ダクトレール照明は天井に取り付けたレールに好みの照明を設置した照明器具。種類や取り付け方、選ぶ際の5つのポイント、メリット・デメリットを解説。
ダクトレール照明とは、天井に取り付けたレールに好みの照明を設置した照明器具です。ダクトレールは複数の照明を取り付けることが可能で、設置する場所の広さに合わせて個数を変えたり、好みのデザインの照明を使い分けたりして楽しめるのが特徴です。
よくあるご質問
ダクトレールにはどんな種類がありますか?
ダクトレールは危険ですか?
ダクトレールは電気が流れているため、触れると感電する危険性があります。普段は触れることが少ないですが、ほこりなどを掃除する際には注意が必要です。
ダクトレールと照明を別々に購入しても電気はつきますか?
ダクトレールと照明が別のメーカーの商品でも取り付け可能で、電気も正常に点灯します。ただし国内のダクトレールと照明に限るので、海外製品の場合はダクトレールの規格や電圧が異なり、取り付けられない・電気がつかないないという場合があります。確実に使用するためには、国内製品の購入をおすすめします。
照明の種類を取り替えても電気はつきますか?
例えば、スポットライトからペンダントライトやシーリングライトなど、他の種類の照明に取り替えても問題なく使うことができます。そのため、気分や季節に合わせて照明を変えて楽しむことができるのもダクトレール照明の魅力の一つです。
ダクトレールに何個でも照明を取り付けられますか?
ダクトレール1本の容量によって、取り付けられる照明の個数が異なります。例えば、ダクトレールの負荷容量が600Wまでと記載されている場合は、100Wの電球が6個取り付けられる計算になります。規定以上の照明を付けると故障や電気事故の原因になるので、必ずダクトレールの「負荷容量」の項目を確認してください。
照明の個数が多いと電気代は高くなりますか?
照明の個数によって電気代が高くなることはありません。電気代は照明の消費電力であるワット数(W)で決まります。例えば、1つ100Wの照明で部屋を明るくするのと、1つ25Wの照明を4つ使う場合とでは同じ消費電力になります。消費電力が100Wの照明の1時間あたりの電気代は以下の計算式で求められます。
電気料金が気になる場合は、使用する電球のワット数を確認してから照明の個数を検討してみてください。
ダクトレール照明とは
冒頭で説明したように、ダクトレール照明とは天井に取り付けたレールに好みの照明を設置した照明器具で、取り入れれば空間をおしゃれに演出してくれるため人気があります。
ダクトレールは、複数のライトを取り付けることができる棒状の形をしたレール部材を指し、「ライティングレール」や「配線ダクトレール」とも言います。
ダクトレールの内側全体には電流が通っているので、好きな位置に照明を移動させて取り付けることができるのが特徴です。また、ダクトレール部材は好みの長さを選べるため、リビングの広さやダイニングテーブルの長さに合わせて配置することができます。
レールの形は直線だけでなく「コの字・L字・十字・四角型」などがあり、取り付けたい照明の雰囲気や、取り付けるスペースにあった形を選ぶことができます。基本的には規格サイズが統一化されているため、メーカー違いのレール用照明でも取り付け可能です。
ただし、レール専用の照明を選択する点に気を付けましょう。
ダクトレールに取り付けられる照明の種類と特徴
先ほど、ダクトレールに取り付けられる照明には専用の商品を選ぶ必要があるとお伝えしましたが、照明の種類は大きく分けて3つあります。
- スポットライト
- ペンダントライト
- シーリングライト
それぞれの照明の特徴や、おすすめの設置場所について説明していきます。
2-1.スポットライト
スポットライトとは、照らしたい場所に向かってピンポイントに光をあてることができる照明です。
一点に集中して光をあてることで、特定の場所や物を際立たせられるのが特徴です。
またスポットライトの光が家具やオブジェの影を作るのも魅力の一つ。光と影のコントラストによって部屋に立体感と奥行きが生まれ、空間にメリハリができます。
さらにスポットライトは光の方向を変えることができるので、天井や壁に向けて設置すれば光が大きく広がり、空間の広がりや開放感も演出することができるのです。
一方で、スポットライトは局所的に光を当てるため、部屋全体を明るくするためのメイン照明としては不向きです。料理やパソコンを使った作業など、視界や手元を照らしたいシーンでの利用をおすすめします。
2-2.ペンダントライト
ペンダントライトとは天井から吊り下げるタイプの照明で、デザインの種類が豊富なことから部屋の雰囲気に合わせたものを選びやすいのが特徴です。
シャンデリアのようなタイプからアンティーク・レトロ調のもの、モダンなデザインまで好みに合わせて選ぶことができるので、ペンダントライトはイメージに合った空間を作りやすい照明と言えるでしょう。
しかし、ペンダントライトは天井から垂らす分、床との距離が短くなり光が届く範囲は他の照明に比べて狭くなります。そのため、スポットライト同様メイン照明としては不向きです。
2-3.シーリングライト
シーリングライトとは、光の照らす範囲が広く、部屋全体を明るくできるのが特徴です。主に、部屋の明るさを確保するためのメイン照明として使用します。ペンダントライトと異なり照明自体に長さがないため、天井がすっきり見えるというメリットも。
ただし、シーリングライトは光の方向を変えることができないので、部屋に仕切りがある場合や死角となる場所には間接照明を設置して暗さを補う必要があります。
また、シーリングライトは他の照明に比べてデザイン性の幅には限りがあるため、部屋全体の明るさを最優先でしっかりと確保したいという人におすすめの照明です。
ダクトレールの種類と取り付け方
次にダクトレールの種類について紹介します。ダクトレールは主に3つのタイプに分けられ、それぞれ取り付け方が異なるため事前に確認しておきましょう
3-1.直付けタイプ
ダクトレールを、直接天井にネジで固定して取り付けるタイプで、好きな場所に設置できるのが特徴です。
ただし、天井にネジ穴を開ける取り付け工事と、ダクトレールに電源を供給するための電源工事が必要となります。
直付けタイプのダクトレールは、リノベーションなどで工事ができる人におすすめの種類です。
3-2.引っ掛けシーリングタイプ
引っ掛けシーリングタイプはダクトレールを、天井の照明を取り付けるシーリング部分に引っ掛けるタイプなので、取り付け工事や電源工事は不要です。
自分で取り付けることができるので、天井にダクトレールを取り付ける工事ができない人や、手軽に模様替えを楽しみたい人におすすめです。
ただし、シーリングが元々ある場所にしか設置できないので、こだわりたい場所にダクトレールペンダントライトを設置できないこともあります。
3-3.埋め込みタイプ
ダクトレールを天井に埋め込むタイプなので、天井がすっきりとして圧迫感がないのが特徴です。
ただし後付けはできないので、リノベーションやリフォームを行う時など、大掛かりな工事を行う場合に取り付けるのがおすすめです。
埋め込みタイプのダクトレールを設置する費用は、施工会社によって異なるので見積もりをもらって確認しましょう。
各ダクトレールの詳しい取り付け方や工事費用についてはダクトレール工事のこちらの記事を参考にしてください。
ダクトレール照明を選ぶ際の5つのポイント
ダクトレール照明を好みだけで購入すると、「全体のバランスが悪かった」「部屋が暗い」といった失敗につながってしまうことも。
後悔なくおしゃれな部屋を実現するためにも、ダクトレール照明を選ぶ際には、これから紹介する5つのポイントを確認しましょう。
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
4-1.ダクトレールの種類
ダクトレールには3種類のタイプがあることは、上述した通りです。自分で取り付けられるもの、取り付け業者に依頼すべきものなど種類によって異なります。
なお、ゼロリノベでは3つの種類のどのタイプでも施工実績があります。ダクトレールの工事費用などについてはこちらの関連記事も参考にしてください。
4-2.ダクトレールの長さ
ダクトレールが長すぎたり短かすぎたりすると、部屋全体のバランスが悪くなるので長さは重要です。
ダクトレールが見えない埋め込みタイプの場合はレールの長さは気になりませんが、その他のタイプは、配置場所によって長さにも気を配りましょう。
ダイニングテーブルやキッチンカウンターの真上にダクトレールを取り付ける場合、家具やカウンターの2/3くらいの長さだとバランスがとりやすくなります。
例えば、140cm程度の4人掛けテーブルの場合は、90cm〜1mくらいのダクトレールの長さがおすすめです。
4-3.照明の個数
ダクトレールはものによって、一本あたりに取り付けられる照明の個数が異なります。
例えば、ダクトレールの負荷容量が600Wまでと記載されている場合は、100Wの電球が6個取り付けられる計算です。
規定以上の照明を付けてしまうと、故障や電気事故の原因になるので十分に注意してください。
また1本のダクトレールが耐えられる重量もそれぞれ異なるので、購入前に取り付けられる照明の個数と重量を確認しておくことが大切です。
4-4.照明の明るさ
照明の明るさを紹介する前に、まずはメイン照明にどれくらいの明るさが必要かを部屋のサイズごとにみていきましょう。
ちなみに、電球のパッケージに表示されているワット数は消費電力なので、電球の明るさを確認する時は、「ルーメン(lm)」と表示されている部分をチェックしてください。
スポットライトの場合
例えば、1つ400lmのスポットライトを6畳の部屋にメイン照明として使用する場合、以下のような計算式で必要な個数を算出することができます。
ペンダントライトの場合
ペンダントライトはダイニングテーブルやキッチンカウンターなど、補助照明として設置することが多いかと思います。
目線に近いペンダントライトでは、上記の明るさでは眩しく感じてしまうので、「485lm・810lm・1520lm」の範囲内で十分明るさを確保することができます。
上記でご紹介したのはほんの一例です。
一般的には、リラックスして過ごしたい空間では明るさを抑えたペンダントライト。勉強や読書、仕事をするときには文字がはっきりと読み取れる明るさのスポットライトが通例ですが、実際には、お部屋での過ごし方によって必要な明るさに個人差があるため、ご自身のライフスタイルに合わせて選んでみましょう。
4-5.照明の色合い
照明の光の色合いで空間の雰囲気が決まるので、おしゃれな部屋作りには光の色合いにもこだわるのがポイント。
電球の色は大きく分けて3種類あり、画像の左側の赤みがかった色が「電球色」・右側の青みがかった色が「昼白色」・真ん中あたりの色が「温白色」です。
ダクトレール照明を取り付ける場所で、どのような生活をするのか・どのような空間にしたいのかということをイメージして選びましょう。
ダクトレール照明の3つのメリット
ここまで紹介してきたダクトレール照明ですが、改めてメリットを整理してみましょう。次の3つが挙げられます。
- おしゃれな空間が簡単に作れる
- 部屋の模様替えがしやすい
- 天井がすっきり見える
各メリットの内容を確認して、ダクトレール照明を取り付けるか判断するときの参考にしてみてください。
5-1.おしゃれな空間が簡単に作れる
ダクトレール照明の最大のメリットは、取り付けるだけで誰でも簡単におしゃれな部屋作りができることです。
シンプルな色合いの家具でも、ダクトレール照明があることでインテリアのアクセントや、空間への特別感を演出することができます。
「どんな照明を選べば良いか分からない」という人は、照明の色を家具の色に合わせると統一感が出るのでおすすめです。
5-2.部屋の模様替えがしやすい
気分や季節に合わせて、室内の模様替えを行うことがあるかと思います。中でも照明はインテリアの重要なアイテムであるため、気軽に取り替えできると嬉しいですよね。
そんな時ダクトレールが天井に付いていると、照明の位置をダクトレールの範囲内で移動させたり、別の照明に取り替えることもできるので、模様替えの自由度が高まります。
ダクトレール上に照明が固定されている商品もありますが、模様替えのことも考えるとダクトレールと照明は別々になっているものがおすすめです。
5-3.天井がすっきり見える
1本のダクトレールに複数の照明を取りつけることができるので、天井がすっきりと見えるのもポイントです。
画像のように、ダクトレールと天井の色を合わせることでさらにすっきりとした印象になります。天井がすっきりとしていると、部屋が広く見えたり天井が高く見えたりする効果があります。
ダクトレールがないと、天井がごちゃごちゃしてしまうので、複数の照明を取り付けたい場合はダクトレールの設置をおすすめします。
ダクトレール照明の2つのデメリット
ダクトレール照明を取り付けた後に後悔しないよう、デメリットも確認しておくと安心です。主に次の2つが挙げられます。
- 掃除が大変
- メイン照明として不向きなものが多い
それぞれのデメリットを踏まえて、ダクトレール照明を取り入れるか検討してみてください。
6-1.掃除が大変
ダクトレール照明は天井に近い位置にあるので、掃除が難しいのがデメリットです。
画像のようにホコリがたまると天井から落ちてくることもあるので、日常的に掃除を行う必要があります。また、キッチンに近い場所に設置する場合は、照明に油が付着してホコリがこびり付きやすいので要注意です。掃除をさぼるとホコリを取るモップだけではきれいにならないので、本格的に掃除をしなくてはなりません。
これらのことから、ダクトレール照明は日常的に掃除をするのが苦手な人には不向きな照明です。
照明の手入れに手間をかけたくないという人は、埋め込み式のダウンライトやシーリングライトを検討してみましょう。
6-2.メイン照明として不向きなものが多い
ダクトレール照明を選ぶ人の多くが「おしゃれさ」を求めているため、販売されているダクトレール照明のほとんどが、スポットライトとペンダントライトの2種類です。
どちらの照明もメイン照明としては不向きなので、メイン照明であるシーリングライトの補助照明として使用するか、ダクトレールと照明の数を増やして明るさを確保する必要があります。
ただし、ダクトレールと照明をたくさん設置すると、天井がうるさくなってしまい、部屋のテイストに合わないこともあるかもしれません。
照明に実用性を求める場合は、ダクトレール照明ではなくダウンライトやシーリングライトがおすすめです。
まとめ
ダクトレールはスポットライトやペンダントライトなどを、複数個で取り付けられる便利な器具です。一般的なシーリングライトとは異なり、おしゃれな空間を演出してくれるため多くの方に選ばれています。
取り付けには工事が必要な場合があることから、リノベーションを検討している人にはぜひ、おすすめしたいアイテムです。
なおゼロリノベでは、ダクトレールを使ったプランニングや施工実績も多数。どのくらいの明るさが必要か、どんな器具との組み合わせがよいか、お部屋のスタイルに合わせてご提案しています。
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