暮らしやすい1LDKの間取りとは?選び方とおすすめの1LDK事例10選をプロが解説

「ひと部屋+LDK」を柔軟に使える1LDKほど、幅広い暮らしやすさのニーズに応える間取りは他にないでしょう。可変性と家事動線の設計で、面積以上の“暮らしやすさ”を得られるため、一人暮らしからファミリーまで、さまざまな理由で選ばれているのです。実際に、2024年の東京23区では、1DK・1LDKがマンション売買の28.9%と高いシェアを占めています。
本記事では、暮らしやすい1LDKの間取りとはどのようなものか、間取りプランの選び方のほか、おすすめの1LDK事例を、ゼロリノベの施工事例から解説します。単身〜二人暮らしを中心に支持が高い1LDKについて知り、リノベの選択肢として検討してみましょう。
1LDKの間取りとは?
1LDKの間取りは、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)にもう1つ部屋を加えたタイプの間取りです。平均的な用途としては、LDKを寛いだり食事をする部屋として位置づけ、LDK以外の仕切られた部屋を、寝室として使うことが多いでしょう。
1DKとの違いとして、LDK以外の居室が8畳以上ある場合を1LDK、8畳に満たない場合は1DKとすることが一般的です。ただし、詳しくは後述しますが、家族や自分好みにリノベーションする過程で、この定義は柔軟に変化していくことになります。
1LDKはどんな人におすすめか
1LDKは30平米台~70平米台まで、広さに関わらず採用される間取りです。居住者数も1人~4人くらいまで対象は豊富です。1LDKは、次のような方におすすめです。
- 同棲や結婚、未就学児1名くらいまでの住まいにしたい
- 1人暮らしの終の棲家をこだわって仕上げたい
- 広さに関わらず、開放感や家族が暮らしやすい機能性を重視したい
そのため、昨今は中古で取得してリノベーションした住まいを有効に活用して、住み替えの際には賃貸活用を視野に設計するケースがあります。また、立地が良くとも高くない物件を探して、こだわりのリノベーションを施す1人住まいの方のニーズも多くあるのです。

また、近年はマンション・戸建てを問わず開放感のある大きな間取りが好まれる流れがあります。
リノベーションが柔軟に可能なマンションの特性を活かし、開放感や機能性にこだわった1LDKプランを採用、家族の増加に合わせてあとで間取りを変更するのも、良い選択といえるでしょう。
1人で1LDKに暮らす意味
1人暮らしで1LDKは広さをもてあますのでは?1DKやワンルームで良いのでは?と考えることがあるかも知れません。
特に若い方の場合、家財道具は以前よりも減っている傾向にあるため、30平米以下のワンルームでも暮らせると考えがちです。
ただし近年は在宅勤務やリモートワークの用途が多く、住まいには仕事とプライベートをうまく区別することが求められます。また、収納が豊富でない場合は、暮らしや趣味のものの置き所に困る状況も出てくるでしょう。単身1LDKの利点は、仕事と休息を分けるオン・オフの切り替えはもちろん、収納や仕切り追加して部屋を増やすなど、住み方を切り替える余地がある間取りであることです。



また、住み替え前提で小さな間取りを希望している場合でも、のちに売ったり貸したりすることを考えたときにも、ある程度の広さと部屋数があった方が有利です。
理想的な1LDKの選び方
この章では、理想となる1LDKの選び方を以下の2点に絞って解説します。
- 都心部のコンパクトな1LDKを選ぶ
- 広い1LDKに長く暮らす
都心部のコンパクトな1LDKを選ぶ
都心部にある物件は生活の利便性が高く、職場と自宅の距離が近かったり遅い時間帯までの活動がしやすかったりするメリットがあります。築年数を経たコンパクトな1LDKのマンションは、まださほど広さの必要ないカップルや、あるいは将来を見越して、暮らしが便利でメンテナンスがしやすい部屋を探す方などには、ぴったりだといえるでしょう。



カップルの場合は開放感、中高年の方の場合はバリアフリー目的で1LDKにリノベーションして生活していても、将来的に売ったり貸したりする際には2LDKや2DKに戻すと、市場価値が高くなります。
広い1LDKに長く暮らす
60平米~70平米台の物件を、長く暮らすつもりで購入すると、リノベーションで家族の暮らしやすさ・こだわりを実現することができます。
ひと部屋を取り払ってリビングを広くとると、開放感や明るさが実現するほか、家族みんなで過ごしやすい、広いスペースを確保できます。



また、トイレや浴室、洗面室などを含むサニタリーや収納に重きをおいた機能重視の設計もできるでしょう。
おすすめの1LDKの間取り事例10選
リノベーションではご自身の生活に合わせた間取りに変えられるのがメリットです。ここでは、ゼロリノベでリノベーションした物件の中から、おすすめの1LDKの間取りとそれぞれの物件のおすすめのポイントを紹介します。
さまざまなライフスタイルの事例を紹介しますので、理想の間取り選びの参考にしてください。
46平米×一人暮らし|「私だけのくつろぎ」を実現
仕事を終えて、お気に入りのバースペースでリラックス。温かみのある色彩に囲まれて過ごすイメージのリビングです。
カウンターは食事や仕事に活用し、必要なもの、お気に入りのものだけを配置したシェルフやカフェ風のキッチン収納が続きます。
リノベーションはこのカウンター周りの造作がメインで、間取り変更などはないため、予算500万円程で理想的な住まいに生まれ変わりました。
きれいなタイル張りのカウンターにはシンクもコンロもなくフラット面を確保。配膳や作業がしやすく、とてもぜいたくです。
キッチン設備は写真左・壁面のドアの中、洗面やバスルームは奥のドアの中にあります。
注意深く生活感をコントロールすることで、オリジナリティあふれる、お気に入りの空間づくりに成功しました。
リノベーション事例の間取り図(ビフォーアフター)
BEFORE
AFTER
ゼロリノベのリノベーション施工事例
鮮やかな造作カウンターが目を引くお住まい。アールに丸みを帯びたデスクは、仕事にもダイニングにも大活躍。掃除しやすい床材を部分的に採用し、植物や犬猫と暮らしやすい工夫を施しました。パリのアパルトマンをイメージしたビビッドな配色が、職住一体の生活をエンパワーします。
※費用は引き渡し当時の金額です
46平米×一人暮らし|マンションリノベで昭和レトロ×和モダン
昭和のたたずまいとモダンさを融合させたお部屋です。とてもマンションの1室とは思えない雰囲気と居心地を実現しました。
賃貸で住み慣れた街に住み続けようと考えた施主様が優先したのは、広さよりも機能性と好きなテイストを実現すること。今まで愛着のある家具が気持ち良く収まる空間でした。
朝の光で目覚める就寝スペースには、仕切りを設けなかったため、実質1Kに相当するシンプルな間取り。
しかし玄関から続くウォークインクローゼットなど、住まいの機能部分にはしっかりスペースが割かれています。
また、もともと独立した洋室だった部分を、キッチンやリビングの拡張に充てたことで、窓に面した明るく充実した空間となりました。
リノベーション事例の間取り図(ビフォーアフター)
BEFORE
AFTER
ゼロリノベのリノベーション施工事例
どこか懐かしさのある、昭和レトロ×和モダン。建具など細部のデザインで、お気に入りの家具や雑貨がなじむ和洋折衷を叶えました。限られたスペースにたくさんのものがあるので、工夫したのは収納のつくり。「しまう」「飾る」のバランスが絶妙な、遊び心ある空間となっています。
※費用は引き渡し当時の金額です
34平米×一人暮らし|機能美満載・縦長の居室をホテルライクに
玄関から採光窓に向かって縦長の居室は、機能へのこだわりを具体化していくことで、おしゃれな空間に変貌しました。
最初は作業がしやすい大きなデスクや、暗めで落ち着いた雰囲気の照明などのイメージから入って、「水回り」「ワーキング&リビングダイニング」「就寝スペース」の3パートに分けていきました。
機能にこだわりながら、家具や調度をミニマムに抑えたことで、ホテルライクな美しさが際立ちました。
それぞれのパートにはドアによる隔絶がなく、間取り上はワンルームともいえるプランです。
しかし仕事、食事、休息などそれぞれの行動にストレスなく暮らせるのは、パート分けの意図が明快であるためでしょう。
こちらの写真には写っていませんが、キッチンも本格的なものが備えられており、長く住むという方向性が感じられる住まいです。
リノベーション事例の間取り図(ビフォーアフター)
BEFORE
AFTER
ゼロリノベのリノベーション施工事例
シンプルな機能美が光る、ホテルのようなワンルーム。必要なものだけを選び取り、コンパクトながら気持ちに余白の生まれる上質空間に仕上げました。限られた空間を最大限活かす動線に、落ち着いたトーンのデザイン。削ぎ落とされたミニマムさの中にも懐深さを感じるつくりにしました。
※費用は引き渡し当時の金額です
40平米×一人暮らし|丁寧な暮らしに必要な広さの配分
比較的ものが少なく、大きな床面積を必要としない生活ながら、「丁寧に暮らすために」ゆとりをもった空間を重視した1LDKの間取りです。
キッチンや洗面室、ウォークインクローゼット、玄関から続くバルコニーそばのランドリースペースなど、丁寧に暮らすために必要なスペース取りがされています。
写真左側のベッドを見ると、寝室というよりもシンプルな就寝スペースとして配置。
近年寝室は、心理的な落ち着きや空調効率などの観点から、ミニマムな空間が理想という意見を多く見かけるようになりました。
この家の思い切りやメリハリは、自分にとって本当に暮らしやすい住まいを作るというこだわりの成果と言えるかもしれません。
リノベーション事例の間取り図(ビフォーアフター)
BEFORE
AFTER
ゼロリノベのリノベーション施工事例
”丁寧な暮らしがしたい”という施主様のため、朝一番に立つキッチンは窓の外に広がる景色を見ながら気持ちよく過ごしていただけるよう部屋の中心に配置。クリアな間仕切りや開口を設けるなどして、光と風がまわる、心地よい住まいを目指しました。
※費用は引き渡し当時の金額です
46平米×一人暮らし|リビングとユーティリティが最優先
就寝スペースがカーテン仕切りというミニマムな思想で作られています。
もとは和室2間だった場所を明るいリビングとウォークインクローゼットに変更しました。洗面スペースも機能的にとても充実した場所に変更しています。
間取りを大きく変え、理想のおこもり生活に最適化した住まい。天候の良くない週末は、家でゆっくり読書などをして過ごしたくなりそうです。
食事はシンクわきのワークスペース兼用の場所で済ますことも。配膳や片づけは合理的そのものです。
ベッドの配置も窓の景観を楽しめ、リビングのソファー同様の角度でテレビを見られれば、スペースはミニマムでOK。
北欧モダン風の、落ち着いた色彩のソファなど、調度や内装もリラックスするには最適でしょう。
リノベーション事例の間取り図(ビフォーアフター)
BEFORE
AFTER
ゼロリノベのリノベーション施工事例
広々としたリビングで、ソファとベッドの両方からテレビが見える設計が魅力です。最小限の間仕切りで回遊性を確保し、バーチカルブラインドで風通しとプライバシーを両立。白を基調とし、丸みを帯びた照明や洗面ボウルが柔らかな雰囲気を演出する空間となりました。
※費用は引き渡し当時の金額です
58平米×二人暮らし|なるべくワンルームの開放感を
広さは58平米で、もとは3DKとして使われていた間取り。LDK+寝室のゆったりと開放的な部屋使いに改修しました。
大きな掃き出し窓が心地いいリビングは北欧調の家具・調度に畳で寝そべるコーナーが違和感なくマッチしています。
キッチン以外の水回りと、大きなウォークスルークローゼットのゾーンは独立しており、居室部分は落ち着いた、物の少ないシンプルな空間になりました。
寝室は3畳のコンパクトな空間。換気通風できる大きな窓は、リビング側と寝室側双方の開放感・清潔感を演作しています。
リノベーション事例の間取り図(ビフォーアフター)
BEFORE
AFTER
ゼロリノベのリノベーション施工事例
「幼少期に実家の和室でゴロゴロしていたのを自宅でも叶えたい」という思いから、畳の小上がりを採用。小上がりには床下収納とカウンターを造作。コンパクトな部屋に圧迫感を出さないよう、寝室に室内窓をつくりました。
※費用は引き渡し当時の金額です
48平米×二人暮らし|リビング優先のシンプルリノベ
LDKに向かって大きく張り出していた洋室を取り払い、広く開放感のあるリビングに生まれ変わりました。
壁付けキッチンと、隣接したダイニングで、食事系の家事動線はとても合理的。
グレーと白のやや無機的なモルタルと、ぬくもりのある自然素材を組み合わせが随所に効果的に盛り込まれています。
洗面室やクローゼットは以前より大きくとられているため、効率的な家事や、衣類・リネンなどの集中管理に貢献しそうです。
このプランでも、寝室はミニマムサイズなのが印象的です。
リノベーション事例の間取り図(ビフォーアフター)
BEFORE
AFTER
ゼロリノベのリノベーション施工事例
シンプルで手間のかからない家事を重視したリノベーション。キッチンに迷い、見積もりを比較した結果、コストと実用性を考え壁付キッチンを選択。好きなグレーとモルタルの雰囲気を取り入れ、好みどおりのリノベーション空間に仕上がりました。
※費用は引き渡し当時の金額です
72平米×二人暮らし|多彩なくつろぎ方を支える1LDK
南北に風の通る特徴を活かして、さらに気持ちよさを増したリビングが自慢の住まい。
70平米台という3LDKも作れる床面積を、あえて二人暮らしのためにフル活用。書斎や小上がり、サニタリースペースがお気に入りです。
もと和室であった場所を、ランドリールーム・サニタリー収納機能を備えた洗面室に大胆に変更。家事効率をアップするほか、集中収納によって他のお部屋をすっきりさせる効果を高めました。
欧風のRがつけられた天井が、くつろぎを生む寝室。
住まいの各所に、お気に入りのアートや雑貨をギャラリーのように配し、来訪者は玄関を開けた瞬間、思わず息を吞むような内装デザインを体験できる家です。
リノベーション事例の間取り図(ビフォーアフター)
BEFORE
AFTER
ゼロリノベのリノベーション施工事例
インテリア好きの二人がこだわったギャラリーのような住まい。白を基調とした空間には、可愛い小物を飾るための棚や展示スペースが充実。日常を特別に彩る素敵なリノベーションが実現しました。
※費用は引き渡し当時の金額です
64平米×二人暮らし|シンプルな開放感の中に住まいの機能をビルトイン
暫定1LDKの見本のような住まいです。将来子育てが始まったら部屋数を増やす前提で、いまはリビング周りを広くとり、大きな部屋にしています。
開放感ある大きな間取りを志向する場合、生活に必要なものをいかにシンプルに、煩雑さを避けながら配置するか、という課題が生じます。
そこは家具の統一感や、色数を減らすこと、リビングに持ち込むアイテムを制限するなどの工夫を行い、落ち着いた空間に仕上がっています。
居室部分は今後の柔軟な変更を想定していますが、水回りの家事動線や収納効率が考え抜かれています。
スペースごとに機能を集約し、「家事はその場で完結する。リビングには持ち込まない」というコンセプトが伝わってきます。
リノベーション事例の間取り図(ビフォーアフター)
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ゼロリノベのリノベーション施工事例
北欧テイストがお好きだというご夫婦。将来の子どもとの暮らしを見据え、個室を最大3室に増やせる余白を残した設計と、帰宅後すぐに手洗いと着替えができるコンパクトな動線にしました。広々としたLDKには奥様が在宅勤務できるワークスペースも設けています。
※費用は引き渡し当時の金額です
74平米×四人暮らし|躯体壁のゾーニングと広いリビングで”おしゃれ”を具体化
四人暮らし74平米の1LDKから、ダイニング隣にお子さんの成長に合わせてキッズスペースを足した状態の事例です。
広いリビングを確保しながら、断熱にもこだわり、各スペースに囲まれたLDKが外壁に面しているのは窓の面だけという仕様です。
また、部屋数を減らしてダイニングキッチンを充実させました。
コンパクトな鍵付きのワークスペースは、子育て中でも集中できる環境の確保が意識されました。
夫婦の寝室とワークスペースは、他のエリアから独立したゾーニングとなっており、オンオフの切り替えがしやすいでしょう。
リノベーション事例の間取り図(ビフォーアフター)
BEFORE
AFTER
ゼロリノベのリノベーション施工事例
躯体壁を活用してプライベートとパブリックスペースを効果的に分ける間取りに。WICと洗濯機を隣り合わせにしたり、キッチンからのアクセスを考慮したりと、家事動線を意識して計画。キッチンにまわした古材やアクセントのブルーなど、夫婦それぞれの希望を叶えました。
※費用は引き渡し当時の金額です
まとめ
暮らしやすい1LDKの間取りの魅力をはじめ、間取りプランの選び方、おすすめの1LDK事例を、ゼロリノベの施工事例から解説しました。
中古マンションを購入、リノベーションして住むことのメリットは数多いです。立地に優れた場所に、お気に入りのデザイン・間取りの住まいを持つことは、新築・分譲のマンションではさまざまな理由で困難といえます。
理想となる暮らしやすさを想像した上で、間取りをゼロから考えるのは容易ではありません。ゼロリノベでは、「資金計画」「不動産仲介」「リノベ設計・工事」をワンストップでサポートします。よくニーズをお尋ねしたうえで、間取りだけでなく「立地」「資金計画」「不動産仲介」「リノベ設計・工事」まで、住まいに関することをすべてワンストップでサポートすることが可能です。
専門家があなたの「好き」を形にするお手伝いをいたしますので、1LDKマンションの購入をご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。
リノベーション費用をシミュレーションしよう!
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