窓の隙間風対策7つの確実な方法|プロが教える自分でできる解決策から根本改善まで

窓からの隙間風でお困りですか?プロが教える7つの確実な対策方法で、寒さや冷暖房効率の悪化を解決します。DIYでできる応急処置から根本的な改善まで、賃貸でも実践可能な方法を詳しく解説します。今すぐ始められる隙間風対策で快適な住環境を実現しましょう。
はじめに
窓からの隙間風は冬の寒さや冷暖房効率の低下につながり、快適な住環境を損ないます。しかし適切な対策を行えば、大幅な改善が可能です。本記事では、賃貸でも実践できるDIY対策から根本的な解決策まで、効果的な7つの方法をプロの視点で詳しく解説します。
窓の隙間風が発生する原因と問題点
窓からの隙間風は単なる不快感だけでなく、住まい全体に深刻な影響を与えます。その原因と問題を正しく理解することで、適切な対策が可能になります。
隙間風の主な発生原因
アルミサッシの寿命は20〜30年とされており、経年劣化により窓周りから隙間風が入る可能性が高くなります。窓から隙間風が入ってくる原因となる経年劣化で起こる問題として、戸車の劣化、ゴムパッキンの劣化、コーキングの劣化が挙げられます。戸車は開閉の頻度が多い箇所ほど劣化しやすく、ガラガラすることで隙間ができます。ゴムパッキンは縮んだりヒビが入ったりして気密性が低下し、コーキングのひび割れも隙間風の原因となります。
#### 戸車の劣化による影響
戸車は引き戸の下に付いている小さな車輪型の部品です。戸車は開閉の頻度が多いところほど劣化しやすくなり、劣化により戸車がグラグラすることで隙間ができ、隙間風が発生してしまいます。新品の戸車はメーカーの通販サイトやホームセンターなどで購入できますが、劣化具合によっては少し触っただけでさらに悪化する場合もあり、注意が必要です。
ゴムパッキンの経年変化
ゴムパッキンは、窓とフレームの間にあるゴム製の部品で、経年劣化しやすい素材のため、隙間風が入ってくることが多々あります。長期間使用していると縮んだりヒビが入ったり、場合によっては切れることもあります。またゴムパッキンの経年劣化は隙間風の原因だけでなく、窓ガラス自体がフレームから外れて落下するリスクも考えられます。
隙間風による深刻な問題
隙間風は快適性を損なうだけでなく、住まいの性能や安全性にも影響を与えます。隙間風が入るということは、室内と屋外の空気が出入りできるということで、家の断熱性が落ちて外気温の影響を受けやすくなります。断熱性と合わせて気密性が落ちるため、冷暖房効率が大きく低下し、電気代などの光熱費も増加します。
防音性と防犯性の低下
隙間風が入る窓は、正常な状態よりも防音性・遮音性が低下し、外を行き交う人の話し声や車の走行音が気になったり、室内の音が外へ漏れたりするケースは少なくありません。また隙間風が入るほど劣化している窓サッシは、外部から見て明らかに古いことが分かりやすく、侵入犯に狙われやすい傾向があります。
害虫侵入と衛生問題
窓の隙間から小さな虫やホコリなどが室内へ入り込むことも問題となり、蟻などの小さな虫だけではなく、蛾やカメムシ、ゴキブリなど一見大きく見える虫も、1〜2mm程度の隙間があれば家の中に入ってきます。近所に畑や公園があると、風向きによっては常に家の中が砂埃で汚れてしまう可能性もあります。
隙間風の発生箇所を特定する方法
効果的な対策を行うためには、まず隙間風がどこから入ってくるかを正確に特定することが重要です。適切な調査方法を用いることで、効率的に対策を進められます。
目視と触覚による確認
隙間風の気になる窓がある部屋を締め切り、自然給排気口がある場合は布などで覆い、換気扇は一時的に切っておいてから、ろうそくの炎や線香の煙、ティッシュペーパーなどを窓の上下枠や戸先部分にゆっくり近づけて、炎や煙、ティッシュが揺らめく部分から隙間風が入っている可能性が高いことを確認できます。この方法により、どこから隙間風が入っているのか場所を特定でき、より効果的な対策を取れます。
より詳細な調査手順
窓の傾きを確認するには、隙間があるか目で見る方法と、窓を手で押して隙間の有無を確認する方法があります。傾きが確認できなくても、手で押してみてガタつきがあれば、隙間があることを示しています。多数の箇所から隙間風が入っている場合は、全体的な窓リフォームを検討する必要があります。
専門的な確認方法
部屋の寒さが、すきま風が原因なのかコールドドラフトが原因なのか分からない場合は、窓やドアの近くで蚊取線香をたいたり、湯気の立っているカップを近づけたりしてみましょう。煙や湯気が揺らげば空気の動きがあり、すきま風が入っているということです。揺らぎがなければコールドドラフトと考えられます。コールドドラフトは窓辺で冷やされた空気が足元に下降するもので、窓の断熱性が低い家でよく起こります。
DIYでできる隙間風対策4つの方法
賃貸住宅でも実践でき、比較的簡単にできる対策から始めることで、隙間風の問題を改善できます。これらの方法は手軽で効果的であり、すぐに始められます。
隙間テープ・モヘアシールの活用
隙間テープは最も手軽で効果的な隙間風対策の一つです。隙間テープはホームセンターや100円ショップで購入できる、簡単な隙間風対策で、隙間に専用のテープを埋めるように貼ると、隙間風を物理的に防ぐことができます。特に引き違い窓の下部レール部分は見落とされがちなので、重点的に対策しましょう。
効果的な貼り方のポイント
隙間テープにはさまざまな種類がありますが、おもな違いは「サイズ」と「素材」で、隙間テープは製品によって幅や厚みが異なるので、貼り付けたい窓の窓枠やレールの幅をあらかじめ測っておき、貼り付けたい窓の大きさに合ったサイズの製品を選びましょう。隙間テープの素材はスポンジ、モヘア、ゴムなどがありますが、寒さ対策で使う場合は「スポンジタイプ」か「モヘアタイプ」がおすすめです。
注意すべき点と交換時期
隙間テープを貼ることで、テープが窓に引っかかって閉められなくなる可能性があるため、まず貼り付けたい場所に短く切ったテープを貼って、窓を開閉できるかどうかを試してみるといいでしょう。テープが窓に引っかかってしまうときは、テープを薄いものに変えてみましょう。また使用したテープをそのままにしておくと、汚れやカビが付着したり、テープがはがしづらくなる場合がありますので、ワンシーズンで貼り替えてください。
戸車やクレセント錠の調整
窓の建て付けが悪い場合、戸車の高さやクレセント錠の位置をプラスドライバーで調整することで隙間が解消することがあります。これは比較的簡単にできる調整で、大きな効果が期待できます。
戸車調整の具体的手順
緩衝材がついている場合は下部を2cm程度めくり、戸車の調整穴にプラスドライバーを差し込んで、調整ネジをまわして窓の高さを調節します。時計回りで窓が上がり、反時計回りで窓が下がります。戸車の高さが合っていないことで、開閉にガタついたり、閉めても窓と窓枠に隙間ができることが考えられます。
クレセント錠の調整方法
まず左右の窓サッシ自体の高さがずれていないかどうか確認し、サッシ自体がズレている場合は、戸車の調整ネジで高さを合わせるようにします。それでも窓のクレセント錠が掛かりにくい、掛けてもガタつくという場合は、クレセント錠本体のネジと受け部分のネジを調整してみましょう。クレセントにカバーが付いているタイプの場合は、カバーを外すと中に調整ネジがあります。
断熱シート・バブルシートの貼付
バブルシートというのは、荷物を梱包する際に使う通称「ぷちぷち」のことで、窓の断熱に特化しているものが売られているので、これを窓の大きさに合わせて貼ります。普段開け閉めしない窓なら、窓枠も含めて全体を覆うと、より効果的です。プチプチ(バブルシート)や断熱フィルムを窓ガラスに貼ると、冷気の侵入を緩和できます。
効果的な使用方法
窓ガラスから60%もの熱の流出があるので、まず窓まわりから対策をおこないましょう。また防寒効果をさらに高めるために、プラスチックダンボールを併用するのもおすすめです。窓用断熱シートには暖房効率を高めるものはもちろん、結露を防ぐもの、太陽光を吸収して自ら発熱するものなど、様々な種類が流通しています。
厚手カーテンやカーテンボックスの設置
窓からの冷気が室内に伝わるのを防ぐためには、厚手のカーテンが効果的で、さらに、カーテンの上下からの冷気の漏れを防ぐために通常より1サイズ長めを選んでください。カーテンレールにひっかけるフックは1番下まで下げて上からの冷気を防ぎ、下の分は床につくくらいが丁度良いです。
カーテン選びのポイント
カーテンは厚手の生地の方が冷気を通しにくく、断熱効果も高くなり、寒さ対策で取り付けるときは、遮光カーテンや裏地付きのカーテンなどを選ぶとより効果的です。断熱は室内の熱を外に逃がさないためのもので、断冷は外から侵入する冷気を防ぐもので、断熱でも効果は十分ですが、隙間風を防ぐには断冷カーテンがおすすめでしょう。厚手で長めのカーテンを使い、カーテンレールの一番下まで下げることで冷気の流入を防げます。
根本的な解決策3つの方法
一時的な対策では解決できない場合や、より快適な住環境を求める場合は、根本的な改善策を検討する必要があります。これらの方法は初期費用がかかりますが、長期的な効果が期待できます。
気密部品の交換・修理
サッシに窓ガラスを固定するパッキンの寿命は約10年で、パッキンはゴムでできているので、手入れしているかしていないかで寿命が大きく変わります。手入れを怠ると劣化が早く進み、水分によってカビが生えたり、小さなゴミが溜まったりしているとパッキンは早く傷むので注意が必要です。
交換が必要な部品の種類
ゴムパッキンや気密ピースが劣化している場合は、部品交換で気密性を回復できます。持ち家の場合は販売店やメーカーに相談しましょう。賃貸の場合は管理会社や大家さんに相談が必要です。ゴムパッキンの交換もホームセンターなどで材料を購入すれば、自力で行うこともできますが、作業を進めるには窓を取り外さなければならないこともあり、窓ガラスが割れてしまうなど危険なケースがあります。
専門業者への依頼が推奨される理由
隙間風がない仕上がりにするためにも、基本的には専門業者への依頼が望ましいでしょう。コーキングの劣化(ひび割れている等)は目視で確認可能ですが、無理に対処するのは得策ではありません。コーキングもホームセンターで材料を販売しているため、自力で対処できると思われるかもしれませんが、プロが使うものと成分が違うことがあります。
内窓(二重窓)の設置
長期的な対策として、既存の窓の内側にもう一枚窓を設置する「内窓(二重窓)」が非常に効果的です。内窓・二重窓の設置も、すきま風防止には効果的で、暖房効率もあがり、結露も防げるなど、冬の悩みを一気に解決してくれます。断熱・結露防止・防音にも役立ちます。
二重窓の効果とメリット
雪などが降るような寒い地域や国では二重窓が昔から使われてきており、窓と窓の間に空気の層ができることで断熱の効果がアップします。またバブルシート、雨戸、内窓・二重窓などで窓に空気の層ができると、結露もできにくくなるとされています。内窓は既存の窓を活かしながら性能向上が図れるため、コストパフォーマンスに優れています。
賃貸での設置可能性
マンションにお住いの場合、窓の外側部分はマンション全体の共有部分に当たるので住人が勝手にいじることはできませんが、室内側であれば専有部分に当たるので、内窓が取り付けられます。賃貸でも管理会社や大家の許可を得れば設置可能な場合があります。
その他の根本改善策
窓際に断熱ボードや冷気ブロックパネルを置く方法もあります。窓際冷気ブロックパネルは、窓の下に立てかけるだけで冷気をブロックできます。また、レールの掃除も重要で、ゴミや砂利が詰まると気密性が下がり、隙間風の原因になります。
雨戸の活用
窓に雨戸を設置することで、外側からしっかりガードすることができ、最近ではボタンひとつで開閉ができる電動型の雨戸もあります。雨戸は台風などの災害対策にもなり、防犯効果も期待できます。ただし設置には工事が必要で、建物の構造によっては設置できない場合もあります。
効果的な対策の組み合わせとポイント
最大限の効果を得るためには、複数の対策を組み合わせることが重要です。また、対策を実施する順序や、状況に応じた使い分けも効果を左右します。
応急処置から根本改善への流れ
まず窓の傾きや隙間の有無を目と手で確認し、戸車やクレセント錠の調整を試します。隙間が残る場合は隙間テープやモヘアシールを貼り、さらに冷気が気になる場合は、断熱シートや厚手カーテンを併用します。長期的には内窓の設置も検討しましょう。
段階的なアプローチの重要性
応急処置としてはテープやシート、根本改善には調整や部品交換、リフォーム(内窓)が有効です。窓ガラスの寒さ対策は、複数の方法を合わせるとさらに効果を上げることができ、「隙間テープだけだとまだ寒い」「もっと部屋を暖かくしたい」というときは、隙間テープに加えてほかの寒さ対策もやってみてはいかがでしょうか。
賃貸住宅での注意点
賃貸の場合は管理会社や大家さんに相談の上、許可を得て対策を進めましょう。原状回復が可能な範囲での対策を選択することが重要です。退去時に原状回復費用がかからないよう、剥がせるテープや取り外し可能な商品を選ぶことがポイントです。
持ち家での長期的視点
持ち家の場合は、将来的なメンテナンスコストや省エネ効果を考慮して、根本的な改善策への投資を検討することをおすすめします。初期費用は高くても、長期的には光熱費の削減や快適性の向上により、十分に元が取れる可能性があります。
季節やタイミングの考慮
冬季の対策だけでなく、年間を通じた快適性を考慮することが重要です。夏季の遮熱対策と冬季の断熱対策を両立できる製品を選ぶことで、一年中効果を実感できます。また、湿度対策や結露防止効果も重要な要素です。
よくある質問(FAQ)
実際に隙間風対策を検討する際によく寄せられる質問について、専門的な観点から回答します。
Q1: 窓の隙間風対策で最も効果的な方法は何ですか?
最も効果的な方法は、状況により異なりますが、一般的には内窓(二重窓)の設置が最も確実で長期的な効果が期待できます。ただし、コストや賃貸の制約を考慮すると、隙間テープの貼付と戸車調整の組み合わせが実用的で効果的です。どこから隙間風が入っているのか場所を特定すると、より効果的な対策を取れ、多数の箇所から隙間風が入っている場合は、全体的な窓リフォームを検討しましょう。
Q2: 自分でできる窓の隙間調整の具体的な手順は何ですか?
まず窓の状態を確認してから、戸車の調整を行います。緩衝材がついている場合は下部を2cm程度めくり、戸車の調整穴にプラスドライバーを差し込んで、調整ネジをまわして窓の高さを調節し、時計回りで窓が上がり、反時計回りで窓が下がります。次にクレセント錠の調整を行い、必要に応じて隙間テープを貼付します。ただし、商品を調整する際は、電動ドライバーを使用しないでください。
Q3: 窓の戸車調整だけで隙間風が改善できる理由は何ですか?
戸車の高さが合っていないことで、開閉にガタついたり、閉めても窓と窓枠に隙間ができることが考えられ、窓の建て付けが悪い場合、戸車の高さやクレセント錠の位置をプラスドライバーで調整することで隙間が解消することがあります。戸車は窓の重量を支え、正確な位置に保つ重要な部品です。高さが適切でないと窓全体が傾き、各所に隙間が生じるため、調整により大幅な改善が期待できます。
Q4: どんな窓に特に隙間風対策が必要になりますか?
アルミサッシの寿命は20~30年とされており、それを上回る築年数の住宅では、窓周りから隙間風が入っている可能性が高いでしょう。特に以下の窓は対策が必要です:築20年以上の建物の窓、頻繁に開閉される窓、海や幹線道路に近い環境の窓、結露が多く発生する窓。また、地震などの影響で窓の建てつけが悪くなることがあり、無理に使用を続けていると、窓が動かなくなったりレールから外れてしまったりするなどのトラブルが起こる可能性があります。
Q5: 市販の商品とDIY調整、どちらが長期的に効果的ですか?
長期的な効果を考えると、DIY調整(戸車やクレセント錠の調整)の方が根本的な解決策となります。市販の隙間テープや断熱シートはワンシーズンで貼り替えが必要で、継続的なメンテナンスが必要です。一方、適切な調整により窓の建て付けを改善すれば、数年間効果が持続します。ただし、最も長期的で効果的なのは内窓の設置や気密部品の交換などの根本改善策です。理想的には、まずDIY調整を試し、効果が不十分な場合は市販商品で補完し、最終的に根本改善策を検討するという段階的なアプローチが効果的です。
まとめ
窓からの隙間風対策は、適切な方法を選択し段階的に実施することで、大幅な改善が可能です。まずは隙間風の発生箇所を特定し、戸車やクレセント錠の調整といったDIYでできる対策から始めましょう。効果が不十分な場合は、隙間テープや断熱シートなどの市販商品を活用し、最終的には内窓の設置や部品交換などの根本的な改善策を検討することをおすすめします。
これらの対策を組み合わせることで、窓からの隙間風を効果的に防ぎ、快適で省エネな住環境を実現できます。賃貸住宅では原状回復可能な範囲での対策を、持ち家では長期的な視点での投資を検討し、それぞれの状況に最適な方法を選択してください。1)2)3)4)5)6)7)8)9)10)
参考文献
2)自分でできるおすすめ隙間風対策6選!賃貸でもできる方法とは
4)すぐに解決したい! 窓のすきま風が起こる原因と5つの対策
6)【隙間風 冷気 対策8選】窓や玄関から隙間風が入る原因と今すぐできる解決策とは
7)空気の流れをビッチリ遮断。冷暖房の効率も防音性も格段に上げてくれたのは、不思議な形のテープだった