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中古マンションの値下がりは築25年が目安!購入時期の見極め方を解説

中古マンション購入を検討している人のなかには、次のような疑問を持っている人もいるのではないでしょうか?

  • 中古マンションを買ったら、今後値下がりしないかな?
  • 狙い目の築年数ってあるの?
  • 価格の下落率が低い中古マンションって、どんな特徴があるの?

大きな買い物だからこそ、いつ、どんなタイミングで不動産価格が変動するのか気になりますよね。そこで、この記事ではこれらの疑問を解決していきます。

▼この記事で分かること

すべて読み終えたころには、中古マンションの買いどきをご自身で判断できるようになるでしょう。

この記事の監修者

宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

目次

中古マンションの大幅な値下がり期間は「築25年〜30年」まで

中古マンションの価格の下落幅が大きい期間は、築後およそ25年〜30年までとされています。

下のグラフは、東日本レインズが発表した「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2022年04〜06月】(P1)」のなかから、東京を中心とした首都圏で売却された、中古マンション築年数別の㎡単価の平均価格推移をまとめたものです。

首都圏中古マンション築年数別単価

参照元:公益財団法人 東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅の地域別・築年帯別成約状況(2022年04月~06月)」を元に作成

グラフの価格推移からわかるように、マンションは新築直後から価値が減少しはじめ、築25年を境に価格の変動が緩やかになり下げ止まります。

そのため、中古マンションを購入する場合には、築25年以降のものを選ぶと価格変動が少なくなり資産性を維持しやすくなります。

首都圏の中古マンションは、地方に比べて値下がりしにくい!

築25年で値下げ幅が緩やかになるのは全国的な特徴ではなく、「首都圏に限られた」傾向であるといえます。その理由は、「首都圏は地方に比べ、中古マンションの需要が高い」ためです。

東京23区を中心として、首都圏では新築物件を建設するための土地は少なくなる一方。市街地は、駅近など交通や生活の利便性のよい場所から立ち始めるため、結果的によい立地には中古マンションが多くなるのです。

一方で、地方は土地に余裕があり土地価格も安いため、一戸建てを持つという選択肢もあります。こうした背景から、首都圏では地方に比べて全体的に中古マンションの需要が高く、値下がりしにくい傾向があるのです。

「値下がりしにくい」中古マンション5つの特徴

値下がりしにくいマンションの特徴として、以下の5つが挙げられます。

  • 立地がよい
  • 管理状態が良好である
  • 再開発計画がある
  • 日当たりがよい
  • 希少性の高い特徴がある

それぞれ詳しく解説していきます。

1.立地がよい

立地のよさは、マンションの値付けに大きく影響します。一般的に、交通の利便性がよい駅近物件は、賃貸であっても人気が高いですよね。特に、複数路線が利用できる、急行列車が止まる、乗り換えのしやすさなどもポイントになります。

そのため、大手ディベロッパーのブランドマンションは、その価値を見越して駅から徒歩10分圏内に建てられて売り出されるケースが多くみられます。稀なケースですが、千代田区などの一等地にある新築マンションは、その後価格が上昇することすらあるほどです。

都心の一等地では、そもそも土地の空きがないため、マンションの希少価値が高くなります。築年数が古くなっても需要が供給を上回るのため、空き家が出にくく在庫数が不足して値下がりしにくくなるのです。

2.管理状態が良好である

管理状態の良好なマンションは、数年先も価格が下がりにくい傾向があります。

一般的にマンションは、十数年に一度の周期で大規模修繕がおこなわれます。長期修繕計画に沿って定期的なメンテナンスがおこなわれていれば、共用設備は美しく保たれ、建物自体の耐久性も損なわれないため、資産価値が落ちにくくなるのです。

長期修繕計画は、マンションの理事会や管理組合を中心に計画が立てられ、その予算は毎月住民から修繕積立金や管理費として集められます。

しかし、なかには修繕積立金が不足しているなどの理由で、適切な修繕をおこなっていない物件も。きちんと管理がされなければ、外壁にヒビが入ったまま、配管が古いまま…といったこともあり得るでしょう。

だからこそ、定期的なメンテナンスが適切におこなわれているかは重要です。

マンションの修繕費や修繕積立金について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

関連記事:マンションの修繕費・修繕積立金とは?費用の平均相場や値上げする理由を徹底解説

中古物件ってどう見極めるの?大切なのは築年数よりも「管理状態」

中古マンションは、金銭面や築年数はもちろんですが、それ以上に物件の管理状態を正確に把握して、安心できるマンションを選ぶことが大切です。

とはいえ、物件の管理状態を自分で確かめるのは難しいもの。そこは、管理状態を正確に把握できる専門家をパートナーとして選びましょう。

ゼロリノベでは、一級建築士監修のもと事前の物件調査を徹底。「建物の専門家」として、物件の劣化状況から修繕履歴・修繕計画を調査しています。

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3.再開発計画がある

マンションが建っているエリアで再開発計画が予定されている場合も、値下がりしにくい傾向があります。例えば、東京都では、渋谷、虎ノ門、高輪ゲートウェイ駅などです。

再開発されることで、将来的に土地自体の価値が高騰することが期待されるのに加え、環境がよくなることで需要が高まることが理由です。

4.日当たりがよい

日当たりがよいマンションも、価格が変わりにくいとされています。周囲をほかの建物に囲まれているよりも、日がよく入るお部屋のほうが、心地よく暮らせますよね。

購入を検討する際は、気になるお部屋が南向きであっても、周りに日光を遮るような高い建物がないか、今後そうした高層ビルが建設される計画がないかなどを、 不動産会社に確認しておきましょう。

5.希少性の高い特徴がある

ルーフバルコニーや防音設備が備わっている、ペット可物件であるなど、希少性の高い特徴があるマンションは人気が高く、価格が下がりにくい傾向があります。

マンションの査定価格は、需要と供給のバランスが大きく影響するため、人気があるのに供給が少ない物件は高く評価されるのです。

短期的な値下がりを追いかけると損をする!? 2つのリスク要因とは

マンション購入を検討する際、短期的な値下がりを追いかけすぎると損をする可能性があるため注意しましょう。

たとえば「1年間のうち、どのシーズンが一番中古マンションの価格が値下がりしやすいのか」「引っ越しシーズンは物件価格が値上がりするのか」といった視点で、マンションの購入時期を検討してはいませんか?

その場合、次のようなリスクが考えられます。

  • 値下がりを待つ間に、賃料支出の方が大きくなる可能性
  • 値下がりを待つ間に健康を損ない、ローンが組めなくなる可能性

それぞれの理由について、具体的に解説していきます。

1.値下がりを待つ間に、賃料支出のほうが大きくなる可能性

家賃流出と値下がり金額の比較

実家に住んでいるケースを除き、賃貸に住みながらマンション購入を検討している人がほとんどでしょう。その場合、値下がりを待っている間に、支払う家賃が値下がり金額を上回ってしまう可能性があります。

たとえば、家賃10万円の賃貸に住んでいる場合、1年間マンションの値下がりを待っている間に支払う家賃の合計は120万円。そうすると、1年後に100万円安くマンションを購入したとしても、20万円損することに。値下がりを長期間待つ間に、それよりも大きな額の家賃流出があるなら本末転倒です。

そもそも不動産市場がどう動くかは予測がつかず、1年後には下がるどころか値上がりしている可能性も。また、近年は金融緩和政策の一環で住宅ローンの低金利が続いていますが、いつ景気が好転し利上げされるかわかりません。

中古マンションの購入時期についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

関連記事:中古マンション購入時期の全データ【値下がり・物件数・価格交渉】

2.値下がりを待つ間に健康を損ない、ローンが組めなくなる可能性

もう一つのリスクは、値下がりを待つ間に健康状態を損なったときです。

マンション購入時に住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険への加入が必要になるのが一般的です。住宅ローンは、30年間〜35年間もの長期にわたり返済し続けるケースも少なくありません。

団体信用生命保険とは、住宅ローンを借りた人が病気や事故などで返済が難しくなった場合に、保険金で住宅ローンが完済される保険です。

加入時には審査があり、値下がりを待っている間に仮にも健康状態が悪化してしまうと、保険に加入できなくなるかもしれません。そうすると住宅ローンを組むのが難しくなり、希望の物件を購入できなくなる可能性があるのです。

団体信用保険の仕組みや入れないときの対処法について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

なおゼロリノベでは、「マンションの買いどきは健康なとき!」 とお伝えしています。短期的な価格変動を気にしてタイミングを逃すより、「欲しい」と思う条件が揃った時点ですぐに購入手続きに動けるよう、準備しておきましょう。

コロナや社会情勢による価格変動は気にしないほうが良い

新型コロナウイルス感染症や社会情勢による価格変動については、あまり気にしないほうが得策です。なぜなら突発的に起こり得る価格変動は、10年先はおろか、明日のことさえ誰にも予想がつかないからです。

たとえば、2008年のリーマンショック時、中古物件の成約価格は一気に10%近くも暴落。しかしその後、アベノミクスの影響を受け景気が回復したことで、リーマンショック以前の価格にまで上昇しています。

withコロナの時代を迎え、マンション市場がどう変化するかは、専門家の間でも見解が分かれています。実際に、当初は価格下落の見通しもありましたが、現時点で急落はしていません。
リーマンショックやコロナのように、突発的な原因によって起こる価格変動は今後も起こり得るでしょう。

しかしいつ、なにが起こるかを予測するのは困難です。不動産相場は、景気や株価、そのときの政策などにも影響を受けます。このような不測の価格変動を気にするよりも、まずは譲れない条件を洗い出し、早めに物件探しを始めることをおすすめします。

中古マンションは築25年以降がおすすめ!

どんな中古マンションを選べばよいか迷われている場合、築25年以降の物件がおすすめです。その理由は2つあります。

  • 値下がり率が緩やかになり、購入後の下落が比較的少なく経済性が高い
  • 長く住めるマンションか、判断する材料が揃っているから

それぞれ説明していきます。

【理由1】値下がり率が緩やかになり、購入後の下落が比較的少なく経済性が高い

首都圏の中古マンションは、築25年を超えると価格下落が緩やかになります。購入後、大幅に物件価格が下落するリスクが少なくなるため、お金の面ではより安心して物件を購入できるためおすすめです。

値下がり率に左右されず中古マンションを選ぶための、一つの指標にしてみてください。

【理由2】長く住めるマンションか、判断する材料が揃っているから

築25年以降のマンションとなると、建物の劣化が気になる方は多いでしょう。しかし、国土交通省が発表した「RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例(P9)」によると、鉄筋コンクリートの物理的寿命は117年といわれています。

このため、たとえ築年数が経過したマンションでも、適切な管理がおこなわれてきた物件であれば、建物自体の耐久性に問題はありません。

また、築25年以降のマンションは、過去の修繕内容や今後の長期修繕計画など、長く住める物件かどうかを判断する材料が揃っているのもメリットです。

耐久性を維持するためには、どのようにメンテナンスされてきたかが重要なポイント。しかし、新築や築浅物件ではこれらを判断するための材料がありません。一方で築25年の場合、これまでどのように修繕されてきたかがわかるため、判断しやすくなるのです。

長寿命マンションの見分け方や、中古マンションを選ぶ際の判断基準などを詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせて読んでみてください。

昔評価されなかった築年数の物件が売れている

築年帯別成約状況2002-2022
参照元1):公益財団法人 東日本不動産流通機構 Ⅰ.首都圏住宅・土地の売買「中古マンションの築年帯別成約状況[首都圏]2002年」
参照元2):公益財団法人 東日本不動産流通機構 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)「中古マンション・戸建住宅とも築6~10年の需要の高さ示す」

近年、築年数が経過したマンションの売上が伸びています。中古マンションの築年度帯別制約状況を、2001年)¹ と2021年)²で比較してみましょう。以前に比べ、築31年以降の中古マンションの割合が増加していることがわかります。

築30年以降のマンションが売れている背景には、売主が不動産会社であるリノベーション物件が増えていることや、自分でリフォームやリノベーションをおこない、自分好みの家を作りたい人が増えていることが考えられます。

首都圏では中古マンションのシェアが、新築マンションを抜いている


2019年度における中古・新築マンションシェア率比較
参照元1):公益財団法人 東日本不動産流通機構 「首都圏不動産流通市場の動向2020年 (2020年01~12月)
参照元2):株式会社 不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向 -2020年のまとめ-

首都圏では、2020年の時点で、中古マンションの成約件数が新築マンションの販売戸数を上回っています。

首都圏不動産流通市場の動向2020年(1月〜12月))¹」のデータでは、中古マンションの成約件数が35,825件。「首都圏マンション市場動向 -2020年のまとめ- )²」のデータでは、新築マンションの販売戸数が27,228戸と、約1.3倍の差をつけて中古マンションが売れていることが分かります。

まとめ

中古マンション購入を検討する際、値下がりする期間や値下がりしにくマンションの特徴は気になるところ。

マンションの値下がりは築20年頃から緩やかになり、築25年以降は価格変動が安定します。値下がりに影響する要素として、立地や交通利便性、管理状態、再開発計画、日当たり、希少な設備が重要です。

値下がりを過度に気にすると賃料支出が増えたり、健康を損ねて住宅ローンが組めなくなるリスクも。安心して選ぶなら、築25年以上の物件が金額的な面では狙い目です。

また、中古マンションを選ぶ際は、金額や築年数だけでなく、物件の状態をしっかりと確認することが重要です。信頼できるパートナーを選び、物件の状態を正確に把握して、安心できるマンションを選びましょう。

ゼロリノベでは、長く住める物件探しから資金計画サポート、リノベーションまでワンストップで手がけています。顔出しなし&ミュートで参加できる無料オンラインセミナーでは、ブログでお伝えしきれなかった物件選びのポイントや注意点もご紹介。セールスは一切ありませんので、ぜひお気軽にご参加ください。

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中古マンションの値下がりに関するよくある質問

中古マンションの価格下落率が大きいのはいつ?

首都圏における中古マンションの価格下落率が大きい期間は、築後25年~30年とされています。マンションは、新築直後から価格が減少し、築25年を境に価格変動が緩やかになります。

一方で、地方は土地に余裕があり土地価格も安いため、一戸建てをもつ選択肢も。そのため、中古マンションの需要が首都圏ほど高くないため、上記の下落率は当てはまりません。詳しくはこちらをご覧ください。

中古マンションの値下がりを待っています。購入のベストタイミングは?

値下がり時期や景気を気にして、購入時期を先延ばししているのはおすすめできません。まず、現在賃貸住宅に住んでいる場合、値下がりを待っている間に、支払う家賃が値下がり金額を上回る可能性があるためです。また、仮に健康を損なった場合、ローンを組めなくなる可能性も出てきます。

社会情勢による価格変動も気にしない方が得策です。たとえば、新型コロナウィルスによる価格下落が不安視されましたが、現時点で急落はしていません。不動産市場は、専門家でも市場がどう変化するか見解が分かれるほど予測は難しいです。

そのため、ゼロリノベでは「マンションの買いどきは健康なとき!」とお伝えしています。詳しくはこちらをご覧ください。

この記事の制作体制
  • 佐藤剛

    ゼロリノベの共同創業者。創業以来、延べ2.5万人に対してセミナーを実施。「大人を自由にする住まい」というコンセプトをサービスの軸に据え、住宅購入という人生で最も大きな投資をするこの瞬間、この重要な選択を通じて人々が自由を感じられる...

  • 鰭沼 悟

    宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

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