で隠れていた部分です。現しにすることで、開放的になっていますね。
ダウンライトなど埋め込み型のライトが天井にある場合は、ほぼ間違いなく二重天井となっています。また軽く天井を叩いてみて、響くような、奥に空間があるような音がする場合も二重天井と考えてよいでしょう。
マンションの天井を高くするメリット・デメリット
マンションの天井を高くするのには、メリットもあればデメリットもあります。両方を理解したうえで、工事するかを検討しましょう。
3-1.マンションの天井を高くするメリット
まずは3つのメリットから紹介します。
3-1-1.空間にゆとりができるため圧迫感を軽減できる
マンションの天井が高くなると、部屋を見渡したときに視界に天井が入りにくくなり圧迫感を軽減できます。
空間が広がり開放感を得られるため、住み心地が良くなる可能性があります。
3-1-2.高さが必要な家具やアイテムを設置しやすくなる
天井が高くなると、シャンデリアやシーリングファンなどを設置しやすくなり高級感を演出できるようになります。
子ども部屋に複数のベッドを置いている場合には、二段ベッドに変えられるので空間を有効活用できるのもメリットです。
3-3-3.高さのある家具を設置することで収納スペースを増やせる
天井が高い部屋には、高さのある家具を設置しても圧迫感が生じにくくなります。全体的な収納量が増えるので、さらに空間を広く使えるようになります。
3-2.マンションの天井を高くするデメリット
マンションの天井を高くする事には、次の3つのようなデメリットもあります。
3-2-1.冷暖房の効率が悪くなることがある
天井高が大幅に変わると、エアコンの効きが悪くなる可能性があります。温かい空気は上昇、冷たい空気は下降する性質があるので、縦方向に長い空間では冷暖房効率が落ちてしまうためです。広くなる分天井を高くする前よりも、光熱費が高くなる可能性もあります。
その場合、シーリングファンやサーキュレーターを活用し室内の空気を循環させることで室温を一定に保ちやすくするという方法もあります。天井高を高くするときには、あわせて対策も考えておきましょう。
3-2-2.上階の音が聞こえやすくなることがある
築古の物件の中には、上階の配管が天井のコンクリートスラブをつき抜けて配置されている物件があります。その場合、二重天井を取り外すことで上階の配管が剥き出しになるため、流水音がすることも。
最上階を選べば問題ありませんが、そうでない場合で音が気になりそうなら避けたほうが無難です。マンションを購入する前に、構造をチェックしておきましょう。
3-2-3.外気の影響を受けやすくなるおそれがある
マンションの最上階の天井高を高くする場合には、外気の影響を受けやすくなる可能性がある点にも注意が必要です。
最上階は屋上のスラブが天井となるので、断熱の仕様によっては真夏の直射日光で熱くなった、あるいは冬に冷え切ったコンクリートの温度が直接室内に伝わる可能性があるためです。
この場合も、天井高を高くすることでどのような影響が考えられるのか、事前にリノベーション会社の担当者などに確認することをおすすめします。
マンションの天井を高くする際の費用の目安
マンションの天井を高くするリフォームやリノベーションにかかる費用は、部屋の広さや工事内容によって以下のように異なります。
<マンションの天井を高くする費用の目安>
※約12畳の部屋の場合
既存の二重天井を解体し、躯体現しにするだけであれば約6万円〜9万円でおさまります。一方既存の天井を撤去して高い位置に再度天井を新設する場合には、約15万円〜35万円必要です。
天井高を高くすることを前提に中古マンションを購入する場合には、費用を見込んで予算を立てておきましょう。
天井を高くする目的が開放感を得るためであるなら、天井高を上げる以外にも方法があるので紹介します。
マンションの天井を高くする以外の方法で開放感を得る方法
5-1.間仕切り壁を工夫する
現在の状態のまま開放感を出したいときには、部屋を区切る間仕切り壁を工夫するのがおすすめです。たとえば下の写真のように、間仕切り壁にガラスを用いたり開口部を設けたりすれば、部屋の奥まで届きにくかった自然光を取り入れ部屋に開放感を与えられるようになります。
5-2.間接照明で天井を照らす
躯体部分の梁や折り上げ天井(中央部分が一段高くなった天井)などに、天井を照らす間接照明を設置するのも簡単なのに効果的な方法です。
とくに現在ペンダントライトをつけているケースでは、夜になると明かりが天井に届きにくくなり空間の広がりを感じづらくなります。間接照明で天井を照らせば天井がより高く見え、開放感が生まれるのでおすすめです。
5-3.スケルトンリノベーションで間取りをリセットする
もっとも効果的なのは、スケルトンリノベーションによって部屋を隔てる壁をなくし、窓からの採光を最大限に活かせる間取りにつくりなおすことです。
現在リビング横が和室となっている場合や独立キッチンとなっている場合も、間仕切り壁を撤去してリビングと一体化させるだけでも広々とした空間を確保できるでしょう。
しかしスケルトンリノベーションで内装や間仕切りをすべて撤去し、採光性を意識してゼロから設計するほうが、家全体を開放的な空間へとつくり変えられます。通風をよくする、断熱性を向上するなど、マンション全体の機能性や快適性を高められるのもメリットです。
空間を開放的にするリノベーションについて詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
マンションの天井高に関するよくある質問
最後にマンションの天井高に関してよく寄せられる質問を紹介します。
6-1. 古い物件はすべて天井が低いですか?
昔の物件ほど天井が低いかというと、そういうわけではありません。当時どのような意図で建てられたのかによって、天井の高さは変わります。また建築基準法により、天井の高さは2.1m以上と定められているため、これ以下の物件はありません。より詳しくは、「1.マンションの天井の高さは平均でどれくらい?」をご確認ください。
6-2. マンションの天井を高くすることはできますか?
二重天井になっている物件なら、天井高を高くできます。ダウンライトなど、埋め込み型のライトが天井にある場合は、二重天井である可能性が高いでしょう。詳しくは、「2.マンションの天井の高さを上げるための条件やリフォームの方法」をご確認ください。
6-3. 天井以外に開放感を増やす方法はありますか?
リフォームやリノベーションによって間取りの変更をすることで、開放感をあげることは可能です。たとえば、玄関側からバルコニー側までが抜けるような間取りに変更するなどが考えられます。詳しくは「5.マンションの天井を高くする以外の方法で開放感を得る方法」をご確認ください。
自分たちが解放感を得られる広さの目安を簡単に知る方法はありますか?
人によってどの程度の高さ、広さだと開放的に感じるかは異なります。そのためモデルルームやオープンハウスに行き、実際に見て体感することが一番の近道です。
実は天井の高さではなく、暗くて狭い部屋が嫌なだけで高さは関係なかった、といったケースもあります。自分が本当はどういったものを求めているかは、イメージしているだけでは案外わかりにくいものなのです。
だからこそ、失敗しないためには現物を多く見て、どういったものがよく、どういったものが悪く感じたのかの共通点を把握することが大切です。手間で面倒だと感じても、多くの物件を見ることで、自分たちの理想とする住まいの条件が見えてきます。大きな失敗を回避するためにも、動いてみるのがおすすめです。
まとめ
マンションの天井高について、内容を再度確認しておきましょう。
- 中古物件だからといって必ずしも天井が低いわけではない
- 二重天井やフローリングの物件の場合は高さを確保できるケースがある
- 間取りの変更によっても開放感を得ることができる(ただしそれを想定した予算で物件を探す必要がある)
- 自分が開放感を得られる条件は自分たちにしかわからないので、多くの現物を見る
大きな失敗を回避するためにも、まずは情報収集することが大切です。ゼロリノベでは、天井高を高くしたい、開放感を出したいといったご希望をお聞きして、適切な物件を探すところから資金計画、リノベーションまでワンストップでサポートが可能です。
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