事前に不安を回避しよう!住宅ローンの審査期間を長引かせないテクニック
住まいの購入はできれば段取り良くスムーズに行いたいもの。引っ越しのタイミングは私生活との兼ね合いも重要なので、誰しもスケジュールを逆算して立てていくことでしょう。
そんなときに気にかかる要素の一つが、住宅ローンの審査期間。実は、一般的に審査に必要な期間の目安よりも時間がかかってしまうケースがあります。
まずは、事前審査と本審査の一般的な審査期間はどれくらいなのか。そして審査が長引くのはどんなケースなのかを把握しておきましょう。
一般的な住宅ローンの審査の流れと平均期間、必要な情報
A男:
住宅ローンを受けるには、事前審査と本審査を受けなければならないと知りました。時には長引くこともあるそうなんですが、実際のところどれくらい時間がかかるんでしょうか?自分は長引いてしまう可能性があるのかどうかも知りたいです。
アドバイザー:
もしも審査に落ちてしまったらという不安もありますから気になるところですよね。まずは一般的な審査の流れと必要な期間、審査に必要な情報などをまとめて見てみましょう。
1-1.事前審査(仮審査)は即日~1週間程度
アドバイザー:
まず住宅購入の流れとして、買いたい物件を見つけたら購入申し込みを行います。住宅ローンの事前審査(仮審査)に申し込むのは、このタイミングが一般的です。
A男:
購入するために必要な金額がわかるタイミングですね。
アドバイザー:
期間は銀行によって差がありますが、目安は3~4日。長くても一週間程度が目安になるでしょう。事前審査は簡易的なものですから、ネット申し込みなどであれば、即日で回答がくることも珍しくありません。
A男: なるほど。事前審査ではどんな情報が必要なんですか?
アドバイザー:
借り入れ希望金額や購入する物件の情報、年収、職業などの基本的な情報です。銀行によっては年収の証拠として源泉徴収票を求められることもあります。
1-2.本審査は1~2週間程度
アドバイザー:
事前審査に通り売買交渉もまとまったら、いよいよ売買契約を結ぶことになります。それとほぼ同じタイミングで住宅ローンの本審査に申し込むことになるでしょう。
A男:
期間はやはり銀行によって違うのですか?
アドバイザー:
はい。特に大手都市銀行は本審査期間を公開していないことが多いですね。本審査の期間が公開されている銀行の例を挙げると、例えばソニー銀行は7~10日。イオン銀行は1~2週間程度です。総合すると1~2週間程度が目安になりますが、早ければ1~3営業日程度で済む銀行もあります。
A男:
本審査はやはり事前審査よりも厳しいのですか?
アドバイザー:
事前審査で提供した情報はもちろん、年齢や返済負担率、ローン年数、雇用形態、勤続年数、建物や土地の評価などを厳密に精査されることになります。団体信用生命保険に加入が必要な住宅ローンがほとんどですから、健康状態も重要な審査項目となります。
住宅金融支援機構による「2018年度 民間住宅ローンの貸出動向調査結果(PDF)32ページ目」で、金融機関が重要視している住宅ローンの審査項目を見てみましょう。
A男:
返済負担率の重要性が高まっているんですね。
アドバイザー:
返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合のことです。「年収に対してこの返済率で本当に大丈夫だろうか?」が厳密に審査される傾向が強まっていると言えます。
住宅ローンの審査を長引かせてしまう5つの理由
アドバイザー: では、1でご紹介した目安となる期間よりも審査が長引いてしまう理由をご紹介していきます。
2-1.【理由1】書類が揃っていない、不備がある
アドバイザー:
住宅ローンには必要書類が多く、書類不備があると審査は滞ってしまいます。
A男:
どんな書類が必要なんですか?
アドバイザー:
新築か中古かなど物件の種類、会社員か個人事業主か、他に借り入れがあるかどうかなどによって必要な書類は異なりますが、主に以下のようなものです。
<本人確認資料>
- 運転免許証
- 住民票
- 印鑑証明書
<収入の確認書類>
- 源泉徴収票
- 住民税決定通知書
<物件確認資料>
- 売買契約書
- 重要事項説明書
- 販売図面
- 建築確認済証
- 間取図、配置図
- 土地登記事項証明書
- 建物登記事項証明書
- 土地の構図、実測図、住宅地図
- 工事請負契約書(リフォーム・リノベーションを行う場合)
A男: こんなにあるんですね!
アドバイザー:
準備自体にも手間取ってしまうかもしれませんから、できるだけ先回りして用意しておくことが大切です。
2-2.【理由2】返済負担率が高い
アドバイザー:
1-2でもご紹介した通り、返済負担率は近年銀行が最も気にしている住宅ローンの審査項目です。
A男:
返済負担率が高いと、返済能力が無いと判断されてしまうかもしれないんですね。
2-3.【理由3】個人信用情報に問題がある
アドバイザー:
住宅ローンは「問題なく返済してもらえるかどうか」という、借り入れる人に対しての信頼性が重視されます。ですから、別のローンやクレジットカード、携帯料金、税金、奨学金などあらゆる借り入れや支払いの状況が調査されます。
A男:
クレジットカードや携帯料金まで!?
アドバイザー:
滞納や未納があった場合は要注意です。審査が長引いてしまうだけならまだしも、状況によっては事前審査で落とされてしまうこともあります。
2-4.【理由4】転職をはじめとした身辺状況の変化があった
アドバイザー:
審査項目として勤務先の情報がありますが、その際は勤続年数も審査基準になります。つまり、転職や独立をしたばかりだと、審査では不利になりやすいです。
A男:
確かに、転職したばかりだと給料が下がることもありますよね。
アドバイザー:
スキルアップやキャリアアップのための転職なのかどうか。業界や職種は同じなのか。安定した収入は見込めるのかどうかなどが争点となり、審査が長引いてしまいます。
2-5.【理由5】本審査で借入金額を増やさなければならなくなった
アドバイザー:
事前審査で申し込んだ金額から借入金額がアップすると、それだけ返済能力の有無がシビアに問われることになり、時間がかかります。
A男:
そんな状況になることがあるんですか?
アドバイザー:
例えば注文住宅を新築したり中古をリノベーションをする際に工事費用が高くなってしまったなど、やむを得ない状況が出てくるかもしれません。
住宅ローン審査でやきもきしないためにやっておきべきこと
アドバイザー:
では、住宅ローン審査を長引かせないために事前にできる対策とはどのようなものなのか、特に重要なポイントを2つご紹介します。
3-1.どんな項目が審査対象となるのかを把握しておく
アドバイザー:
まずは、ここまでにご紹介した審査基準や審査が長引いてしまうケースを踏まえて、事前に問題がないか自分でしっかり確認しておきましょう。
A男:
そういえばうっかり銀行に振り込みし忘れていて、クレジットカードを滞納したことがあったような気がします。
アドバイザー:
あらかじめ気になる点があれば担当者に理由も含めて申告しておくのがおすすめです。後から「実は滞納していた」とわかると悪印象ですから。
同じく、健康に不安がある場合も素直に相談するのが一番です。「少しくらい大丈夫だろう」と思って虚偽の申告をすると、万が一の場合団体信用生命保険による保障を受けられなくなってしまいます。
3-2.自分にとって適正な借入額の割り出し方を知っておく
アドバイザー:
何度か言及した通り、審査項目で最も重要なのは返済負担率ですが、審査を長引かせないようにするのであれば最初から無理な借り入れはしない、というのが一番です。自分にとって適切な予算を知り、返済期間を含め余裕をもった借り入れをしましょう。
A男: 予算に余裕があれば、後から出費が増えてしまった場合も借入額を増やさずに済みそうですね。借入額の目安はどう計算したらいいのでしょうか?
アドバイザー:
適正な返済率は20%、年収の約5倍です。年収が400万円なら約2072万円、年収が600万円なら3109万円が借りられる額ということになります。
この返済率を基準に、自分たちにとって今後必要な資金をしっかり考えた上で予算を決定してください。
A男:
わかりました!
審査を後回しにされないための小さなテクニック
A男:
自分で住宅ローン審査の内容についてきちんと知って、対策をしておけば安心そうですね。
アドバイザー:
そうですね。でも実は、自分には全く問題がないにも関わらず、審査が平均よりも長引いてしまうケースがあるんです。
A男:
えっ!?どんな場合ですか?
アドバイザー:
それは、単純に担当者が忙しくて遅れてしまうケースです。
A男:
そんな!
アドバイザー:
これを防ぐためには、担当者と密に連絡を取り、信頼関係を築いておくことが意外と大切です。A男さんのように個人信用情報などに気にかかる点がある場合は、自分が返済能力のある、信頼できる人間であることをコミュニケーションの中でアピールすることもできます。
A男:
なるほど。自分が担当者だったら、印象が強い人の審査はなるべく急ごうと思うかもしれません。
アドバイザー:
もちろんこれで100%審査が長引かないというわけではありませんが、テクニックとして知っておくと良いでしょう。
まとめ
住宅ローンは、事前審査は早くて即日、長ければ1週間程度かかります。本審査は早ければ1~3日で済む銀行もありますが、長ければ1~2週間が目安となります。銀行によってまちまちなので、各サイトで要項を確認しておきましょう。
審査期間が長引くケースは主に以下の通り。
- 書類不備
- 返済負担率が高い
- 個人信用情報に問題がある
- 転職や独立をした
- 本審査で借入金額を増やした
近年特に重要視されているのは返済負担率です。自分の借りられる額をしっかりと見極めましょう。さらに、住宅ローン審査でどんな部分を見られるのかを把握して、不安点があれば担当者に事前に相談しておくことで、審査への不安を軽減できるはずです。
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