シャワーの水圧が弱い原因と解消法7選!正しいメンテナンスで快適なバスタイムを取り戻す

シャワーの水圧が弱くなると、髪や体をきれいに洗い流せなかったり、シャワー時間が延びて水道代や光熱費が余計にかかったりと、快適なバスタイムを楽しめなくなります。多くの場合、シャワー水圧の低下は簡単なメンテナンスで改善できます。この記事では、シャワーの水圧が弱くなる主な原因と、専門業者に頼まなくても自分で試せる具体的な解決法7つを紹介します。
シャワーの水圧が弱くなる主な原因
シャワーの水圧が弱くなる原因はさまざまですが、大きく分けると「シャワーヘッド」「配管・止水栓」「給湯器」「住宅の構造」に関連する問題に分類できます。どの原因が該当するかを特定することで、最適な対処法を選べます。
シャワーの水圧低下の主な原因を理解するには、まず水が通る経路を把握することが重要です。水道から供給された水は、配管を通ってシャワーヘッドまで届きます。この過程で何らかの障害があると、水の流れが悪くなり、結果として水圧が低下します。家庭でできる簡単な対処から順に試していくことで、多くの水圧の問題を解決できます。1)2)3)
シャワーヘッドやフィルターの目詰まり
シャワーヘッドの散水板(お湯が出る穴が開いている部分)やフィルター(ストレーナー)は、長期間使用していると水垢やゴミが蓄積し、目詰まりを起こします。特に水道水に含まれるカルシウムなどのミネラル成分が、白い水垢となってこびりつくことで穴が塞がれていきます。また、入浴時の石鹸カスや皮脂などもシャワーヘッドに付着し、水の流れを妨げる原因になります。
目詰まりが起きると、シャワーから出る水の勢いが弱くなるだけでなく、水が変な方向に飛んだり、水が出ない穴が増えたりすることがあります。これはシャワーの水圧が弱くなる最も一般的な原因の一つで、定期的な掃除で予防・改善できます。4)5)
止水栓や流量調整栓の閉まりすぎ
シャワーや浴室の止水栓・流量調整栓は、水の量や水圧をコントロールする役割があります。これらが閉まりすぎていると、水の流量が制限され、シャワーの水圧が弱くなります。水道工事やシャワーヘッドの交換後に、止水栓を十分に開けていない場合や、知らずに止水栓が閉まってしまっている場合があります。
止水栓は通常、浴槽の近くや洗面所の下などに設置されています。ハンドル式の場合はそのまま回せますが、マイナスドライバーなどの工具が必要なタイプもあります。水圧が急に弱くなった場合は、まず止水栓の確認をしましょう。6)7)
給湯器の容量不足や故障
給湯器の号数(給湯能力)が家族構成や使用状況に対して小さい場合、十分な量のお湯を供給できず、シャワーの水圧が弱くなることがあります。特に、複数の場所で同時にお湯を使用する際に問題が顕著になります。また、給湯器自体の故障や劣化によっても水圧低下が起こる場合があります。
給湯器の号数は「水温+25℃のお湯を1分間に何リットル作れるか」を示す数値です。例えば、16号の給湯器なら1分間に16リットル、24号なら24リットルのお湯を供給できます。家族が多い、または同時に複数の場所でお湯を使う機会が多い家庭では、より大きな号数の給湯器が必要になります。8)9)
複数箇所での同時使用
キッチンや洗面所など他の場所でお湯を使っているときにシャワーを使うと、供給されるお湯が分散されるため、シャワーの水圧が低下します。これは特に給湯器の能力が小さい場合に顕著です。
家庭内で複数の蛇口を同時に使用する習慣がある場合は、シャワー使用時にはできるだけ他の場所でのお湯の使用を控えることで、水圧の低下を防ぐことができます。10)
配管やホースの水漏れ
水道管やシャワーホースに水漏れがあると、水の一部が漏れてしまうため、シャワーヘッドに届く水の量が減り、水圧が弱くなります。この場合、シャワーホースの接続部分の緩みや、配管の劣化による漏水が考えられます。
水漏れは目に見える場合もありますが、壁の中などで発生している場合は発見が難しいこともあります。水道メーターを確認して、全ての蛇口を閉めた状態でもメーターが回っている場合は、どこかで水漏れが起きている可能性があります。11)
家全体の元栓の閉まりすぎ
家全体の水道元栓が十分に開いていないと、家全体の水圧が弱くなり、シャワーの水圧にも影響します。水道工事後やメンテナンス後に、元栓を完全に開けていない場合があります。
元栓は通常、家の外や玄関付近、または水道メーターボックス内にあります。元栓を確認して、必要に応じて開けることで水圧が改善する場合があります。12)
建物の構造(特にマンションの高層階)
特にマンションの高層階では、建物の構造上、水圧が弱くなる場合があります。これは「重力給水方式」という給水方式を採用している場合に多く見られます。この方式では、屋上の高架水槽から重力によって水が供給されるため、上層階ほど水圧が弱くなる傾向があります。
この原因による水圧低下は、建物自体の給水システムに起因するため、個別の対策が難しいことがあります。この場合は、低水圧用のシャワーヘッドを使用するなどの対応が効果的です。13)
シャワーの水圧を上げる7つの対処法
シャワーの水圧を上げるには、まず原因を特定し、それに合わせた対処をすることが重要です。以下では、自分でできる7つの対処法を紹介します。簡単なものから順に試していくと、多くの場合は水圧の問題を解決できます。
1. シャワーヘッド・フィルターの掃除や交換
シャワーヘッドやストレーナーを取り外し、ゴミや水垢を歯間ブラシなどで掃除することで、水の流れが改善し、水圧が回復することがあります。特に長期間掃除をしていない場合は、この方法で大幅に改善する可能性が高いです。
シャワーヘッドの掃除手順:
- シャワーヘッドをシャワーホースから取り外す(通常は手で回すだけで外れます)
- 内部のフィルターや散水板を取り出し、歯ブラシや歯間ブラシでこすり洗いする
- 頑固な水垢はクエン酸水に30分〜1時間つけ置きすると効果的
- よくすすいで元に戻す
掃除しても改善しない場合や、シャワーヘッドが古くなっている場合は、新しいものに交換することも検討しましょう。特に水圧が弱い場合は、低水圧用のシャワーヘッドを選ぶと効果的です。14)15)
2. 止水栓・流量調整栓の確認と調整
止水栓や流量調整栓が閉まりすぎていないか確認し、必要に応じて開いて水量を増やします。止水栓は、反時計回り(左回り)に回すと開き、時計回り(右回り)に回すと閉まります。
止水栓の調整手順:
- シャワーや浴室の近くにある止水栓を探す
- ハンドル式の場合はそのまま回し、ネジ式の場合はマイナスドライバーを使用
- 反時計回りに少しずつ回して、シャワーの水圧を確認しながら調整
- 水圧が適切になるまで調整を続ける
注意点として、止水栓を急に大きく開けすぎると水圧が強すぎる場合があるので、少しずつ調整するのが安全です。また、お湯側の止水栓は熱くなっている可能性があるので、やけどに注意してください。16)17)
3. 給湯器の容量・設定温度の確認
給湯器の号数が家族構成や使用状況に合っているか確認し、温度設定が低すぎないかもチェックします。給湯器の温度設定を上げると、混合水栓で水と混ぜる割合が変わり、結果として水圧が改善することがあります。
給湯器の設定温度は、通常42℃〜60℃の間で調整できます。温度を高く設定すると、混合水栓で水と混ぜる際に水道水の水圧も加わるため、シャワーの水圧が高まりますが、高温設定は火傷の危険もあるので注意が必要です。特に小さな子どもがいる家庭では安全に配慮しましょう。
また、給湯器の容量が不足していると思われる場合は、号数の大きい給湯器への交換を検討するか、専門業者に相談するのがよいでしょう。18)19)
4. 同時使用を避ける
シャワー使用時は、できるだけ他の場所でお湯を使わないようにします。特に給湯器の容量が小さい場合は、この対策が効果的です。
例えば、キッチンで食器洗いをしている間はシャワーの使用を避ける、あるいは逆にシャワーを使っている間は他の場所でのお湯の使用を控えるなど、家族間で使用時間を調整するとよいでしょう。これは特に冬場など、水温が低く給湯器の負担が大きい時期に有効です。20)
5. 配管やホースの水漏れ点検
水漏れが疑われる場合は、ホースや配管を点検し、必要に応じて修理・交換します。シャワーホースの接続部分が緩んでいないか、ホースに亀裂や穴がないかを確認しましょう。
水漏れの点検手順:
- シャワーホースの接続部分を確認し、緩んでいれば締め直す
- ホース全体に亀裂や穴がないか確認
- 目に見える水漏れがない場合は、水道メーターで確認(全ての蛇口を閉めた状態でメーターが回っていれば水漏れの可能性)
深刻な水漏れや、壁の中の配管からの漏水が疑われる場合は、専門業者に依頼するのが安全です。21)
6. 元栓の開放確認
家全体の元栓が十分に開いているか確認します。元栓は通常、家の外や玄関付近、または水道メーターボックス内にあります。元栓が完全に開いていない場合は、開放することで水圧が改善する可能性があります。
元栓の確認は、他の対策を試しても水圧が改善しない場合に検討するとよいでしょう。元栓を調整する際は、慎重に行い、水漏れなどのトラブルが発生していないか確認することが重要です。22)
7. 低水圧用シャワーヘッドの導入
改善しない場合や構造上の問題がある場合は、低水圧用シャワーヘッドの使用が効果的です。低水圧用シャワーヘッドは、通常のシャワーヘッドと比べて、水が出る部分の総面積が小さく作られているため、少ない水量でも勢いよく水が出る構造になっています。
低水圧用シャワーヘッドは、以下のような特徴があります:
- ヘッド自体が小さい、または散水板の穴の数が少ない
- 散水板の穴径が小さく、水の勢いを強められる
- 水量は少なくても強い水圧を感じられる設計になっている
マンションの高層階など、構造上水圧が弱い場合は、この方法が最も効果的です。ホームセンターや専門店で購入でき、取り付けも簡単にできます。23)
シャワーの水圧が弱くなるのを予防するには
シャワーの水圧低下を予防するには、定期的なメンテナンスが重要です。以下のような習慣をつけると、水圧の問題を未然に防ぐことができます。
- シャワーヘッドの定期的な掃除:月に1回程度、シャワーヘッドを取り外して掃除すると、水垢の蓄積を防げます。
- 使用後の水切り:シャワー使用後にヘッドを軽く振って水を切ると、水垢の付着を減らせます。
- 適切な給湯器の選択:家族構成や使用パターンに合った号数の給湯器を選ぶことで、お湯の供給不足を防げます。
- 専門業者による定期点検:年に1回程度、給湯器や配管の点検を専門業者に依頼すると、早期に問題を発見できます。
- 水質改善装置の導入検討:硬水地域では、軟水器などの水質改善装置を導入することで、水垢の付着を減らせる場合があります。
これらの予防策を実践することで、シャワーの水圧低下のリスクを減らし、快適なバスタイムを維持することができます。24)
FAQ
シャワーヘッドの目詰まりを防ぐ方法は?
シャワーヘッドの目詰まりを防ぐ最も効果的な方法は、定期的な掃除と使用後のケアです。使用後にシャワーヘッドを軽く振って水を切り、月に1回程度クエン酸水につけ置き掃除をすることで、水垢の蓄積を防げます。また、硬水地域では浄水器や軟水器の導入も検討する価値があります。
クエン酸水の作り方:
- 40℃程度のお湯1リットルに対し、クエン酸大さじ1杯(約15g)を溶かす
- シャワーヘッドをこの溶液に30分〜1時間つけ置きする
- その後、古い歯ブラシなどでこすり洗いし、よくすすぐ
このような定期的なケアを習慣にすることで、水垢の蓄積を防ぎ、シャワーヘッドの寿命も延ばせます。25)
シャワーの水圧を上げるための簡単な対処法は?
シャワーの水圧を上げるための最も簡単な対処法は以下の3つです:
- 止水栓の調整:シャワーの水圧が急に弱くなった場合、まず止水栓が閉まりすぎていないか確認し、必要に応じて反時計回りに回して開けます。
- シャワーヘッドの掃除:シャワーヘッドを取り外し、歯ブラシなどで穴を掃除するか、クエン酸水につけ置きします。
- 同時使用を避ける:シャワーを使用している間は、他の場所(キッチンなど)でのお湯の使用を控えると、シャワーの水圧が改善します。
これらの方法で改善しない場合は、低水圧用のシャワーヘッドへの交換を検討するか、専門業者に相談するとよいでしょう。26)27)
給湯器の容量を確認する方法は?
給湯器の容量(号数)を確認するには、以下の方法があります:
- 給湯器本体の確認:給湯器本体に貼られている銘板シールを確認します。型番の中に「16」「20」「24」などの数字があり、これが号数を示しています(例:GT-C2062AWX → 20号)。
- 取扱説明書の確認:給湯器の取扱説明書に記載されています。
- 設置業者やメーカーへの問い合わせ:設置時の書類がない場合は、設置業者やメーカーに問い合わせれば、型番から号数を教えてもらえます。
給湯器の号数が家族構成に適しているかどうかの目安:
- 1〜2人世帯:16号
- 3〜4人世帯:20号
- 5人以上世帯:24号
ただし、これはあくまで目安であり、同時使用の頻度や使用パターンによって最適な号数は変わります。28)29)
水漏れを防ぐための対策は?
水漏れを防ぐための基本的な対策は以下の通りです:
- 定期的な点検:シャワーホースや接続部を定期的に点検し、緩みや劣化がないか確認します。
- 適切な取り付け:シャワーヘッドやホースの交換時は、正しく締め付け、パッキンが正しく装着されているか確認します。
- 過度な水圧の回避:水圧が強すぎると、接続部に負担がかかり、水漏れの原因になります。適切な水圧に調整することが重要です。
- 部品の定期交換:パッキンやシャワーホースなどの消耗品は、劣化する前に定期的に交換すると、水漏れを予防できます。
- 凍結対策:寒冷地では、冬場の凍結による配管破裂を防ぐため、凍結防止対策を行います。
これらの対策を実践することで、水漏れのリスクを減らし、配管システムの寿命を延ばすことができます。30)31)
シャワーのストレーナーを清掃する方法は?
シャワーのストレーナー(フィルター)を清掃する手順は以下の通りです:
- 準備:シャワーの使用を終え、止水栓を閉めてから作業を始めます。フィルターを取り出す場所の下に水受けを置くとよいでしょう。
- シャワーヘッドの取り外し:シャワーヘッドをホースから取り外します。通常は手で回すだけで外れますが、固い場合はゴム手袋を使うと滑りにくくなります。
- ストレーナーの取り出し:シャワーヘッドの根元部分にストレーナーがあります。ピンセットや小さなマイナスドライバーを使って慎重に取り出します。
- 清掃:取り出したストレーナーを歯ブラシなどで洗い、詰まっているゴミや水垢を落とします。頑固な汚れはクエン酸水につけ置きすると効果的です。
- 元に戻す:清掃後、ストレーナーを元の位置に戻し、シャワーヘッドを取り付けます。接続部がしっかり締まっていることを確認します。
- 確認:止水栓を開け、水漏れがないか、水圧が改善されたかを確認します。
この作業は3〜6ヶ月に1回程度行うと、シャワーの水圧を良好に保つことができます。32)
参考文献
- ミズテック「シャワーの水圧を上げる方法5選!一軒家・マンション別で弱い原因と水圧調整法も解説」
- 生活堂「シャワーの水圧が弱いときはどうすればよい? その原因と対処法」
- LIXILストア「シャワーの水圧が弱い時はどうすればいい?低水圧用シャワーヘッドで簡単にシャワーの勢いアップ!」
- DCMくらしメイド「汚れやすいのに掃除をしたことがない?シャワーヘッドの掃除方法の極意」
- 三菱電機くらトク「シャワーヘッドのお掃除方法を紹介!重曹やクエン酸でキレイを保とう」
- LIXIL「シャワーの止水栓・流量調整栓について」
- TOTO「止水栓の閉め方と調整方法」
- カインズ・リフォーム「お湯だけ水圧が弱いのは給湯器が原因?対処法や他の原因について解説」
- ミズテック「給湯器の号数とは?計算方法や失敗しない選び方も解説」
- 福田設備「水はちゃんと出るのに、お湯だけ水圧が弱いのは給湯器の故障?」
- ミズテック「給湯器の湯量が少ない・湯の出が悪い時の対処法!解決必要?」
- 水のレスキュー「水量、水圧を調整してキッチン蛇口、シャワーの水の勢いを強める方法」
- LIXIL「浴室のシャワーの水圧が弱い、湯水の勢いが弱い」
- 長谷工ブランシエラ「シャワーヘッドの掃除方法とは?クエン酸を使った頑固な汚れの落とし方を解説」
- クラソブログ「シャワーヘッドの掃除方法5選|ふだんからできる汚れ対策や便利なアイテムも紹介」
- TOTO「止水栓を調整してみましょう」
- LIXIL「シャワーヘッドの、小さい穴がたくさん開いている部分が散水板です」
- 大真エンジニアリング「エコキュートの水圧が弱い?プロが教える7つの改善策でシャワーや家事の不便さを解消」
- リンナイ「号数(能力)について - エコジョーズの基礎知識」
- 坂口ボイラーサービス「シャワーのお湯だけ水圧が弱いときの対策は?エコキュートや給湯器の水圧を上げる6つの対処法を紹介」
- 東京ガス「シャワーヘッドは実は汚れている!簡単にできるお掃除方法を解説」
- TOTO「水栓の予備知識」
- LIXIL「工事不要でシャワーの勢いが改善!快適なバスタイムで、お客様満足度アップへ!」
- エラー解決隊「エコキュートの水圧は弱い?シャワーの水圧を強くする方法」
- 東京ガスウチコト「シャワーヘッドはクエン酸のつけおき掃除でピカピカに」
- LIXIL「シャワーの勢いが弱い(音声無)」
- TOTO「(浴室)水栓の流量が少ない」
- 給湯器ドットコム「給湯器号数の選び方と号数の比較」
- 生活堂「ガス給湯器の号数(サイズ)の違い、号数ごとの選び方とおすすめ商品」
- おそうじワーク「キッチンの蛇口(シャワーヘッド)のお掃除方法」
- レスキューラボ「お風呂のシャワーヘッドの掃除方法とは?~重曹・クエン酸でカビ・つまり予防~」
- ミーツモア「シャワーヘッドの掃除は「つけおき」で決まり!水垢や皮脂汚れもピカピカに」