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Ⅱ型キッチンのメリットとデメリット|おすすめのリノベーション5事例

キッチンスペースに「ゆとりが欲しい!」というとき、選択肢のひとつになるのが「Ⅱ型キッチン」です。

Ⅱ型キッチンは、シンクエリアとコンロが二つに分かれて設置されるタイプで、壁付けと対面と二つ平行に並ぶことから「Ⅱ型」といわれます。

作業スペースも広く家事も効率的に進められるイメージがあり、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、Ⅱ型キッチンのメリット・デメリットや選ぶときに気を付けたいレイアウトのポイント、Ⅱ型キッチンを活かした充実のリノベーション事例を詳しくご紹介します。

Ⅱ型キッチンの特性を知り、イメージ通りのキッチンスタイル実現にお役立てください。

なお、その他のキッチンスタイルについて詳しく知りたい方は、Ⅰ型キッチンはこちらの記事を、L型キッチンはこちらの記事をお読みください。

目次

Ⅱ型キッチンのメリット

はじめに、Ⅱ型キッチンのメリットを確認していきます。

  • キッチン面積の調整がしやすい
  • 動線が短く作業がしやすい
  • 作業スペースが確保しやすい
  • 収納を整理しやすい

1-1.キッチン面積の調整がしやすい

Ⅱ型キッチンは、実は面積の調整がしやすいキッチンです。住宅で採用されるキッチンの定番といえば長さ255㎝のI型キッチンですが、間口が狭い場合には定番サイズのキッチンが設置できない場合があります。

Ⅱ型は基本的にコンロ側もシンク側もキッチンがコンパクトですから、限られたスペースでもゆとりあるキッチンが可能になります。

また、コンロ側とシンク側のキッチンそれぞれの長さを変えられるため、壁付けにする方を長くして、対面にする方を短くするなどさまざまな制約下の中でも、デザインも機能性もよい対面キッチンが叶えられるでしょう。

1-2.動線が短く作業がしやすい

一般的にキッチンの長さが短くなるⅡ型キッチンは、動線が短く最小限の動きで作業できます。

キッチンに立つとシンクとコンロが前と後ろに位置していますから、料理をするときは体の向きを変えるだけです。横移動が少なくなるため、料理中の負担が少なく済むのがポイントです。

1-3.作業スペースが確保しやすい

シンク側もコンロ側も作業スペースにゆとりがあるのが、大きなメリットのひとつです。調理中は野菜などの食材やボウルなどの調理器具を置いたり、盛り付けのためのお皿を並べたりと物を置くスペースが必要です。

調理カウンターが広いと、物を置くスペースを広く確保できるため料理も効率的に進めやすくなります。

1-4.収納を整理しやすい

キッチンの収納量が増えて、整理しやすい点もポイントです。シンク側、コンロ側とそれぞれのエリアでよく使うものを分けて収納することもできるため、収納しやすく取り出しやすい機能的なキッチン収納にできます。

収納力があると、キッチン周辺が整理整頓されて散らかりにくくなります。「キッチン小物があふれてどうにかしたい」という方でも片付きやすくなるでしょう。

Ⅱ型キッチンのデメリット

次に、Ⅱ型キッチンのデメリットを確認していきます。

  • 通路スペースが汚れやすい
  • 通路幅が狭いと作業しにくい
  • 体の向きを変えて作業する必要がある

2-1.通路スペースが汚れやすい

Ⅱ型キッチンはキッチンの通路スペースが汚れやすい傾向があります。シンクとコンロでの作業をする際に、水や料理の汁などが通路スペースにこぼれやすくなります。

掃除がしやすいように床をタイル素材などにするとお手入れは楽ですが、一般的なフローリング素材でも汚れたときにさっと拭き取れば問題ないため、それほど神経質になる必要はないでしょう。

2-2.通路幅が狭いと作業しにくい

ある程度の通路幅を確保しないと、狭くて作業がしにくくなる可能性があります。また、シンクとコンロの間は通路になるわけですが、広くしすぎても行き来するときの動きが増えてしまうため非効率になります。

一般的には、90㎝程度の幅があると1人~2人での作業に向いています。家族みんなでキッチンに立つ機会があるなら100㎝以上は確保したいですね。どの程度の通路幅なら動きやすいのか、事前にメジャーなどで通路幅を確認しシミュレーションすると安心です。

Ⅱ型キッチンは、基本的に設置するためのスペースを2箇所設けることになります。キッチンの横幅を調節することは可能ですが、キッチンエリアとしてはある程度のスペースが必要になりますので、どのようなリノベーションなら可能なのかプランを確認しながら進めることをおすすめします。

2-3.体の向きを変えて作業する必要がある

キッチンでの平行移動に慣れている場合、体の向きを変えて作業する動きに戸惑う可能性があります。

キッチンの使い方に慣れるまで少しだけ時間が必要かもしれませんが、どのタイプのキッチンが使いやすいかは、好みが分かれる部分でしょう。

Ⅱ型キッチンのレイアウトと選ぶ際ポイント

ここからは、Ⅱ型キッチンのレイアウトと選ぶときのポイントについてご紹介します。

3-1.3つのタイプからキッチンのレイアウトを決める

Ⅱ型キッチンには、主に次の3つのレイアウトがあります。

  • タイプ1:オープンタイプ
  • タイプ2:セミオープンタイプ
  • タイプ3:独立(クローズド)タイプ

それぞれ間取りでの配置やデザイン性を考える上で異なりますので、どのタイプのレイアウトが自分たちのイメージする使い方に合っているか、特徴や機能性の違いをよく理解して選ぶことが大切です。

[タイプ1]オープンタイプ

キッチンとダイニングの間には遮る壁がないタイプです。ワークトップがフルフラットになっています。開放感があり、食事を運ぶときや食後の後片づけもスムーズで機能的な点が特徴です。。

家族の様子が見えやすく、コミュニケーションが取れる点もポイントです。小さな子どもがいる家庭では、目が行き届き安心できます。

開放感が得られる分、キッチン内が見えやすかったり、調理中のニオイや煙がリビングやダイニングに流れてしまったりすることがあります。

[タイプ2]セミオープンタイプ

セミオープンタイプは、ダイニングとの間に吊戸棚があったり、手元が隠れるように壁で囲ったりするレイアウトです。キッチン内が丸見えになることを防ぐことができ、スッキリした印象を与える効果があります。

壁で囲われているとはいえ、ダイニングやリビングに対してはオープンですから家族とのコミュニケーションも取りやすくなります。

オープンなレイアウトですから、やはり調理中のニオイや煙はダイニングなどに流れやすくなる場合があります。

[タイプ3]独立(クローズド)タイプ

キッチンを他の部屋と分けて独立した場所にレイアウトするのが、独立(クローズド)タイプです。数十年前の住宅では、図のように独立したキッチンレイアウトが多く見かけられました。

キッチンが独立しているため、家事に集中することができることや、ニオイや煙などが他の部屋に流れていくことも避けられます。キッチンスペースにいろいろなものが出しっぱなしのとき、急な来客があっても気にする必要がありません。

独立していることで閉塞感や家事の孤独感があることや、家族の様子がわかりにくい場合があります。

3-2.冷蔵庫の配置を決める

キッチンを機能的に使うには、ワークトライアングルを意識した家事動線が大切です。ワークトライアングルとは、シンク・コンロ・冷蔵庫を線で結ぶことでできる3角形のことで、冷蔵庫の位置も重要な要素になります。

ワークトライアングルの3辺の距離の合計が510㎝に近いと作業しやすいとされており、Ⅱ型キッチンの場合は、冷蔵庫との距離感が使いやすいキッチンのポイントといえるでしょう。

もちろん、ワークトライアングルを意識するあまり、ほかの部屋に移動する動線が不便になってしまっては本末転倒です。キッチンエリアを含めた空間全体の家事動線を意識して計画することが大切です。

Ⅱ型キッチンのメリットを活かしたリノベーション事例5選

ここからは、Ⅱ型キッチンを取り入れたリノベーション事例をご紹介します。

1.Ⅱ型でつくるコンパクト対面キッチン

スクロールできます

コンロとシンクを分けたⅡ型レイアウトにより、横幅を抑えたペニンシュラ型対面キッチンを実現。ダイニングやリビングの空間を広く確保できました。

さらに、リノベーションでキッチンの向きを変えたことで、各部屋と自由につながる回遊性の高い住空間が生まれています。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

眺望と会話が広がる暮らし
リノベーション事例
CONCEPT

「視線を遮るものがない見晴らしの良さ」が決め手だったことから、眺望を活かすようにプランニング。水回りの位置を大胆に移動したことでLDKには開放感が生まれ、どこからでも眺望が楽しめるようになりました。シンプル空間の中のアクセントタイルや真鍮の照明がポイントです。

基本情報
建物タイプマンション
広さ66.57m²
築年月1995年07月
居住人数2人

※費用は引き渡し当時の金額です

2.壁付け+回遊できるコンパクト対面のⅡ型キッチン

スクロールできます

壁付け側は間口いっぱいに、対面側はコンパクトに設計したⅡ型レイアウトで、全体としてはゆとりのあるキッチンスペースに。

対面側は両側から出入りできるアイランド型のため、大人数での作業もスムーズ。

家族や友人とキッチンを囲んで楽しめる、使い勝手とデザインを兼ね備えた造作キッチンです。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

お料理好きな夫婦のためのキッチン
リノベーション事例
CONCEPT

正方形の部屋に夫婦2人が並んで作業できるⅡ型のキッチンを造作。お気に入りの食器を飾るように収納できるオープンな棚と、調理器具がたくさん入る隠す収納を両立しました。お風呂とバスルームを中心とした回遊動線は家事ラクポイントです。

基本情報
建物タイプマンション
広さ77.87m²
築年月1997年01月
居住人数2人

※費用は引き渡し当時の金額です

3.造作ダイニングテーブル付き、団らんⅡ型キッチン

スクロールできます

作業スペースにゆとりを持たせるため、対面式のⅡ型キッチンを採用。手元を程よく隠す高さの腰壁で、空間になじむデザインに仕上げています。

対面キッチンに造作ダイニングテーブルを組み合わせることで、家族が自然と集まる一体感のあるキッチン&ダイニングに。

食事から後片付けまでの動線もスムーズで、家事効率も高まります。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

風と光が抜けるリビングのある暮らし
リノベーション事例
CONCEPT

小学生のお子さん2人をもつご夫婦。あらかじめ子ども部屋を設けるのではなく、余白を残したプランニングを施しました。木のぬくもりが感じられるリビングダイニングには自然と家族が集まるように、対面式のキッチンはブルーのタイルでカフェのように仕上げました。

基本情報
建物タイプマンション
広さ66.4m²
築年月1986年05月
居住人数4人

※費用は引き渡し当時の金額です

4.手元を隠して空間になじむ、生活感ゼロのⅡ型キッチン

スクロールできます

家具のように空間に溶け込むⅡ型キッチン。作業スペースにゆとりを持たせつつ、落ち着いた色調の腰壁で手元を隠し、生活感を感じさせません。

家電やキッチン小物は壁面収納にまとめ、飾り棚も活用。

すっきりとした印象を保ちながら、インテリアに自然になじむキッチンエリアを実現しています。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

CAMP HOUSE
リノベーション事例
CONCEPT

施主様のリクエストは”土間のあるインダストリアルな空間”。アウトドア用品の収納やDIYができる空間として、玄関土間にアトリエを設けました。家族が増えても柔軟に対応できるゆとりを残した住まいに、施主様お手製のダイニングテーブルやテレビボードが並びます。

基本情報
建物タイプマンション
広さ72.8m²
築年月1981年01月
居住人数3人

※費用は引き渡し当時の金額です

5.独立感と回遊性を両立した、夫婦で使いやすいⅡ型キッチン

スクロールできます

1階の中心に据えた造作のⅡ型キッチンは、夫婦ふたりで立っても動線がぶつからず、効率よく作業できる理想のスタイル。

独立した空間ながら、リビングやワークスペースとも視線がつながり、家事中でも家族の様子を感じられます。

回遊性のあるレイアウトで、家事や育児の動きもスムーズ。理想のキッチンが完成し、料理がさらに楽しくなったそうです。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

キッチンを中心とした暮らし
リノベーション事例
CONCEPT

「木の温もりを感じるお家がいい」という施主様の要望から、木が印象的なあたたかみのある空間に。キッチン、リビング、ワークスペースは、家族の存在が感じられるように視線の繋がりを意識しました。リビングの一角には、ボックス型ソファのあるライブラリー設けました。

基本情報
建物タイプ戸建て
広さ88.6m²
築年月2004年09月
居住人数3人

※費用は引き渡し当時の金額です

まとめ

今回は、さまざまなレイアウトに対応しやすいⅡ型キッチンについて、メリットやデメリット、選ぶ際のポイントや使い勝手のよいリノベーション事例などをご紹介しました。

Ⅱ型は省スペースでも配置しやすいのがメリットです。コンパクトな横幅でもⅡ型にすることにより作業スペースは確保できます。

リフォームやリノベーションでキッチンエリアに制限がある場合などにおすすめです。ぜひ検討してみてください。

なお、ゼロリノベでは、暮らしのスタイルと物件の特性に併せたさまざまなキッチンを提案しています。

お部屋のイメージに合わせての造作キッチンも可能です。リノベーション事例も豊富にありますから、ぜひご相談ください。

また、住空間づくりのヒントが詰まったオンラインセミナーも毎週開催しております。ミュート&顔出しなしのセミナーなので、ぜひ自宅からお気軽に参加してみてくださいね。

この記事の執筆
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

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ゼロリノベ口コミ

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