中古マンションリノベーションのデメリット|リノベ済み物件との違いも一級建築士が解説

中古マンションを買ってリノベーションしようか迷っているものの、「デメリットや注意点をちゃんと知ってから決めたい」と感じていませんか。
本記事では、期間・お金・手間の3つの側面から「中古購入+リノベーションする場合のデメリット」を整理しつつ、リノベーション済みマンションならではの注意点と、購入前にチェックしておきたいポイントをコンパクトにまとめました。
リノベーションに向いている人・向いていない人のヒントも交えながら、自分に合う選び方を考える材料になる内容なので、検討の前に一度落ち着いて読み進めてみてください。
リノベ費用の決定版!リノベにかかるお金について総まとめした記事はこちらから
期間(住み始めるまでに5~6ヶ月ほどかかる)

中古マンションを購入してフルリノベーションする場合、住み始めるまでの期間は通常5〜6ヶ月が目安になります。リノベーション設計に2.5〜3ヶ月、施工に2.5〜3ヶ月ほどかかるイメージです。
小規模リフォームと違い、間取りや設備を一から考えてつくり込むため、どうしても一定の時間が必要です。入園・入学・転勤など、引っ越しタイミングが決まっている場合は、「1年後に入居する」くらいの余裕を持って動き出すとスケジュールが組みやすくなります。

住み始めるまでに時間がかかる理由
リノベーションでは、物件探し・設計・見積もり・施工と、いくつもの工程を順番に進めていきます。特に設計フェーズでは、暮らし方に合わせた間取りや収納計画、設備グレードなどを細かく検討するため、打ち合わせ回数が増えがちです。
また、工事内容が確定するまでは、正確な工期や引っ越し日をセットしづらい側面もあります。そのため「すぐに住みたい」「とりあえず普通にきれいならOK」という人は、設備交換中心のリフォームの方が向くケースもあります。
工期を無理に短縮すると後悔しやすい理由
工期を極端に短くしようとすると、次のようなところで後悔が出やすくなります。
- 間取りや収納の検討が浅くなり、「住んでみたら使いにくい」という不満が残る
- 設備や素材選びを急いだ結果、優先順位の低い部分に予算を割いてしまう
- 現地調査や見えない部分の確認が不十分になり、工事中の想定外コストが増えやすい
「できるだけ早く住みたい」と「ちゃんと納得いく家づくりをしたい」のバランスを取ることが、工期計画でいちばん大事なポイントです。
期間をなるべく短くするためのポイント
期間を短くしつつ、後悔を減らすためには、次のような工夫が有効です。
- 物件探しとリノベーション設計をワンストップで進める会社を選ぶ
- 事前に「叶えたいこと・譲れない条件」をリスト化しておき、打ち合わせを効率化する
- 入居希望時期から逆算して、いつまでに物件を決めるか・設計を終えるかの目安を持つ
「とにかく早く」よりも、「この時期までに、これくらいの余裕で引っ越したい」というイメージを持ってスケジュールを組むと、期間はデメリットではなく“計画の前提条件”として受け入れやすくなります。

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お金に関するデメリット
中古マンションを購入してリノベーションする場合、次のようなお金まわりのデメリットが生じることがあります。
- 引っ越しまで家賃+ローンの二重負担になる
- リフォームより費用が高くなりやすい
- 解体してみてから追加費用が発生することがある
- リノベーション済みマンションを購入する場合も、別のコスト面の注意点がある
引っ越しまで家賃+ローンの二重負担になる

物件の引き渡しと同時に住宅ローンの支払いが始まりますが、工事が終わるまでは今の賃貸にも住み続ける必要があります。そのため、完成までの数ヶ月は「家賃+ローン」を同時に負担する期間が生まれます。
ただし、金融機関によっては一定期間、金利分だけの支払いに抑えられるケースもあり、二重負担を軽くすることも可能です。物件購入前に、仲介会社やリノベーション会社を通じて「支払い開始タイミング」を相談しておくと安心です。
リフォームより費用がかかるケースがある
リノベーションは、一般的な部分リフォームに比べて工事範囲が広くなるため、その分費用も高くなる傾向があります。専属の設計担当がつき、間取りや収納計画をゼロから考え直し、配管・電気・設備・内装までまとめて更新するからです。
「キッチンだけ新しくする」「水まわりだけ交換する」といったリフォームとは違い、住まい全体を組み替える前提なので、予算にはある程度の余裕を見ておく必要があります。
追加費用が発生しやすいポイント
設計段階の図面どおりに工事が進められない場合や、解体して初めて分かる劣化・仕様の違いが見つかると、追加費用が発生することがあります。
よくある例としては、次のようなものがあります。
- 断熱材がほとんど入っておらず、追加で断熱工事が必要になる
- 配管の経路や径が想定と違い、交換や経路変更が必要になる
- 構造上、予定していた間取り変更ができず、別案の工事が必要になる
金額は物件の築年数や状態、工事内容によって変わるため、見積もりの段階で「追加費用が出る場合の上限イメージ」を確認しておくと安心です。
リノベ済みマンション購入で起こりがちなコスト面の注意点
リノベーション済みマンションの場合は、また別のコスト面の注意点があります。
- すでにリノベーション費用が上乗せされているため、同じ築年数・広さの未改装物件より価格が高くなりやすい
- 表面の仕上げはきれいでも、配管や断熱など見えない部分までは更新されていないケースがある
- 自分で工事内容を選べないため、「ここだけ変えたい」と思っても追加リフォーム費用が必要になる
「すぐ住める・選ぶ手間が少ない」というメリットと、「割高になりやすい・中身が分かりにくい」というデメリットを比べて検討するのがポイントです。
リノベーション費用を抑えるコツ

費用を抑えるいちばんのコツは、「どこにお金をかけるか」をはっきり決めておくことです。
- キッチン重視ならキッチンに予算を集めて、お風呂は標準仕様にする
- 雰囲気重視なら床・壁材にこだわり、設備はシンプルにする
というように、優先順位を決めておくと、予算オーバーを防ぎやすいです。定額制や平米単価が分かりやすい会社を選ぶことも、予算管理のしやすさにつながります。
手間・工数に関するデメリット
中古マンションを買ってリノベーションする場合、「時間だけでなく自分たちの手間もそれなりにかかる」という点は、避けて通れないデメリットです。
- 打ち合わせ・検討の手間がかかる
- 工事期間中も現場確認が必要になることがある
- 工事開始後にプラン変更が発生する場合がある
打ち合わせ・検討の手間がそれなりにかかる
リノベーションでは、ヒアリングからプラン提案、修正、見積もり確定まで、複数回の打ち合わせを重ねながら進めていきます。
「設備を選んで交換するだけ」のリフォームと比べると、間取りや収納、素材選びなど検討するテーマが多く、どうしても打ち合わせの回数と時間が増えます。
このプロセスを楽しいと思う人も多い一方で、「そこまで考える余裕がない」「任せたい気持ちが強い」場合は、部分リフォームやパッケージ化されたプランの方が向いているケースもあるでしょう。
打ち合わせを効率よく進めるには、「叶えたいこと」「優先順位」「予算感」を事前に整理しておくのが有効です。
間取り検討で迷走しやすいポイント
間取りを一から考え直せるのはリノベーションの大きな魅力ですが、選択肢が多い分迷子になりやすい側面もあります。
よくある迷走パターンは次のようなものです。
- 個室の数や広さにこだわりすぎて、LDKが窮屈になる
- キッチンの位置や向きばかり気にして、動線や収納計画がおろそかになる
- 「生活感を隠したい」気持ちが強く、現実の持ち物量と合わない収納計画になる
間取りで悩みすぎないためには、「何を優先したい暮らし方か(開放感・収納・家事動線など)」を絞り込んだうえで、事例を見るときもその軸でチェックするのがおすすめです。
工事期間中も現場確認が必要になることがある
工事が始まった後も、いくつかのタイミングで現場に足を運ぶ必要が出てきます。
- 解体後の状態確認(構造・配管の位置など)
- 途中の仕上がり確認(壁・天井の色、棚の高さ、スイッチ位置など)
- 引き渡し前の最終チェック(傷や汚れの有無、設備の動作確認など)
これらは図面だけでは判断しづらく、実際の空間を見て調整した方が満足度が高いため、最低でも数回は現場確認の時間を確保しておく必要があります。
また、現場に行く際は、事前に設計担当に連絡し、職人さんの作業スケジュールに配慮するのがマナーです。
工事開始後のプラン変更で起こりがちなトラブル
解体してみて初めて分かる構造や配管の条件によって、工事開始後にプラン変更が必要になる場合があります。
たとえば、次のようなケースです。
- 配管の経路上、予定していた場所にお風呂やキッチンを動かせない
- 耐力壁の位置が想定と違い、開口できない壁が出てくる
- 天井の梁や設備の位置によって、予定より天井高が取りづらくなる
こうした変更はリノベーションではある程度「起こりうるもの」として想定しておくことが大切です。事前に「優先順位」と「譲れるライン」を整理しておくと、設計担当との調整もスムーズに進み、工期や費用への影響も最小限に抑えやすくなります。
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リノベーション済みマンションのデメリット
中古マンションを買ってリノベーションする方法とは別に、「すでにリノベーション済みのマンションを購入する」という選択肢もあります。ここでは、リノベーション済みマンションならではのデメリットを、簡単に整理しておきます。
表面だけきれいで、見えない部分はそのままのことがある
リノベーション済みマンションは、内装や設備がきれいに更新されている一方で、構造や配管、断熱など「見えない部分」までは手を入れていないケースもあります。
見た目の印象だけでは築年数や建物性能の実態が分かりにくく、将来的な設備トラブルや断熱不足に気づきづらい点がデメリットです。
購入前には、配管更新の有無・断熱工事の範囲・耐震性・修繕履歴などを、図面や説明資料で確認しておくことが重要になります。
リノベ費用が上乗せされて価格が割高になりやすい
リノベーション済みマンションは、売主や事業者が行った工事費用が価格に含まれているため、同じ広さ・築年数の「未改装の中古マンション」と比べると、販売価格が高くなりやすい傾向があります。
自分で中古を買ってリノベーションする場合と比べて、「物件価格+工事費の内訳」が分かりにくく、どこまでが妥当な金額なのか判断しづらい点もデメリットです。
検討する際は、「同エリア・同規模の未改装物件の相場」と、「中古マンション購入+リノベーションした場合の概算費用」をざっくり比較して、割高感がないかをチェックしておくと安心でしょう。
自分で間取り・設備を選べないため、細かい不満が残りやすい
リノベ済みマンションでは、間取りや設備仕様はすでに完成しているため、「キッチンの位置を変えたい」「収納を増やしたい」といった細かな要望を反映しづらい面があります。
住み始めてから「もう少しここがこうだったら…」という細かな不満が出ても、大掛かりな変更には追加費用が必要になります。割高な価格で購入している分、あとから手を加えづらく、「小さな違和感を飲み込んで暮らす」形になりやすいことは知っておきたいポイントです。
中古購入+リノベーションの場合は手間や時間・コストは増えますが、その分間取りや設備を自由に決められるため、「自分たち仕様にカスタマイズできるかどうか」が両者の大きな違いになります。
後悔しないためにチェックしておきたいポイント
中古マンションを買ってリノベする前に、次のポイントだけは最低限チェックしておくと、後悔のリスクをかなり減らせます。
予算・資金計画(物件+リノベ+諸費用の総額)
物件価格だけでなく、リノベーション費用・登記や仲介手数料などの諸費用を合計した「総額」を把握しておくことが大切です。
総額が年収や返済比率の許容範囲に収まっているか、将来のライフイベントを踏まえて無理のない支払い計画かどうかを確認しておきましょう。
建物の状態(築年数・耐震・修繕履歴・修繕積立金など)
内装よりも先に、「建物そのものの状態」をチェックすることが重要です。
- 築年数と耐震基準(新耐震かどうか)
- 過去の大規模修繕の実施状況と今後の計画
- 修繕積立金の水準・残高・滞納状況
といった情報は、長く安心して住めるかどうかを判断するうえでのベースになります。
配管・設備・断熱など、見えにくい部分
見た目がきれいでも、配管や断熱、電気設備など「目に見えにくい部分」がそのままだと、将来のトラブルや光熱費の負担につながることがあります。
- 給排水管の材質・更新履歴
- 電気容量や配線の状態
- 断熱材の有無・性能
などを、可能な範囲で図面や説明資料から確認し、「どこまで手を入れる必要がありそうか」を事前にイメージしておくと安心です。
管理規約・工事の制約(工法・工事時間・騒音など)
マンションごとに、リノベーション工事に関するルールが細かく決められています。
- 施工可能な時間帯や曜日
- 使える工法(床材の防音性能など)
- 共用部の利用ルールや搬入・養生の決まり
といった制約によって、やりたい工事ができないこともあるため、購入前に管理規約や工事承認の条件を必ず確認しておきましょう。
まとめ
中古マンションを買ってリノベーションする場合は、期間・お金・手間の3つの面で負担が大きくなりやすく、リノベーション済みマンションには「割高になりやすい」「中身が見えにくい」といった別の注意点もあります。
ただ、購入前に予算の総額を把握し、建物や配管・断熱の状態、管理規約や工事制約をチェックしたうえで、暮らしの優先順位を整理しておけば、自分たちに合う選択肢や進め方が見えやすくなり、後悔を減らしつつ「自分たち仕様の住まい」を実現しやすくなります。
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