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中古マンション×インスペクション|必要性・費用・タイミング・業者選びまで解説!

中古マンション インスペクション

住まいの選択肢として、中古マンションの購入を検討する人が増えています。

購入するかどうかの判断として、住宅のコンディションや補修にかかる費用などは前もってきちんと知っておきたいですよね。

そこで実施したいのが「インスペクション」。この記事では、費用や期間、「インスペクション」に関わる内容をわかりやすくまとめました。

この記事の監修者
西村 一宏

一級建築士
西村 一宏

ゼロリノベの取締役。一級建築士としての豊富な現場経験と元大学講師としての深い専門知識をもとに、設計施工の責任者を務める。リノベーション・オブ・ザ・イヤーなど建築関連アワードの受賞数は20以上。業界の既成観念に囚われない最適なアプローチで施主のニーズに応えている。

目次

インスペクションとは?最新動向

インスペクション(住宅診断・建物状況調査)は、専門家が中古マンションの劣化や不具合を調査するサービスです。

2018年の宅建業法改正で説明義務化され、2025年現在は、AI診断やドローンを活用した新調査方法も登場。

中古住宅流通の活性化とともに、インスペクションの重要性がますます高まっています。

インスペクションの必要性とメリット

インスペクションを実施することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。購入者にとっての安心や資産価値維持など、主なメリットをまとめました。

  • 安心して購入できる
    外見では分からない、配管腐食や防水不良が事前把握可能に。
    不具合発見時は、価格交渉や契約解除で対応できる。
  • 資産価値の維持
    購入後の急な修繕費を回避できるほか、リノベーション計画の精度向上にも寄与。
  • 住宅ローン・保険にも有利
    インスペクション済み物件は一部金融機関で金利優遇、保険会社で割引適用例あり。

インスペクションの流れと費用相場

インスペクションは、専門家依頼から報告書受け取りまで約1~2週間。費用相場と主な流れは、下表の通りです。

スクロールできます
工程内容費用目安
依頼業者選択・日程調整無料~
現地調査目視調査+機材(サーモグラフィなど)を使用5~15万円
報告書作成調査結果を書面化費用に含む
結果説明専門家からの重点箇所の解説費用に含む

契約前に実施することで、万一の不具合発見時も柔軟に対応できます。契約後の実施は、価格交渉や契約解除が難しくなるため要注意です!

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インスペクションをするタイミング

インスペクションを依頼するタイミングは、中古マンション購入の安心とリスク回避を大きく左右します。

契約の前後や引渡し時など、実施時期によってできる対応やメリットが異なるため、適切なタイミングを押さえておくことが重要です。

インスペクションは「契約前」の実施が最優先!

インスペクションは、「契約前」に実施するのが最も効果的。契約前に不具合が見つかれば、価格交渉や修繕依頼、場合によっては契約解除も可能です。

購入後のトラブルや想定外の修繕費用を避けるためにも、必ず契約前に依頼しましょう。

契約後・引き渡し後は対応が限定的

契約後や引き渡し後にインスペクションを実施しても、価格交渉や契約解除は難しくなります。

ただし、隠れた瑕疵(欠陥)が見つかった場合は、売主の瑕疵担保責任(契約不適合責任)に基づく修繕や損害賠償請求が可能な場合もあります。

売主が非協力的な場合

契約前に売主がインスペクションに非協力的な場合、仲介業者を通じて説得を試みるか、インスペクション済み物件を選ぶなど代替案を検討しましょう。無理に進めず、他の物件も比較検討することが大切です。

引渡し前の最終チェック

契約後に、引渡し前の最終チェックとしてインスペクションを実施するケースもありますが、このタイミングでは大きな不具合が見つかっても対応が難しいため、あくまで補助的な位置づけとなります。

新築マンションのインスペクションについて

新築マンションの場合、インスペクションは必要ないだろうと思う人は多いかもしれません。しかし、施工不良や初期不良を見逃さないためにも、引き渡し前の「完成検査」や「内覧会」の際に、専門家によるインスペクションを検討する人が増えています。

新築であっても、目に見えない部分の施工ミスや不具合が見つかることがあるため、安心のためには中古同様にインスペクションを活用するのがおすすめです。

インスペクションの調査内容とポイント

インスペクションでは、中古マンションの専有部(自身が所有する部分)と共用部(エントランスや廊下、エレベーターなど)の両方を対象に、建物の劣化や不具合を専門家がチェックします。

実際の調査は依頼した専門家がおこなうため、購入者が細かくチェックリストを覚える必要はありませんが、「どこを調査されるのか」を知っておくことで、依頼内容の選定や報告書の理解に役立ちます。

対象チェックポイント例
構造躯体基礎のひび割れ・不同沈下、シロアリ被害
水廻り配管の腐食状態、防水層の劣化
外装外壁タイルの剥離、屋根の雨漏り跡
共用部エレベーター機械室、外構の排水状態
主な調査項目

インスペクションで見落としやすいポイント

インスペクションでは、建物の外観や設備の状態をチェックするだけではなく、購入後に思わぬトラブルや追加費用が発生しないよう、見落としやすい点にも注意が必要です。ここでは、とくに注意したいポイントをまとめました。

  • 専有部と共用部の境界(修繕責任の所在確認)
    修繕責任の所在を明確にしておくことで、トラブル発生時の対応がスムーズになります。
  • 目視に加え赤外線カメラなどで内部劣化をチェック
    目に見えない部分の劣化も、サーモグラフィやカメラを使った検査で発見できる場合があります。
  • 管理組合の修繕積立金額・修繕計画の確認
    インスペクションの調査範囲には含まれない場合もありますが、将来的な大規模修繕や追加費用リスクを避けるため、購入前に必ず確認しておきましょう。

インスペクションの内容は業者・プラン次第!依頼前に要チェック

インスペクションの内容は、依頼先の業者やプランによって異なります。

たとえば、一部の業者では「専有部のみ」や「共用部の一部のみ」を調査対象とする場合や、管理組合の情報確認をサポートしない場合もあります。

依頼時には、どの範囲を調査するのか、追加で確認したい項目があるかも含めて、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

インスペクション依頼先の選び方

インスペクションの精度や信頼性は、依頼先の選び方によって大きく左右されます。

専門性や調査手法、第三者性など、依頼先の選定基準を明確にしておくことで、購入後のトラブルや追加修繕費用のリスクを抑え、安心して中古マンションの購入を進めることができます。

インスペクション業者を選ぶポイント

  • 資格の確認
    一級建築士や住宅診断士など、有資格者が在籍しているかどうかを確認しましょう。専門的な知識と経験を持つ担当者が調査をおこなうことで、より精度の高い診断が期待できます。
  • 第三者性の担保
    売主や不動産会社と資本関係がない独立機関を選ぶことで、中立的な立場での調査が可能になります。利害関係のない業者を選ぶことが、信頼性を高めるポイントです。
  • 調査手法の透明性
    目視だけではなく、サーモグラフィや専用カメラなどの機材を使用し、調査範囲や方法が明文化されているかどうかも確認しましょう。調査内容が明確であれば、調査漏れや見落としのリスクが低減します。
  • 実績とサポート
    過去の診断報告書サンプルを提示してもらい、実績や調査内容を確認しましょう。また、調査後の結果説明や相談対応など、アフターフォローが充実している業者を選ぶと安心です。

インスペクションの結果は、リノベーション計画や資産価値の維持にも直結するため、実績やサポート体制も含めて慎重に業者を選ぶことが重要です。

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インスペクションで欠陥が見つかったら

インスペクションで欠陥や不具合が見つかった場合、どう対応すればよいのか、状況に応じた主な対応策を紹介します。

【契約前の場合】

  • 購入を見送る
  • 売主負担での修繕を条件に購入
  • 修繕費用分の値引き交渉をする

【契約後・引き渡し後の場合】

  • 「隠れた瑕疵*¹」と認められれば、売主の瑕疵担保責任*²を追求
  • 売主が個人の場合は、契約書の特約内容を要確認

【共用部分の場合】

  • 管理組合での修繕協議が必要
  • 大規模補修の場合は、追加調査を実施

※1:「隠れた瑕疵(かし)」とは
建物や設備に本来あるべき品質や性能が備わっていない、いわゆる「欠陥」や「不具合」のこと。雨漏りや配管の腐食、シロアリ被害などが該当します。

※2:「瑕疵担保責任(契約不適合責任)」とは
売主が売った不動産に瑕疵があった場合、買主は売主に対して契約解除や損害賠償、補修を請求できる権利。
売主が不動産会社の場合は、契約書で通常「引渡しから2年間」責任を負うことが多いですが、民法により「不適合を知ってから1年以内」に請求しなければ権利を失う点に注意しましょう。

インスペクションに関するよくある質問

ホームインスペクションは必ず必要?

インスペクション(建物状況調査)の義務はありません。しかし実施せずに購入し、後から欠陥がわかり、高額な修繕費が発生するなど後悔するケースも少なくありません。

インスペクションは安心・資産保全のために有効。金融機関などで優遇されることもあります。詳しくはこちらも参考にしてください。

インスペクションはどんな人に依頼すべき?

一級建築士や住宅診断士などの有資格者が在籍する業者、第三者性が高い独立機関に依頼するのが安心です。調査内容や実績、アフターフォローなども合わせて確認し、信頼できる業者を選びましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

まとめ

インスペクションは、マンション選びの最後の「安心」を手に入れるための大切なステップ。専門家に依頼してしっかり調査しておけば、購入後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔するリスクもグッと減ります。

また、新築でも初期不良や施工ミスを見逃さないために、引き渡し前の検査を検討する人も増えています。

インスペクションを上手に活用して、理想の住まいを見つけてください。

この記事の制作体制
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

  • 西村 一宏

    リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。

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