中古マンションの値引き交渉の相場・コツ・失敗例まとめ
ご訪問ありがとうございます。いえろは編集部です。
中古マンションの購入を検討している人にとって、購入価格は大きな判断基準です。
もし値引きできるなら、もちろん値引きしたいと思うはず。しかし、値引き額の相場や値引きすべきタイミングについて何も知らずに交渉すると、購入そのものができなくなる可能性もあります。
今回は、中古マンション購入時の値引き額の相場や失敗例、値引きするときのコツまで解説します。この記事を読んで、価格交渉の戦略に役立ててください。
また、その一方で、本記事の最後は値引き交渉をするよりも大切な住まい購入の考え方についても触れていますので、ぜひ参考にしてほしいと思います。
中古マンションの値引きの相場・平均は?
よく見られるのは、10万円台の端数分を値引いた価格です。
物件価格が2,850万円なら、50万円を値引いて、2,800万円にするという具合です。1,890万円が1,800万円になるといったこともあります。端数といっても100万円近く安くなることがあるとすれば、かなりうれしい額です。
しかし、実は中古マンションの価格は、値切りを見込んであらかじめ高い価格設定にしている場合があります。つまり、周辺エリアの相場よりも、若干高い可能性があるということです。
そこで重要なのは、値引き交渉をするに先立って、マンションの購入予定エリアの価格相場を調べておくことです。逆に言えば、エリアの価格相場より高い場合は差額分を値引きできる可能性が高くなります。
また、中古マンションの場合は修繕やリフォームが必要になることがありますが、その必要額を値引き対象としてくれる場合もあります。相場は約3~5%として考えておくと良いでしょう。
他にも、不動産会社が買主と売主の双方から手数料を得られる場合は、仲介手数料を値引きしてくれることがあります。仲介手数料そのものに下限はありませんが、上限はおおよそ物件価格の3%前後が一般的です。
大幅な値引きで失敗する具体例
さて、安くなるものなら安くしたいというのは人の心理ですが、値引きを持ちかけることによってマンション購入に失敗する可能性もあります。ここではそんな具体例をご紹介しましょう。
よく見られるのが、大幅な値引き額を提示して、売主の心証を損なってしまうパターンです。
自分が売り主になった立場で考えてみればよくわかることで、自分の大切な家を売るのに、初めから大きく値切ってくるような相手とは取り引したくありませんよね。値下げを提示するなら、相手が気を悪くしない明確な理由を作った上で、相場の範囲内に収めておくべきです。
ただ値引き交渉に失敗するだけなら良いのですが、特に気をつけたいのは、エリアの相場よりも安いマンションに対する価格交渉です。相場より安くてもその他の条件が良いマンションは、他にも狙っている人がたくさんいると考えられます。
もともと相場よりも低価格なのに、なんとしても値引きたいと欲を出して値引き交渉をした結果、満額で申し込んだ他の購入候補者に物件を取られてしまう可能性があるのです。家を買えないのでは、本末転倒になってしまいます。
また、大前提として、中古マンションの売買において売主と買主は対等な立場にあります。特に中古マンションの売り主は個人であることが多いので、それを忘れて買主が横柄な態度を取ってしまうと、たとえそれが相場の範囲内であっても、売主も心理的に交渉に対して前向きに考えられなくなってしまいます。
中古マンションの値引き交渉をするタイミングとコツ
通常、値引き交渉は住宅ローンの事前審査と本審査の間の過程である買い付け・購入申し込みの際に申し入れることになります。
このとき、事前審査に受かっている方が相手に対して有利です。「事前審査に受かっているなら購入も問題ない可能性が高いだろう」と思ってもらえるからです。
交渉自体は買主が売主に直接持ちかけるのではなく、仲介をしている業者が行うため、担当者にいくら値引いて欲しいかを伝えます。この時のコツは、「リフォームが必要なところがあるため、その分を値引いて欲しい」など、値引き額と一緒に明確な理由を伝えることです。
失敗例でもお伝えしたとおり、理由もなく大幅な値下げを持ちかけるのはNGです。値下げは言ったもの勝ちではないので、適切なタイミングと節度ある提示額で戦略的に値引き交渉を行いましょう。
大幅に値引きできる物件の特徴とリスク
では、大幅値引きしてらえる物件は無いのかと言えば、そうではありません。通常の相場以上の値引き価格で売ってくれるという売主も存在します。
例えば売主の事情によって売却を急いでいる場合は、値引きにも応じてもらいやすくなります。急な転勤で一刻も早く家を売って新居の頭金にしたい、といった場合などが該当します。
他にも、不動産会社が物件を買い取り、リフォームなどをしてから販売している再販物件と呼ばれる物件は、売主が個人ではなく業者です。そのため、物件の売れ行きによっては値引きにも応じてもらえます。売れ残ってしまうよりは売り切ってしまいたいという業者側の気持ちが働くからです。
個人でも業者でも、売り急いでいるかどうかを見極める1つの目安は、売り出し開始からの期間です。3ヶ月経過しても売れない物件は、価格の見直しなどが検討されるため、値引きに応じてくれる可能性も高いのです。
ただ、もし大幅な値引きに応じてくれる売主が現れても、すぐに話には乗らず一度立ち止まって考えてみるのをおすすめします。
相手の事情で安くても売りたいのなら単なるお買い得物件のように思えるかもしれませんが、売りに出してすぐに売れないということは、同じエリアの物件に比べると条件が悪いということでもあります。
物件が自分の要望にマッチしているのかどうか、しっかりと確認しておく必要があります。
値引きできるから購入する、は危険
値引き交渉をする前に心に留めておきたいのが、価格よりも住みやすさや周辺環境などの条件を優先することです。これらの条件を二の次にして大幅な値引きに成功したとしても、住んでから後悔する要因になりかねません。
マンションは購入してからが始まりです。購入時は安く手に入って満足できても、周辺環境やマンションの設備に不満があるような住み心地の悪い家は、長期的に見て幸せな選択ではありません。
また、将来的にマンションを売ろうと思った時に購入時から大きな値崩れなく売却できるかどうかも同時に考えておきたいところです。マンションを資産という観点から捉え、今だけでなくこれから先も価格が落ちない物件を選ぶ視点も必要なのです。
まとめ
中古マンションは買い付け時に値引き交渉を行うことができますが、節度を持って臨む必要があります。
大幅な値下げを特に理由もなく提示しても、売主の心証を損ない、結局他の買主に売却されたり交渉に応じてもらえなかったりする可能性があるからです。
値下げ価格は10万円台の端数分か、物件価格の3~5%が基本とされています。これより大幅な値下げを申し込むのは避けましょう。逆に大幅な値下げに応じてもらえる場合は、物件そのものに自分が求める条件面で劣るところがないか確認が重要です。
これから長く住む住居なので、「値引きできるから購入する」という安易な考えは禁物です。住み心地と資産性の観点もしっかり考慮して、後悔しない買い物をしましょう。