賃貸OK!アクセントクロスで部屋をおしゃれにする方法を一級建築士が解説 #リノベーション賃貸
部屋の壁といえば白壁が一般的ですが、自分の好きな色や柄を取り入れることで空間にメリハリが生まれ、アパレルショップやカフェのような雰囲気を演出することもできます。
今回は、賃貸でもリノベーションでも簡単にできる、アクセントウォールのおしゃれな活用術をゼロリノベ一級建築士の西村がご紹介します。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
賃貸におすすめ!人気の壁紙4種
まずは賃貸でも簡単に取り入れられるアクセントウォールをご紹介します。
アクセントウォールの代表格といえば「壁紙」。その中から、ゼロリノベのお客様にも特に人気の高い4種をご紹介します。
1–1.モルタル調
最近特に人気が高いのが「モルタル調」の壁紙です。同じモルタル調の中でも、色や柄が微妙に異なるものが沢山出ています。
基本的には印刷ですが、近年では印刷技術の向上により、ただの紙という印象ではなく、凹凸した質感も表現されています。ムラのある質感や見た目に人気が高まっています。
本物のモルタルで施工するとコストが上がってしまいますが、モルタル調の壁紙にすることで、安価で、高い空間演出効果を得られます。最近では住宅だけではなく、商業店舗でも見かけることが増えました。
1-2.単色
続いては単色の壁紙です。壁の一部を異なる色にすることで、メリハリの効いたおしゃれな空間にすることができます。
特に下の写真のような色味の壁紙は最近人気が高くなっています。
こちらの落ち着いた紫色の壁紙は、女性のお部屋や寝室などに人気です。
また、北欧のようなグリーンブルーの壁紙も人気が高まっています。こちらの壁紙は黒板のようにチョークが使えるため、お子さんが絵を描くこともできます。
1-3.大柄
次に、大柄の壁紙をご紹介します。空間の印象をガラリと変えることができるアイテムです。
以下の写真のような柄やテイストのものはお客様の中でも特に人気が高まっています。
可愛らしい印象を与える太幅のストライプの壁紙も人気です。
北欧系のテキスタイルメーカーとコラボした壁紙も販売されています。
大柄のイラストも人気が高く、空間に賑やかで楽しい印象を与えます。
大柄の壁紙を取り入れる場所としては、トイレのアクセントや、意外かもしれませんが寝室にも使う人も多いですよ。
また、壁の上部だけストライプにして腰高までは白壁など、切り替えて使うこともできます。
1-4.木目調
次に木目調の壁紙をご紹介します。昔は安っぽいものが多かったですが、先述の通り印刷技術の向上によって、ぱっと見では印刷か本物か見分けがつかないほどクオリティの高い壁紙が増えています。
木の種類も豊富に販売されており、お好みのものを貼るだけでその一面だけウッディな印象に仕上げることができます。
使い方に注意が必要な壁紙
続いては、使い方に注意が必要な壁紙をご紹介します。
2-1.レンガ調
レンガ風の壁紙は正面からみると雰囲気がよいのですが、横から見ると凹凸がないため、見方によってはチープな印象を与えてしまいます。
特に、近くで見られる場所に貼るのはあまりおすすめできません。
2-2.タイル調
タイル調の壁紙も同様に、おしゃれな雰囲気はあるものの、近くで見た時に艶感が無いためチープな印象を与えてしまいます。特に、キッチンなどで本物の陶器が近くに置かれてしまうと、チープさが際立ってしまうこともあるため注意が必要です。
2-3. 石目調
石目調の壁紙も同様に、本物と比較すると反射した感じや硬さが感じられず、見え方によってはチープな印象を与えてしまいます。
石目調の壁紙は店舗などでも見かけることがありますが、奥の壁で使うなど、近くで見えない場所で使用するよう注意しているケースが多いです。
壁紙を貼る時のポイントと賃貸の場合の注意点
3-1.入隅部分をアクセントウォールにする
アクセントウォールとして壁紙を貼る場合は、出隅よりも入隅の方がおすすめです。出隅とは、角が出っ張っている部分、入隅とは、角がへこんでいる部分を指します。
入隅になっている部分の端から端までに貼るようにすると、壁の切り替えの部分におさまりがよく、アクセントウォールにちょうどよい仕上がりになります。
3-2.出隅に壁紙を貼るデメリット
出隅に壁紙を貼る場合は、そこから剥がれやすくなってしまうためあまりおすすめできません。また、特に厚みのある壁紙を貼ると、そこが出隅に見えてしまうデメリットもあります。
もし出隅に壁紙を貼る場合は、見切り材をつけて施工するとおさまりがよくなります。
3-3.賃貸でアクセントウォールを貼る時の注意点
賃貸でアクセントウォールを貼る時には、貼って剥がせるテープや糊を使用することで退去時の現状復帰がしやすくなります。
壁紙によっては、それらが使えない壁紙もあるため、その場合は個別で大家さんに壁紙を貼ってよいか確認を行う必要があります。退去時に元の白い壁に戻すことなどを条件に許可してくださる大家さんもいらっしゃるので、まずは相談してみてはいかがでしょうか。
賃貸におすすめ!小物を飾れる有孔ボード
賃貸におすすめのアクセントウォールとして、壁紙の他にも有孔ボードがあります。
有孔ボードにはフックがかけられるため、趣味のものや絵を飾るなど、いろんなものを壁に取り付けることで空間のアクセントになります。
玄関まわりの物入れ周辺や、ワークスペースのデスクの向かいに貼ったり、小物を色々かけておきたい場所に使用されることが多いです。
4-1.有孔ボードの取り付け方
有孔ボードを取り付ける際は、壁にピタリと隙間なくつけてしまうと穴にフックがかけられなくなってしまうので、ホームセンターなどで販売されているスペーサーを使用するようにしましょう。
手順は、まず初めにスペーサーを壁に取り付け、そこに有孔ボードを打ち付けます。こうすることで後ろのスペースが確保でき、フックを吊ることができます。
ゼロリノベ事務所のアクセントウォールを紹介
より本格的に楽しみたい方は、リノベーションでアクセントウォールを取り入れてみてはいかがでしょうか。東京・外苑前にあるゼロリノベ事務所にもアクセントウォールがいくつか取り入れられていますので、1つずつご紹介します。
古材のアクセントウォール
上の写真は、本物の木でできた古材を集めてパネル状にしたアクセントウォールです。木材のデコボコと間接照明が組みあわさることで、陰影がよりハッキリして空間のアクセントになります。
石材のアクセントウォール
次に、ゼロリノベ事務所のキッチンです。ここには実際の石を壁に貼り、ナチュラルな雰囲気と高級感を演出しながら、他の空間とはガラリと印象を変えています。
石材は一つひとつ異なる形をしているため、不規則なものがくることによってよりナチュラルな雰囲気が出たり、石の持つ高級感を楽しむことができます。
石材は凹凸があるため、陰影を感じられるように照明をしっかり当てるという工夫をしています。また、キッチンツールはシャープな形のものが多いので、ナチュラルな石材の壁にシャープな形のツールが映えるといった効果もあります。
モールディングのアクセントウォール
寝室をテーマにした個室では、ヨーロッパなどでよく用いられるモールディングを施し、落ち着いた雰囲気にしています。
壁自体は石膏ボードで、モールディングは木を削り出したものになります。石膏ボードに木のモールディングを回し施工しています。
このモールディングも黒板塗装になっており、チョークで文字を書くことができます。
タイルを貼ったアクセントウォール
こちらは浴室をテーマにした打ち合わせスペースです。奥には実際に使える洗面も備わっています。
タイル自体は安価で一般的な10cm角のタイルですが、半分ずらして貼り、目地の色を暗めのグレーにすることで、あまり見たことのない雰囲気にできているのではないかなと思います。
アクセントウォールのリノベーション実例
ゼロリノベの施工事例の中から、アクセントウォールが特徴的なものをご紹介します。
6-1.ワンカラーのアクセントウォールがある事例
最も人気が高いのは、ブルー系やグリーン系のアクセントウォールです。中でも少しくすんだグレイッシュな色味の人気が高まっています。
ブルーは奥行き感を出したい時や、北欧テイストが好みの人に多く選ばれています。
ブルー系の事例
グリーン系の事例
また、イエローやオレンジ、ピンクといった暖色も人気で、お部屋が明るく元気な印象になります。
イエロー系の事例
ピンク系の事例
全面カラーウォールにした事例
こちらの事例は全面にモスグリーンが塗られています。このように、白い壁がないだけで特殊な雰囲気を演出することができます。ちなみにこちらの事例は、映画『パディントン』がテーマになっています。
6-2.モルタル調の壁紙をアクセントウォールに使用した事例
続いてはモルタル調の壁紙を使った事例です。実際にモルタルを塗装するとコストがかかるだけでなく、クラックと呼ばれるヒビも入りやすくなることが懸念されます。
壁紙ならそうした懸念も少なく、安価にモルタルの質感が得られるのが特徴です。
また、実際にムラのある塗装をするのはなかなか難しいため、壁紙の方が気軽に取り入れることができます。
モルタルは木の色やインドアグリーンの色が映える効果があるため、壁紙の中でも特に人気が高まっています。
6-3.洗面や浴室に個性的なアクセントウォールを取り入れた事例
個室や小さい部屋に派手なクロスを施工し、遊び心を演出する事例も多くあります。
たとえば、トイレのように短い時間を過ごす空間であったり、少ない面積であれば、かなり遊び心があり面白い空間をつくることができます。
6-4.有孔ボードを使用した事例
ワークスペースに有孔ボードを貼ることで、写真やペンなど、さまざまなものを壁に吊るすことができます。
有孔ボードは、学校の音楽室などでも使用されていたかと思いますが、少しレトロな雰囲気もあり、ほかの壁とは違った印象になるのが特徴です。
自宅でも気軽にアクセントウォールを取り入れてみて
日本では全て白い無地の壁が一般的ですが、そこに一面アクセントウォールを取り入れるだけで、お部屋の雰囲気をガラリと変えることができます。
壁は床などと異なり、更新することができます。壁紙であれば、飽きたら貼り替えるだけでよいですし、塗装であれば塗り直せばまた違う雰囲気を演出できます。
賃貸の方でも、リノベーションを検討中の人も、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
本記事の内容は、ゼロリノベYoutubeチャンネルで動画でもお楽しみいただけます。ぜひこちらもご参考ください。
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