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【必読】マンション購入契約の重要事項説明書の注意点10選

【必読】マンション購入契約の重要事項説明書の注意点10選

マンションの購入を決めたら、いよいよ売買契約を結ぶことになります。

契約日には「重要事項説明書」という書類を前に、「重要事項の説明」を受け、文字どおりマンション購入に関する重要な事項を一つひとつ確認していきます。

その中でもとくに買主がチェックしておくべき事項10項目について解説していきます。

この記事の監修者

宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

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目次

売買契約の当日の流れ

売買契約は仲介業者となる不動産会社の事務所で行うのが一般的です。買主と売主がそれぞれ別の仲介業者を利用している場合は、事前に話し合ってどちらかの不動産会社の事務所で行います。以下、そこでの売買契約の流れを説明します。

1-1.売主と買主の顔合わせ挨拶

契約時は通常、買主、売主、不動産会社の担当者が集まります。売主とマンションの内覧会で会っていない場合はこれが初顔合わせとなるので、挨拶をして契約に臨みます。買主が結婚している場合は、後々契約内容について意見の相違などが起こらないよう、夫婦揃って参加した方がいいでしょう。

1-2.重要事項の説明

次に、売主側の仲介をした不動産会社の担当者から買主へ、重要事項の説明が行われます。この重要事項の説明を行うことができるのは宅地建物取引士の有資格者のみです。

重要事項の説明前には取引士であることを証明する証明書の提示が義務付けられているので、万一提示がなかった場合は確認してください。

重要事項説明書の内容とチェック項目については後述の【2】と【3】で説明します。

1-3.売買契約

続いて売買契約書についての説明と読み合わせがあります。また、このときに決済日と物件の引き渡し日を決めます。売買契約書の内容に買主、売主双方が納得すれば、署名・捺印して契約締結です。

署名・捺印を終えると売主に手付金を支払い、さらに不動産会社へ仲介手数料の半金を支払うのが通例です。

重要事項説明書に記される重要な事項の種類

重要事項の内容は専門的で複雑なことが多く、当日にいきなり説明を受けても内容を正しく理解することは困難です。

そこで事前に重要事項説明書のコピーをもらうか、メールなどで送ってもらっておきましょう。そのときにわからない点などを整理しておき、当日に質問をして疑問を残さないようにしてください。

重要事項説明書に書いてある内容は以下のように、建物に関するものと契約に関するものの大きく2つに分けられます。

2-1.建物に関するもの

前半は契約対象となるマンションに関する情報が記されています。

2-1-1.不動産の情報

マンションの名称、所在地、所有権、建物と専有部分の構造・床面積などの情報です。

2-1-2.不動産に関わる建築基準法などの法律

都市計画法や建築基準法などの法令に基づく制限についての情報です。建ぺい率・容積率、敷地と道路の関係などが記されています。

2-1-3.ライフライン情報

飲用水(水道)、ガス、電気、排水施設などライフラインの整備状況に関する情報です。すぐに使える状態なのかどうか、都市ガスかプロパンガスなのかなどがわかります。

2-1-4.部屋の情報

専有部分(部屋)の用途や、ペット飼育、フローリング、音響機器などの制限についての情報です。また、バルコニーや玄関扉、駐車場などの専用使用権(共有敷地や共用部分の一部を使用できる権利)についても記されています。

2-1-5.毎月の費用についての情報

管理費、修繕積立金、滞納金などについての情報です。

2-1-6.管理に関する情報

管理の形態と、管理の委託先となる管理会社の名称・所在地・電話番号などの情報です。

2-2.契約に関するもの

続いて後半は、売買契約に関する情報が記載されています。

2-2-1.支払総額と内訳について

売買代金の総額と土地価格・建物価格の内訳、代金以外の手付金、固定資産税・都市計画税清算金、管理費・修繕積立金清算金などの金額に関する情報です。

2-2-2.今後のスケジュールや期日について

手付解除が可能な期日、住宅ローンの本審査で通過しなかった場合に契約を白紙解除できる特約の期日、決済・引渡し日などについての情報です。

これで安心!重要事項説明のチェック項目

上記のように重要事項説明の内容は多岐にわたります。そこで、中でもとくに確実にチェックしておきたい10項目について説明します。

3-1.建物に関するチェック項目

建物に関しては次の点をしっかりと確認しましょう。

3-1-1.占有面積、構造、権利

面積が50平米前後の場合、登記簿上の面積が50平米未満なのか、以上なのかを確認してください。住宅ローン控除や抵当権設定を行う際の登録免許税の特例は、床面積が50平米以上でないと受けることができないからです。

販売図面にあった面積が登記上の面積ではないのか…と思われるかもしれませんが、実は不動産会社の物件情報や広告に記載されている床面積は、壁や柱の中心から内側を計測した「壁芯面積」となっています。

一方、税制上の恩恵を受けるための面積は、登記簿上の面積である「内寸面積(壁の内側を計測した面積)」が基準となり、自分が思っていたより面積が小さかった、というケースがあるのです。

3-1-2.ペットは飼育可能か

ペットを飼う予定がある場合は不動産会社担当者との口約束などではなく、重要事項説明で飼育可能となっていることを確認してください。

3-1-3.フローリングへのリフォーム

床がカーペット敷きのマンションの場合、床をフローリングに変えられない決まりになっていることがあります。フローリングにしたい場合はリフォーム・リノベーションが可能なのか確認しておきましょう。

3-1-4.楽器等の演奏

ピアノやギターなどを所有している場合は、楽器演奏についてのルールも要確認です。演奏可能となっていても、演奏できる時間が決められていることがあります。

3-1-5.駐車場・駐輪場の使用について

駐輪場・駐車場の有無と、それらを使用する権利があるかを確認しましょう。大型車などを所有している人は、車が駐車場に収まるサイズなのかもチェックします。

3-1-6.ルーフバルコニー・専用庭について

一般的なバルコニー(ベランダ)以外に、ルーフバルコニーや専用庭が付いている物件の場合は使用料がかかることがほとんどです。物を置いてはならないなどのルールがあることもあるので、その点も確認してください。

3-1-7.洗濯物について

景観を守るためにバルコニー(ベランダ)で洗濯物を干すことが禁じられている場合があります。

あるいは、ベランダの中で洗濯物を干すことはできても、外側に向けて布団を干すことは禁止というマンションも少なくありません。洗濯物が干せない場合、乾燥機を使う以外に、マンションによっては屋上などが使えるケースもあるので確認しましょう。

3-1-8.修繕積立金の滞納金について

売主の管理費・修繕積立金の滞納金は買主が引き継ぐことになります。「専有部分に係る滞納額」などの項目で滞納金の有無とその額が記載されているはずなので確認してください。

また、「当該一棟の建物に係る滞納額」、つまりそのマンション一棟の住民全体の滞納額も記載されています。滞納金が発生しているマンションがほとんどですが、その額があまりに高額な場合は今後の大規模修繕工事に支障が出る可能性があります。

3-2.契約に関するチェック

建物に関しては次の点を確認します。

3-2-1.瑕疵担保責任があるかどうかと期限

瑕疵担保責任とは物件に雨漏りやシロアリ被害、給排水管の故障などの欠陥(瑕疵)があり、それが売買の取引上、通常の注意をしても気がつかないもの(隠れた瑕疵)である場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。物理的な瑕疵の他に、過去に自殺や事件・事故があった場合の心理的瑕疵も含まれます。

これらの瑕疵が見つかった場合に損害賠償や補修に応じることについて説明があるか、さらに責任を負う期間が引き渡し日からどれくらいに設定されているかを確認してください。

3-2-2.契約解除について

契約違反、ローン特約、危険負担などによって契約を解除する場合の規定についてもよく確認しましょう。

契約違反による解除は、買主か売主のいずれかが、所定期日までに代金を支払わない、あるいは物件を引き渡さないなど売買契約に基づく義務を履行しないときに生じます。契約どおりの履行がなされない場合は通常、売買契約を解除し、違約金を請求できます。

ローン特約による解除は、予定していた住宅ローンが借りられなくなったときに、事前に決めていた期間内であれば手付金の放棄や違約金の支払いを伴わずに契約を解除できるという規定です。

危険負担による解除は、地震などの天災で物件の引き渡し前に建物が滅失した場合などに、無償で契約を白紙解除することができるという規定です。

特にローン特約、危険負担による解除は、いずれも重要事項説明書か売買契約書にその旨が記載されていないといざというときに適用されないので充分注意しましょう。

まとめ

不動産会社で、上記の重要事項説明を含む売買契約当日の流れをすべてこなすには、通常、1時間半~2時間半くらいかかります。

なかなか大変な作業ですが、とくに重要事項説明に関しては内容を確認し、納得した上で契約をしないと、後々大きな不利益を被ることもあります。本記事で挙げたポイントに注意して契約に臨んでください。

この記事の制作体制
  • 佐藤剛

    ゼロリノベの共同創業者。創業以来、延べ2.5万人に対してセミナーを実施。「大人を自由にする住まい」というコンセプトをサービスの軸に据え、住宅購入という人生で最も大きな投資をするこの瞬間、この重要な選択を通じて人々が自由を感じられる...

  • 鰭沼 悟

    宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

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