“ホテルライクな暮らし”を叶える|リノベーションホテルの事例6選

最近、「リノベーションホテル」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?
古い建物に新しい命を吹き込み、唯一無二の空間へと再生されたリノベホテルは、旅の目的そのものになるほどの魅力を備えています。さらに、そのホテルで体験した洗練された空間を「自宅でも取り入れたい」と感じる人も増えているようです。
本記事では、そんな話題のリノベーションホテルの魅力を深掘りしながら、実際に泊まれる個性豊かなホテル事例をご紹介します。
また、それぞれのホテルの中で注目したい“空間づくりの工夫”や“デザインのヒント”もあわせて解説。
「ホテルライクな暮らしを、自宅でも実現したい」と考えている方にとって、具体的なインスピレーションが得られますよ。
リノベーションホテルとは?
従来のホテルにはない独自の魅力を持つ「リノベーションホテル」。単に古い建物を修復するのではなく、その建築の歴史や個性を活かしながら現代的に再構築された空間は、宿泊体験そのものをアップデートしてくれます。
ここでは、まずリノベーションホテルとは何かを整理しながら、その特徴や一般的なホテルとの違い、注目される背景について見ていきましょう。
リノベーションホテルの定義と特徴
リノベーションホテルとは、築年数の経った建物や遊休施設などをリノベーションし、宿泊施設として新たに生まれ変わったホテルのこと。従来の画一的なホテルとは異なり、建物本来の風合いや構造を活かしつつ、現代的なデザインや機能性を融合させた空間が魅力です。
一般的なホテルとの違い
最大の違いは、「空間の個性」。画一的な設計ではなく、元の建物の“物語”や“歴史”を感じられるデザインが多く、訪れるたびに新しい発見があります。大量生産では出せない、唯一無二の空間がリノベホテルの醍醐味です。
なぜ今、注目されているのか?
近年のサステナビリティ志向や、ライフスタイルの多様化も背景にあります。廃校や空き家の再生により地域活性化に貢献する事例も多く、またSNS映えする“非日常空間”としても注目されています。
リノベーションホテルの魅力とメリット
リノベホテルが多くの人を惹きつけるのは、見た目の美しさや個性だけではありません。空間にこめられた“物語”や、その場でしか味わえない“体験”が大きな魅力です。また、コスパの良さや地域とのつながりなど、さまざまなメリットがあります。ここでは、ホテルライクな暮らしを目指す上でも参考になる、リノベホテルならではの価値をひも解いていきます。
1. 非日常を味わえる洗練されたデザイン
建築家やデザイナーのこだわりが詰まった空間は、まるで海外映画のワンシーンに入り込んだような気分に。ディテールへのこだわりや素材使いが日常を忘れさせてくれます。
2. 地域性や文化を感じられる
地域の歴史や文化を反映したインテリアや建材を取り入れたホテルも多く、宿泊体験が“土地を味わう”時間へと変わります。
3. 建物そのものの価値を再発見
古民家や学校、倉庫など、本来宿泊施設ではなかった建物を活かすことで、建築そのものの魅力に触れられるのも魅力のひとつです。
4. コストパフォーマンスの良さ
デザイン性は高いけれど、価格は比較的リーズナブルなホテルも多く、コスパ重視の旅行者にもぴったりです。
こだわりが光る!都内リノベーションホテル実例6選
リノベホテルの魅力を実感するには、実際の事例を見るのが一番です。この章では、東京都内にある個性豊かなリノベーションホテルを厳選し、そのデザインや空間構成の工夫に注目します。それぞれのホテルから、自宅にも取り入れられる具体的なヒントも紹介していますので、暮らしのリノベを考える際の参考にしてみてください。
事例①|東京・浅草の倉庫を再生したデザインホテル「KAIKA TOKYO」

ホテルの概要
「KAIKA 東京」は、築54年の倉庫ビルをリノベーションしたアートホテル。作品を“公開収蔵”するアートストレージを設けているのが特徴的で、現代アートと自然素材が融合した空間が人気。打ちっぱなしコンクリート壁や無垢材、間接照明を活かした無機質と温かみのバランスが秀逸。
自宅で活かすヒント

コンクリート壁の質感を活かしつつ、木材や柔らかい照明で温かみを演出する手法は自宅リノベに最適。壁に飾る以外のアートの楽しみ方や間接照明の配置が空間の表情づくりに役立ちそうです。
施設名 | KAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS |
所在地 | 東京都墨田区本所2-16-5 |
公式HP | https://www.thesharehotels.com/kaika/ |
事例②|馬喰町の旧ビジネスホテルを再生した、アートとミニマリズムが響き合う「DDD HOTEL」


ホテルの概要
「DDD HOTEL」は、37年物のビジネスホテルを全面リノベーションし、「泊まる」だけでなく“質の高い時間を過ごす場”へと再構築したコレクティブ・ホテル。モスグリーン&真鍮を基調としたミニマルで洗練された内装に、大胆なアーチ形窓と光の演出が映える。都会的な無機質感が特徴。
自宅で活かすヒント



「必要なものだけ」を選び抜いた客室構成は、暮らしのストレスを減らし、心をリセットできる空間づくりに最適。家具や家電を減らしてみるだけでも、空気の流れが変わります。深みのあるカラーと異素材の組み合わせも、上質感を演出する上で参考になりそうです。
施設名 | DDD HOTEL |
所在地 | 東京都中央区日本橋馬喰町2-2-1 |
公式HP | https://dddhotel.jp/ |
事例③|大正時代の銀行をリノベした、北欧と和が調和する隠れ家ホテル「K5」


ホテルの概要
「K5」は、大正期の銀行ビルを2020年にスウェーデンのClaesson Koivisto Runeが全面リノベーションした、北欧×和の洗練されたデザインホテル。石の外壁・コンクリ構造・寄せ木床を蘇らせながら現代的に再構成しているのが特徴。柔らかな照明、カーテンや観葉植物が自然な温かみを生み出す。レトロと現代感のバランスが取れた居心地の良い空間。
自宅で活かすヒント



間仕切り壁を使わず、家具・観葉植物・カーテンなどで空間をゾーニングしています。自宅でもワンルームや広めのリビングにこの方法を取り入れると、開放感とプライバシーを両立できますね。カーテンや布使いで温かさを加え、和の素材感を活かした空間づくりも参考になります。
施設名 | K5 |
所在地 | 東京都中央区日本橋兜町3-5 |
公式HP | https://k5-tokyo.com/ |
事例④|日本橋浜町の街に寄り添う、職人の手仕事と緑が息づく「HAMACHO HOTEL」


ホテルの概要
「HAMACHO HOTEL」は、日本橋浜町のビジネスホテルをリノベーションし、「手しごと」と「緑」をテーマにした複合施設内のライフスタイルホテル。全170室の客室の多くに、バルコニー緑化が施されているのも特徴。和紙や無垢材を多用し、自然素材の持つ温もりと落ち着きを強調。細部まで丁寧に仕上げられた和モダン空間。
自宅で活かすヒント



自然素材のテクスチャーや色味を暮らしに取り入れると、心地よい温もりを演出できます。和紙照明や無垢材家具など、手仕事感のある家具や照明器具は、暮らしに個性と奥行きを加えてくれます。既製品ではなく、クラフト系のアイテムを一点投入するのもおすすめです。
施設名 | HAMACHO HOTEL |
所在地 | 東京都中央区日本橋浜町3-20-2 |
公式HP | https://hamachohotel.jp/ |
事例⑤|隅田川沿いのオフィスビルを水辺の憩いへ。都市に開かれた川辺ホテル「LYURO TOKYO」


ホテルの概要
「LYURO TOKYO」は、1988年竣工のオフィスビルをリノベーションし、隅田川沿いに誕生した水辺のホテル。既存躯体の構造を活かした開放的な設計に、ブルーやウッドなど水や自然を感じるデザインが融合。屋外テラスや川辺のラウンジが特徴で、都会の中で「水とともにある暮らし」を体感できる。
自宅で活かすヒント



大きな窓やガラス張りのバスルームなど、外の景色とつながる設計が特徴です。自宅でも窓辺に観葉植物を置いたり、カーテンを軽やかなリネン素材に変えるだけで、外との一体感を感じることができます。素材と配色で“抜け感”を作るアイデアも参考になりますね。
施設名 | LYURO Tokyo Kiyosumi by THE SHARE HOTEL |
所在地 | 東京都江東区清澄1-1-7 |
公式HP | https://www.thesharehotels.com/lyuro/ |
事例⑥|日暮里の坂の上、街に開かれたカフェのようなデザインホテル「LANDABOUT TOKYO」


ホテルの概要
「LANDABOUT TOKYO」は、旧オフィスビルをリノベーションしたホテル。洗練された素材使いと機能的な動線設計が特徴で、都会的でラグジュアリーな暮らしを提案。エリアリノベーションという発想のもと、地域住民や宿泊客が交流できるカフェラウンジを設置している。
自宅で活かすヒント



地域の風景や季節感を反映した落ち着いたアースカラーやグリーン系の配色は、リラックスできる空間づくりに効果的です。壁や家具、小物で取り入れると自然の息吹を感じられますよ。高級素材の取り入れ方や動線計画も、快適で効率的なホテルライク住まいの参考になります。
施設名 | LANDABOUT TOKYO |
所在地 | 東京都台東区根岸3-4-5 |
公式HP | https://landabout.com/ |
ホテルライクな暮らしを自宅で実現するには?
素敵なリノベホテルで感じた“あの心地よさ”を、毎日の暮らしにも取り入れたい。そんな思いを叶えるには、インテリアや空間設計にちょっとした工夫が必要です。
この章では、ホテルライクな空間を自宅で再現するための具体的なポイントや実践時の注意点を解説します。無理なく自分らしい「ホテルのような住まい」をつくるヒントが満載です。
インテリアのポイント
素材は「木・石・金属」をバランスよく
自然素材と無機質な素材をミックスすることで、空間に奥行きと上質さが生まれます。たとえば、無垢材の床に石のタイルや真鍮の照明を合わせることで、落ち着きと高級感を両立。異素材の質感を楽しむのがホテルライクな空間づくりの鍵です。
色数を抑えたワントーンコーディネート
ホテルライクな空間では、色数を絞ったコーディネートが基本。ベージュやグレーなどの中間色をベースに、小物で濃淡をつけることで、統一感のある洗練された印象に。大胆な色より“控えめの美”を意識すると、落ち着いた雰囲気に仕上がります。
間接照明とスタンドライトを活用
光の演出は、ホテルの雰囲気を左右する大きな要素。天井照明だけでなく、壁際の間接照明やスタンドライトを取り入れることで、空間に陰影と柔らかさが加わります。特にリビングや寝室では、明るさより“雰囲気”を優先するのがおすすめです。
空間設計の工夫
廊下や玄関も“魅せる空間”として演出
ホテルでは、廊下や玄関にも照明やアートが配され、通過するだけの場所にも物語があります。自宅でも照明やラグ、絵画などを取り入れて“通るのが楽しい空間”に演出すると、日常に少しの非日常感がプラスされます。
洗面・浴室は特にホテル風にリノベすると満足度が高い
水まわりは暮らしの質を左右する重要な場所。洗面台に間接照明を仕込んだり、タイルや大判ミラーを使うだけで、ホテルのような非日常空間に。毎日の習慣が“整う時間”に変わることで、暮らし全体の満足度も向上します。
家具は「高さ」「抜け感」「余白」を意識
重厚な家具よりも、低めで脚付きの家具を選ぶと空間に広がりが生まれます。また、配置にゆとりをもたせる“余白”も大切。観葉植物やアートをバランスよく配しながら、見た目も動線も快適な空間づくりを意識しましょう。
実践する際の注意点
デザイン優先にしすぎると収納や実用性を損なうことも
ホテルライクな空間は美しい反面、収納や機能性が後回しになりがち。見せる収納と隠す収納をうまく組み合わせるなど、見た目と実用性のバランスをとる工夫が欠かせません。特に日用品の置き場には事前の計画が重要です。
初期費用やメンテナンスのコストは要検討
高級素材や特殊な照明器具は、導入コストがかさむだけでなく、日常のメンテナンスにも手間がかかることがあります。予算やライフサイクルに合った素材・設備を選ぶことで、長く快適に住み続けられる空間を実現できます。
自分のライフスタイルに合った“ホテル感”を選ぶのがポイント
一口に“ホテルライク”といっても、クラシックからミニマル、和モダンまでさまざま。暮らしのリズムや好みに合うテイストを選ぶことで、無理なく自宅に取り入れられます。“自分にとって心地よい非日常”が、そのまま日常になるような空間を目指しましょう。
まとめ
リノベーションホテルは、ただ泊まるだけの場所ではありません。空間そのものが“体験”であり、“インスピレーション”になる場所。そしてその体験を、自宅のリノベーションにも活かすことができます。まずは一度、実際のリノベホテルに泊まってみてください。その心地よさ、洗練された空気感は、きっとこれからの住まいづくりのヒントになるはずです。