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買ってはいけない中古住宅17の特徴|問題のある物件の見分け方や失敗しないコツを解説

買ってはいけない中古住宅の特徴を17つご紹介します。

購入するときには、しっかりと物件を見極めさえすれば、理想的な物件を見つけることは可能です。中古とはいえ高い買い物ですから、できる限り失敗は避けたいもの。

本記事では、私たちがとにかくこんな物件は避けてほしいと考える「買ってはいけない中古住宅」の特徴をまとめました

買ってはいけない中古住宅を見極めるポイントや、物件選びのコツもあわせて紹介するので、参考にしてくださいね。

この記事の監修者
鰭沼 悟

宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する「ゼロリノベ」を運営する株式会社grooveagentの代表取締役。

目次

買ってはいけない中古住宅の17の特徴

買ってはいけない中古住宅の特徴を17つご紹介します。失敗したくない人は以下の点に該当する住宅は購入しないでください。

  • 違法建築をしている中古住宅
  • 建物自体に重大な不具合がある中古住宅
  • 土地や立地にリスクがある中古住宅
  • 周辺環境や心理的瑕疵がある中古住宅
  • 書類の記載不備がある中古住宅

違法建築をしている中古住宅

まずチェックすべきなのは、建物が建築基準法に違反した違法建築物ではないかです。以下の点を確認してください。

  • 建ぺい率・容積率違反
  • 再建築不可の状況に該当

建ぺい率・容積率違反

違法建築でないかをか判断するためには、建ぺい率、容積率を確認してください。

<建ぺい率・容積率とは>
建ぺい率は「敷地面積に対する建物の面積の割合」を、容積率は「敷地面積に対する延べ床面積の割合」を指します。建ぺい率・容積率は、建物の建つエリアによって決められています。

違法建築された建物は、構造に問題がある可能性があり、地震発生時に倒壊するリスクが高いためとても危険。最悪の場合、購入しても自治体から取り壊しを要求される可能性もあるでしょう。違法建築物は住宅ローンの審査が通らないため、借り入れもできません。

再建築不可の状況に該当する

現在の建築基準法に合致しない土地は、建て替えできないため注意が必要です。

たとえば現在の建築基準法上、住宅を建てるには、敷地が幅員4m以上(地域によっては幅が6m以上)の道路に2m以上接しなければならないとする「接道義務」があります。家を建て替えようとしたときに接道義務を満たせなければ「再建築不可物件」とされ、建築確認申請に許可が下りません。

再建築不可物件は、建物を取り壊すと再建築できないため、どれだけ古くなっても修繕して維持し続けるしかないのです。

建物自体に重大な不具合がある中古住宅

建物自体に重大な不具合のある中古住宅も買ってはいけません。以下の点を確認してください。

  • 住宅自体が傾いている
  • 住宅の基礎部分にひび割れが発生している
  • 長期的に雨漏りが発生している
  • シロアリの発生履歴がある
  • 旧耐震基準で建てられている
  • 定期的なメンテナンスがおこなわれていない

住宅自体が傾いている

建物自体が傾いている物件は、住んでいると平衡感覚が狂ううえ、震災に耐えられない可能性が高いため避けましょう。建物が傾くのには、軟弱地盤で地盤沈下している、建物の構造に問題があるなどさまざまな理由が考えられます。

住宅が傾いていないか確認するには、水平器と呼ばれる道具を利用します。水平器はホームセンターなどで安価で購入できるので、内見で訪問する際に持参してチェックすると良いでしょう。

住宅の基礎部分にひび割れが発生している

住宅の基礎部分にひび割れが発生していないかも、必ずチェックが必要です。基礎がひび割れていると、雨水が入り込み、鉄筋部分が錆びていきます。やがて基礎が崩壊し、建物が倒壊するリスクがあるため危険です。

基礎を根本的に修繕するのは困難です。修繕しようとするとかなりの費用がかかるので、基礎がひび割れている建物の購入は避けましょう。

長期的に雨漏りが発生している

内見時には、天井に水に濡れたような雨漏りの跡がないかも確認しましょう。雨漏りは住宅の劣化を早め、寿命を縮める恐れがあります。戸建て住宅は木造が多く、雨漏りすると構造に深刻なダメージを与える可能性があるためです。

雨漏りしている建物は、ジメジメしているためカビやシロアリを呼び込みやすいのもデメリットです。健康に悪影響を与えたり、シロアリ被害を誘発したりする恐れもあるので購入しないのが無難です。

シロアリの発生履歴がある

シロアリ被害にあった履歴がある家は、柱や土台が弱っている可能性があります。シロアリが駆除されている場合でも、食い荒らされて虫食い状態となった柱の中身が元に戻るわけではありません。耐力が落ちているため、震災などで倒壊のリスクが高くなり危険です。

修復や防蟻工事がおこなわれている場合でも、基本的には購入するのは避けましょう。

旧耐震基準で建てられている

戸建ての場合、購入予定の住宅が、旧耐震基準で建てられていないかも重要なチェック項目です。

旧耐震基準で建てられている戸建て住宅は、「震度5程度で倒壊しない」ことを想定されており、建物の状態によっては近年頻発している震度6〜7といった大地震には耐えられない恐れも。

耐震補強のリフォーム工事をおこなうという選択肢もありますが、その場合は、大きな費用負担が生じる可能性があるため、特別な理由がない限り、基本的には購入するのはおすすめしません。

定期的なメンテナンスがおこなわれていない

住宅がきちんとメンテナンスされてきたかどうかも、購入を決める前に確認が必要です。これまで定期的なメンテナンスがおこなわれていないような住宅は、築年数と比較すると劣化が進んでいる可能性があるためです。

購入を検討しているのがマンションであれば、修繕履歴を確認すると過去にどのようなメンテナンスがおこなわれてきたか調べられます。

特に配管など見えない部分は築年数による影響を受けやすいため、共用部分の配管交換が長期修繕計画に盛り込まれているか、専有部分の配管は購入のタイミングで交換する必要があるかなど確認しておきましょう。

一方、戸建ての場合は、売主に確認する以外ありません。過去の修繕履歴があるかなど、不動産会社を通して依頼してみましょう。

中古マンションの配管の寿命に関する詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。

土地や立地にリスクがある中古住宅

買ってはいけない中古住宅の特徴として、建物以外に土地や立地もチェックする必要があります。以下の点もしっかり確認しましょう。

  • 隣の土地が崖になっている
  • 地盤沈下が発生している
  • 災害リスクが高い
  • 土地の境界線が曖昧
  • 周囲の土地と比べて相対的に土地の高さが低い

隣の土地が崖になっている

住宅を建てる場所の隣の土地が崖になっている場合は、災害が発生したときに崩壊するリスクがあります。崖が擁壁や石垣で保護されているケースでも、近年多発している集中豪雨のような、想定を超える雨量が観測された場合などには耐えられないことがあるためです。

大きな河川が近くにあったり、山を切り開いて住宅地とされたりしているエリアは注意しましょう。

地盤沈下が発生している

住宅の強度が十分であっても、地盤が緩い場合は地盤沈下が発生している可能性があります。地盤が沈んでいると家が傾き、倒壊する危険性も。

地盤の状態は、プロの住宅診断士に依頼しないと適切な状況を判断するのは困難です。基本的に埋め立て地や盛り土の造成地などは、地盤沈下のリスクがあるため避けましょう。

災害リスクが高い

購入を検討している住宅が、災害リスクが高いとされているエリアに入っていないかは事前に確認が必要です。

津波や高潮、土砂崩れなどが発生する可能性のある地域は、国土交通省が提供しているハザードマップで確認できます。海や山が近くにある土地が対象になるケースが多いので、あらかじめ調べておくと安心です。

土地の境界線が曖昧

境界線が確定しない土地は、隣地の住民とトラブルに発展しやすいので購入はおすすめできません。隣地の住民との関係が悪化すると、住みにくくなってしまいます。

土地の境界線については、事前に不動産会社に確認しておくことが大切。どうしてもその土地を購入したい場合は、境界確定を依頼しましょう。

周囲の土地と比べて相対的に土地の高さが低い

周囲と比較して土地の高さが低い土地は、道路や隣地から雨水が流れ込むリスクがあります。多少の雨なら問題なくても、近年多発している集中豪雨のような大雨に見舞われると、床下や床上浸水する可能性があります。

また低い土地は周囲よりも湿度が高くジメジメしている、日当たりが悪いなどの問題を抱えているケースも少なくないため、購入はおすすめできません。

周辺環境や心理的瑕疵がある中古住宅

中古住宅を購入する際は、周辺環境に加えて心理的瑕疵の有無についても確認しましょう。

  • 居住誘導区域外に該当する
  • 悪臭や騒音の発生源が近い
  • 心理的瑕疵

居住誘導区域外に該当する

居住誘導区域とは、少子高齢化により人口が減少していくなか、インフラや生活サービスを確保することで居住を誘導しようとする区域です。

居住誘導区域から外れてしまうと、生活サービスやコミュニティの機能が確保されず、中長期的には人口が減少し、利便性が損なわれる可能性があるため、購入は避けるのが無難です。

悪臭や騒音の発生源が近い

住宅の近くにゴミの集積場や工場がある場合は、悪臭が漂うため生活環境が悪くなります。また幹線道路や線路沿いは騒音の問題が発生します。

悪臭はゴミの集積場や工場が移転しない限り続き、車の騒音も半永久的に続くことから、気になる人は付近にある中古住宅の購入は控えましょう。

心理的瑕疵

心理的瑕疵(しんりてきかし)とは、事件や事故などが起きた物件に対して、心理的な抵抗を感じる可能性を指します。建物に問題はなくても事故物件であることを気にする人は多いでしょう。

また、中古住宅の周辺に反社会的勢力の拠点がある場合も注意が必要です。心理的瑕疵があるような地域では価格が安い傾向にありますが、売却する場合も同様で相場よりも安く、資産価値としても低い可能性があります。

書類の記載不備がある中古住宅

中古住宅自体には問題がなくても書類に必要な情報の記載がない場合や、契約書と登記情報にズレが生じている場合は要注意です。また修繕履歴や過去に起こったトラブルなどの情報を隠している場合も同様で、避けるべき物件といえるでしょう。

買ってはいけない中古住宅を見極めるポイント

買ってはいけない中古住宅の特徴がわかったとしても、抱えている問題を見つけられなければ購入してしまう可能性もあります。

問題のある中古住宅の購入を避けるためにも、買ってはいけない中古住宅を見極めるポイントをご紹介するので参考にしてください。

必ず現地で内覧する

買ってはいけない中古住宅かどうかを見極めるためには、必ず現地まで足を運び、内覧することが大切です。現地で異常を発見できた場合は、購入は見送るのが無難です。

たとえば天井が抜けていれば、雨漏りしている可能性があります。また歩いて床が鳴る場合は、床の下地が劣化していたり、地盤沈下などで建物が傾いたりしているかもしれません。内覧時にチェックできるよう、水平器などの器具を事前に準備しておきましょう。

一度住宅を購入すると、簡単に買い替えはできないため、周辺環境もあわせてチェックすることをおすすめします。買い物などの利便性などはもちろん、売主が内覧対応してくれる場合は、まわりにどんな人が住んでいるのかなど聞いてみると良いでしょう。

専門家に依頼して確認してもらう

住宅の危険性や劣化などは、専門的な知識がないと状態を正確に見極めるのは困難です。そのため専門家に依頼して、確認してもらうと安心でしょう。

一見状態が悪く見えても、リフォームで改善できる部分があるかもしれません。良い部分と悪い部分のどちらも含めて正確に説明してくれる担当者を選びましょう。

戸建ての場合、費用はかかりますがインスペクションを受けるのがおすすめです。なぜなら、戸建ては個々によって状態が異なるため、一概に築年数だけで劣化状態を判断することができないためです。

インスペクションでは、建築士などの専門家が建物調査を実施します。第三者機関に建物の状況を公正に検査してもらえるので、安心して購入できるでしょう。

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中古住宅選びで失敗しない4つのコツ

買ってはいけない中古住宅の特徴やポイントを押さえることはもちろん、失敗しないためには選び方も重要です。以下の4つのコツをご紹介するので参考にしてください。

  • 予算を決めておく
  • 住宅に求める条件を洗い出す
  • 複数の不動産会社に相談してみる
  • 信頼できる不動産会社を選ぶ

予算を決めておく

中古住宅を購入するときには、まずは予算を決めておくことが大切。中古住宅では劣化した部分のリフォームが発生するケースが多いため、修繕やリフォーム分の余裕をもたせた予算を考える必要があります。

住宅は購入して終わりではなく、そのあと維持して生活していく資金も必要です。リフォーム箇所が多く見込まれ予算を大きく取られる可能性が高い場合は、別の物件を検討しましょう。

住宅に求める条件を洗い出す

中古住宅選びに際しては、購入したい住宅に求める条件をすべて書き出し、優先順位を付けておきましょう。「最低限ここまでは実現したい」「ここからは予算に余裕があればかなえたい」という妥協ラインを決めておけば、物件選びに迷ったときに役立ちます。

予算オーバーを防ぎつつ、最低限の条件をクリアできれば、物件購入後に後悔しにくくなります。

複数の不動産会社に相談してみる

中古住宅探しに行き詰まったときには、複数の不動産会社に相談してみるのも方法の1つです。

不動産会社は、それぞれ抱えている物件が違ったり、中古住宅探しとリフォーム・リノベーションをワンストップでサポートしている会社などもあるため、複数の不動産会社に声をかけることで希望の条件にあう住宅を紹介してもらえるかもしれません。

信頼できる不動産会社を選ぶ

良い中古物件を見つけるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。

中古住宅は劣化状況の見極めがとても重要。購入後にどの程度のリフォームが必要なのかまで、きちんと確認して説明してくれる不動産会社なら安心です。

予算や条件を確認し、できる限り希望をかなえる物件を探してくれる不動産会社を探しましょう。

まとめ

買ってはいけない中古住宅は、家が傾いている、地盤が沈下しているなど、リフォームやリノベーションではどうにもならないことが特徴です。

逆にいえば、管理状態が良好でリフォームやリノベーションで改善を図れるのなら、その物件はお宝物件かもしれません。

本当に避けるべき危険な物件なのかをプロの手を借り丁寧に見極めれば、予算内で希望のエリアにマイホームを持つことが可能です。さらにリフォームやリノベーションをほどこせば、自分らしい理想の住まいを実現できます。

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中古住宅に関するよくある質問

中古住宅を購入する際の注意点は?

中古住宅を購入する際には、以下の特徴をもつ物件に注意し、避ける必要があります。

  • 違法建築をしている中古住宅
  • 建物自体に重大な不具合がある中古住宅
  • 土地や立地にリスクがある中古住宅
  • 周辺環境や心理的瑕疵がある中古住宅
  • 書類の記載不備がある中古住宅

中古住宅を購入する際の注意点に関してはこちらを参考にしてください。

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この記事の制作体制
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

  • 鰭沼 悟

    宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

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