リノベーション減築について徹底解説!事例や費用、おすすめな人
減築リノベーションとは、建物の改修を行う際に床面積を減らすことです。
機能性向上や間取り変更など、一般的なリノベーションとは異なるため、
「減築リノベーションはどんなことができるの?」
と気になっている人も多いのではないでしょうか。
実際に行われる減築リノベーションは、建物の一部を撤去したり、2階部分を撤去して平屋へ改修をしたりするケースが多いです。
部屋数が減る分、掃除やメンテナンスの負担が軽減できため、高齢者の方やコンパクトな生活を求める人に適したリノベーション方法です。
しかし、建物の状態や将来設計によっては、減築リノベーションよりも建て替えの方が向いているケースもあるため注意が必要です。
この記事では、減築リノベーションの事例や、減築リノベーションがおすすめな人をわかりやすく解説します。
<この記事でわかること>
- 減築リノベーションの事例
- 減築リノベーションの費用
- 減築リノベーションのメリット
- 減築リノベーションのデメリット
- 減築リノベーションがおすすめな人
- 減築リノベーションと建て替えで悩んだときの選ぶポイント
- 減築リノベーションを成功させるために知っておきたいこと
- 減築リノベーションの注意点
最後までこの記事を読むと、減築リノベーションがあなたにとって最適かどうかがわかります。
減築リノベーションを検討している人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
資料ダウンロード(無料)
住宅ローンに縛られず、趣味や旅行だって楽しみたい。自分のライフスタイルに合った間取りで豊かに、自由に暮らしたい。
そんな「大人を自由にする住まい」を叶えるためのヒントをまとめた資料集です。ぜひお役立てください。
家探し、家づくりに役立つ3つのガイドブック
- 余白ある住まいの買い方・つくり方
- はじめての中古購入+リノベ完全ガイド
- 失敗しない中古マンション 購入前のチェックリスト80
住宅ローンに縛られない「安心予算」の考え方から中古リノベの進め方、中古マンション選びのポイントまで目的別に3種類の資料をデジタルガイドブックでご用意。いずれも無料でダウンロードできます。
\セールスも一切なし/
【事例付き】減築リノベーションでできる3つのこと
冒頭でも触れたように、減築リノベーションとは改築によって建物の床面積を減らすことです。
減築リノベーションは、大きくわけて3つの改築が行えます。
<減築リノベーションに含まれる改修工事例>
- 建物の一部を撤去する
- 2階建てを平屋にする
- 2階建ての一部を撤去して吹き抜けをつくる
減築リノベーションをするときは、現在の自宅にどんな不満をもっているのか、減築後にスペースをどう使うのか考えなくてはいけません。
例えば、
「駐車スペースが少ないから、建物の1階・2階の一部を撤去し駐車場に作り変える」
「1階部分が暗いから、2階の一部を撤去して吹き抜けをつくる」
など、不満や減築後の活用方法によって、減築リノベーションにはいくつかのパターンが考えられます。
この章では、事例を交えながら減築リノベーションで行えることを紹介します。
1-1.建物の一部を撤去して新たなスペースとして活用する
建物の一部を撤去することで新たにスペースを確保し、これまでとはまったく別用途のスペースに作り変えられます。
- 1階を撤去してビルトインガレージにする
- 1階と2階の一部を撤去して、小さな庭でガーデニングをする
- 2階の一部を撤去してバルコニーを作り、天気のいい日にお茶をするスペースを作る
といったように、さまざまな活用方法が考えられます。
<建物を撤去したスペースの活用方法>
- 駐車場
- 庭
- バルコニー
- 子どもやペットの遊ぶスペース
- 物置小屋
上記にあげたスペースの活用方法は、ほんの一例です。
建物の一部を撤去する場合は、撤去した後どんな風にスペースを活用したいか考えてリノベーションを行いましょう。
1-2.2階建てを平屋にする
「子どもが自立して使用しない部屋が増えた」
「高齢のため掃除やメンテナンスが定期的に行えない」
と悩んでいる場合は、2階部分をすべて撤去して、平屋にリノベーションをするのがおすすめです。
2階建てを平屋にリノベーションをすると、階段から落下する危険性がないため、高齢者や小さな子どもも安心して暮らせます。
また、平屋へのリノベーションは2階部分の重量がなくなるため間取りの自由度が高く、耐震性にも優れていることも魅力。
地震の揺れに強く、倒壊する可能性が下げられるので、耐震面で不安を感じている場合も、平屋へのリノベーションがおすすめです。
ただし、平屋は水害が起きたときに逃げ場がないため、住宅が立地するエリアのハザードマップをよく調べておきましょう。
1-3.2階建ての一部分を撤去して吹き抜けをつくる
「日中でも日当たりが悪く困っている」
と悩んでいる場合は、2階の床を一部撤去して、吹き抜けをつくるのがおすすめです。
吹き抜けをつくると、2階部分の窓からの光を取り込むことができ、部屋の隅々まで日光を行き渡らせられるため、採光の悩みを解消できます。
また、天井が高くなるため、1階の広さは変わらなくても、空間的な開放感が得られるでしょう。
減築リノベーションにかかる費用
減築リノベーションの費用の目安は、1㎡あたり10万円〜15万円※です。
※検索上位10記事の平均値より算出
減築リノベーションの費用には、以下の費用が含まれます。
減築リノベーションは、解体費用・壁の補修費用・屋根の補修費用以外に、足場をかける費用が必要となる場合があります。
2階建ての撤去や外壁の壁の補修など、必要に応じて足場をかけなくてはいけません。
足場をかける場合は、別途20万円程度を目安に費用を見積もっておきましょう。
また、減築リノベーションの内容によって、1平方メートルあたりにかかる費用が異なります。
この章では、減築リノベーションの内容ごとに費用目安を紹介します。
2-1.建物の一部を撤去する場合の費用
建物の一部を撤去する場合、3つのケースが考えられます。
それぞれのケースによって、費用の目安が異なります。
2-1-1.【ケース1】1階と2階の一部を撤去する場合
1階と2階の一部を撤去する場合の費用目安は、1平方メートルあたり13万円です。
上記の費用には、解体費用・壁の補修費用・屋根の補修費用が含まれます。
たとえば、50平方メートルのフリースペースをつくる場合、
50平方メートル×2=100平方メートル
100平方メートル×13万円=1,300万円
上記のケースでは、1階と2階あわせて100平方メートルを減築することになります。
そのため、1階と2階の1部を撤去するためにかかる費用は1,300万円です。
減築にかかる費用は床面積で決まります。
1階と2階を減築する予定の場合は、1階と2階の床面積を足してから、費用の目安を計算しましょう。
2-1-2.【ケース2】2階もしくは1階の一部を撤去する場合
2階もしくは1階の一部を撤去する場合の費用目安は、1平方メートルあたり14万円です。
上記の費用には、解体費用・壁の補修費用・屋根の補修費用が含まれます。
たとえば、2階の50平方メートルを撤去して、バルコニーをつくるという場合、
50平方メートル×14万円=700万円
上記の場合にかかる撤去費用は、700万円です。
2階の一部を撤去する場合補修箇所が多くなるため、3つのケースで最も費用が高くなります。
2-1-3.【ケース3】平屋の一部を撤去する場合
平屋の一部を撤去する場合の費用目安は、1平方メートルあたり9万円です。
上記の費用には、解体費用・壁の補修費用・屋根の補修費用が含まれます。
たとえば、駐車スペースのために30平方メートルを撤去する場合、
30平方メートル×9万円=270万円
上記の場合にかかる撤去費用は、270万円です。
平屋の減築は2階部分の補修がないため、3つのケースで最も費用が安い傾向にあります。
2-2.2階建てを平屋にする場合の費用
2階建ての2階部分をすべて撤去して平屋にする場合の費用目安は、1平方メートルあたり10万円です。
たとえば、2階部分が50平方メートルあり、そのすべてを撤去する場合、
50平方メートル×2=500万円
上記のケースでは、2階を撤去するためにかかる費用は500万円です。
2階建てを平屋にする場合は、屋根を新たに設置しなくてはいけないため、解体費用と屋根の新設費が含まれています。
2-3.2階建ての一部分を撤去して吹き抜けをつくる場合の費用
2階建ての一部分を撤去して吹き抜けをつくる場合の費用目安は、100万円〜500万円です。
費用には、解体費用の他に床を補修する費用も含まれます。
また、吹き抜けをつくる場合は、内装工事のみで完了するため、外構工事や足場は必要ありません。
減築リノベーションをするメリット7つ
減築リノベーションは、住む人が快適に過ごせるよう、今の暮らしにあった環境に変えられることが魅力です。
建物の一部を撤去することで、掃除やメンテナンスの負担を軽減し、耐震性や防犯性を高められます。
また、建て替えと比べたとき減築リノベーションは工期が短いというメリットがあります。
減築リノベーションは建て替えに比べて、どのくらい工期が短いのか気になりますよね。
そこで、この章では上記のメリットを具体的に説明していきます。
3-1.建て替えに比べて工期が短い
減築リノベーションは建て替えに比べて、2か月〜5か月程度、工期が短い傾向にあります。
建て替えは施工期間に4か月〜8か月かかりますが、減築リノベーションの施工期間は2か月〜3か月です。
建て替えの場合、すでに建っている建物をすべて解体しなくてはいけないため、減築リノベーションに比べて長い施工期間を要します。
「長い間仮住まいをしなくない」
「なるべく早く工事を終わらせたい」
という場合は、工期が短い減築リノベーションを選びましょう。
3-2.建て替えに比べて費用が安くなる場合が多い
「自宅を減築リノベーションして住環境を整えたいが、費用が建て替えよりも高くなるというのは本当だろうか?」
と疑問に思っている人が多いのではないでしょうか。
実際、建て替えよりも減築リノベーションの方が、費用が安くすむ可能性が高いです。
たとえば、100平方メートルの2階建て住宅を平屋に建て替える場合と、平屋に減築リノベーションする場合、
100平方メートルの平屋を建て替える場合の費用相場は、1,750万円~2,250万円
平屋にリノベーションをする場合の費用相場は、1,000万円
建て替えの場合、新築の住宅を建てるのと費用は大きくかわりませんが、減築リノベーションの場合はそれよりも750万円〜1,250万円安く施工を依頼できます。
そのため、少しでも費用を安くしたいと考えている人は、建て替えよりも減築リノベーションがおすすめです。
3-3.掃除やメンテナンスの負担が軽減される
減築リノベーションを行うと家自体が小さくなるため、掃除やメンテナンスの負担を軽減できます。
住宅には外壁の塗装や壁紙の張替えなど、定期的にメンテナンスが必要です。
家自体が小さくなることで、メンテナンスが必要な面積も狭くなるため、メンテナンス費用を軽減できます。
また、居住スペースが狭くなるため、掃除の煩わしさも軽減されるでしょう。
3-4.光熱費が安くなる
減築リノベーションをすると、エアコン効率が向上するため、光熱費が削減できます。
広い部屋に小さいサイズのエアコンを付けると、エアコンの効きが悪くなることは有名ですよね。
もう1つエアコン効率が悪くなる原因に、家の表面積があります。
家の表面積が大きいほど外気からの影響を受けやすく、冷暖房の効きが悪くなってしまうのです。
そのため、減築リノベーションによって家の表面積が狭くなると、外気の影響が減るため、結果として光熱費削減につながります。
3-5.地震の際のダメージ軽減
減築リノベーションを行うと、耐震性の向上につながる可能性が高いです。
地震が起こると、建物の重量が重いほど大きな力で揺さぶられ、建物へのダメージが大きくなります。
減築によって建物が軽量化されると、揺さぶられるちからが小さくなるため、耐震性が向上するといえます。
3-6.防犯性が高まる
減築リノベーションをすると家全体に目が行き届くため、防犯性が高まります。
泥棒は、使われていない部屋や2階を侵入経路にする場合が多いため、該当する部屋がある場合は注意が必要です。
部屋数を減らすことで使っていない部屋を減らせるため、防犯性を高められます。
3-7.固定資産税が安くなる可能性がある
減築リノベーションを行うと、固定資産税が安くなるかもしれません。
固定資産税は、土地の面積や建物の床面積によって決定されるため、建物の床面積が狭くなる場合、固定資産税が安くなります。
減築リノベーションをするデメリット7つ
減築リノベーションのデメリットは、建て替えに比べて制約がある点です。
すでに建築済みの住居に改築を加えるため、建物の状態によっては間取りが自由に決められない可能性があります。
そのため、理想とする減築リノベーションが行えないかもしれません。
その他にも、減築リノベーションには以下のようなデメリットがあります。
減築リノベーションのデメリットを項目ごとに解説していきます。
4-1.建て替えに比べて制約がある
減築リノベーションは、建て替えに比べて自由度の低いことがデメリットです。
たとえば、建物の1階には、地震の力を分散させるために設置された耐力壁と呼ばれる壁があります。
耐力壁を減築リノベーションで撤去してしまうと、耐震性が低下し、地震に耐えられなくなるかもしれません。
また、構造上の問題で撤去できない梁や柱があるため、理想とする間取りにできない可能性があります。
同様に耐震性や耐久性の問題から、マンションのリノベーションでは減築が行えません。
4-2.建物の劣化が激しい場合は補修工事が必要
解体時に外壁や柱の劣化が激しいとわかった場合、耐震性に問題が生じるため補修工事を行わなくてはいけません。
たとえば、柱が一本腐食していたという場合、10,000円〜50,000円の補修費用がかかります。
基礎に劣化が生じている場合は、補修に100万円以上の費用が必要です。
建物が劣化したままの状態で減築リノベーションを行うと、地震に耐えられない可能性があるため、補修工事をおこないましょう。
4-3.施工費用が高くなる可能性がある
建物の劣化やシロアリ被害が発覚した場合、追加の工事が必要になります。
そのため、当初に予定していた施工費用よりも高くなるかもしれません。
先ほども述べたように、基礎に劣化が発生している場合は100万円以上の補修費用がかかります。
シロアリの被害が発覚した場合は、駆除工事に20万円〜30万円、防虫工事に19万円〜30万円かかります。
建物の劣化やシロアリ被害を放置してしまうと、地震による家屋倒壊の可能性があり大変危険です。
減築リノベーションの途中でこのような事態が発生したら、問題解消のための追加費用がかかります。
4-4.登記申請を行う必要がある
減築リノベーションを行ったら、減築の規模にかかわらず、床面積が変わる場合は登記申請を行わなくてはいけません。
工事後1か月いないに登記申請を行わないと、10万円以下の罰金が科せられるため、注意してください。
登記申請時に必要な書類は、以下の通りです。
建物の検査済証、確認済証や確認申請書副本は、多くの場合リノベーションを行う施工会社が用意してくれます。
所有者の住民票と固定資産税評価証明書は、お住まいの市町村役場の担当窓口で、登記事項証明書については法務局で取得しましょう。
必要書類を準備できたら、登記申請書に必要事項を記載し法務局へ提出します。
登記申請書は、法務局の「不動産登記の申請書様式について」の土地地目変更登記申請書様式から取得可能です。
また、登記申請、登記事項証明書の取得はオンラインからも行えます。
オンラインで行う場合は、登記・供託オンライン申請システム「ダウンロード(ソフトウェア・操作手引書)」の申請総合ソフトを利用しなくてはいけません。
操作手引き書に従って、操作を進めてください。
また、必要書類の取得や登記申請には費用がかかります。
必要書類の取得方法や申請方法によって異なりますが、5,000円〜10,000円程度見積もっておきましょう。
4-5.施工後に雨漏りする可能性がある
減築リノベーションを行った後、雨漏りする可能性があります。
減築リノベーションでは、外壁や既存の屋根の補修・新設を行います。
このときに防水工事をしっかり行わないと、雨漏りが起こるかもしれません。
雨漏りが起きると生活に支障がでてしまうため、事前に雨漏りが起きないよう対策をしておきたいですよね。
リノベーション後に雨漏りを起こさないためには、施工会社との打ち合わせのときに、防水工事が行われるか確認することが大切です。
4-6.仮住まいの準備をしなくてはいけない可能性がある
減築を行う規模や場所によっては、リノベーション中の仮住まいを用意しなくてはいけません。
減築工事は施工完了までに3か月前後かかるため、その分費用がかさみます。
マンスリーマンションで3ヶ月仮住まいをした場合、初期費用込みで30万円〜45万円程度必要です。
リノベーション会社によって、無料で仮住まいを用意してくれる場合もあるため、リノベーション会社を選定するときは、チェックしておきましょう。
4-7.収納できる場所が減る
減築リノベーションをすると収納スペースが少なくなるため、あらかじめ荷物の整理をしておきましょう。
荷物の整理をしておかないと、収納できない荷物が家の中にところ狭しと並んでいる状態で生活しなくてはいけません。
荷物の量があまりにも多いと、レンタル倉庫を借りる必要もでてきます。
ちなみに、レンタル倉庫の月額費用は、屋外設置のものが2,000円〜7,000円、屋内型のものが3,000円〜20,000円です。
積み重なると大きな出費となってしまうため、減築後の家に見合った荷物量に調整しましょう。
減築リノベーションがおすすめな人
減築リノベーションは、ライフスタイルの変化にあわせて、住環境を整えたい人におすすめです。
<減築リノベーションがおすすめな人>
- 子どもが自立したため家をコンパクトにしたい人
- 今後のメンテナンス負担を軽減したい人
- 自宅をバリアフリー化したい人
減築リノベーションをすると、ライフスタイルの変化にあわせて、快適な住環境に整えられます。
2階部分を撤去して平屋にする減築リノベーションでは、バリアフリー化もできるため、身体的不調に対応した住環境にも整えられることが魅力です。
ライフスタイルの変化によって自宅が広く不便に感じるようになったら、減築リノベーションを検討してみてください。
減築リノベーションと建て替えどちらにするかを決めるポイント
減築リノベーションを検討している人は、
「建て替えとどちらがいいか」
悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
減築リノベーションと建て替えで悩んだときは、家の状態や今後の人生設計によって決めることをおすすめします。
6-1.家の状態
減築リノベーションと建て替えで悩んだら、まずは家の状態を確認しましょう。
家の断熱性や耐震性に問題がなく、シロアリ被害がない場合は、減築リノベーションがおすすめです。
上記のような状態では、追加補修の心配がないため、建て替えよりも安くリノベーションが行えます。
反対に、建物の劣化が激しく、シロアリ被害が甚大な場合は、建て替えがおすすめです。
建物の劣化が激しい場合、耐震性に大きな問題を抱えているケースが多いため、補修工事に莫大な費用がかかります。
また、シロアリ被害が甚大な場合も、建物への影響が考えられるため建て替えをした方がいいでしょう。
家に劣化が少ない場合と劣化が激しい場合では、おすすめな方法が異なります。
減築リノベーションと建て替えで悩んでいる人は、家がどんな状態なのか見極めることが大切です。
6-2.今後の人生設計
今後の人生設計も、減築リノベーションと建て替えを選ぶポイントです。
今後長く同じ家に住み続ける場合や、2世帯住宅にする予定の場合は、建て替えすることをおすすめします。
長く住み続ける場合は、建て替えをした方がトータルしてかかるメンテナンス費用を抑えられる可能性が高いからです。
また、現行の建築基準法にあわせて建て替えることで、耐震性や断熱性の高い住まいに長く安心して住み続けることができます。
子どもが自立して、今後自分たちだけで生活する場合は、減築リノベーションがおすすめです。
減築リノベーションとあわせて、今後の生活設計にあわせたリノベーションを行うことで、生活の質を向上できます。
将来設計によって、減築リノベーションが適しているのか、建て替えが適しているのかがわかります。
減築リノベーションと建て替えで悩んだら、今後どのような生活を送りたいか考えてみてください。
6-3.予算
予算が潤沢か、不足しているのかでも、おすすめな方法は異なります。
極力予算を少なく見積もりたいという場合は、減築リノベーションがおすすめです。
減築リノベーションなら、建て替えに比べて750万円〜1,250万円安く施工を依頼できる可能性があります。
「費用は気にしないから自分や家族が気に入る家にしたい」
と考えている人は、建て替えをして好みのデザインや機能性を追求した方が、高い満足感を得られます。
自分の予算に応じて、どちらの方法を選択するか選んでみてください。
減築リノベーションを成功させるために知っておくべき3つのこと
減築リノベーションは、成功させるために知っておくべきことが3つあります。
減築リノベーションを成功させるために最も重要なことは、減築リノベーションの目的を考えることです。
減築リノベーションの目的を明確にすることで、理想のリノベーションが実現できます。
この章では、減築リノベーションを成功させるために知っておくべきことを3つ紹介します。
7-1.減築リノベーションの目的を明確にする
減築リノベーションを成功させるためには、なぜ減築を検討しているのか明確にしましょう。
減築リノベーションは、生活の質を向上させる目的で行われるリノベーションです。
目的を明確にすると、リノベーション完了時の満足度が高くなります。
たとえば、
「老後に向けた減築リフォームなら、ワンフロアで生活できるように、2階部分を減築する」
というように、減築を検討している理由によって、リノベーション内容が異なります。
生活の質を向上させられるように、自分や家族のライフスタイルに向き合い、減築リノベーションの目的を明確にしましょう。
7-2.インスペクションを行う
インスペクションとは建物状況調査・住宅診断のことです。
ホームインスペクションと呼ばれる住宅診断の専門家が、建物の劣化や欠陥の有無を診断し、修理のアドバイスをしてもらえます。
必要な改修や改修にかかる費用について相談できるため、リノベーションを行う前にインスペクションを行いましょう。
建物の劣化やシロアリの被害が解体後に見つかると、工事費用や工期が大幅に変更される可能性があります。
解体後に費用が変更されると、追加費用の準備を新たに行わなければいけません。
事前にインスペクションを受けていれば、解体後の予定変更を軽減できます。
7-3.補助金を受け取れる可能性がある
減築リノベーションを行うと、補助金を受け取れる可能性があります。
減築リノベーションで適用される可能性がある補助金は、以下の通りです。
<適用される可能性がある補助金>※2022年1月時点
- 耐震補強に関する補助金
- 介護・バリアフリーに関する補助金
- エコ・省エネ住宅に関する補助金
- 長期優良住宅に関する補助金
- 三世代同居対応に関する補助金
- 自治体からのリノベーション補助金
リノベーションで適用される補助金は、併用して利用できるものが多いです。
検討しているリノベーションの内容で、どの補助金が利用できるのかチェックしておきましょう。
◎リノベーションで受けられる補助金についてよりくわしくは、リノベーションの補助金について書かれたこちらの記事をご覧ください。
減築リノベーションをする際の注意点2つ
減築リノベーションをするとき注意する点が2つあります。
減築リノベーションを行う前には、しっかりとプランニングを行う必要があります。
プランニングとは、リノベーションの詳細なプランを決定していくことです。
プランニングが終わらないと、リノベーションの内容・予算・適用される補助金などを明確にできません。
この章では、減築リノベーションをするときの注意点をくわしく解説していきます。
8-1.複数のリノベーション会社に相談して比較する
減築リノベーションを行うときは、複数のリノベーション会社に相談することが大切です。
リノベーション会社によって、費用に差が出るため、3〜5社を目安にリノベーションの相談をして、比較・検討しましょう。
3社にリノベーションを相談すると、おおよその費用相場がわかります。
その結果、1社のみに相談するよりも費用を抑えられる可能性が高いです。
たとえば、
「A社では仮住まいを無料で手配してもらえるが、B社では自分で仮住まいを手配しなくてはいけない」
など、リノベーション会社によってサービスの内容も異なります。
そのため、複数のリノベーション会社にリノベーションを相談して、相場やサービス内容を把握しましょう。
8-2.リノベーションに取り掛かる前にしっかりプランニングを行う
プランニングでは、部屋の間取りや設備の仕様などを決定します。
また、減築と同時に間取り変更などをする場合、部屋の広さやどのように変更するのか、トイレなどの設備や、内装のデザインはどうするかといった、詳細までプランニングに含まれています。
プランニングが終わらないと予算や工事内容が決まらず、着工が遅くなってしまうため、希望や要望はある程度整理しておきましょう。
<プランニングを行うポイント>
- 希望や要望を整理しておく
- 予算を決めておく
- 優先順位を決めておく
減築リノベーションを行う前には、プランニングで理想のイメージを施工会社と共有することが大切です。
希望や要望を整理し、実現させたい優先順位を家族で話し合っておきましょう。
事前に家族で減築リノベーションのイメージを共有しておくと、スムーズにプランニングを進められます。
まとめ
この記事では、リノベーションでの減築内容や費用などについて解説しました。
<減築リノベーションの内容>
- 建物の一部を撤去する
- 2階建てを平屋にする
- 2階建ての一部を撤去して吹き抜けをつくる
減築リノベーションを検討している人の中には、建て替えと悩む人が多くいます。
建て替えと悩んだら、以下のポイントを元に決定しましょう。
<建て替えとどちらにするか決めるポイント>
- 家の状態
- 今後の人生設計
- 予算
減築リノベーションを行うことに決めたら、以下のことに注意しましょう。
<減築リノベーションの注意点やポイント>
- 複数のリノベーション会社に相談して比較する
- リノベーションに取り掛かる前にしっかりプランニングを行う
- 減築リノベーションの目的を明確にする必要がある
- インスペクションを行う
- 補助金を受け取れる可能性がある
減築リノベーションを行うときは、どんな目的があって減築を検討しているのか、明確にすることが大切です。
上記の点を踏まえて、理想の減築リノベーションを成功させましょう。