ロフトリノベーションの事例を6つ紹介!ロフトの増設や費用相場を解説
秘密基地のようなたたずまいが魅力的なロフト。「我が家にもあったらいいな」と考えている人も多いのではないでしょうか。
現在住んでいる部屋にはロフトはないけれど、リノベーション(リフォーム)をする際に検討したい場合は、ぜひ今回の記事でロフトのメリットや費用相場、施工例をチェックしてみてください。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
狭いマンションでもロフトのリノベーションはできるのか?
一戸建ての場合は部屋にそのまま増設したり、屋根裏スペースを活用してロフト空間を作れます。では、マンションはどうでしょうか?
天井まである程度の高さがあれば、ロフトを設置すること自体は可能です。しかし、増設の際は構造上の問題でロフトを支える柱を設置する必要があります。柱ができることによって必然的に床側のスペースが狭くなってしまったり、柱が邪魔になってしまうかもしれないことは考慮しておきましょう。
もちろんマンションの部屋の状況や構造によって工事方法は変わるので、まずはリノベーション・リフォーム会社などに工事内容を相談してみましょう。
リノベーションでロフトを増設するメリットとは?
ロフトをどう使うかは自分次第です。ここではロフトのある部屋の具体的なメリットを見てみましょう。
2-1.広い収納スペースを確保できる
ロフトは縦空間を有効的に活用できるため、純粋に収納スペースを増やすことができます。デッドスペースになりがちな空間を二分割できるため、同じ床面積でも収納量は倍になります。物置やWICとして活用できますし、床に収納家具を置くよりもすっきりとした印象を与えられます。
2-2.コスパ良く子ども部屋がつくれる
子ども部屋が欲しい場合、間取りを変更することなく部屋の数を増やせるロフトを増設するのも一つの手です。
大きめのロフトを増設して1つの部屋を上下2つの空間に分ければ、まるで秘密基地のような子ども部屋が2つ完成です。大人にとっては少し狭いと感じられるロフトも、育ち盛りの子どもにとってはちょうどよい高さ。よい遊び場になるでしょう。
そもそも20歳前後で巣立っていくケースが多いので、子ども部屋は10年くらいしか使わない場合がほとんどです。よって、子ども部屋はこれくらいが丁度よいのかもしれません。大きな子ども部屋を与えると、部屋から出なくなりコミュニケーションが取れなくなる可能性もあります。
また、子ども部屋を想定したロフトならリビングに設置することで家族の目が届くので安心感があります。
2-3.書斎・趣味部屋にも最適
自分だけの空間を確保したい人にもロフトは最適です。個室を増設するとなると、費用もスペースもそれなりに用意する必要がありますが、ロフトならそれらを比較的おさえられます。
また、ロフトを書斎や趣味の部屋などにして、家族の気配を感じつつも気兼ねなく仕事や趣味に取り組める空間があるのは、とても幸せですよね。
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リノベーションでロフトを増設する際の費用相場は?
ロフトを増設する場合のリノベーション費用は、50~100万円程度が相場と言われていますが、広さや工事内容によってかなり幅があります。
ロフトの基本工事として含まれる内容は、床施工・はしごや階段の取り付けなどで、内装工事や断熱工事などはオプション扱いとなるケースが一般的です。
しかし、ロフトは熱や空気がこもりやすいため、断熱工事や換気対策が必要になる場合も少なくありません。特に部屋として使用する場合は、これらの対策をきちんとしておく必要があります。
下記は断熱工事や換気工事の費用目安です。参考にしてみてください。
工事内容 | 返せる額(月返済) |
窓の取り付け | 5万円~10万円 |
換気扇の取り付け | 5万円~6万円 |
屋根断熱 | 2.5万円~4.5万円 |
天井断熱 | 2万円~4.5万円 |
リノベーションでロフトをつくった施工事例6選
マンションの一室をリノベーションする際に、平米数や部屋面積を十分に取りにくい場合でも、空間効率の良いロフトなら面積以上の空間の使い方ができるのでおすすめです。
また、メリットでご紹介したように、他とは違ったワクワク感を味わえるロフトは、子ども部屋や趣味部屋にしても楽しい空間です。実際にどのようなロフト事例があるのかを見て、参考にしてみてください。
4-1.【事例①】現在は収納場所、将来的には子どもの秘密基地に
一つ目は、ロフトの用途を子どもの成長過程に合わせて変化させる事例です。
子どもがまだ小さいうちは、自分の部屋が必要のないので現在は収納スペースとして使い、将来子どもが大きくなった際には、子ども部屋として活用する想定です。
ロフトの上段は寝室スペースとして使っています。
この事例を詳しく知りたい方はこちら
4-2.【事例②】上段で就寝して、下段は収納となる機能的なロフト
こちらは、53㎡に4人と3匹が暮らすため、限られたスペースを有効に活用しようとロフトを取り入れた事例です。
部屋の中央に位置するロフトの下段はファミリークローゼットになっており、上段は寝室スペースに。
収納スペースの通気性を踏まえて、ロフトに設けた開口は猫の通り道や子どもの遊び場にもなっているようです。ロフトの前面には黒板塗装をしたことで、家のアイコン的な存在になりました。
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4-3.【事例③】アスレチック仕様の子ども部屋
壁の向こう側には、左右にロフトがありそれぞれが子ども部屋になっています。
天井高2.8mのボルダリングを登って子ども部屋へと入れる面白い仕掛け。天井には、子どもたちがぶら下がれる鉄棒も付いており、アスレチック仕様のロフトに。
ロフトは造作で自由に作れるからこそ、こうした遊び心溢れる空間が実現できるのです。
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4-4.【事例④】子どもの想像力を豊かにするフリースペース
「いつもリビングで家族の気配が感じられるように」とリビングの一角にキッズスペースとしてのロフトを設けた事例。
白基調や丸型のアーチなど、子ども心をくすぐるデザインも魅力。転倒防止用の柵があるのも安心ですね。
娘さんと「今日はピクニック気分でおやつを食べようか」と言ってロフトの上に登ったりすることもあるのだそう。
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4-5.【事例⑤】戸建て気分になれる階段付きのロフトスペース
こちらもキッズスペースとしてロフトを造作した事例です。
子どもに個室が必要になったら上段をベッドとして使用できるロフトを設置。娘さんの「階段のある家に住みたい」という願いを叶えるため、はしごではなく階段を造作しました。
階段部分にも収納できるようになっており、上段は外から布団が見えないように壁を高くする工夫もされています。
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4-6.【事例⑥】時に収納スペース、時に就寝スペースとして
最後は、シンプルはロフトベッドを造作した事例です。
ロフト下のスペースを自由に使えるよう、あえて脚とベッドフレームだけで構成しています。
勉強机を置いてもよし、本棚を置いてもよし。
使い方自体も子どもに選んでもらう、そんな余白を残したロフトの活用例です。
この事例を詳しく知りたい方はこちら
ロフトを増設できないときはどうする?アイデアを紹介
ロフトを増設したくてもできないときはどうすればよいのでしょうか?空間を生み出すアイデアを3つ紹介します。
5-1.広い収納スペースをマルチ使いする
ウォークインクローゼットや他の広い収納スペースを用途を変えて兼用することは、ロフトを増設できないときに有効なアイデアです。例えば、ウォークインクローゼットの中にデスクを持ってくれば、プライバシーが保たれた個室の書斎に一瞬で変身。
1つの部屋で2つの役割を果たすことで、効率的に使えるだけでなく、将来的に使用しなくなったとしても無駄になることがありません。
5-2.間仕切りで空間を使い分ける
ロフトのようなコンパクトなプライベートスペースを作りたいなら、リビングを間仕切って使い分けることもおすすめです。普段はオープンにして広く使い、在宅勤務や趣味の時間には可動式の間仕切りを利用して個室化すればとても便利です。
例えば、可動式収納を間仕切りにすれば、収納力も確保しながら必要な時に空間を分けることができます。使わない時には壁付けに置けば壁面収納に早変わりします。
5-3.ロフトベッドを配置する
造作ロフトを作ることが難しい場合でも、市販のロフトベッドを利用すれば同じように縦に2つの空間を作り出せます。
組み立て式のロフトベッドなら移動や撤去も簡単で、ライフスタイルの変化にも対応しやすいでしょう。広さや耐荷重は限られていますが、マンションなどの貴重な床面積を活用するアイデアとしては有効です。
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ロフトの増設リノベーションでよくある注意点
とても魅力的なロフトですが、増設する際に注意しなければいけない点もいくつかあります。
6-1.法律上の制限がある場合も
建築基準法では、ロフトは「天井高1.4m以下、面積は下の階の2分の1未満まで」と定められています。
もし天井高1.4mを超えると、それはロフトではなく居室扱いになり、増築に分類されます。増築によって容積率(土地に対する建築物の延べ面積の割合)の基準を超えてしまうと建築基準法に違反することになるので、ロフトを作る際には高さと面積に注意が必要です。
6-2.利用方法を考えておく
ロフトを造る前に、しっかりと考えておきたいのがどのような目的で使うかです。収納場所として使いたいのか、子ども部屋や自分だけの趣味のスペースなどの部屋として使うのか、その用途によってデザインや工事の内容も変わってきます。
特に収納場所として使う場合にまず考えておきたいのは、ロフトに何を収納するのかということ。はしごの上り下りがありますから、重かったり、長さがある物は収納しにくく、想像していたよりも使い勝手が悪く感じられるかもしれません。収納した物をどの部屋で使うかも重要で、移動距離が長くなってしまうと、出し入れを面倒に感じることもあるでしょう。
また、「3.リノベーションでロフトを増設する際の費用相場は?」で解説したように、ロフトの特徴として、熱や空気がこもりやすいことが挙げられます。
部屋として利用するときは適切な断熱と換気工事が必要ですから、工事前に用途を定めておかなければなりません。収納場所として使う場合でも、湿気や高温に弱い物を置くのは避ける必要があります。後から「仕舞いたい物が仕舞えなかった」「部屋として使えなかった」ということがないようにしましょう。
6-3.通気性や断熱も考慮する
マンションは一般的に断熱性が高い作りになっているものの、高い位置にあるロフトは熱がこもりやすいため適切な対策が必要です。
たとえば最上階でロフトを作ると、天井からじわじわと熱が伝わってきて長時間過ごすには快適でなくなってしまう可能性もあります。
外気に面した天井や壁もしっかりと断熱処理を行い、外部の気温の変化が内部に伝わらないようにしましょう。さらに、室内から発生した熱気も高い場所に溜まってしまうため、ロフト内の換気やエアコンの配置にも注意が必要です。
ロフトのリノベーションに関するよくある質問
最後に、ロフトのリノベーションに関するよくある質問を2つ紹介します。
- 狭い部屋にロフトを作ることは可能?
- リビングにロフトを作ることは可能?
7-1.狭い部屋にロフトを作ることは可能?
狭い部屋やマンションでもロフトを作ることは可能です。
ロフトを作る際には、ある程度の天井の高さが必要なことに加えて、増設の際には構造上の配慮も必要になることから、ロフトの造作を検討している場合には、リノベーション・リフォーム会社などに工事内容を相談してみましょう。
もしロフトが作れないほど部屋が狭い場合は、既製品のロフトベッドの設置がおすすめです。ロフトベッドであれば下段に空間を作れるため、空間を有効活用できるでしょう。
7-2.リビングにロフトを作ることは可能?
リビングにロフトを作ることは可能です。
例えば、リビングの一角にキッズスペースとしてのロフトを作れば、家族同士のコミュニケーションが取りやすかったり、子どもの様子が見えやすいので安心です。
ただし、ロフトを作ることによってリビング自体は広さが変わってくるため、全体のバランスを見て検討するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
リノベーション(リフォーム)でロフトを造る際にはいくつか考えておくべき点がありますが、ちょっとした収納場所として、またはまだ小さな子どもの子ども部屋として、個室とは一味違った魅力がありますよね。
リノベーション(リフォーム)でロフトを検討されている場合には、ぜひ本記事の内容を参考にしていただけたら幸いです。
また、ロフトだけではなくリノベーションではあらゆるものを一から作ることが可能です。
部分的にリフォームするよりも結果的に工事費用が抑えられるため、部屋全体をリノベーションするフルリノベーションもぜひ検討してみてください。
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