ヘリンボーン床とは?費用・後悔しない選び方を事例付きで解説

ヘリンボーン床は、短い床材をV字型に連ねて張るデザインです。空間に表情をつくりやすく、リノベーションで「床を主役にしたい」と考える方から選ばれています。
一方で、一般的なフローリングより施工の手間がかかり、素材や施工範囲によっては費用も上がりやすい床です。「狭い部屋でも取り入れられる?」「水回りには使える?」「飽きたり、後悔したりしない?」と迷う方もいるでしょう。
本記事では、ヘリンボーン床の種類・素材・費用の考え方、メリットと注意点を解説します。費用や手入れ、空間との相性まで確認しながら、自分たちの暮らしと予算に合う取り入れ方を考えていきましょう。
この記事でわかること
- ヘリンボーン床とフレンチヘリンボーンの違い
- ヘリンボーン床にかかる費用と、費用が変わる要素
- 素材別の特徴と、場所ごとの選び方
- ヘリンボーン床のメリット・デメリット
- 施工後に後悔しやすいポイントと回避策
- 場所別の施工事例と、採用範囲の考え方
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ヘリンボーン床とは?

ヘリンボーン床とは、長方形の床材をV字型に連続して張る床のデザインです。山と谷が繰り返される模様が魚の骨に似ていることから、英語で「ニシンの骨」を意味する「herringbone(ヘリンボーン)」と呼ばれています。
一般的なフローリングは、床材を同じ方向に並べて張ります。一方、ヘリンボーン床は床材の向きを変えながら連続させるため、床にリズムや立体感が生まれるのが特徴です。
床のデザインを住まいのアクセントにしたい場合や、ナチュラル・ヴィンテージ・クラシカル・モダンなど、インテリアの方向性を明確にしたい場合に取り入れられます。
ただし、床材の割り付けやカットに手間がかかるため、一般的なフローリングより施工費が上がる場合があります。デザインだけでなく、素材・施工範囲・予算とのバランスを確認して選ぶことが大切です。
ヘリンボーンとフレンチヘリンボーンの違い
ヘリンボーン床には、主に「ヘリンボーン」と「フレンチヘリンボーン」の2種類があります。どちらもV字型の模様をつくる張り方ですが、床材の端部の形状と、仕上がりの印象が異なります。
ヘリンボーン

一般的なヘリンボーンは、長方形の床材を直角に組み合わせてV字型に張る方法です。山と谷が連続する、やわらかく表情豊かな印象に仕上がります。
フレンチヘリンボーン

フレンチヘリンボーンは、床材の端部を斜めにカットし、V字の頂点を一直線に揃える張り方です。ラインが際立ち、一般的なヘリンボーンよりもシャープで端正な印象になります。
どちらが適しているかは、好みだけでなく、床材の規格、施工方法、部屋全体のテイスト、予算とのバランスで判断しましょう。
| 種類 | 張り方の特徴 | 仕上がりの印象 | 合わせやすいテイスト |
|---|---|---|---|
| ヘリンボーン | 長方形の床材を直角に組み、V字型に張る | 温かみがあり、表情豊か | ナチュラル、ヴィンテージ、クラシカル |
| フレンチヘリンボーン | 床材の端部を斜めに加工し、頂点を一直線に揃える | シャープで端正 | モダン、ホテルライク、海外インテリア風 |
ヘリンボーン床を取り入れる場所
ヘリンボーン床は、リビング・ダイニングのように面積の大きい場所だけでなく、玄関・廊下・寝室・書斎など、空間の一部に取り入れることもできます。
床全体をヘリンボーン張りにすると、空間に統一感と存在感が生まれます。一方で、ダイニング部分や玄関などに範囲を絞ると、床をアクセントにしながら、費用や柄の主張を調整しやすくなります。
キッチン・洗面所など水濡れや汚れが気になる場所では、見た目だけでなく耐水性・掃除のしやすさも重要です。木質系の床材にするか、木目調のフロアタイルを選ぶかは、日常の使い方に合わせて検討しましょう。
並べ方で印象が大きく変わる
デザインのほかに、板の並べ方でも見え方を変えることができます。
たとえば、ヘリンボーン張りには、1枚ずつV字に組むシングル張りのほか、2枚、3枚と複数の板を1組として並べる張り方もあります。

シングル張りに比べ、2枚、3枚と複数の板を1組として並べる張り方は、柄が大きく見え、力強い印象になりやすいのが特徴です。
大きなV字型の柄をつくる張り方もあります。シングル張りよりも柄が大きく見えるため、空間により強い存在感を加えやすいのが特徴です。このように、板の並べ方によって床の印象は大きく変わります。



ヘリンボーン床にかかる費用
ヘリンボーン床にかかる費用は、「床材費」と「施工費」に加え、既存床の状態や施工範囲によって変わります。一般的なフローリングと比べると、床材の加工・割り付け・施工に手間がかかるため、施工費が高くなる傾向があります。
費用を確認する際は、床材費と施工費だけを見るのではなく、既存床の撤去、廃材処分、下地補修、巾木や見切り材、建具の調整なども含めて見積もりを確認しましょう。
特に中古マンションや中古戸建てのリノベーションでは、既存の床の劣化状況や下地の状態により、追加工事が必要になることがあります。床だけの金額で判断せず、住まい全体の工事費とのバランスで考えることが重要です。
ヘリンボーン床の費用を左右する5つの要素
ヘリンボーン床の費用は、主に次の5つの要素で変わります。
- 床材の種類:無垢材、挽板、複合フローリング、フロアタイルなど
- 施工範囲:玄関だけに取り入れるか、LDK全体に張るか
- 既存床の状態:重ね張りできるか、撤去や下地補修が必要か
- 張り方:一般的なヘリンボーンか、フレンチヘリンボーンか
- 現場条件:柱・建具・設備まわりの加工、搬入条件、施工スペースなど
同じ面積でも、選ぶ素材と現場の条件で総額は大きく変わります。気になる場合は、「床材費と施工費だけの見積もり」ではなく、必要な付帯工事まで含めた金額を確認しましょう。
ヘリンボーン床の見積もりで確認したい費用
以下は、ヘリンボーン床を検討する際に確認したい主な費用項目です。実際の費用は、採用する床材、下地の状態、施工範囲、地域、施工会社によって異なります。
| 費用項目 | 内容 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 床材費 | 無垢材、挽板、複合フローリング、フロアタイルなど | 樹種、表面仕上げ、耐水性、傷のつきにくさ |
| 施工費 | 墨出し、割り付け、接着、カット、張り込みなど | 一般的なフローリング施工との差額 |
| 既存床の撤去費 | 既存フローリングや下地材の解体・処分 | 重ね張りできるか、撤去が必要か |
| 下地補修費 | 不陸調整、根太・合板の補修など | 床鳴り、沈み、水平の状態 |
| 付帯工事費 | 巾木、見切り材、建具調整、設備まわりの加工など | 見積もりに含まれているか |
ヘリンボーン床は、採用範囲を絞ることで費用とデザインのバランスを取りやすくなります。たとえばLDK全体ではなく、ダイニングスペース、玄関、廊下、キッチン前などに取り入れる方法もあります。
「床を主役にしたい」という希望を叶えながら、断熱・水回り設備・収納・間取り変更など、暮らしに直結する工事との優先順位を整理することが大切です。
ヘリンボーン床の費用相場
ヘリンボーン床の材料費は、1㎡あたり6,000〜15,000円程度が目安です。施工費は、既存床の状態や施工方法によって異なりますが、1㎡あたり4,500〜7,500円程度を目安に考えるとよいでしょう。
たとえば材料費を1㎡あたり10,000円、施工費を1㎡あたり7,500円とした場合、床材費と施工費の合計は1㎡あたり約17,500円です。既存床の撤去・処分、下地補修、巾木・見切り材、建具調整などが必要な場合は別途費用がかかります。

6畳程度の空間に施工する場合も、重ね張りか張り替えか、使用する床材、下地の状態によって費用は異なります。重ね張りは約10万円〜、既存床を撤去して張り替える場合は約15万円〜が目安ですが、実際の金額は見積もりで確認しましょう。
床材と施工費だけで判断すると、撤去や下地補修などの追加費用が想定外になりやすいため、見積もりでは工事に含まれる範囲まで確認することが大切です。
ヘリンボーン床で後悔しやすいポイント
ヘリンボーン床は、空間に印象的な表情をつくれる一方で、採用範囲や素材の選び方によっては「思ったより主張が強かった」「予算が膨らんだ」「手入れが負担になった」と感じることもあります。
後悔を避けるには、デザインの好みだけで決めず、空間の広さ、家族の暮らし方、床材の特性、リノベーション全体の予算まで含めて検討することが大切です。
柄の存在感が強く、圧迫感が出る
ヘリンボーン床は、一般的なフローリングよりも模様が目に入りやすいデザインです。狭い部屋に濃い色の床材を全面施工した場合や、木目・色差の強い素材を選んだ場合は、床の存在感が想像以上に強く感じられることがあります。
圧迫感を抑えたい場合は、明るい色や木目の穏やかな素材を選ぶ、細めの床材を選ぶ、空間の一部だけに採用するなどの方法があります。
LDK全体に取り入れるか迷う場合は、ダイニングやキッチン前、玄関など、空間をゆるやかに区切りたい場所に範囲を絞るのもひとつの方法です。
想定より費用がかかる
ヘリンボーン床は、床材の施工に手間がかかるため、一般的なフローリングより施工費が高くなる場合があります。また、既存床の撤去、下地補修、巾木・見切り材の施工、建具の調整などが必要になると、床材と施工費以外の費用も加わります。
見積もりを比較する際は、金額だけでなく「何が含まれているか」を確認しましょう。特に中古住宅のリノベーションでは、解体後に下地の補修が必要になる場合もあるため、予備費も見込んでおくと安心です。
水濡れや傷が気になる
無垢材のヘリンボーン床は、天然木ならではの表情を楽しめる一方で、水濡れや傷、湿度変化による伸縮に配慮が必要です。キッチンや洗面所など、水はね・汚れが発生しやすい場所に採用する場合は、日常的な手入れが負担にならないかを考えましょう。
水回りでは、耐水性や掃除のしやすさに配慮したフロアタイルなどを選ぶ方法もあります。見た目だけでなく、場所ごとの使い方に合った素材を選ぶことが重要です。
家具や建具と合わない
床は面積が大きいため、空間の印象を大きく左右します。ヘリンボーン床単体では気に入っていても、建具・壁・キッチン・家具と組み合わせたときに、色やテイストがちぐはぐに感じられることがあります。
床材を決める際は、小さなサンプルだけで判断せず、壁や建具、キッチン扉、手持ちの家具の色と並べて確認しましょう。施工事例を見る際も、床だけでなく、空間全体の配色や照明、家具の素材感まで見るとイメージしやすくなります。
施工の仕上がりが印象を左右する
ヘリンボーン床は、床材の割り付けや端部の納まりによって仕上がりの印象が変わります。特に壁際、建具まわり、柱まわりでは細かな加工が必要になることがあります。
施工を依頼する際は、ヘリンボーン施工の実績や類似事例を確認しましょう。また、柄の向きや、どこを起点に張るかによって空間の見え方も変わるため、施工前に図面やサンプルを見ながらイメージを共有しておくと安心です。
ヘリンボーン床を取り入れるメリット
ヘリンボーン床の魅力は、床が単なる仕上げ材ではなく、空間の個性をつくる要素になることです。素材・色・張り方・採用範囲によって印象を調整できるため、住まいに自分たちらしい雰囲気を加えたい場合に向いています。
以下のメリットがあります。
- 床を空間のアクセントにできる
- 素材や色で幅広いテイストに合わせられる
- 空間をゆるやかにゾーニングできる
床を空間のアクセントにできる
ヘリンボーン床は、V字型の模様が連続するため、空間にリズムと表情が生まれます。壁や家具をシンプルにまとめても、床がアクセントになることで、印象に残る空間に仕上げやすくなります。
特に、リビングやダイニング、玄関など、家族や来客の目に触れやすい場所に取り入れると、住まい全体の印象づくりに役立ちます。
素材や色で幅広いテイストに合わせられる
ヘリンボーン床は、ナチュラルな木の表情を活かすことも、深みのある色でクラシカルに仕上げることもできます。
明るいオーク系やメープル系の色味なら、軽やかでナチュラルな雰囲気に。ウォールナット系やブラウン系の深い色味なら、落ち着きのあるヴィンテージ・ホテルライクな雰囲気をつくりやすくなります。
床材の樹種や色だけでなく、塗装の質感、木目の強さ、家具・照明との組み合わせで、空間の印象は変わります。
空間をゆるやかにゾーニングできる
ヘリンボーン床は、部屋全体に施工するだけでなく、空間の一部に取り入れる使い方もできます。たとえば、LDKのダイニング部分だけ、キッチン前だけ、玄関土間から廊下まで、といった採用方法です。
壁や建具で仕切らなくても、床の素材や張り方を変えることで、ひと続きの空間にゆるやかなメリハリをつくれます。限られた面積でも、床にこだわりを取り入れやすい方法です。
ヘリンボーン床のデメリット
ヘリンボーン床には、デザイン面の魅力がある一方で、事前に確認したい点もあります。ヘリンボーン床のデメリットは、以下の3つです。
- 施工費が上がりやすい
- 施工期間に影響する場合がある
- 素材によって手入れの方法が異なる
では具体的にどんな点がデメリットになるのか、説明していきます。
施工費が上がりやすい
ヘリンボーン床は、床材を一定の方向に並べる一般的なフローリングよりも、割り付けやカット、張り込みに手間がかかります。そのため、施工条件によっては施工費が上がることがあります。
費用を抑えたい場合は、施工範囲を絞る、比較的施工しやすい素材を選ぶ、既存床を活かせるか確認するなど、複数の方法を検討しましょう。
施工期間に影響する場合がある
ヘリンボーン床は、施工範囲や下地の状態、床材の加工方法によって、一般的なフローリングより施工に時間がかかる場合があります。
ただし、リノベーション全体の工期は、解体・配管・電気・造作・設備工事など、床以外の工程にも左右されます。入居希望日が決まっている場合は、床材の納期も含め、早い段階で施工会社に相談しましょう。
素材によって手入れの方法が異なる
無垢材、複合フローリング、フロアタイルなど、床材によって耐水性・傷への強さ・日常の手入れのしやすさは異なります。
無垢材は経年変化を楽しめる一方で、水分を長時間放置しない、使用する洗剤や掃除方法に注意するなど、素材に合わせたケアが必要です。子どもやペットがいる家庭、水回りの近くに施工する場合は、見た目とメンテナンス性のバランスを確認しましょう。
素材別|ヘリンボーン床の選び方
ヘリンボーン床は、同じ張り方でも床材によって見た目・足触り・耐水性・手入れのしやすさ・費用が変わります。
素材を選ぶ際は、「どのような空間にしたいか」だけでなく、「どこに使うか」「どの程度手入れできるか」も基準にしましょう。
無垢フローリング

無垢フローリングは、天然木を使用した床材です。一枚ごとに木目や色の違いがあり、経年変化を楽しめる点が魅力です。ヘリンボーン張りにすると、木の表情と張り方のリズムが重なり、あたたかみのある空間に仕上がります。
一方で、樹種や塗装によって傷のつきやすさ、耐水性、日常の手入れは異なります。水はねや汚れが気になる場所に採用する場合は、仕上げ方法やメンテナンス方法を事前に確認しましょう。
複合・挽板フローリング

複合フローリングや挽板フローリングは、基材の上に天然木や化粧材を組み合わせた床材です。無垢材に近い見た目を楽しめる商品も多く、寸法安定性や手入れのしやすさとのバランスを取りやすいことがあります。
商品によって表面材の厚み、傷への強さ、床暖房対応の可否などが異なるため、見た目だけでなく性能面も確認しましょう。
クッションフロア

クッションフロアは、塩化ビニル素材のシート状床材です。ヘリンボーン柄をプリントした商品もあり、比較的手軽にデザインを取り入れられます。
水に強く、洗面所やトイレなどにも使いやすい一方で、家具の跡や傷、質感の好みは確認が必要です。床全体を本格的な木質のヘリンボーンにする前に、限られた範囲で柄を取り入れたい場合にも選択肢になります。
フロアタイル

フロアタイルは、主に塩化ビニル素材でつくられたタイル状の床材です。木目調の商品を選べば、ヘリンボーン柄を取り入れながら、耐水性や掃除のしやすさに配慮できます。
キッチン、洗面所、玄関など、水濡れや汚れが気になる場所で検討しやすい素材です。ただし、質感や足触りは木質系のフローリングと異なるため、サンプルで確認することをおすすめします。
| 【素材の色使いで印象を変える】 ヘリンボーン床は、素材だけでなく色によっても空間の印象が変わります。床は面積が大きいため、壁・建具・家具・照明との組み合わせまで含めて検討しましょう。 ◎明るい色味 ◎深い色味 ウォールナット系やブラウン系の床材は、空間に落ち着きや奥行きを与えます。ヴィンテージ・クラシカル・ホテルライクなインテリアと組み合わせやすい一方で、狭い部屋では床の存在感が強くなりやすいため、壁や建具との明度差を確認しましょう。 ◎複数の色を組み合わせる場合 色の異なる床材を組み合わせると、柄をより印象的に見せられます。ただし、空間全体の情報量が増えるため、壁・家具・ラグなどは色数を抑えるとバランスを取りやすくなります。 |
場所別|ヘリンボーン床の施工事例
床材の特徴や費用の考え方を踏まえたうえで、ここからはヘリンボーン床を取り入れた施工事例を紹介します。
ヘリンボーン床は、採用する場所や床材の色によって見え方が変わります。写真を見る際は、床だけでなく、壁・建具・キッチン・家具との組み合わせにも注目してみてください。
リビング

無垢チーク材を使ったヘリンボーン床。リノベーション前は、和室と居間の2部屋だったところをつなげ、ヘリンボーン床を敷き詰めました。

ヘリンボーン床は、素材や色の選び方によって、さまざまなインテリアに合わせやすい床のデザインです。
中でも、無垢材のヘリンボーン床は、木製家具や自然素材を取り入れたインテリアと組み合わせると、素材感に統一感を出しやすくなります。
濃い色味の床材を広い範囲に使う場合は、壁・建具・家具の色を含め、空間全体の明るさを調整することが大切です。
子ども部屋

和室をリノベーションしてヘリンボーン床に張り替えた例。無垢チーク材を使用しています。個室に取り入れる場合は、床材の色や木目の強さによって部屋の印象が大きく変わります。
子ども部屋では、デザインだけでなく、傷や汚れへの配慮、日常の手入れのしやすさも素材選びのポイントです。無垢材を採用する場合は、表面仕上げやメンテナンス方法も確認しましょう。
ダイニング・キッチン

キッチンとダイニングにヘリンボーン床を取り入れると、ひと続きのLDKにゆるやかなメリハリをつくれます。床の張り方を変えることで、壁や建具を増やさずにゾーニングできる点も特徴です。
キッチンまわりは水はねや油汚れが起こりやすいため、木質系の床材を使う場合は、耐水性や手入れ方法を確認しましょう。掃除のしやすさを優先したい場合は、木目調のフロアタイルを選択肢に入れる方法もあります。

キッチンを境に床材を切り替え、ダイニング側にヘリンボーン床を採用した事例です。シンクやコンロまわりには、水はねや油汚れを拭き取りやすい素材を選ぶことで、空間のアクセントと日常の使いやすさを両立しています。
寝室

寝室は、住まいのなかでも自分たちの好みを反映しやすい空間です。ヘリンボーン床を取り入れると、床が空間のアクセントになり、家具や照明の選び方によって落ち着いた雰囲気にも、個性のある雰囲気にも仕上げられます。
面積が限られる寝室では、濃い色や木目の強い床材を全面に使うと、柄の存在感が強く感じられることがあります。明るい色を選ぶ、家具の色数を抑えるなど、空間全体でバランスを取りましょう。
玄関・廊下

玄関からリビングへ続く廊下に、ヘリンボーン床を採用した事例です。直線的になりやすい廊下にV字型の柄が加わることで、玄関から室内へ向かう動線に表情と奥行きが生まれます。
廊下のように面積が限られる場所は、LDK全体に施工するよりも、柄の存在感や費用を調整しながらヘリンボーン床を取り入れやすい点がメリットです。玄関・廊下に採用する場合は、床材の色だけでなく、建具や収納扉、玄関框との相性も確認しましょう。
トイレ

トイレの床にヘリンボーン柄を取り入れた事例です。面積が限られる空間でも、床の柄をアクセントにすることで、壁や設備を大きく変えなくても印象に変化をつけられます。
トイレは水はねや汚れが気になりやすい場所です。採用する際は、デザインだけでなく、床材の耐水性や掃除のしやすさも確認しましょう。
ヘリンボーン床が向いているケース
ヘリンボーン床は、すべての住まいで全面採用する必要はありません。床を空間づくりのアクセントとして考え、暮らし方や予算に合う範囲で取り入れると満足度を高めやすくなります。
次のような場合は、ヘリンボーン床を検討しやすいでしょう。
- リビングや玄関など、印象に残る場所にこだわりをつくりたい
- ナチュラル、ヴィンテージ、クラシカルなど、インテリアの方向性がある程度固まっている
- 床の色・素材・家具・建具を含め、空間全体でコーディネートしたい
- リノベーション全体の予算から、床にかける費用の優先順位を決められる
- 素材に合わせた日常の手入れを、無理なく続けられる
ヘリンボーン床を慎重に検討したいケース
ヘリンボーン床が向かないというよりも、採用範囲や素材を慎重に選んだほうがよいケースもあります。
入居日が迫っており、床材選びや施工納まりの検討に十分な時間を取りにくい
- 床以外に優先したい工事が多く、予算配分に余裕がない
- 水はねや汚れが多い場所で、手入れの手間をできるだけ抑えたい
- 床の柄が空間に与える印象を、まだ具体的にイメージできていない
- 手持ちの家具や建具と調和するか不安がある
このような場合は、ヘリンボーン床を諦めるのではなく、採用範囲を絞る、フロアタイルなど別素材を検討する、明るい色味を選ぶといった方法があります。希望と予算の優先順位を整理しながら、自分たちに合う方法を探しましょう。
ヘリンボーン床に関するよくある質問
- ヘリンボーン床とはどのような床ですか?
-
ヘリンボーン床とは、長方形の床材をV字型に連続して張るデザインです。
山と谷が連なる模様が魚の骨に似ていることから、「ニシンの骨」を意味するヘリンボーンと呼ばれています。一般的なフローリングよりも床に表情が生まれ、空間のアクセントになる点が特徴です。 - ヘリンボーンとフレンチヘリンボーンの違いは?
-
一般的なヘリンボーンは、長方形の床材を直角に組み合わせてV字型に張ります。
フレンチヘリンボーンは、床材の端部を斜めにカットし、V字の頂点を一直線に揃える張り方です。ヘリンボーンはやわらかく表情豊かに、フレンチヘリンボーンはシャープで端正な印象に仕上がります。 - ヘリンボーン床の費用はいくらですか?
-
ヘリンボーン床の床材費は、1㎡あたり約6,000〜15,000円程度、施工費は1㎡あたり4,500〜7,500円程度が目安です。
材料費を1㎡あたり10,000円、施工費を1㎡あたり7,500円とした場合、床材費と施工費の合計は1㎡あたり約17,500円です。ただし、既存床の撤去・処分、下地補修、巾木・見切り材、建具調整などの費用が別途かかる場合があります。施工範囲や床材、既存床の状態によって変動するため、付帯工事を含めた見積もりを確認しましょう。
- ヘリンボーン床で後悔しやすい点はありますか?
-
濃い色の床材を狭い部屋に全面施工して圧迫感が出る、施工費や追加工事費が想定よりかかる、水濡れしやすい場所で無垢材の手入れが負担になる、といった点で後悔することがあります。
明るい色や細めの床材を選ぶ、採用範囲を絞る、場所に合う素材を選ぶ、付帯工事を含めた見積もりを確認することで回避しやすくなります。 - キッチンや洗面所にもヘリンボーン床は使えますか?
-
使用できますが、水はねや汚れが起こりやすい場所では素材選びが重要です。
木質系の床材を採用する場合は、耐水性や日常の手入れ方法を確認しましょう。掃除のしやすさを優先したい場合は、木目調のフロアタイルなども選択肢になります。 - 狭い部屋にヘリンボーン床を取り入れても大丈夫ですか?
-
取り入れられます。ただし、濃い色や木目の強い床材を全面に使うと、柄の存在感が強く感じられることがあります。
明るい色を選ぶ、細めの床材を選ぶ、部屋の一部に採用するなど、空間の広さに合わせて計画するとよいでしょう。
まとめ
ヘリンボーン床は、短い床材をV字型に連続して張るデザインです。床そのものが空間のアクセントになり、ナチュラル、ヴィンテージ、クラシカル、ホテルライクなど、素材や色によって幅広いテイストに合わせられます。
一方で、一般的なフローリングより施工に手間がかかりやすく、床材・施工範囲・既存床の状態によっては費用も上がります。無垢材を選ぶ場合は、水濡れや傷、日常の手入れも考慮する必要があります。
ヘリンボーン床で後悔しないためには、次の4点を確認しましょう。
- 空間の広さに合う色・木目・柄の強さか
- 採用する場所に適した耐水性・耐久性・手入れのしやすさか
- 施工費だけでなく、撤去・下地・見切り・建具調整まで含めた予算か
- 家具・建具・壁・照明を含めた空間全体と調和するか
リノベーションでは、床にこだわるほど、間取り・設備・断熱・収納などとの予算配分が重要になります。「ヘリンボーン床を採用したい」という希望を起点にしながら、暮らしやすさと予算のバランスを考えていきましょう。










