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漆喰リノベーション|事例付きで費用からメリットまで徹底解説

「漆喰を使ったリノベーションが人気と聞くけれど、具体的に何が良いのだろう?」と思ったことはありませんか。

漆喰は古くから日本で使われてきた自然素材で、夏の高温多湿や冬の低温乾燥の時期にも快適に過ごせると言われています。

具体的には、調湿や消臭効果などがあるほか、自然素材なのでシックハウス症候群といったアレルギー症状を引き起こす心配もありません。

本記事では、以下についてお伝えしていきます。

  • 漆喰リノベーションの特徴
  • 漆喰リノベーションの費用相場
  • 漆喰リノベーションのメリットやデメリット
  • 漆喰リノベーションの事例
  • 漆喰リノベーションをおすすめする人、しない人

記事後半では、漆喰リノベーション後のメンテナンス方法などについてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

目次

漆喰リノベーションの基礎知識

そもそも漆喰にはどのような特徴があるのでしょうか?また、特に漆喰リノベーションが向いている場所はあるのでしょうか?

以下で、ひとつずつ解説していきます。
1-1. 漆喰とは
漆喰の原料は消石灰で、それにのりや海藻を混ぜて、なめらかな質感になるように仕上げられています。古くから使われてきた歴史のある自然素材なので、化学物質過敏症などのアレルギーがある人にも優しい素材です。

漆喰を使った壁はツルツル、スベスベした手触りが特徴的で、触ると気持ちが良いと感じる人が多いです。また、手触り以外にも以下のような効果が期待できます。

  • 抗菌作用
  • 調湿効果
  • 消臭効果

また、漆喰の白い色は和室と洋室のどちらにもなじむのも特徴的です。

1-2. 漆喰リノベーションが行われる場所

漆喰は、以下のような場所でよく使われます。

  • リビング
  • トイレ
  • 玄関

リビングには人が集まり生活臭が発生しやすいですし、トイレや玄関などには臭いがこもりやすいため、消臭や抗菌効果を期待して漆喰が使われます。

漆喰リノベーションの施工事例

以下で、実際の施工事例をご紹介していきます。

2-1. 木素材の安心安全ハウス〈埼玉県〉67㎡

写真の事例は1987年に建てられた、約67平米の物件をリノベーション。
こだわりポイントは以下の通りです。

  • リビングダイニングを広々と使えるプラン
  • 畳の小上がりを作り、子どもたちが遊ぶスペースを確保
  • 小上がりの下には大容量の引き出し収納
  • リビングダイニングには、オーク材を使用

自然な感じの塗りっぱなし感や、陰影の雰囲気に惹かれて漆喰を採用したそうです。

リノベーションを希望している方へのアドバイスとしては、「図面だけではイメージしづらいので、リノベーションした家をたくさん見ておくといい」とのことでした。

詳しくはこちらをご覧ください。こだわりポイントやインタビュー内容などが詳しく掲載されています。

2-2. Self-made〈東京〉71㎡

写真の事例は、1985年に建てられた、約71平米の物件をリノベーション。
こだわりポイントは以下の通りです。

  • ライフスタイルの変化に適応できる間取り
  • 素材感のある無垢フローリング
  • 漆喰塗りはDIY施工
  • ガーデンを眺めながらくつろげるLDK

トイレと洗面所の造作カウンターなどにこだわりを盛り込んだため、予算内で漆喰塗りを依頼することが難しく、床や壁塗りはDIYで仕上げています。

リノベーションを希望している方へのアドバイスとしては、「新築とリノベーションのどちらが合っているのか、よく考えてから購入したほうが良い」とのことでした。

詳しくはこちらをご確認ください。

2-3. コンパクトリッチな家〈東京都〉47㎡

写真の事例は1970年に建てられた、約47平米の物件をリノベーション。
こだわりポイントは以下の通りです。

  • 空間を最大限に活かした間取り
  • ウォールナットの床と漆喰壁
  • 47㎡にも関わらず、広々としたリビングダイニングとお風呂

壁の部分に漆喰を採用しており、シンプルモダンな雰囲気のお部屋に仕上げました。

詳しくはこちらをご覧ください。リノベーション後の写真が多数掲載されています。

漆喰リノベーションの費用相場

漆喰を利用したリノベーションを行う場合、大きく分けて以下の費用がかかります。

壁の面積(㎡)によって、使用する漆喰の量や工期も変わってきます。

以下で、リノベーション会社に依頼した場合と、自分でDIYした場合の費用の違いを見てみましょう。

3-1. リノベーション会社に依頼した場合

リノベーション会社に依頼した場合、以下のような費用がかかります。

上記のように、会社に依頼した場合の費用相場は、4000~8000円/㎡と幅があります。

漆喰を塗る前に下地の補修が必要だったり、元々貼られていたクロスをはがす作業が必要だったりなど、状況に応じて作業量が変わるからです。

3-2. 自分でDIYする場合

自分でDIYする場合は、目安として以下のような費用がかかります。

上記のように、会社にリノベーションを依頼した場合と比べると、およそ1/3~1/4程度の費用に抑えられると考えておきましょう。

インターネットなどで漆喰や下地材を購入し、養生テープやコテなどの道具を揃える必要がありますが、職人さんに依頼する人件費が不要な分、コストを抑えられます。

注意点としては、きちんとした施工をしないと漆喰がひび割れてしまい、結局、に塗り直しを依頼しなくてはならなくなることを覚えておいてください。

漆喰リノベーションの5つのメリット

漆喰は見た目の雰囲気が良いことからリノベーションでも人気の素材ですが、見た目以外にも次のようなメリットがあります。

  • 調湿効果がある
  • 消臭効果がある
  • 抗菌作用がある
  • 防音や断熱効果が期待できる

以下で、ひとつずつ解説していきます。

4-1. 調湿効果がある

漆喰には湿度を調整する効果があるため、年間を通して過ごしやすい環境を作れると言われています。

調湿性が飛び抜けて高いというわけではありませんが、ジメジメした時期には湿気を吸い、冬の乾燥する時期には水分を放出することで湿度を調湿してくれるのです。湿気を吸収することから、カビが生えづらくなる効果も期待できます。

4-2. 消臭効果がある

漆喰には消臭効果もあるため、ペットやタバコ、食べ物の臭いなどが気になりにくくなります。

臭いの成分は空気中に溶け込んでいますが、漆喰が持つ強アルカリ性の性質によって吸収分解され臭いが消えたり、気にならなくなったりするのです。

このように、漆喰の消臭効果によってさまざまな臭いが気にならなくなることで、快適な生活環境を作ることができます。

4-3. 抗菌性が高い

漆喰は強アルカリ性のため、空気中を漂うさまざまなウイルスの働きを弱めたり、殺菌したりする作用があります。

感染症が流行している時期などは、漆喰の抗菌性の高さが安心感をもたらしてくれるかもしれません。

4-4. 防音や断熱効果が期待できる

漆喰は防音や断熱効果が期待できると言われています。

漆喰の主原料である消石灰に、多孔質と呼ばれる細かい穴がたくさん空いており、この穴が音の振動を吸収してくれるからです。また、消石灰は耐火性に優れているため、万が一の火災の場合でも火が燃え広がるリスクを下げることができます。

漆喰リノベーションの3つのデメリット

漆喰リノベーションには、上記で述べたように多くのメリットがありますが、反対に下記のようなデメリットがあることも知っておいてください。

以下で、ひとつずつ解説していきます。

5-1. 費用が高い

漆喰を使ったリノベーションは、一般的な壁紙を使う場合と比べると費用が高くなります。

  • 一般的な壁紙を使う場合の費用目安:1000〜1500円/㎡
  • 漆喰を使う場合の費用目安:4000〜8000円くらい/㎡

一般的な壁紙と異なり漆喰壁を施工できる職人が必要ということに加え、漆喰を複数回塗ったり乾燥させたりするために工期が長くなりがちなことが、費用がかかりやすい理由です。

費用に含まれるものは以下になります。

  • 材料費
  • 施工費
  • 人件費

漆喰の主原料である消石灰の価格が高めということも、費用がかかる理由となります。このように、結果として費用総額が高くなってしまうのがデメリットと言えるでしょう。

5-2. ヒビやキズができやすい

漆喰は固い素材のため、仕上げ方次第ではセーターに引っかかったり、子どもが擦りキズを作ってしまうなどのアクシデントが起こりがちです。

また、漆喰は空気中の水分の影響を受けやすいため、伸縮を繰り返しています。そのため、ほかの素材よりもヒビが入りやすい特徴があります。

5-3. 汚れが目立つ

漆喰はその白さが人気の自然素材ですが、その分汚れが目立ちやすいため、こまめなメンテナンスが必要です。

その都度汚れを落とす手間が面倒だと感じてしまう場合は、漆喰の白さが逆にデメリットとなってしまうかもしれません。

【タイプ別】漆喰のメンテナンス方法

ほかの素材と比べて汚れが目立ちやすい漆喰ですが、傷つきやすいので丁寧にメンテナンスしていきましょう。

以下で、ひとつずつ解説していきます。

6-1. 手垢などの軽い汚れ

生活していくうちに付きやすい手垢などの汚れについては、壁と同じ色の消しゴムでやさしく壁をこすって落としましょう。

もし、消しゴムでも汚れが落ちない場合は、メラミンスポンジを水にぬらして絞ったものを使ってみてください。

汚れを落とそうと力を込めてゴシゴシすると、壁を傷つけてしまうので注意が必要です。

6-2. 食べ物のシミやカビ

食べ物が付いた手で壁を触ったりすると、シミが付いてしまう場合があります。この場合は、重曹を使ってメンテナンスしましょう。

ティッシュを重曹水に浸し、壁をパックするように貼り付けます。そのまま数時間放置してください。その後ティッシュをはがして拭きとることで、壁に付いたシミ汚れがキレイになります。

また、カビが出てしまった場合は、キッチン用の漂白剤を5倍程度に薄めて吹き付けてください。しばらく放置したら、最後に水を吹き付けて漂白剤を落としたら完了です。

6-3. 浮きやひび割れ

浮きやひび割れが発生した場合には、再度漆喰を塗り直す必要があります。

ひび割れや浮きの程度によって、塗り直しが必要なのか重ね塗りで良いのか変わってきますが、塗り直しなどを依頼する場合は、おおよそ以下の費用が発生すると考えておいてください。

  • 3,500円~/㎡(重ね塗り)
  • 6,000円〜/㎡(塗り直し)

漆喰リノベーションがおすすめな人

ここまで、漆喰リノベーションのメリットやデメリットについてお伝えしてきましたが、漆喰リノベーションは以下のような人におすすめです。

昔から使われている自然素材のため、化学物質にアレルギーがあったり、小さい子どもがいて身体に負担の少ない素材を使いたい場合、漆喰はおすすめです。

漆喰リノベーションをおすすめしない人

反対に、以下に当てはまる場合は、漆喰リノベーションをおすすめしません。

漆喰リノベーションは費用が高めのため、予算が限られている方にはおすすめではありません。

また、漆喰は壁の汚れが目立ちやすいため、こまめに掃除が必要です。メンテナンスにあまり手間をかけたくない方は、漆喰以外の素材を選ぶことをおすすめします。

漆喰よりも低コストでリノベーションする方法

漆喰の見た目や効果に惹かれてリノベーションを希望しても、費用面で折り合いがつかないために漆喰を使えない。そのような場合には、より低コストでリノベーションする方法があります。

以下で、ひとつずつ解説していきます。

9-1. 漆喰風のクロスを利用する

クロスにはさまざまなデザインがありますが、その中から漆喰風のものを利用することで、リノベーション費用を抑えて漆喰のような見た目を作ることが可能です。

あくまでも「漆喰風」のため抗菌や消臭などの効果は期待できないと考えられていますが、最近では抗菌や消臭機能も加味したクロスも利用できるようになってきたため、多少の効果は期待できるかもしれません。

9-2. 珪藻土を利用する

漆喰と似たような効果が期待できるとして、リノベーションの際に比較検討されることが多い珪藻土は、漆喰よりも安価という特徴があります。

珪藻土は植物性プランクトンが化石化したもので、漆喰と同じく表面に無数の小さな穴が空いている多孔質で、主な特徴は以下の通りです。

  • 調湿効果がある
  • 消臭効果がある
  • 断熱効果がある
  • 防音効果がある

しかし、以下のように漆喰とは異なる点もあるので注意が必要です。

  • 手触りがザラっとしている(漆喰はツルツル)
  • コンクリート躯体に塗ると、気泡ができやすい
  • 壁の塗装素材としての歴史が浅い

まとめ

記事の内容はいかがでしたか?漆喰を用いたリノベーションについて理解が深まり、漆喰を選ぶかどうかの参考になったでしょうか。

自然素材である漆喰を用いると、調湿や抗菌、消臭効果が期待できるといったメリットがある反面、リノベーション費用が高くついてしまったり、こまめなメンテナンスが必要になるというデメリットもあります。

そのため、費用やメンテナンスの手間をあまりかけたくない場合は漆喰以外の素材も検討することをおすすめしますが、自然素材を活かしたさまざまな効果を期待したい場合は、漆喰がおすすめです。

本記事を参考にして、希望通りのリノベーションを実現できるよう願っています。

この記事の執筆
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

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