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窓のリノベーションで住まいを快適に、補助金で賢く省エネ

目次

はじめに

住宅の省エネ性能を高める上で、窓やドアなどの開口部は最も重要な要素の一つです。一般的な住宅では、熱の出入りの約58%が窓から生じているとされており、窓の断熱性能を向上させることで、冬は暖かく、夏は涼しい快適な住環境を実現できるだけでなく、冷暖房費の削減にもつながります。

そのような背景から、環境省は「先進的窓リノベ2025事業」を開始しました。この事業は、既存住宅の窓やドアの断熱性能を向上させるリフォーム工事に対して補助金を交付するもので、令和6年度補正予算として1,350億円という大規模な予算が計上されています。

先進的窓リノベ2025事業の正式名称は「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」です。この事業は、既存住宅の早期の省エネ化を図り、エネルギー費用負担の軽減及び住まいの快適性の向上と、2030年度の家庭部門からのCO2排出量66%削減、「ウェルビーイング/高い生活の質」の実現に貢献することを目指しています。

さらに、先進的な断熱窓の導入を加速することで価格低減を促進し、関連産業の競争力強化・経済成長を実現し、くらし関連分野のGX(グリーントランスフォーメーション)を加速させることも目的としています。

この記事では、先進的窓リノベ2025事業の概要、補助対象となる方や住宅の条件、対象工事の種類、補助金額、申請期間、申請手続きの流れなど、窓リノベーションを検討している方に役立つ情報を詳しく解説します。補助金を活用して、住まいの断熱性能を向上させ、快適で省エネな住環境を手に入れるための参考にしていただければ幸いです。

補助対象者と条件

先進的窓リノベ2025事業の補助金を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。ここでは、補助対象となる方や住宅の条件、対象外となるケースについて詳しく解説します。

補助対象者の条件

先進的窓リノベ2025事業の補助対象者は「工事発注者」です。具体的には、以下の条件を満たす方が補助対象となります。

  1. 窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し、窓のリフォーム工事をする方
  • 「窓リノベ事業者」とは、補助対象者に代わり交付申請の手続きを行い、補助金の交付を受け、交付された補助金を補助対象者に還元するものとして事務局に登録された施工業者(工事請負業者)を指します。
  • 工事請負契約が締結されていない工事は補助対象になりません。
  • 窓リノベ事業者は、住宅省エネ2025キャンペーンの住宅省エネ支援事業者に登録し、本事業に参加を申請することで登録されます。
  1. 窓のリフォーム工事をする住宅の所有者等である方
  • 住宅の所有者等とは、以下のいずれかに該当する方です。
    • 住宅を所有する個人または法人
    • 住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人
    • 管理人
    • 集合住宅の管理組合・管理組合法人

なお、賃貸借関係がある場合でも、別の工事と同時にリフォーム工事を発注する場合は、工事請負契約がある場合に限り対象となります。

補助対象となる住宅の条件

本事業において補助対象となる住宅は、「人の居住の用に供する家屋」と定義されています。具体的には、以下の条件を満たす住宅が対象となります。

  1. 既存住宅であること
  • リフォーム工事の工事請負契約締結日において、建築から1年が経過した住宅または建築後に人が居住した住宅(現に人が居住している住宅を含む)が対象です。
  • 本事業において「建築」は、建築確認申請等の建築日とします。
  1. 所在地を問わず、建て方による区別がないこと
  • 戸建住宅(1つの住戸を有する建物)
  • 低層集合住宅(2つ以上の住戸を有する建物で、3階以下の建物)
  • 中高層集合住宅(4階以上の建物)
  • 地上3階建以下の集合住宅
  • 地上4階建以上の集合住宅

補助対象外となるケース

以下に該当する建物や居室の窓は、原則として補助対象となりません。

  1. 不動産登記法や固定資産の課税において、住宅以外の用途に分類される建物
  • 例:事務所、店舗、工場、倉庫など
  1. (1が住宅であっても)現に住宅以外の用途に使用されている居室や部屋
  • 例:店舗や事務所として使用されている部分

また、先進的窓リノベ事業(令和4年度補正予算第2号)および先進的窓リノベ2024事業(令和5年度補正予算)において、補助金の交付を受けた開口部に係る事業は、本事業の補助対象外となります。これは、補助金の返還を行った場合も含まれます。

子育てグリーン住宅支援事業との関係

本事業の対象製品はすべて、子育てグリーン住宅支援事業においても補助対象となります。また、子育てグリーン住宅支援事業の対象製品は、本事業でも一部補助対象になります。製品の性能等に応じて、両事業を併用することができます(同一の工事請負契約および工期でも可)。

ただし、両事業の補助対象である窓(ガラス)・ドアであっても、一つの窓が両事業でそれぞれ補助を受けることはできません。また、同一開口部に複数の補助対象である窓(ガラス)・ドアを設置しても、両事業を通じていずれか一つの窓のみ補助を申請できます。

万一、子育てグリーン住宅支援事業と重複申請を行っていた場合、理由の如何によらず、本事業の交付申請を無効とし、交付決定の取り消しおよび返金等の措置をとる場合がありますので、十分注意が必要です。

補助対象となる工事

先進的窓リノベ2025事業では、既存住宅の開口部の断熱性能を向上させるリフォーム工事が補助対象となります。ここでは、補助対象となる工事の種類と内容について詳しく解説します。

対象となる工事の種類

本事業で補助対象となる工事は、以下の6種類です。

  1. ガラス交換
  • 既存窓のガラスのみを取り外し、既存サッシをそのまま利用して、複層ガラス等に交換する工事
  • 障子枠(ガラス+フレーム)のみを交換し、枠を交換しない、または新たに設置しない工事も、ガラス交換として取り扱われます
  1. 内窓設置
  • 既存の窓の内側に新たな窓を取り付ける工事
  • 外気側に既存の窓があり、それ以外の窓を室内側に交換する工事
  1. 外窓交換(カバー工法)
  • 既存窓について枠を残して取り除き、既存枠の上から新たな枠を取り付け、窓を交換する工事
  1. 外窓交換(はつり工法)
  • 既存窓のガラスおよび枠体を取り外し、新たな枠体を取り付け、窓を交換する工事
  1. ドア交換(カバー工法)
  • 既存ドアについて枠を残して取り除き、既存枠の上から新たな枠を取り付け、ドアを交換する工事
  1. ドア交換(はつり工法)
  • 既存ドアを枠ごと取り外し、新たな枠を取り付け、ドアを交換する工事

※「ドア」とは、住宅の外皮部分にある開口部に設置する建具のうち、屋外から施錠できる建具を指します。

※「ドア交換(ドアに対する内窓設置を含む)」については、他の窓の工事と同一の契約であり、同時に申請する場合のみ、本事業の補助対象となります。

補助対象外となる工事例

以下に該当する工事は、補助の対象外となります。

  • 補助事業者に登録されていない事業者が施工した工事
  • 外気に面していない窓(ガラス)およびドアの交換工事(玄関の内側に面している集合住宅のドア交換等)
  • ドア板の一部を構成するガラスを交換する工事
  • ドア枠の一部を構成するガラスを交換する工事
  • ドア交換(ドアに対する内窓設置を含む)のみを単独で行う工事
  • 住宅以外の用途であるまたは住宅以外の用途に使用されている建物や居室に行う工事
  • 住宅の所有者等が住宅販売業者等から購入し、その販売業者等に依頼する工事(いわゆる販売支援や付け工事)
  • リース契約の設備工事
  • 中古品を用いた工事
  • 住宅の新築時に行う工事
  • メーカーが提供していない方法により取り付けられた工事
  • 既存の外窓1つに対して3つ以上の内窓を新たに取り付ける工事

補助金額と上限

先進的窓リノベ2025事業では、窓やドアの性能、サイズ、住宅の建て方に応じて補助金額が決定されます。ここでは、補助金の計算方法や上限額について詳しく解説します。

補助金の計算方法

補助金額は、「補助対象工事により設置する製品の性能と大きさ、および設置する住宅の建て方に応じた、製品ごとの補助額(定額)の合計」となります。つまり、リフォームする窓やドアの数、性能、サイズによって補助金額が変わります。

補助対象となる窓(ガラス)およびドアは、本事業の性能要件を満たすことが確認された製品に限ります。性能区分とサイズに関しては、対象製品に対してメーカーが発行する「性能証明書」に記載されています。

窓の性能区分とサイズによる補助額

窓の補助金額は、以下の3つの要素によって決まります。

  1. 住宅の建て方
  • 戸建住宅
  • 低層集合住宅(3階以下の建物)
  • 中高層集合住宅(4階以上の建物)
  1. 窓の性能区分(熱貫流率)
  • P(SS):Uw値1.1以下
  • S:Uw値1.5以下
  • A:Uw値1.9以下 ※Uw値とは、窓(ガラス・サッシ)の外気に接する側と家の内側との間の熱の伝わりやすさを表す数値です。Uw値が低いほど、高い性能の窓になります。
  1. ガラスのサイズ
  • 大(L):1.4㎡以上
  • 中(M):0.8㎡以上1.4㎡未満
  • 小(S):0.1㎡以上0.8㎡未満

ガラス交換の場合の補助額(戸建住宅・低層集合住宅)

窓の性能区分大(L)
1.4㎡以上
中(M)
0.8㎡以上1.4㎡未満
小(S)
0.1㎡以上0.8㎡未満
P(SS)
Uw値1.1以下
55,000円34,000円11,000円
S
Uw値1.5以下
36,000円24,000円7,000円

※複数のガラスで構成された開口部は、交換したガラスの枚数に応じた金額を補助します。

内窓設置の場合の補助額(戸建住宅・低層集合住宅)

窓の性能区分大(L)
1.4㎡以上
中(M)
0.8㎡以上1.4㎡未満
小(S)
0.1㎡以上0.8㎡未満
P(SS)
Uw値1.1以下
55,000円34,000円11,000円
S
Uw値1.5以下
36,000円24,000円7,000円
A
Uw値1.9以下
28,000円19,000円6,000円

外窓交換(カバー工法)の場合の補助額(戸建住宅・低層集合住宅)

窓の性能区分大(L)
1.4㎡以上
中(M)
0.8㎡以上1.4㎡未満
小(S)
0.1㎡以上0.8㎡未満
P(SS)
Uw値1.1以下
110,000円68,000円22,000円
S
Uw値1.5以下
73,000円48,000円14,000円
A
Uw値1.9以下
55,000円38,000円11,000円

外窓交換(はつり工法)の場合の補助額(戸建住宅・低層集合住宅)

窓の性能区分大(L)
1.4㎡以上
中(M)
0.8㎡以上1.4㎡未満
小(S)
0.1㎡以上0.8㎡未満
P(SS)
Uw値1.1以下
110,000円68,000円22,000円
S
Uw値1.5以下
73,000円48,000円14,000円
A
Uw値1.9以下
55,000円38,000円11,000円

ドアの性能区分とサイズによる補助額

ドアの補助金額も窓と同様に、住宅の建て方、性能区分、サイズによって決まります。

  1. 住宅の建て方
  • 戸建住宅
  • 低層集合住宅(3階以下の建物)
  • 中高層集合住宅(4階以上の建物)
  1. ドアの性能区分(熱貫流率)
  • P(SS):Ud値1.1以下
  • S:Ud値1.5以下
  • A:Ud値1.9以下 ※Ud値とは、ドアの外気に接する側と家の内側との間の熱の伝わりやすさを表す数値です。Ud値が低いほど、高い性能のドアになります。
  1. ドアのサイズ
  • 大(L):2.8㎡以上
  • 中(M):1.6㎡以上2.8㎡未満
  • 小(S):1.0㎡以上1.6㎡未満

ドア交換(カバー工法)の場合の補助額(戸建住宅・低層集合住宅)

ドアの性能区分大(L)
2.8㎡以上
中(M)
1.6㎡以上2.8㎡未満
小(S)
1.0㎡以上1.6㎡未満
P(SS)
Ud値1.1以下
220,000円163,000円109,000円
S
Ud値1.5以下
149,000円110,000円74,000円
A
Ud値1.9以下
117,000円87,000円58,000円

ドア交換(はつり工法)の場合の補助額(戸建住宅・低層集合住宅)

ドアの性能区分大(L)
2.8㎡以上
中(M)
1.6㎡以上2.8㎡未満
小(S)
1.0㎡以上1.6㎡未満
P(SS)
Ud値1.1以下
220,000円163,000円109,000円
S
Ud値1.5以下
149,000円110,000円74,000円
A
Ud値1.9以下
117,000円87,000円58,000円

※中高層集合住宅の場合は、補助額が異なる場合があります。詳細は公式ウェブサイトでご確認ください。

補助上限額

先進的窓リノベ2025事業における補助金の上限額は、一戸あたり200万円です。

また、交付申請は、1申請あたりの合計補助額が5万円以上の工事を対象とします。つまり、補助金額が5万円未満の工事は申請できません。

複数回のリフォーム工事

同一住宅に複数回のリフォーム工事を行う場合も、補助上限額の範囲内で申請を行うことができます。ただし、それぞれの申請ごとにすべての補助要件を満たす必要があります。

他の補助金との併用

同一の窓(ガラス)・ドアに対して、重複して国の他の補助制度から補助を受けることはできません。ただし、地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き、併用可能です。

子育てグリーン住宅支援事業との併用については、前述の通り、製品の性能等に応じて両事業を併用することができますが、一つの窓が両事業でそれぞれ補助を受けることはできません。

申請期間とスケジュール

先進的窓リノベ2025事業の補助金を申請するためには、定められた期間内に手続きを行う必要があります。ここでは、申請期間やスケジュールについて詳しく解説します。

対象期間

契約期間

  • 着工日以前に工事請負契約を締結している必要があります。

着工期間

  • 2024年11月22日以降に対象工事に着手したものが補助対象となります。
  • 対象工事とは、工事請負契約に含まれるリフォーム全体の工事を指します。

申請受付期間

交付申請期間

  • 申請受付開始から予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)
  • 締切日は予算上限に達した時点で決定します。

交付申請の予約期間

  • 申請受付開始から予算上限に達するまで(遅くとも2025年11月14日まで)
  • 締切日は予算上限に達した時点で決定します。

申請スケジュール

先進的窓リノベ2025事業の申請スケジュールは以下の通りです。

  • 事業者登録開始: 2025年3月10日~
  • 交付申請(予約を含む): 2025年3月以降、段階的に受付を開始する予定
  • 申請(戸別)の受付開始: 2025年3月31日
  • ワンストップ申請(戸別)の受付開始: 2025年4月28日
  • 申請(一括)の受付開始: 2025年5月下旬

※ 先行募集の募集期間は2025年4月14日に開始します。

予算上限について

先進的窓リノベ2025事業の予算は1,350億円(令和6年度補正予算)です。予算上限に達した場合、申請期限前でも受付が終了しますので、申請を検討されている方は早めに手続きを進めることをおすすめします。

申請手続きの流れ

先進的窓リノベ2025事業の補助金を受けるためには、一定の手続きが必要です。ここでは、申請手続きの流れや必要な書類、注意点などについて詳しく解説します。

申請の基本的な流れ

先進的窓リノベ2025事業の補助金申請は、基本的に「登録事業者」が補助対象者(工事発注者)に代わって行います。申請の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 登録事業者(施工業者)との工事請負契約の締結
  • 補助対象となる窓リフォーム工事を行うためには、事務局に登録された「窓リノベ事業者」と工事請負契約を締結する必要があります。
  • 登録事業者は公式ウェブサイトで検索することができます。
  1. 工事の着工
  • 2024年11月22日以降に対象工事に着手したものが補助対象となります。
  • 対象工事とは、工事請負契約に含まれるリフォーム全体の工事を指します。
  1. 交付申請または交付申請の予約
  • 登録事業者が補助対象者に代わり、交付申請または交付申請の予約を行います。
  • 交付申請期間は申請受付開始から予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)です。
  • 交付申請の予約期間は申請受付開始から予算上限に達するまで(遅くとも2025年11月14日まで)です。
  1. 交付決定
  • 申請内容に問題がなければ、事務局から交付決定通知が発行されます。
  1. 補助金の交付
  • 工事完了後、登録事業者が完了報告を行い、審査を経て補助金が交付されます。
  1. 補助金の還元
  • 登録事業者は、交付された補助金を予め補助対象者と合意した方法により還元します。
  • 還元方法は以下のいずれかです。
    • 補助事業に係る契約代金に充当する方法
    • 現金で支払う方法

申請方法の種類

先進的窓リノベ2025事業では、以下の申請方法があります。

  1. 戸別申請
  • 1住戸ごとに申請を行う方法です。
  • 2025年3月31日から受付開始予定です。
  1. ワンストップ申請(戸別)
  • 他の住宅省エネ2025キャンペーン事業と併せて申請を行う方法です。
  • 2025年4月28日から受付開始予定です。
  1. 一括申請
  • 複数の住戸をまとめて申請する方法です。
  • 2025年5月下旬から受付開始予定です。

必要な書類

申請に必要な書類は以下の通りです(詳細は公式ウェブサイトで確認してください)。

  1. 工事請負契約書
  • 補助対象者と登録事業者(施工業者)との間で締結した工事請負契約書のコピー
  1. 対象製品の性能証明書
  • メーカーが発行する「性能証明書」のコピー
  • 対象製品の性能区分(熱貫流率)とサイズが記載されています
  1. 住宅の所有者等であることを証明する書類
  • 所有者の場合:登記事項証明書、固定資産税納税通知書など
  • 賃借人の場合:賃貸借契約書のコピーと所有者の同意書
  • 管理組合の場合:総会議事録のコピーなど
  1. 既存住宅であることを証明する書類
  • 建築確認済証、検査済証、登記事項証明書など
  1. 工事前後の写真
  • 工事前と工事後の状態がわかる写真
  1. その他必要書類
  • 申請方法や工事内容によって追加書類が必要になる場合があります

申請時の注意点

  1. 申請は登録事業者が行う
  • 補助対象者(工事発注者)自身が直接申請することはできません。必ず登録事業者を通じて申請してください。
  1. 交付申請または交付申請の予約までに事業者登録が必要
  • 施工業者(工事請負業者)は、交付申請または交付申請の予約までに事業者登録を完了している必要があります。
  1. 最低申請額
  • 交付申請は、1申請あたりの合計補助額が5万円以上の工事を対象とします。
  1. 予算上限に注意
  • 予算上限に達した場合、申請期限前でも受付が終了します。早めの申請をおすすめします。
  1. 関連書類の保管
  • 窓リノベ事業者は、補助事業に要した費用について他の経理と明確に区分し、その収入および支出の内容を記載した帳簿を備え、その収入および支出に関する証拠書類を整理し、これらの帳簿および書類を本補助金の交付を受けた年度終了後5年間保存しておく必要があります。

補助金の還元方法

登録事業者は、交付された補助金を予め補助対象者と合意した方法により、還元します。還元方法は以下のいずれかです。

  1. 補助事業に係る契約代金に充当する方法
  • 工事代金から補助金額を差し引いた金額を支払う方法です。
  1. 現金で支払う方法
  • 工事代金を全額支払った後、補助金が交付されたら現金で還付を受ける方法です。

どちらの方法を選択するかは、契約時に登録事業者と相談して決めることをおすすめします。

窓リノベーションのメリットと注意点

窓リノベーションは、単なる見た目の改善だけでなく、住まいの快適性や省エネ性能を大きく向上させる重要なリフォームです。ここでは、窓リノベーションのメリットや効果、申請時の注意点やアドバイスについて詳しく解説します。

窓リノベーションのメリット

1. 省エネ効果と光熱費削減

一般的な住宅では、熱の出入りの約58%が窓から生じているとされています。断熱性能の高い窓に交換することで、以下のような効果が期待できます。

  • 冷暖房効率の向上: 室内の熱が外に逃げにくくなり、冷暖房の効率が向上します。
  • 光熱費の削減: 冷暖房の使用頻度や設定温度を抑えられるため、電気代やガス代などの光熱費を削減できます。
  • CO2排出量の削減: エネルギー消費量が減ることで、CO2排出量も削減され、環境負荷の低減につながります。

実際に、断熱性能の低い単板ガラスから高性能な複層ガラスに交換することで、冷暖房費が20~30%程度削減されるケースもあります。

2. 室内環境の改善

高性能な窓への交換は、室内環境の質も大きく向上させます。

  • 結露の防止: 断熱性能が向上することで窓ガラスの表面温度が上がり、結露が発生しにくくなります。結露はカビやダニの発生原因となるため、健康面でもメリットがあります。
  • 温度ムラの解消: 窓からの冷気の侵入が減り、部屋全体の温度ムラが解消されます。特に冬場の「ヒートショック」のリスク低減につながります。
  • 外部騒音の低減: 複層ガラスや内窓の設置により、外部からの騒音を軽減する効果もあります。

3. 住まいの快適性向上

窓リノベーションによって、住まい全体の快適性が向上します。

  • 冬場の寒さ対策: 窓からの冷気の侵入を防ぎ、床や壁の冷たさを軽減します。
  • 夏場の暑さ対策: 日射熱の侵入を抑え、室内の温度上昇を防ぎます。
  • 紫外線カット: 紫外線をカットする機能を持つガラスを選ぶことで、家具や床材の日焼けや色あせを防ぎます。

4. 資産価値の向上

省エネ性能の高い住宅は、将来的な資産価値の維持・向上にもつながります。

  • 住宅の長寿命化: 結露の防止により建物の劣化を抑制し、住宅の寿命を延ばします。
  • 省エネ住宅としての評価: 省エネ性能の高い住宅は、売却時や賃貸時に評価されやすくなっています。

申請時の注意点とアドバイス

1. 他の補助金との併用について

  • 子育てグリーン住宅支援事業との関係:本事業の対象製品はすべて、子育てグリーン住宅支援事業においても補助対象となります。子育てグリーン住宅支援事業の対象製品は、本事業でも一部補助対象になります。製品の性能等に応じて、両事業を併用することができますが、一つの窓が両事業でそれぞれ補助を受けることはできません。重複申請が発覚した場合、交付決定の取り消しや返金等の措置を受ける可能性があるため注意が必要です。
  • 先進的窓リノベ2024事業との関係:先進的窓リノベ2024事業(令和5年度補正予算)で補助金の交付を受けた窓(ガラス)・ドアは、本事業の補助対象とはなりません。当該交付を受けた補助金の返還を行った場合であっても同様です。
  • 地方公共団体の補助制度との併用:地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き、併用可能です。お住まいの地域の自治体で実施している補助制度も併せて確認することをおすすめします。

2. 財産処分の制限

本事業の補助金の交付を受けた共同事業者は、補助金の交付を受けて取得した対象製品について、窓リノベ事業者が補助金の振込みを受けた後、10年間は国または事務局の承認なく以下のことができません。

  • 補助金の交付目的に反して使用すること
  • 譲渡すること
  • 交換すること
  • 貸付すること
  • 担保に供すること
  • 破棄すること

3. 関連書類の保管

窓リノベ事業者は、補助事業に要した費用について他の経理と明確に区分し、その収入および支出の内容を記載した帳簿を備え、その収入および支出に関する証拠書類を整理し、これらの帳簿および書類を本補助金の交付を受けた年度終了後5年間保存しておく必要があります。

4. 事務局が行う調査への協力

本事業の補助金の交付を受けた、または受けようとした場合、事務局が本事業の適正な実施のために行う調査(住宅や事務所への立ち入りを含む)に協力する義務があります。協力を拒否した場合、以下のような措置を受ける場合があります。

  • 補助金の交付申請の却下
  • 交付決定の取り消し
  • 交付済の補助金の返還請求
  • 他の補助金事業への交付申請の制限

5. 窓リノベーションを成功させるためのアドバイス

  • 複数の登録事業者から見積もりを取る: 同じ工事内容でも事業者によって価格や提案内容が異なる場合があります。複数の登録事業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
  • 性能とコストのバランスを考える: 最高性能の製品が必ずしも最適とは限りません。住宅の立地条件や生活スタイル、予算などを考慮して、最適な性能の製品を選びましょう。
  • 工事のタイミングを考える: 他のリフォーム工事と同時に行うことで、足場代などの共通費用を削減できる場合があります。
  • 将来のメンテナンス性も考慮する: 窓やドアは定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスのしやすさや部品の供給体制なども確認しておくとよいでしょう。
  • 早めの申請を心がける: 予算上限に達した場合、申請期限前でも受付が終了します。検討中の方は早めに登録事業者に相談し、申請の準備を進めることをおすすめします。

まとめ:窓リノベーションで快適な住まいを実現

先進的窓リノベ2025事業は、既存住宅の窓やドアの断熱性能を向上させるリフォーム工事に対して補助金を交付する国の支援制度です。この記事では、補助金の概要から申請方法、メリットや注意点まで詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめ、窓リノベーションを検討されている方へのアドバイスを提供します。

先進的窓リノベ2025事業の重要ポイント

1. 事業の目的と予算規模

  • 既存住宅の早期の省エネ化を図り、エネルギー費用負担の軽減及び住まいの快適性の向上を目指す
  • 2030年度の家庭部門からのCO2排出量66%削減に貢献
  • 予算規模は1,350億円(令和6年度補正予算)

2. 補助対象者と対象住宅

  • 補助対象者は工事発注者(窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し、窓のリフォーム工事をする住宅の所有者等)
  • 対象住宅は人の居住の用に供する既存住宅(戸建住宅、集合住宅を問わず)

3. 補助金額と上限

  • 補助金額は製品の性能、サイズ、住宅の建て方に応じて決定
  • 上限額は一戸あたり200万円
  • 最低申請額は5万円以上

4. 申請期間とスケジュール

  • 着工期間:2024年11月22日以降
  • 交付申請期間:申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)
  • 交付申請の予約期間:申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年11月14日まで)
  • 事業者登録開始:2025年3月10日~

5. 申請手続きの流れ

  • 登録事業者(施工業者)との工事請負契約の締結
  • 工事の着工
  • 登録事業者による交付申請または交付申請の予約
  • 交付決定
  • 補助金の交付と還元

窓リノベーションを検討する際のチェックリスト

窓リノベーションを検討されている方は、以下のチェックリストを参考にしてください。

□ 住宅の現状と課題を把握する(結露、冷暖房効率、騒音など)
□ 予算と補助金の活用可能額を確認する
□ 複数の登録事業者から見積もりを取る
□ 製品の性能とコストのバランスを検討する
□ 工事のタイミングと期間を計画する
□ 必要な書類を準備する
□ 他の補助金制度との併用可能性を確認する
□ 申請期限と予算上限に注意する

窓リノベーションで実現する快適な住まい

窓リノベーションは、単なる見た目の改善だけでなく、住まいの快適性や省エネ性能を大きく向上させる重要なリフォームです。高性能な窓への交換によって、以下のような効果が期待できます。

  • 冷暖房費の削減による経済的メリット
  • 結露の防止によるカビやダニの発生抑制
  • 室内の温度ムラの解消による快適性の向上
  • 外部騒音の低減による静かな住環境の実現
  • CO2排出量の削減による環境負荷の低減

先進的窓リノベ2025事業の補助金を活用することで、これらのメリットをより少ない自己負担で実現することができます。ぜひこの機会に、窓リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先情報

先進的窓リノベ2025事業に関する詳細情報や最新情報は、以下の公式ウェブサイトでご確認いただけます。

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窓リノベーションは、住まいの快適性向上と省エネ化を同時に実現できる効果的な方法です。先進的窓リノベ2025事業の補助金を活用して、より快適で環境にやさしい住まいづくりを進めましょう。

この記事の執筆
  • 熊田貴行

    本サイトの品質管理責任者。ヤフーを退職後、海外で飲食とホテル事業で起業。海外の事業を売却後、日本でメディア事業会社を立ち上げて10年目。これまでの自社メディア運営で得たノウハウを軸に、企業のオウンドメディア運営を中心にWEBマーケテ...

中古物件購入+リノベのすべてがわかる

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ゼロリノベ口コミ

みんな、リノベしてみてどうだった?

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