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スタディコーナーはどう作る?|子どもの成長に合わせた空間づくりのヒントと実例7選

子どもの成長と共に変化していく「学びのスタイル」。最近では、リビングの一角や廊下のスペースなどに、スタディコーナーを設けるご家庭が増えています。

塾や習い事だけに頼るのではなく、家庭内でも集中できる環境を整えることで、子どもの自主性や学習意欲を自然と引き出すことができます。

本記事では、成長段階に応じたスタディコーナーの考え方や、快適に使うための工夫、実際のリノベーション事例を交えてご紹介します。『学びの場』を住まいにどう取り入れるか、そのヒントをお届けします。

目次

家での『学び』をどう考える?スタディコーナーが注目される理由

子どもが家で過ごす時間が増えた今、家庭の中で『学びに向き合える場所』のあり方が見直されています。

そのひとつの考えが、リビングや廊下などの一角を活用した「スタディコーナー」。ただの勉強スペースではなく、暮らしと学びを繋ぐ居場所として注目されています。

教育環境の変化(自宅学習・見守り)

近年、学校の宿題に加え、タブレット学習やオンライン教材など、家庭で学ぶスタイルが定着しつつあります。

その一方で、「どこで勉強させたらいいのかわからない」「集中できる環境がない」といった声も少なくありません。

そこで求められるのが、親の目が届く場所でありながら、子どもが自立して学びに向き合える環境。スタディコーナーはその中間地点として、自宅学習と見守りのバランスをとる場として機能します。

家族でシェアする空間としての役割

共働きが増えた今、ダイニングやリビングは『家族みんなの作業場』としての役割を担うようになっています。

親はリモートワーク、子どもは宿題やオンライン学習。そんな日常のなかで、スペースの使い分けや共有は欠かせない課題です。

スタディコーナーは、日中は大人のワークスペースとして、夕方以降は子どもの学習スペースとして使うなど、時間帯によって役割を変える柔軟な空間としても活用できます。

あらかじめコンセントや照明位置を整えておくことで、作業環境としての快適さも保ちながら、家族全員が無理なく使えるスペースになります。

限られた面積でも、『時間』という軸で区切ることで、暮らしにフィットしたスタディコーナーが生まれます。

成長に合わせて変わるスタディコーナーの考え方

子供の年齢や成長段階によって、学びに向き合う姿勢や環境のニーズは変化していきます。

スタディコーナーを一時的なスペースではなく、長く活用できる空間として整えておくことで、暮らしに馴染む場所として成長を支える存在になります。

幼児~小学校低学年:親の見守りがしやすい場所に

学習習慣がまだ身についていない時期には、親の目が届く場所での学びが重要です。

リビングやダイニングの近くにスタディコーナーを設けることで、声掛けやフォローがしやすく、学習のペースをつかむ助けにもなります。この時期は、遊びと学びが混在することもあるため、自由に使える収納や素材の工夫もポイントです。

小学校中学年~高学年:集中できる環境へとシフト

自分で学習に取り組む力が育ってくると、適度な「こもり感」や集中できるレイアウトが求められるようになります。

周囲から少し視線が遮られるだけでも、気が散りにくくなり、勉強の効率が上がります。将来の使い道も見据えて、家具は固定せず動かせるものを選ぶと、成長に合わせた再配置もしやすくなります。

中高生~独立後:多目的スペースへの転用も視野に

受験期やオンライン授業など、本格的な学習に取り組む時期には、より集中できるスペースが必要になります。照明やデスクサイズ、椅子の座り心地なども重要なポイントに。

そして子どもが独立した後は、ワークスペースや趣味のコーナーとして活用するなど、暮らしに合わせて役割を変えていくこともできます。

「いま」の学習だけでなく、「これから」の暮らしにも対応できるように。スタディコーナーは、成長とともに変化できる『柔軟な空間として計画しておくのが理想的です。

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実例8選|暮らしと成長に寄り添うスタディコーナーのつくり方

ここからは、実際のリノベーション事例をもとに、家族の暮らしに寄り添ったスタディコーナーのつくり方をご紹介します。限られたスペースの中でも、”学び”を支えるアイデアが詰まった実例です。

実例① 変化を愉しむ家

キッチンに立った時の家全体の景色が気に入っているという奥様。 子どもたちのスタディスペースを見守ることができ、リビングや全体を見渡すことができるので、子どもたちの様子を見ながら作業することができます。

スクロールできます
スポットライトで手元を明るく。カウンターに合わせた幅広の飾り棚は文房具や本類の収納を兼ねてスッキリ見せる
リビングのTVまわりはお子様の遊び場も兼ねて。シンプルな収納の組み合わせですっきり見せることができ、お子さまの成長に合わせて変化に対応できる
キッチン裏面には絵本をディスプレイし、お子さまが手に取りやすいように造作

物件情報

建物タイプマンション
広さ62.21㎡
築年月1999年10月
居住人数4人
髙橋

4人着座可能な幅広のカウンターは、お子さまのお勉強の見守りも可能。大人の書斎も兼ねることが可能な余裕のあるスペースです。

実例② as it is

ワークスペースは通路に設置して空間を有効活用するとともに、将来的にお子さまの学習を見守れるスタディスペースとしても。

スクロールできます
幅広のカウンターには本やプリンターを置くことができ、大人もお子さまも使いやすい空間。家族の成長に対応することが可能なスペースに
リビングから寝室に渡る壁面に造りつけた棚は、収納・ベンチ・TVボードを兼ねて機能性抜群。見せる収納と隠す収納を両立させた
造作したヘッドボードには本をディスプレイ。寝る前の読書タイムに

物件情報

建物タイプマンション
広さ76.15㎡
築年月1968年07月
居住人数3人
髙橋

昼は書斎スペース、夕方はお子さまのスタディコーナーとしても活用可能な可変性のあるスペースに。成長に合わせた変化に対応できます。

実例③ 小さなお部屋

完全リモートワークの施主様とお子さまが並んで作業できるよう、3mのデスクを造作。キャスター付きの収納を組み合わせることで、デスク周りをすっきり見せることが可能に。

スクロールできます
お子さまのお勉強やピアノの練習も見守ることのできるレイアウト
キッズスペースや収納も兼ねたロフトは成長に合わせて寝室に変更可能なスペース
リビングの一角に多目的に使えるワークスペースを造作。また、リビング内にロフトをつくり、室内に高低差が生まれることで、空間を有効活用し、遊び心のある間取りに

物件情報

建物タイプマンション
広さ56.1㎡
築年月1988年04月
居住人数2人
髙橋

多目的に利用できるスペースや家族のつながりを感じられる間取りで、遊びも勉強も見守ることができる設計になっています。

実例④ 大らかな時間の流れる住まい

建具をガラスにすることで、仕切られた空間でも繋がりを感じつつもリビング空間と距離をとり、集中できる間取り設計に。リビングからも見守りできることで、子どもたちの引きこもりを防止することも可能になります。

スクロールできます
2人並んで作業も可能な幅広のカウンター上には
本棚を設置し、収納力を確保
ガラス戸は隣の部屋の窓からの明るさも確保できる
書斎や寝室はコンパクトに。広々リビングで家族が集まりやすい間取り

物件情報

建物タイプマンション
広さ100.84㎡
築年月2005年03月
居住人数4人
髙橋

受験勉強など、お子さまが大きくなってくると程よいお籠り感のある個室が集中力を高めてくれます。

実例⑤ 機能性北欧暮らし

ほっとする北欧ナチュラルな空間に、家族が助かる機能がたっぷり。可動棚を随所に配置し、生活に合わせてレイアウトができる収納計画を。キッチン横にあるワークスペースは大人も子どもも活用できるよう広めのカウンターで、見守りもしやすいレイアウトになっています。

スクロールできます
お子さまの学習机として使う予定の棚は、成長に合わせて天板の高さを変えられる可動式。サイドのマグネットボードや、電源も備え機能的に仕上げている
リビングを広くゆったりさせるために間取りを調整。床や壁の色を白でまとめ、ナチュラルな家具を配置
玄関土間からつながるウォークインクローゼットは、子育て世代に嬉しい、パントリーも兼ねた大型収納

物件情報

建物タイプマンション
広さ72.26㎡
築年月2005年03月
居住人数3人
髙橋

大人もお子さまも活用しやすいワークスペースです。遊びの中心はリビングに、カウンターまわりにしっかりと収納を設けることで、すっきりしたレイアウトに。

実例⑥ 北欧風に暮らす便利な住まい

家事のしやすい動線と家族が集まる広いLDKを意識したプランニング。キッチンやダイニングにカウンターを造作することで、すっきり見せると共に収納やインテリア、スタディコーナーとしても幅広く活用できるレイアウトになっています。

スクロールできます
キッチン横には収納を兼ねた造作カウンターを。大人のワークスペースや奥様の家事コーナーとしても活躍できる
家事楽動線でスッキリ見えるよう家具配置を。リビングに収納を配すことでお子さまのおもちゃもすっきり
フリースペースから入る書斎兼子ども部屋は、室内窓を設置することで明るさを取り入れることが可能に

物件情報

建物タイプマンション
広さ64.57㎡
築年月1995年11月
居住人数3人
髙橋

明確に「スタディコーナー」「書斎」を設けなくても、造作カウンターでスペースを設けておくことで、生活スタイルに合わせて自由に取り入れることが可能。インテリアとしても楽しむことができます。

実例⑦ SUBAKOハウス

ふたりのお子さんが将来それぞれ部屋をもてるよう、天井高に恵まれた物件の上下の空間を最大限に活かしたプランニング。ロフトをつくり、上のお子さんのための秘密基地のような空間を設けました。

スクロールできます
スタディスペースに壁を立てれば個室を追加することができる
カウンター正面の有孔ボードは、掲示や小物を飾ったりレイアウト自在
ベッド下をワークスペースや収納として空間を有効活用

物件情報

建物タイプマンション
広さ78.24㎡
築年月1998年01月
居住人数4人
髙橋

お子さまが小さいうちは、オープンスペースで見守る空間。個室にもできるよう可能性を残し、将来を考えつつプランニングしていくことが大切です。

快適なスタディコーナーを作るための4つの工夫

スタディコーナーをつくるうえで大切なのは、場所やサイズだけではありません。毎日使う場所だからこそ、快適性や使いやすさを意識した”ちょっとした工夫”が空間の質を大きく左右します。

ここでは、実際の設計でも重視したい4つのポイントをご紹介します。

①手元を明るく照らす照明計画

ダイニング照明だけでは明るさが足りないことも多いため、スタディコーナーでは手元をしっかり照らす照明をプラスするのが理想的です。壁付照明やライティングレールにスポットライトを組み合わせれば、場所を選ばずに設置可能。調光式にしておくと、作業内容や時間帯に合わせて明るさを調整できます。

手元を明るく照らせる壁付照明
手元を明るく照らせる壁付照明
ゼロリノベ事例より

②使いやすい収納とランドセル置き場の工夫

限られたスペースでも、最低限の文具や教科書を収納できるように計画しておくと、片付けの習慣づけにも役立ちます。引き出しのあるカウンターや壁付け棚、ランドセルがすぐ置ける専用スペースをつくるだけでも、使い勝手がぐんとアップします。

収納
ワークスペース近く、壁面に造りつけた棚は、
収納・ベンチ・TVボードを兼ねて機能性抜群。
ゼロリノベ事例より

③傷に強くお手入れしやすい素材選び

毎日使うスペースだからこそ、天板や壁材は汚れや傷に強い素材を選びたいところ。メラミン化粧板や汚れが拭き取りやすいクロスを使うことで、メンテナンスも楽になります。特に子どもが使う場合は、安全性と耐久性のバランスも大切なポイントです。

④コンセント・通信環境も忘れずに

タブレット学習やPC使用が増えている今、スタディコーナーにもコンセントとWi-Fi環境の整備は欠かせません。足元やデスク脇に電源を設けておけば、配線がゴチャつかず見た目もすっきり。将来的な用途変更にも対応しやすくなります。

配線計画
親子で使える幅広カウンターのワークスペース。
カウンターに配線孔を設け、カウンター下とカウンター上に効率よく配置し、
すっきりとした配線に。
ゼロリノベ事例より
髙橋

細やかな部分にまで目を向けておくことで、毎日使いたくなる快適なスタディコーナーが実現します。

まとめ|”学び”を支える空間が、暮らしを整える

スタディコーナーは、ただの勉強スペースではなく、子どもの成長を支え、家族の暮らしに寄り添う「居場所」のひとつです。ライフスタイルの変化に柔軟に対応できるように整えておくことで、学びに向き合う時間だけでなく、日々の暮らし全体が整っていきます。

リビングの一角や廊下など、限られた空間でも工夫次第で心地良いスタディコーナーは実現可能です。また、子どもの成長後はワークスペースや趣味の場として使い続けられる点も、リノベーションで設ける大きなメリットです。


うちにもこんな場所があったら…」と感じた方は、ぜひご相談ください。家族の暮らしにフィットする空間作りをお手伝いいたします。

髙橋

他にもゼロリノベでは、子供部屋ワークスペースに関する記事もご紹介しております。可変性のある空間として、合わせて参考にしてみてくださいね。

この記事の執筆
  • 髙橋理紗

    北海道在住。住宅会社でリフォーム営業やインテリアコーディネーターとして、リノベーションから新築まで、幅広いお客様と住まいづくりに携わった経験を活かし、現在はWEBライターとして住まいや暮らしに関する記事制作を行っています。また、自...

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