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中古マンションの探し方で悩む全ての人に伝えたい最善の方法とは?

物件の探し方比較表

自分なりに中古マンションを探しているのに、いい物件が見つけられず悩んでいませんか?

中古マンション購入の最初のステップであり、最大の難関でもある物件探し。実際に自分が物件を探していたときも、何から手をつけていけばいいのかわからない割に、気になった物件が数時間後に売れてしまっていて決断できなかったことを後悔したこともあります。

中古マンションを探す方法は大きく分けて

  1. 不動産会社に依頼する
  2. 自分で検索サイトを使って探す

の2通りの方法があります。

私は自身の投資用の物件探しのために、過去1,000件以上の物件を見てきましたが「これら2通りの方法のどちらかだけを使って物件探しをすると、自分にぴったりの物件が見つかる可能性は格段に下がってしまう」と確信しています。

というのも、これら2つの方法には、それぞれメリット・デメリットがあるからです。

私がおすすめする方法は、これら2つの方法を並行して行い、それぞれの強みを生かして物件を探す方法です。こうする事で、自分にぴったりの物件が見つかる可能性は飛躍的に向上します。

実際私は以下で説明する物件の探し方をベースとして、自分が住むための中古マンションの購入はもちろん、また投資物件の調査も1,000件以上し、平均利回りを超える物件を、高い確率で見つける事ができる様になりました。

そして今では不動産会社兼リノベーション会社を設立し、中古マンションの探し方をお客様にお伝えしているのです。

▼この記事で分かること

などをお伝えしていきます。

読み終えていただければ、今後中古マンションの探し方で悩むことはなく、すっきりとした気持ちで物件探しをすることができるでしょう。

いざ中古マンションを探すときのために、ぜひ保存してお役立てください!

この記事の監修者

宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

目次

情報を逃さないためにどちらも使い、自分主体で探すのがベスト

下記表は依頼をする場合(不動産会社)と自分で探す場合(検索サイト)の比較表です。

物件の探し方比較表よく、どちらの方法で探すべきか迷うことがありますが、比較表の通り、中古マンションを探す2つの方法にはそれぞれメリットデメリットがあります。

そこで、両方のメリットを得つつデメリットを打ち消すために、不動産会社と検索サイトの両方を使うことをおすすめしています。

情報の取り逃がしを防ぐには片方だけでは足りません。また、自分たちが主体的に探す理由は下の通りです。

1-1.自分主体で探すと、ピンとくる物件に出会える

ピンとくる物件を見つけられる可能性が非常に高いのは、自分たちが主体となって中古マンションを探しているときです。

というのも、物件に求めるものを整理して多数の物件を見ていると、今までこだわっていた条件とは別の物件に心が動き出し、購入に至るケースが非常に多いからです。

普段お客様を見ていても、やはりこういったケースは非常に多いと感じています。おそらくですが、物件を見続けた結果、言語化できなかった「本当は大切に感じていた要素」を持った物件に反応できたからです。これは、自分たちが主体となってたくさん物件を検討して初めて起きることではないでしょうか。

また、不動産会社に提案された物件の場合も同じです。自分たちの価値観に合っているのか照らし合わせてピンときたなら買いです。

ただし、不動産会社はあくまで提示した条件内での提案がメインです。そのため、ピンとくる物件に出会える確率が高いのは、やはり積極的に自分で探した場合です。

1-2.不動産会社のみに任せると購入できない3つの理由

不動産会社のみに任せると購入できない3つの理由

不動産会社だけに任せない方が良い3つの理由をひとつひとつ項目にわけて見ていきましょう。

1-2-1.価値観が整理されず購入できない

不動産会社から提案される中古マンションをいきなり数件見ても、そもそも自分たちの希望がはっきりしていないため、購入に至るケースは非常に希です。

予算や立地、駅徒歩時間、築年数、広さや階数、間取りなど様々な要素を検討し購入するのが中古マンションです。

自分が物件を探していたときにもよく言われたのが「条件の7割〜8割を満たしていたら買い」というものですが、仲介担当から提案される数件だけを見ても、自分たちにとって本当に譲れない条件がなんなのかはっきりさせるのは難しいでしょう。

価値観を整理していくためにも、検索サイトで情報を集め、どういった条件が自分たちにとって本当に譲れないのかを把握する必要があります。

1-2-2.相場がわからず購入できない

不動産会社に、本当にいい物件を「買いです!」と提案されても、そのエリアの相場がわかっていない場合は、怖くて購入するのは難しいでしょう。

「もっといい物件があるのではないか?」
「同じ条件でもっと安い物件が見つかるんじゃないか?」

相場感覚がないと、こういった思考にとらわれて、いつまでも「存在しない物件」を探すことになってしまいます。これを回避するには、自分たちで、希望エリアにある物件を検索サイトで調べて相場を把握することです。

そうすれば、仲介担当から提案された物件がアリかナシかの判断もしやすくなり、変な不動産会社に騙される可能性も下げることができます。

1-2-3.不動産会社の担当に後回しにされ購入できない

いつまでも購入しないでいると、不動産会社の担当によっては「買えない客認定」をされ、良い物件があっても別のお客さんにその情報が流れ、後回しにされる可能性があります。

担当も仕事としてやっています。まかせきりでNOばかりを言うお客さんよりも、別の買うかもしれないお客さんに先に物件情報を伝えるのも無理のない話です。

これを回避するには、相場を把握した上で、自分たちの欲しい中古マンションの条件をしっかり整理してまとめ、不動産会社の担当に伝えることです。

【注意点】ネット検索で見つけた物件の取扱いは、どの不動産会社でもできる
検索サイトで見つけた物件は、基本的にどの不動産会社でも取り扱うことができます。そのため、もし信頼できる不動産会社を見つけているのなら、気になる物件のサイトURLを仲介担当にメールで送りましょう。物件を見学する日程や詳細情報などを集めてくれます。

不動産会社に依頼して探すメリットとデメリット

次にここからは、

  • 不動産会社に頼んだ場合のメリット、デメリット
  • 自分で物件を探す場合のメリット、デメリット

を続けて紹介します。

家探しの具体的な順番を知りたい方は4章をご覧ください。

2-1.不動産会社に頼んだ場合の、3つのメリット

不動産会社に頼んだ場合の3つのメリット

メリット3つをそれぞれ見ていきましょう。

2-1-1.検索サイトにない物件も提案してくれる

不動産会社は検索サイトに載っていない物件も提案してくれます。それは不動産会社のみが見られるレインズというシステムにアクセスし情報を得ているからです。

なかには売主の都合により、検索サイトに載せられない物件も存在します。様々な理由(住宅ローンの支払いが滞り手放すことになったことを周辺住民に知られたくないなど)によって検索サイトに載っていない物件を提案してくれるのは大きなメリットです。

2-1-2.物件の注意点を教えてくれる

どんな物件が危ないか、注意点を教えてくれる不動産会社もあります。周辺環境や近隣住民、修繕積立金の貯蓄具合など、知らないまま購入したら後悔が残るポイントがいくつかあります。

そういったポイントを目の前の物件が満たしているかどうかを教えてくれるのはかなりの安心感があります。ただし、全ての不動産会社がそうであるとは限りません。不動産会社の選び方については後半でお伝えします。

2-1-3.意思決定しやすい

物件を見ながら不動産会社の担当に色々と相談できるので意思決定がしやすくなります。適切なコミュニケーションを取ってこちらの要望を伝えれば、担当からの提案やアドバイスの確度も上がるため、購入プロセスもスムーズになります。

2-2.不動産会社に頼んだ場合の、3つのデメリット

不動産会社に頼んだ場合の3つのデメリット

デメリット3つをそれぞれ見ていきましょう。

2-2-1.紹介される物件数は少ない

紹介される物件数は少ないと言えます。条件を伝え、仲介担当者のフィルターを通ったものだけがピックアップされるためです。その場での提案なら4~5件程度かと思われます。検索サイトと比較すると集められる物件情報の数はかなり少ないと言えます。

2-2-2.一度目の提案後は、次の提案まで時間がかかる

一度おおよその提案がされたあとは、物件情報を紹介されるまでに時間がかかります。お客さまの条件になるべくマッチする物件をもう一度探し提案するためです。

2-2-3.強引な売込みや騙しを行う会社も

強く売り込まれたり騙されたりといったことも会社によってはあります。よくない物件を勧められたり、今決めないなら別の顧客に紹介するなど、会社や担当者によってはあり得ます。より詳しくは不動産会社選びの見極め方でお伝えします。

未公開物件を追いかけるのはナンセンス

未公開物件を追いかけるのは非常に労力がかかりメリットはとくにありません。そもそも未公開物件の数はあまり多くはなく、複数の不動産会社に未公開物件がちらばっているからです。

全ての情報を集めるためには、どの不動産会社とも連絡を取る必要があります。そういった少ない未公開物件を気にしているうちに、検索サイトに載っているいい物件は買われていってしまいます。

実際、投資家などは現地で物件の見学をせずネット情報のみで購入することもあるくらいです。

いずれにしても、不動産会社は早く売却をしたいので、物件を未公開のままにせずに、いち早く誰もが見られる不動産検索サイトに掲載します。

「未公開物件がありますよ」という謳い文句は単なる営業トークに過ぎませんので気にする必要はありません。未公開物件を追いかけるのではなく、検索サイトの情報をしっかりキャッチすることに集中しましょう。

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自分で検索サイトで探すメリットとデメリット

ここからは、自分で検索サイトで探したときのメリットデメリットを確認していきます。

3-1.自分で検索サイトで探した場合の、2つのメリット

自分で探した場合の、2つのメリット

3-1-1.手軽に大量に探せる

手軽に大量に物件情報を見られるのが検索サイトの1番のメリットです。ここで希望エリアの相場を学んだり、自分たちの条件を整理したりすることができます。

3-1-2.新着情報の通知設定ができる

新たに売りに出された物件がある場合、通知してくれる機能がある検索サイトやアプリがあります。どの不動産検索サイトやアプリでも、条件に合致した物件が新たに出てきた時に通知してくれる機能があります。

本当にいい物件は公開から数時間で売れてしまうこともあるのが中古マンション市場です。情報が素早く手に入るのはメリットの1つです。

3-2.自分で検索サイトで探した場合の、2つのデメリット

次にデメリットを見ていきます。

自分で探した場合の2つのデメリット

3-2-1.物件の注意点を確認しづらい

物件の注意点を確認しづらいのが検索サイトのデメリットです。ネットやアプリ上の情報だけで全てを判断することは難しく、売主や売主側の仲介会社へと確認が必要です。

3-2-2.いつまでも物件を探すことができるので決めにくい

条件が曖昧な場合、いつまでも探してしまって決められないのもデメリットです。ずっと見ることができるため決断を先送りにしてしまいがちです。

仲介担当からの提案や助言がないため、もっといい物件を見つけたい!という気持ちになり、いい物件があっても確信ができません。

同じ物件で価格が違うケースには要注意!

注意が必要なのが同じ物件で価格が違うケースです。検索サイトを見ていると同じ物件がいくつも出てくることがあります。物件はどの不動産会社も取り扱うことができるため、ブッキングすることもあります。ここで例えば、同じ物件が3,100万円と3,000万円で並んでいたら安い不動産会社に問い合わせをしたくなるかと思います。

しかし、安い方の会社に電話をかけて確認をすると「先ほど値段が上がってしまい、今は3,100万円になってしまっています。」と説明される事もあります。要するにこれは、問い合わせが欲しいためだけに価格をわざと安く表示しているケースです。こういった会社はお客様のことを考えていなためあまり信用できません。

物件を効率的に探すための4ステップ

中古マンション探しの4ステップ

上の図は効率的に中古マンションを探すためのステップを表しています。
ステップ2の2-1と2-2は順不同です。同時並行で進めましょう。

ステップ2で希望条件と検索結果が合わなかったらステップ1に戻り、価値観と条件を整理し直してステップ2-2へ向かいます。これを繰り返すことで自分たちがゆずりたくない大切な価値観がはっきりしてきます。

4-1.【ステップ1】価値観や条件の整理

価値観に沿って条件を整理するのがステップ1です。最初に条件をまとめることで、このあとのステップがスムーズになります。まずはここからスタートしましょう。

4-2.【ステップ2-1】信頼できる不動産会社や担当探し

不動産会社を探すのがステップ2-1です。様々な条件はありますが、不動産会社は安全性が高いかどうかで判断するべきです。安全性について、詳しいチェック方法は7章でお伝えします。

4-3.【ステップ2-2】物件検索サイトで相場を学ぶ

条件に沿って検索サイトで情報を集めるのがステップ2-2です。自分たちの出した条件が相場と違っていることも多いので相場と価値観を照らし合わせ条件を整理していきます。

4-4.【ステップ3】物件が絞れたら注意点をチェック

注意点のチェックがステップ3です。条件に近しい物件がピックアップできたら、その中古マンションの安全性を仲介担当にチェックしてもらい、危険そうな物件は除外しましょう。

4-5.【ステップ4】最終的に直感で決める

ステップ4は購入する物件の決定です。ここまできたら直感、フィーリング、ご縁といった何かピンとくるもので選んで大丈夫です。このステップまで論理的に進んできたため大きな失敗の可能性はかなり低いと言えます。

【ステップ1】価値観や条件の整理

価値観や条件の整理ーステップ1

価値観や条件の整理がステップ1です。最初に条件整理をすることで、今後のステップがスムーズになります。ここでは最初に検討すべき要素を洗い出していきます。

  • 予算
  • エリア
  • 物件の専有面積
  • 周辺環境
  • マンションの内装や設備

現時点では築年数は含めずに検討しましょう。実は物件の寿命は築年数というよりも管理状態が大きく影響してくるからです。

物件の寿命については、8-1-1管理状態が寿命に影響する理由で詳しくお伝えします。

*ゼロリノベの場合、価値観整理のサポートとして「マル秘シート」というものをお渡ししています。それにより効率的に価値観や条件が整理され、平均1ヶ月というとても短い期間で購入までたどり着けます。

5-1.予算

住宅ローン目安表

予算は最重要ポイントです。ここが曖昧だと、今後の条件を詳しく決めることができません。また無理な購入は人生を不自由にもします。

上の表は返済比率に基づいた年収別の銀行に借りられる額と無理なく返済できる額を比較したものです。ぜひ参考にしてみてください。

詳しく知りたい方は、住宅ローンの年収別目安について説明しているこちらの記事をご覧ください。

よりしっかりと決めるなら、年収や月々の支出、今後の人生設計をベースに、住まいに使っていい予算をファイナンシャルプランナーにライフプランを通して算出してもらいましょう。

5-2.エリア

次にエリアの選定です。通勤時間、災害の影響、治安、子供の学区などの条件から絞っていきます。何についての条件が一番優先度が高いのか順位を決めて絞っていきましょう。

お客様を見る限り、通勤距離から考えるケース、実家から考えるケース、子供の学区から考えるケースが多いと言えます。

また、災害についてはハザードマップを国土交通省のサイトから確認することができます。

5-3.物件の専有面積

最低居住面積水準 世帯人数別の物件面積次に物件の広さを決めます。上の表*の「最低居住面積水準」は、世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活を営む基礎としている基準です。

下の段は自社で実際に選ばれることの多い広さを表しています。これを参考に、数字で確認しましょう。

また、リノベーションをする場合はロフトを作るなど工夫によって、専有面積を増やしたり効率的に間取りを作ることができるので、多少希望の広さに届かなくてもバランスが取れることが多いです。

*国土交通省の参考資料、住生活基本計画における「水準」について

5-4.周辺環境

広さまで決まったら周辺環境の希望を出します。車通りの多さや治安などの安全面、駅徒歩の距離、スーパーや病院などの利便性の良さ、子育てをするなら保育施設や公園、塾や学校など教育関連施設などをどの程度求めていくのかといったところを決めていきます。

ここは好みも含まれてくる要素なので、5-3までである程度物件が絞れてきたら実際にその街を歩いたり、ストリートビューで確認してみましょう。

5-5.マンションの間取り/内装や設備

最後に間取り、内装や設備について希望を出します。3人家族でそれぞれ個室が必要と考えているなら3LDKといった個室3つとリビング、ダイニングとキッチンの間取りとなります。

内装と設備にこだわりがある場合、5-1〜5-4を守って探すとなると見つからない可能性が高くなります。その場合はリフォームやリノベーションを前提とし、内装を完全にゼロから作ると決め、この条件は考えずに進みましょう。

詳しく知りたい方は、リノベーションのメリットデメリットについて説明しているこちらの記事をご覧ください。

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  • 100年住めるマンションの見分け方 etc…

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【全13P】余白のある住まいの
買い方・つくり方

【 資料内容 】

  • 住宅ローンに縛られない「安心予算」の考え方
  • 経済性のある中古物件を選ぶ
  • 実は大事なインテリアへの気配り etc…

ゼロリノベが得意な経済的にも空間的にも「余白のある住まい」についての買い方やつくり方のポイントを6つにギュッとまとめて解説!

【ステップ2-1】不動産会社(担当)を探す

不動産会社(担当)を探すーステップ2-1

6-1.不動産会社は規模や地域ではなく担当者の信頼性で選ぶべき

ステップ2-1は不動産会社(担当)探しです。実は、会社選びで重要なのは会社そのものではなく、担当者の誠実性とノウハウの高さです。会社が全国的に有名でも担当者が有能かどうかは別の話です。

また昔からある会社だからといって担当者が昔からその会社に所属しているかどうかも別の話だからです。そのため、会社で選ぶのではなく、担当者の信頼性で選ぶべきと言えます。

6-1-1.大手の会社は物件情報を多く持っているんじゃないの?

情報量は同じです。最初にお伝えした通り、不動産会社だけが見ることのできるレインズというシステムで全国の物件を把握することができます。

未公開物件の情報が入るのが早いのは大手不動産会社ではありますが、そもそも絶対数が少なく、それだけを頼りに大手の会社を選んでもメリットが多いとは言えません。

6-1-2.地域密着型の地元の会社は融通がきくんじゃないの?

大手の会社と同じ理由で地域密着型だからたくさんの情報を持っているとは一概には言えません。地元で売り出される物件の情報については多少速く入手する可能性はありますが、1つのエリアにも密着型の不動産会社はいくつもあります。

それら全ての会社と平行して情報を得ながら物件を探すほど時間があるならば担当者をしっかり見極めるほうにエネルギーを使う方が有効だと言えます。

6-2.仲介担当の信頼性は、「この質問の答え」で判断する

仲介担当の誠実さやノウハウレベルの判断には、次の質問が有効です。「危険な中古マンションはどんなマンションですか?それを判断してくれますか?」

この質問にごまかさず答えてくれる仲介担当者ならある程度信用でき、長く住める安全なマンションかどうかもチェックしてくれるかと思います。

この質問の答えとなる物件の注意点について詳しくはステップ3でお伝えします。

6-3.フルリフォーム・リノベーションはワンストップ会社に依頼をすべき

中古マンションを購入し、フルリフォームやリノベーションをする予定でいるなら、不動産仲介とリフォーム・リノベーションを行なっているワンストップの会社に依頼することをおすすめします。

理由は大きく2つあります。

6-3-1.買いたいマンションが購入できない可能性があるから

購入したい物件に対しリフォームやリノベーションの金額も含めてローン審査をするとなると、金融機関に設計施工会社から書類を提出してもらう必要があります。ただしこの書類は用意に時間がかかります。

そのため、仲介会社と設計施工会社が異なると連携がとれず書類を待っている間に別の人に物件を購入されてしまう可能性があります。

6-3-2.ローンが全額通らず大規模なデザイン変更ができない可能性がある

物件のローンとリフォームやリノベーションのローンを別にして、とりあえず物件を購入した場合、内装を変更するための金額が全額ローンで通らない可能性があります。年収から逆算して物件にお金を使いすぎたパターンです。

そうなった場合、現金が手持ちに余裕があればいいですが、小規模な設備変更のみしか行えない可能性があります。また、設計工事のためのリフォームローンは金利が高く返済期間も短いため、住宅ローンと組み合わせると月々の支払いが苦しくなる可能性があります。

6-3-3.ワンストップの会社は手間を省いてくれる

ワンストップの会社の場合、先にあげたデメリットはなく、手間を省いてくれます。購入したい物件があれば書類提出も早く借りるローンは住宅ローン1つで済み、リフォームやリノベーションの会社を別途探す必要がありません。

より詳しく知りたい方は、リノベーションの流れについて説明しているこちらの記事をご確認ください。

【ステップ2-2】物件検索サイトで相場を学ぶ

ネット検索ーステップ2-2

ここからは検索サイトで実際に探すステップです。

図のステップ2-2で条件と相場が合わなかった場合は、ステップ1へ戻り価値観と条件を照らし合わせ、ステップ2-2に戻ってきます。

これを繰り返すことによって、自分たちの価値観と条件が磨かれていきます。

7-1.価値観と紐づく検索条件を入力

中古マンションを探すときに検討すべきポイントを下の表にまとめました。

中古マンション 条件 

この表をベースにアットホームを使って1つ1つのステップを説明していきます。

価値観と紐づく検索条件を入力

7-1-1.予算

住まいに使っていい予算を入力します。リフォームやリノベーションを予定している場合は、その費用を抜いた金額を入力しましょう。

7-1-2.エリア

価値観からだした条件に基づいて路線や地域にチェックを入れます。相場を知るためにも少し範囲外のエリアもチェックをつけておきましょう。

7-1-3.面積

物件の面積は端数であることが多いので60㎡を考えているなら55㎡以上にチェックを入れて58.70㎡などの物件を漏らさないようにしましょう。

7-1-4.駅からの距離

許せる範囲で最大の駅徒歩の距離にチェックをつけましょう。駅徒歩以外は全て条件に合致している物件もあるかもしれません。

【注意点】築古だからと候補外にしてしまうのは早計!

検索するとき築年数のチェックははずして調べましょう。築浅はリスクがあり、マンションの寿命は築年数とは別に重要なポイントがあります。次章で詳しくお伝えしていきます。

7-2.間取りをチェック

ここでは、リノベーションやリフォームを検討しておらず、リノベーション済物件も購入予定のない人が、間取りを確認する際に注意すべき点をご説明します。

間取りをチェック

7-2-1.リノベーション・リフォーム済み物件の注意点

リノベーション・リフォーム済み物件の注意点

*実際に購入された物件です。

リフォーム済みやリノベーション済み物件の中でも表面だけ綺麗にした物件は注意が必要です。床下を通っている給排水管が交換されておらず、場合によっては住んでからすぐ漏水するリスクがあるためです。

給排水管にも寿命があり、現在築20~30年前後のマンションで一度も配管を交換していない場合は、漏水の可能性*があります。下の階に迷惑もかけますし、引っ越しをしてからの工事は大変です。

リフォーム済み物件やリノベーション済み物件を購入する際は売主側に、床下まで全て新品にした工事かどうかの確認をとりましょう。

*炭素鋼鋼管(白)の給水管の耐用年数は20年:日本建築学会建築経済委員会「修繕方式の標準」「耐火建築物の維持保全に関する研究」より
*ビニル管の排水管の耐用年数は30年:建築保全センター「建築物のライフサイクルコスト」より

7-2-2.リノベーションする場合の注意点(壁式構造)

リノベーションする場合の注意点(壁式構造)

リノベーションで大幅に間取りを変更する予定で物件を探している場合、壁式構造の物件かどうかチェックが必要です。

壁式構造(図右)とは専有部の壁ひとつひとつが鉄筋コンクリートになっており、中の壁を壊して新しい間取りにすることが難しい物件のことです。5階建て以下のマンションで稀にこういった物件があります。

一方、ラーメン構造(図左)のマンションは、中の壁は耐震に影響のない壁なので自由に間取り変更をすることができます。見方としては四隅などに柱があるかどうかでチェックします。

7-3.築年数(マンションの寿命について)

築年数が経過している物件でもそこまで気にする必要はありません。というのもマンションの構造体である鉄筋コンクリートの寿命は117年*であり外装仕上により150年もつとも言われているためです。

また、築浅よりも築年数は20年以降の物件をおすすめしています。おもに2つの理由からです。ひとつは経済的なリスク、もうひとつは安全性のチェックのためです。

*国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書より

7-3-1.築20年以降は価格の下がり幅が少ない

築20年以降は価格の下がり幅が少ない

上の表は、築年数ごとの坪単価を表しています。この表から、築20年以降はマンション価格の下がり幅が少ないことがわかります。

そのため、築20年以降の物件は暮らし始めて年数が経っても価格が下がりにくい傾向にあり、暮らしている間にもしものことがあって物件を売却する場合も築浅や新築と比較すると経年による価格差が生まれにくいため経済的リスクが低いと言えます。

これが築20年以降のマンションをおすすめする1つめの理由です。

7-3-2.安全かどうかの判断が可能。管理状態や大規模修繕工事の履歴が確認できる

マンションの寿命を決める鉄筋コンクリート、これと深く関わるのが管理状態や大規模修繕工事です。これらがしっかり行われているかどうかは、過去の履歴を遡ることで確認ができます。

ただし、1度目の大規模修繕工事は築11年~20年の物件で行われるケースが89.2%*であり、より築の浅い物件では履歴を調べることができない可能性が高いと言えます。

そのため、今後も長く暮らしていけそうなマンションかどうかを確認するのであれば、工事履歴が確認できる可能性が高い築年数のマンションがおすすめと言えます。修繕工事の履歴はネットからでは調べることができないため、あとで不動産屋経由で確認しましょう。

*国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査について」

新耐震基準と旧耐震基準
新耐震基準と旧耐震基準
マンションの耐震基準は1981年の6月に変更されています。新耐震基準の方が数字上安全とされていますが、先にお伝えした通りしっかりと管理されてきたかどうかの方がはるかに重要です。もし、自分たち家族の価値基準的に地震というものへの優先度が非常に高いのであれば、新耐震基準の物件に絞って探すこともできますが、選択肢はその分減るということを覚えておいてください。また、同じ条件ならば、新耐震基準の方が旧耐震基準に比べ築浅であり、価格が高い傾向にあります。そのエリアで予算を超えて無理に買うよりは旧耐震基準のマンションを工事履歴を確認した上で購入しましょう。
あるいは予算内で新耐震基準のマンションを購入できる別のエリアを検討しましょう。
より詳しくは、中古マンションの耐震性と築年数について説明しているこちらの記事をご覧ください。

7-4.修繕積立金と管理費

修繕積立金と管理費

修繕積立金と管理費の合計は平均2〜3万と言われています。

マンションによって条件が違うため、一概には言えませんが、国土交通省発表*の管理費の平均額は 10,970 円、修繕積立金の平均額は 11,060 円で合計22,030円です。

これは築浅の安い金額設定をしている物件も含まれているため築20年以降の物件の平均であればもう少し高くなるかと思います。

この金額から大幅にずれている物件は危険である可能性があります。

*平成30年度マンション総合調査結果

7-4-1.大幅に安い物件

修繕積立金が非常に安いということは大規模修繕工事のためのお金が全然集まっていない可能性があります。そのため、この状況が続いているならば、長く住むことが難しいかもしれないマンションであると言えます。

7-4-2.大幅に高い物件

修繕積立金が平均よりも大幅に高いマンションは不必要な設備があるのかもしれません。もしくは、つい最近まで非常に安い金額設定だったのが、管理組合の決定によって一気に値上がりした可能性が考えられます。この場合も過去の修繕履歴をしっかり確認する必要があります。

7-5.土地の権利

土地の権利は大きく分けて所有権と借地権の2種類があり、多くの場合所有権となっています。借地権の場合、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向にあります。

土地の権利

7-5-1.所有権

マンションの建物だけでなく土地にも権利があることを表しています。

7-5-2.借地権

建物のみに権利があり、土地は土地の持ち主から借りている状態を表しています。そのため土地代を毎月支払う必要があります。

また、住宅ローンの審査が厳しくなる理由ですが、住宅ローンは支払いが滞ったときにお金を回収できるよう、建物と土地を担保にします。

しかし借地権の場合は建物のみとなります。評価額も低く、購入者も少ない傾向にあります。貸したお金の回収見込みが低いので、住宅ローンの審査は厳しい傾向になる、という結論です。

2種類の借地権

借地権には大きく分けて2種類あります。1992年8月より前の「借地法(旧法)」と、新しく施行された「借地借家法」です。旧法は、借りる側(借地人)の権利が強く、土地の返還がむずかしいなど地主側に不利な面がありました。

借地借家法は5つに分けられ、定期借地権では、契約期間は50年以上あるが期間が終了したら更地にして返還するというものもあります。借地権の場合は必ず確認しておきましょう。

7-6.管理形態・方式

管理形態と方式

管理形態には、大きく分けて自主管理と管理会社に任せている委託方式の2つの種類があります。どちらが良いとは一概に言えませんが、どちらの場合でも、しっかりとマンションが管理されているかどうか、不動産会社経由で確認をとりましょう。

7-6-1.自主管理

その名の通り、マンションの住民からなく管理組合によって管理されているマンションです。データで表すことはできませんが、しっかり管理されているマンション と全く管理できていないマンションに大きく分かれる印象があります。

7-6-2.委託(部分・全部)

管理会社に部分的、あるいは全ての管理を任せていることを表しています。会社に依頼しているから全て安全というわけではなく、あくまで主役はマンションに住んでいる住人です。

どちらの管理方式であっても、今までの管理状態や修繕履歴を確認することでしっかりしたマンションかどうかがわかります。

7-7.現況

売り出し中のマンションがどんな状態かを表しています。3種類ありますが、空家と売主居住中を選びましょう。

現況

空室、売主居住中の場合は住宅ローンで購入できますが、「賃貸中」と書かれていた場合は住宅ローンでの購入はできません。

つまり、大家さんだけが変わるという投資物件です。残念ですが、賃貸中と書かれている場合は購入ができません。

物件のヒット数が少ない場合

条件を入力して検索しても物件があまりヒットしない場合は、そのエリアの相場からずれているということです。30件程度が相場金額と自分が探している予算とはずれてないラインとなります。

無理に安心予算を上げてしまうと、返済が厳しくなってしまいますので、エリア、広さ、駅徒歩の距離のいずれかで調整しバランスをとり、30件程度が検索で並ぶよう調整しましょう。

価値観整理のヒント

物件に求める条件を見ると予算オーバーになることがあります。ただし視点を変えてみることで予算を下げることが可能な場合もあります。

過去にあった例で、もともと宅配ボックス付きの物件を条件として探していた方が、マンションからコンビニが徒歩1分以内にあるという条件に変更したことによって物件の選択肢が大幅に広がったことがあります。

当時は築浅の新しいマンションにしか宅配ボックスはなく「再配達が嫌だ」ということで予算オーバーになっていました。しかし荷物をコンビニで受け取れることがわかり、マンションの条件を変更したというものでした。

この例と同じように、予算オーバーの原因となっている条件を見つめ直し、代替案で解決可能かどうかを考えてみてください。物件探しの選択肢を増やすことができるかもしれません。

ピンとくる物件はこのステップで見つかることが多い

このステップで価値観を整理しながら物件を見ることで、今まで気に留めなかった物件に興味が湧いてくることがあります。それは自分たちの中でゆずれない価値観がだんだんと明確になってきたことを表しています。

このまま価値観を整理して条件を洗い出せば、自分たちにとってしっくりくる物件を見つけることができる可能性は非常に高いと言えます。

【ステップ3】購入候補物件のチェック

ステップ3では購入候補物件のチェックをしていきます。

購入候補物件のチェック

8-1.長く快適に住めるかの5つのチェック項目

購入候補のマンションが見つかったら、下記の5つの項目にそって、この物件が長く快適に住める物件かどうかチェックをしていきましょう。

  • 管理状態
  • 間取りと内装、設備
  • 管理規約
  • 上下左右の住民
  • アスベストの可能性

 8-1-1.マンションの寿命に影響する管理状態

マンションの寿命は鉄筋コンクリートが大きく影響しています。しかし外壁の経年劣化によりヒビの隙間から水分(酸性)が入りコンクリートがアルカリ性から中性に近づくと中の鉄筋がサビ(酸化)てしまいます。

そうなると建物の弱体化がはじまってしまいます。これらが引き起こされないようにするのが大規模修繕工事であり、どんな工事をどのような期間で行うのかの違いが、管理状態の差となります。

これが、管理状態がマンションの安全性に直結すると言われている理由です。このチェックは個人では難しいため、仲介担当から売主側の仲介担当に確認してもらうよう依頼を出しましょう。

8-1-2.間取りと内装、設備の確認

そのまま住む場合は物件の見学に行ったら間取りや設備をしっかり確認しましょう。そのまま引っ越して暮らすことになるため、実際の生活をイメージしながら不便なところがないかどうかを見ていきましょう。

リフォームやリノベーションをする予定の場合は、天井が取れるか、壁が取れるかなどを仲介担当とチェックしましょう。

8-1-3.リフォーム不可?管理規約の確認

マンションの管理規約も確認しておきましょう。場合によっては水回りの移動や大規模なリフォームやリノベーション工事が禁止されている場合もあります。

また、フローリングの使用を禁止しているマンションもあるため、購入前に必ず確認しておきましょう。

8-1-4.上下左右の住民の確認

物件の見学に行ったとき、購入可能性が高いのであれば上下左右にどんな人が住んでいるか確認しましょう。自分と相性の悪い人が住んでいると、いくら物件がよくても購入後の生活はストレスになる可能性があります。

方法としてはシンプルです。見学時にインターホンを押して質問をするだけです。「この物件を購入しようと検討しているものですが、周辺環境はいかがですか?暮らしやすいですか?」といった質問です。これで詳しく教えてくれるようなら問題ない可能性が高いです。

逆に、引っ越してくるかもしれない相手に対して変な態度で接する人がいたら、購入には慎重になったほうがいいかもしれません。いずれにしろ購入したら挨拶する可能性はあります。ならば購入前に確認をしましょう。

8-1-5.アスベストに注意

物件を選ぶときは慎重にチェックが必要です。例えばこんなケースがありました。

不動産仲介を別の会社で行い、リノベーション設計を自社で行なった事例です。調べたところ天井全体にアスベストが使用されており、リノベーション費用に確保していた予算の一部(約400万円)をアスベストの除去費用に充てることになってしまいました。

購入前に、リノベーション会社等のプロのチェックを入れることができれば安心です。

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【ステップ4】最後の決定は”直感”に頼る

残った物件を1つに絞る決定方法のステップです。

最後の決定方法

最後は購入する物件を決定するステップです。

この時点で2〜3物件でどれにするか迷っているなら最後は直感やフィーリングの決定で問題ありません。なぜならこのステップまでで希望する条件や注意点などを論理的に進めてきていて大きな失敗という可能性はかなり低いからです。この物件が好きだなと思えることや、しっくりくる感じ、というものを大切にしてください。

リフォームやリノベーションをする場合は内装は新品になるため内装の雰囲気にひっぱられないように注意しましょう。

まとめ

中古マンションの探し方がクリアになったのではないでしょうか?ここまで紹介した方法を参考に、自分にとってのベストな物件を見つけられるよう願っています!

なお、ゼロリノべではマンションの管理状態をしっかりと確認することで長寿命な物件の目利きを得意としています。また資金計画からサポートも可能なため、実績豊富なプロがご自身の予算内で最適な物件探しを叶えます。

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この記事の制作体制
  • 佐藤剛

    ゼロリノベの共同創業者。創業以来、延べ2.5万人に対してセミナーを実施。「大人を自由にする住まい」というコンセプトをサービスの軸に据え、住宅購入という人生で最も大きな投資をするこの瞬間、この重要な選択を通じて人々が自由を感じられる...

  • 鰭沼 悟

    宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

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