アイランドキッチン価格を徹底調査!相場比較やコストの抑え方も解説
結論から言うと、アイランドキッチンのリノベーション(リフォーム)工事にかかる費用の総額は、約130~240万円が相場です。
相場だけを聞くと「そこまで高くないのかも」と思うかもしれませんが、アイランドキッチンは、ウォール型(壁付型)や同じ対面式のペニンシュラ型と比べるとキッチン本体価格が高くなる傾向があります。
なぜ、アイランドキッチンを採用すると高くなるのか。
その理由は、アイランドキッチンが壁から独立しているという特徴にあります。詳しくは後述しますが、本体の側面すべてが丸見えになるため、きれいに見せるための化粧材が必要です。
LDK空間の中央に配置するため、調理中の煙やにおいに対応できる機器を採用する必要もあります。このことから、デザインや設備面のコストがかかりやすく、他のキッチンよりもリノベーションやリフォーム全体の費用を圧迫してしまうのです。
また、アイランドキッチンのリノベーションやリフォームでは、キッチン本体価格に加え、工事費用も必要になります。
理想のアイランドキッチンを採用しても、コストがかさんで暮らしに影響を与えてしまうのは理想的ではありません。そうならないためにも、正しい相場感を知った上で、予算に合ったアイランドキッチンを採用することが大切です。
「夫婦でキッチンに立つことが多いから、アイランドキッチンにしたい」
「せっかくなら、憧れのアイランドキッチンを取り入れたい」
「…だけど価格に少し躊躇してしまう」
そんな人は、ぜひこの記事を最後まで読んでください。
本記事では、アイランドキッチンの費用相場や主要メーカー7社の相場について解説しているため、アイランドキッチンを採用する場合の予算感や、予算に合うメーカーを見つけることができます。
また、アイランドキッチンの本体価格を高くしている要因や上手なコストカットの方法についても触れているため、参考にすることで条件に合うアイランドキッチンを採用できるはずです。
アイランドキッチンを採用したいと考えている人が、よりよい形で取り入れられることを願っています。
アイランドキッチンの価格・費用相場
冒頭でもお伝えした通り、アイランドキッチンのリノベーション費用の総額は、約130~240万円が相場です。
キッチンのリノベーション費用は、大きく分けると「キッチン本体」と「設置工事」に分けることができます。
キッチンの位置・デザインを変えるケースや、既存空間をガラリと変える大規模なリノベーションを行うと、システムキッチン本体価格に加え、キッチンの設置場所に応じた工事が必要になるため、金額は高くなりやすい傾向です。
特にアイランドキッチンは、メーカーやキッチンの設備、リノベーションを依頼する会社容などによって価格差が出やすく、住宅の状況や工事内容などによっても価格が大きく変わる可能性があります。
予算オーバーで憧れのアイランドキッチンを実現しても、他のどこかにシワ寄せがくるため、まずは予算感を知ることが大切です。
アイランドキッチン本体価格・費用相場とキッチンリノベーションに必要な工事費用について、詳しく解説していきます。
本章の最後では、実際にどれくらいの予算でキッチンリノベーションをしているのかについてもまとめているため、ぜひ参考にしてください。
1-1.キッチン本体の価格・費用相場
アイランドキッチンの本体価格として多いのが、100~200万円の価格帯です。そのため、アイランドキッチンを採用する場合、最低でも100万円程度の予算を見ておく必要があるでしょう。
「100万円程度か」と思った人もいるかもしれませんが、これはあくまでも最低ラインです。
メーカーのシステムキッチンの本体価格は、一般的に次の6つの費用が含まれています。
<本体価格に含むもの>
・ワークトップ(作業スペース)
・シンク(流し)
・コンロ(調理機器)
・水栓(浄水器を含む)
・レンジフード(換気扇)
・各収納(上部収納、下部収納)
・搬送と組み立て工事費用
システムキッチンには基本プランがあり、素材や性能、オプション機能を変更したり、追加したりしていくのが一般的です。そのため、各パーツの素材や性能、オプション機能で金額が大きく変わってきます。
しかし、アイランドキッチンは壁から完全に独立しており、どの角度からもキッチンが丸見えになるため、四方すべての面で化粧材が必要となることから、元々の本体価格が高めです。
他のキッチンよりもワークトップのサイズが大きく、コンロ上に設置する換気扇も天井から吊り下げる高価なセンターフードを採用するのが一般的であることも、他のキッチンと比べると比較的高額となりやすい理由でしょう。実際に、どの程度の価格差があるのか知りたい人は「3. 他のキッチン価格とアイランドキッチンの価格を比較」をご確認ください。
また、他のキッチンと同じでアイランド型のシステムキッチンも、価格帯でグレード分けされ、複数のシリーズを展開をしています。
システムキッチンのグレードは、大きく分けるとシンプル・スタンダード・ハイグレードの3つです。グレードについては、後ほど「4-2.グレード」で詳しく紹介しますが、選ぶグレードによって相場が異なるため、キッチン本体価格は、重視すべきポイントと予算のバランスを取ることが大切です。
1-2.キッチンリノベーションに必要な工事費用
キッチンのリノベーションに付きものなのが、設置に伴う工事費用です。キッチンの位置やサイズをどの程度変更するかで必要な工事が変わってくるため、費用はケースバイケースですが、約30~40万円が相場となっています。
ただ、相場を聞いてもどのような工事費用がかかっているのか、イメージできていない人も多いのではないでしょうか?
キッチンリノベーションを行う工務店やリフォーム会社のWebサイトやチラシ広告でも、よく「工事費込み」と書かれているため、見積書をもらっても金額が妥当なのか分からないという人も少なくありません。
キッチンリノベーションの主な工事費用は、キッチン本体の設置に伴う準備や電気・ガス・水道などのライフラインに関連の工事費用などです。
具体的に必要な工事費用は、大きく分けると次の4つがあります。
仮設工事費用は、キッチンリノベーション前の壁や床を保護する養生費です。アイランドキッチン取り付け後のクリーニング費用なども含まれています。
解体工事は、既存キッチンの撤去費用や他の廃材の処分費用です。なお、取り外した既存キッチンの処分費に関しては、解体工事費用に含むケースと別途追加費用が必要となるケースがあります。見積書を受け取ったタイミングで、処分費の有無を確認するようにしましょう。
付帯工事は、床や壁の補強といった木工事、クロスの張り替えなどの内装工事、電気・ガス・水道の配管・接続工事など、アイランドキッチンの設置に伴う工事全般です。この部分は、キッチンの位置や工事内容によって大きく変わってきます。ウォール型からアイランド型のキッチンへ変える場合や位置を大きく移動する場合、特に配管工事などの費用がかさみやすい状況です。
諸費用には、現場管理費用や交通費などの現場以外の費用が含まれています。諸費用は、リノベーションやリフォーム金額の何%と決められているケースが多いですが、中には他の項目に諸費用分を上乗せし、安く見せているケースもあります。もし諸費用が安い場合は、他の工事費用もしっかりとチェックするようにしましょう。
1-3.アイランドキッチンリノベーションの価格帯
アイランドキッチン本体と必要な工事の相場感を分かったところで気になるのが、「結局、アイランドキッチンを設置する場合、どのくらいのリノベーション費用が必要になるの?」ということでしょう。
以下は、建築材料・住宅設備機器業界大手の株式会社LIXILが、実際に施工した事例をもとに算出したキッチンリフォーム費用の価格分布です。なお、アイランドキッチン以外のタイプも含みます。
参考:株式会社LIXIL「キッチンリフォームの費用相場」
アイランドキッチン以外のタイプも含むキッチンリフォーム全体の相場を示したグラフですが、ご覧の通り300万円台以降は少数です。
実際、株式会社LIXILの施工事例でも、100~200万円台のアイランドキッチン事例が数多く紹介されており、100~300万円未満の価格帯でも、憧れのアイランドキッチンを実現できることが分かります。
ただ、アイランドキッチンは、完成のイメージや工事の規模によって予算も大きく変わるのが実情です。以下に、工事規模別も予算相場をまとめているため、自分のケースではどの程度の予算が必要になるのかの目安にしてください。
壁付の対面式キッチンからアイランドキッチンへ変更する場合、費用を抑えられる可能性が高い状況です。しかし、キッチンの形状や配置換えを伴うキッチンリノベーションでは、キッチン本体の費用を抑えても工事費用が高額となりやすいため、全体の予算は上がります。
主要メーカー7社のアイランドキッチン価格を徹底比較
ここでは、以下の主要メーカー7社が取り扱うアイランドキッチン対応商品の「キッチン本体価格」を徹底比較しています。
- リクシル
- クリナップ
- パナソニック
- TOTO
- トクラス
- ウッドワン
- ikea
メーカーのシステムキッチン選びで迷っている人や、想定している予算でどのようなデザインのキッチンを採用できるのか分からないという人は必見です。
2-1.LIXIL(リクシル)
洗練されたシンプルデザインと使い勝手にこだわった機能性のバランスがよいキッチンが多いLIXILのキッチン。スタンダードモデルの「ALESTA(アレスタ)」とハイグレードの「RICHELLE(リシェルSI)」が、アイランドキッチンに対応しています。
出典:株式会社LIXIL「ALESTA(アレスタ)」/「RICHELLE SI(リシェルSI)」
LIXILなら、中間グレードにあたるスタンダードモデルでも、約75万円から設置可能。使い勝手や機能性がアップするオプション機能を追加できるハイグレードの「RICHELLE SI(リシェルSI)」でも約94万円からとなっています。
高機能のアイランドキッチンに憧れるけれど、予算は抑えたいという人は、低コストで収納や使い勝手のよい機能がそろうLIXILのキッチンをチェックしましょう。
株式会社LIXILのキッチンを詳しく見る
2-2.クリナップ
業界初となるステンレスキャビネットに定評があるクリナップ。アイランドキッチンに対応した商品は、比較的価格が安い「rakuera(ラクエラ)」、標準的なグレードの「STEDIA(ステディア)」、高機能を標準搭載した「CENTRO(セントロ)」の3つです。
シンプルモデルでも100万円オーバーとなっているため、ほかのメーカーと比べると高めですが、3つのグレードのアイランドキッチンがそろっているため、機能や予算を比較し、より自分たちの暮らしや理想に合うアイランドキッチンを選ぶことができます。
出典:クリナップ株式会社「rakuera(ラクエラ)」/「STEDIA(ステディア)」/「CENTRO(セントロ)」
ハイグレードモデルの「CENTRO(セントロ)」は、約150万円からと高額ですが、キャビネットの骨組みにもステンレスを採用した「ステンレスキャビネット」を標準装備。シンクと排水口が一体形成となったお手入れのしやすい「とってもクリン排水口」、ボタン1つでフィルターとファンを自動洗浄してくれる「洗エールレンジフード」も標準装備されているため、掃除の手間を省けます。
ステンレス製キッチンをお考えの人や、お手入れのしやすさを重視したい人には、クリナップのキッチンが向いているでしょう。
クリナップ株式会社のキッチンを詳しく見る
2-3.Panasonic(パナソニック)
日本を代表する電気機器メーカー「Panasonic(パナソニック)」のキッチンは、電化製品が一体となったようなスマートなデザインが魅力。特に、コンロが横一列に並んだ、複数人でも作業しやすい「ワイドコンロ」はPanasonicの大きな特徴です。
アイランドキッチンの価格は標準的で、予算を抑えつつも、デザイン性にこだわったキッチンを実現できます。
出典:Panasonic株式会社「イメージ検索」
Panasonicのスタンダードモデルでアイランドキッチンに対応しているのは、基本機能を備えた「Lacucina(ラクシーナ)」と「Refoms(リフォムス)」の2つ。いずれも標準プランの予算は100万円前後となっているため、低コストで使い勝手がよいキッチンを探している人におすすめです。
約123万円の「L-CLASS(エルクラス)」は、スタンダードモデルにはない、キッチン側とダイニング側の両方からアクセスできる「ラウンドアクセスプラン」に対応。レイアウトの幅もスタンダードモデルの2商品と比べると2倍以上あります。
そのため、間取りに合わせて自由に設計した人やホームパーティー・家族とキッチンに立つことが多い人は、Panasonicの「L-CLASS(エルクラス)」が向いているでしょう。
Panasonic株式会社のキッチンを詳しく見る
2-4.TOTO
TOTO株式会社のキッチンは、水栓やシンクなどの機能性に定評があります。トイレやお風呂などの水まわりを多く手掛けてきた会社だけあり、水まわりのオプション機能が豊富ですが、いろいろ追加してしまうと、価格が上乗せされてしまいやすいため、注意が必要です。
アイランドキッチンに対応した商品は、シンプルモデルの「mitte(ミッテ)」とハイグレードモデルの「THE CRASSO(ザ・クラッソ)」の2種類。
シンプルモデルは、約77万円から設置可能。幅広のシャワーのように水が出る「水ほうき水栓」や、3度の傾斜が付いたTOTOオリジナル「すべり台シンク」などの機能追加もできます。価格を抑えつつもオプション機能追加により、ハイグレードのような使い心地を実現できるため、水まわりにはこだわりたいという人は、TOTOのシンプルプランを候補として検討しましょう。
約95~200万円のハイグレードモデルでは、ワンランク上の独自機能を搭載。例えば、「きれい除菌水」機能では、通常の蛇口とは別の専用水栓から、水を電気分解して作った「次亜塩素酸」を噴霧でき、排水口や網カゴ、まな板などに吹きかけることで、菌の繁殖やぬめりなどを抑えることができます。
予算に余裕があり、小さなお子さんがいる家庭や水まわりの衛生が気になるという人は、TOTOの「THE CRASSO(ザ・クラッソ)」をおすすめします。
TOTO株式会社のキッチンを詳しく見る
2-5.TOCLAS(トクラス)
TOCLAS(トクラス)株式会社のキッチンは、上質な人造大理石が売りのメーカーなので、ワークトップもシンクも素材は人造大理石一択。そのため、他のメーカーと比べるとやや金額が高くなる傾向があります。
TOCLASのアイランドキッチン対応商品は、「Berry(ベリー)」と「DOLCE X(ドルチェ エックス)」の2つ。
出典:TOCLAS株式会社「Berry」/「DOLCE X」
スタンダードモデルの「Berry(ベリー)」は、一人ひとりの暮らしに合わせたレイアウトが可能。カラーバリエーションも豊富で、他にはない個性的なキッチンを実現できます。ただ、選ぶアイテムによって価格差が出やすいため、予算内に収まるよう、パーツや機能の優先順位を決めてカスタマイズすることがポイントです。
出典:TOCLAS株式会社「DOLCE X」
さらにデザイン性を追求した人は、空間のメインとなる高級感あふれるハイグレードモデルの「DOLCE X(ドルチェ エックス)」がおすすめ。他のメーカーでは珍しい、丸みを帯びたラウンドフォルムのオープンキッチンが選べます。ホームパーティーやお料理教室など、大勢でキッチンを囲んでも程よい距離間を保って作業ができそうですね。
TOCLAS株式会社のキッチンを詳しく見る
2-6.WOODONE(ウッドワン)
建材メーカーの株式会社WOODONE(ウッドワン)が手掛けるキッチンは、無垢の木を使用したシンプルなデザインがほとんどであるため、他のメーカーと比べると比較的低コストなのが特徴です。
「su:iji(スイージー)」と「FLAME KITCHEN(フレームキッチン)」の2商品が、アイランドキッチンに対応しています。
出典:株式会社WOODONE「su:iji」/「FLAME KITCHEN」
いずれもキッチン本体価格が100万円未満で設置可能ですが、グレードでいうとスタンダードモデルにあたります。
キッチン本体価格のコストを抑えることができれば、扉や取っ手デザイン、シンク、水栓などのグレードをワンランク上げることもできるので、WOODONEは、キッチン設備にこだわりたいという人に向いていると言えるでしょう。
株式会社WOODONEのキッチンを詳しく見る
2-7.IKEA(イケア)
北欧家具や生活雑貨を取り扱うスウェーデン発のIKEA(イケア)。
出典:IKEA「キッチンシリーズ」
システムキッチンを販売するメーカーではありませんが、「METOD(メトード)」というシステムキッチンシリーズがあり、キャビネットやコンロなどを取り扱っています。
家具を自由にカスタマイズするのと同じように、シンクやコンロ下のキャビネットとビルトイン機器を自由に組み合わせることが可能。自分で選ぶ楽しさを味わいながら、理想のアイランドキッチンを実現できます。価格は、選ぶ素材によって変わってきますが、最低限の設備のみであれば約50万円台でそろえることもできます。
自分で組み立てなければならないという点はデメリットですが、システムキッチン価格を抑えたい人やDIYが得意な人、家具と同じようにキッチンもカスタマイズしたいという人には、IKEAのシステムキッチンがおすすめです。
IKEAのキッチンを詳しく見る
他のキッチン価格とアイランドキッチンの価格を比較
キッチンレイアウトの中で高いと言われるアイランドキッチン。キッチンレイアウトのひとつとしてアイランドキッチンを考えている場合、他のキッチン価格とどれくらいの差があるのか気になりますよね。
ここでは、「アイランド型」と同じ対面式キッチンの「ペニンシュラ型」と、キッチンが壁に面したオーソドックスな「ウォール型」の3タイプのキッチン本体価格を比較。どのくらいの価格差があるのかを表にまとめて解説します。
もっともお手頃なウォール型とアイランド型のキッチン本体価格の差は、約50万円以上あります。同じ対面式キッチンのペニンシュラ型と比較しても約40万円以上の価格差がある状況です。
アイランドキッチンが高くなる理由のひとつは、材料費のコストがかかりやすいことです。アイランドキッチンは、他のキッチンと比べるとワークトップのサイズが大きく、四方に化粧材が必要になるため、どうしてもその分コストがかさみます。
また、アイランドキッチンは、LDK空間をさえぎる吊戸棚や壁を設置しないデザインが主流です。そのため、調理中の煙やにおい対策として、高性能なレンジフードを選ぶ必要があることもキッチン本体価格の予算を上げる要因となっています。
「アイランドキッチン」では、アイランドキッチンについて詳しく解説しています。気になる人は、そちらもチェックしてください。
アイランドキッチン本体の仕様が分かれ目!価格に影響を与える3つのポイント
アイランドキッチンは高いということが分かっていたものの、実際にキッチンリノベーションの見積書を見て、「思っていたよりも高かったな」という人も多いのではないでしょうか?
アイランドキッチンは、LDK空間との一体感が魅力でもあるため、空間全体の雰囲気やインテリアに合うデザインを選びたくなるもの。また、キッチンが丸見えになり、四方が壁から離れて独立していることから、キッチン本体の仕様にこだわりたいという人も少なくありません。
しかし、見た目や使い勝手にこだわるほど、アイランドキッチンの本体価格にさまざまなコストが上乗せされていきます。
特に、以下の3つは価格差がでやすい項目です。
素材 | 見た目を左右する |
グレード | |
オプション機能 | 使い勝手を左右する |
詳しく見ていきましょう。
4-1.素材
アイランドキッチンの素材において価格に影響を与えやすいパーツは、
◎ワークトップ
◎キッチンシンク
の2つです。
◎ワークトップ
ワークトップの種類はいろいろありますが、メーカーのシステムキッチンは、「ステンレス」「人造大理石(人工大理石)」「セラミック」の3素材のワークトップが主流です。
3素材の中でもっとも費用を抑えられるのが、シンプルかつお手入れもしやすいステンレス。熱・衝撃・摩擦のいずれにも強く、キズが付きにくいため、コストと耐久性にこだわる人はステンレスが向いています。
デザイン性にもこだわりたい人は、見た目の高級感がある人造大理石(人工大理石)がおすすめです。ステンレスと比べるとやや費用が高くなりますが、天然石よりも安価なのに柄やカラーバリエーションが豊富で、インテリアにも合わせやすいという特徴があります。そのため、LDKの雰囲気に合わせたカラーや質感を実現したい人に向いています。
セラミックは、金属でこすってもキズが付きにくく、熱による変色や変形にも強いという特徴がありますが、他の素材と比べると金額が高い傾向です。費用を抑えたい場合はあまりおすすめできませんが、料理をよくする場合はワークトップの使用頻度も高くなるため、選択肢のひとつとして耐久性に優れたセラミックはおすすめです。
ワークトップは、食材を切ったり、できた料理を盛り付けたりする作業スペースです。毎日使う場所なので、デザイン性だけでなく、素材の特性や利用シーン価格にも注目し、総合的に判断しましょう。
◎キッチンシンク
メーカーのキッチンシンクの材質は、ステンレスと人造大理石(人工大理石)が主流です。価格を抑えたい人はステンレス製が向いています。
メーカーのシステムキッチンは、異素材の天板とシンクを組み合わせられるケースがほとんどです。デザイン性を重視したいという人は、目につきやすいワークトップは人造大理石を選び、キッチンシンクはステンレスを採用して価格のバランスを取るとよいでしょう。
4-2.グレード
メーカーのシステムキッチンは、使いやすさやデザイン、素材や技術によって価格帯が分かれており、シリーズ化されているケースがほとんどです。
グレードは、大きく以下の3段階に分けることができます。
・シンプル:基本機能が標準装備されたお手頃な基本グレート
・スタンダード:一般的な仕様を搭載したグレード
・ハイグレード:設計の自由度が高い高級なグレード
以下に、各グレードの特徴と相場をまとめています。
お手頃な基本パックは、基本的な使用を組み合わせたシンプルなキッチンが多く、素材のコストも比較的安いのが特徴です。基本的なパックでもカラーや素材もいくつかの選択肢が用意されているケースが多いため、コスト重視派と室内のインテリアに合わせられる程度の選択肢があれば問題ないという人におすすめです。
一般的な仕様のプランは、モデルプランとして紹介されているような、一般的に普及している仕様を組み合わせたタイプのキッチンが多く見られます。低コストのグレードと比べると、素材やカラー、オプションの選択肢も増えるため、一般的な使用のプランは、基本をベースにカスタマイズしたいという人におすすめです。
もっともグレードの高いプランは、設計の自由度が高く、デザイン性や性能にも優れた機器がそろっています。そのため、一から自分好みにカスタマイズしたい人、デザインやオプションなど細部までこだわったキッチンにしたい人に向いています。
ただし、お手頃な基本パックでもプランニングによっては一般的な仕様よりも高くなる可能性があるため、まずは各シリーズの基本仕様を確認し、自分の理想に近いグレードを選ぶことが大切です。
4-3.オプション機能
どのオプション機能を採用するかで、アイランドキッチンの本体価格に大きな差が生まれます。
特に、アイランドキッチン本体価格に影響を与えやすいのが、次の3つです。
◎水栓・浄水器 ◎レンジフード(換気扇) ◎ビルトイン機器 |
オプション機能にもグレードがあり、高性能なタイプほど金額も高くなります。浄水器機能付きシャワータイプの水栓、高性能のシロッコファン、主要なビルトイン機器を採用するとそれだけで50~100万円前後の費用がプラスされるため、費用とキッチンの機能のバランスをしっかりと考えて、取捨選択をしましょう。
3ステップでコストをカット!アイランドキッチンの価格を抑える方法
理想のアイランドキッチンを実現したいけど、思った以上にリノベーション予算がかかってしまったという人も、まだ諦めるのは早いですよ。
これから紹介する3つのステップを試してみてください。アイランドキッチンの理想を叶えつつ、キッチン本体のコストを抑えることができます。
5-1.【ステップ①】モデルチェンジ可能なI型キッチンを探す
まずは、アイランドキッチン本体のモデルを見直しましょう。
アイランドキッチン本体の価格は、アイランド型にモデルチェンジできるI型キッチンを選ぶことでコストの軽減ができます。
I型は、アイランドキッチンと同じでコンロ・作業スペース・シンクが一直線に並んだキッチンです。もっともオーソドックスなレイアウトで、多くの住宅に採用されているため、小さなサイズであれば一流メーカーでも50万円以下で購入できます。
I型の中には、アイランドキッチンとして設置できるモデルがあり、キッチン背面に壁を付けることで、通常よりも低コストでアイランドキッチンを実現できます。
5-2.【ステップ②】Ⅱ型のアイランドキッチンを検討する
【ステップ①】でI型へモデルチェンジできるキッチンを見つけられない場合は、Ⅱ型のアイランドキッチンを検討しましょう。特に、ウォール型からアイランド型へ配置換えするケースにおすすめです。
アイランド型は、キッチンの本体が壁から離れて独立しているため、大がかりな工事を伴いやすいレイアウトです。特に、ウォール型のキッチンからアイランドキッチンにする場合、ガスや排水の配管工事、換気扇用のダクト工事などが必要になるケースが多く、キッチン本体の価格を抑えても工事費用が高くなる傾向があります。
しかし、コンロを壁側に設置し、シンクと作業スペースのみをアイランド型にすることで、コンロまわりの工事費用を最小限に抑えることができます。
コンロを壁側に配置したⅡ型のアイランドキッチンは、デメリットである煙やにおい、油はねなどの心配も少なく、シンク・コンロ・冷蔵庫の配置バランスも抜群です。コストを抑えつつ、使い勝手の良いアイランドキッチンを実現したい人はぜひⅡ型を採用し、憧れのアイランドキッチンを実現しましょう。
5-3.【ステップ③】キッチン本体の費用を細かく削る
アイランドキッチンに限ったことではありませんが、「4.アイランドキッチン本体の仕様が分かれ目!価格に影響を与える3つのポイント」で解説した通り、採用する素材やグレード、オプション機能でキッチンの本体価格が大きく変わります。
そのため、低コストの素材を採用したり、不要なオプション機能を外したりしてキッチンの本体費用を抑えましょう。
キッチン本体を削りたいときに見直したいパーツは、次の5つです。
◎ワークトップの素材 ◎シンク(流し)の素材 ◎浄水器や高機能レンジフードなどのオプション機能 ◎ビルトイン機器 ◎キャビネットの化粧材や取っ手の素材 |
「家事の負担を減らしたいから食器洗い乾燥機だけは付けたい」など、本当に譲れない条件や機能かをよく検討し、削れるところは削ってキッチンリノベーション費用を抑えましょう。
5-4.【番外編】オーダーメイドもひとつの選択肢
メーカーのシステムキッチンを採用する場合のコストカット方法を紹介しましたが、メーカーの既製品にこだわらないのであれば、オーダーメイドもひとつの選択肢としておすすめです。
オーダーメイドをおすすめする理由は2つ。
① システムキッチンの本体価格が不要になるから ② 自分たちらしい個性的なキッチンを実現できるから |
オーダーメイドの場合、必要なキッチンパーツと基礎になる部分のみの材料費だけで設置可能です。素材やデザインによっては、メーカーのシステムキッチンを設置するよりも費用を抑えられる可能性があります。
また、オーダーメードの場合は自由にデザインを設計できるため、個性的なアイランドキッチンにすることも可能です。
メーカーのシステムキッチンにしたいというこだわりがないのであれば、費用を抑えつつ、暮らしに合うアイランドキッチンを叶えられるオーダーメイドを検討してみてはいかがでしょうか?
工事中に発覚しやすい!アイランドキッチン費用を高額にするトラブル
予算内にアイランドキッチンの費用を抑えることができ、リノベーション工事がスタート。…その矢先にトラブルが発生し、最終的な工事費用が高くなってしまったというケースが起こりやすいのが、キッチンリノベーションのあるあるです。
ここでは、工事中に発覚し、工事費用を上げてしまうケースを2つ紹介します。
6-1.キッチンまわりの床や壁の老朽化
既存キッチンを撤去した際に発覚しやすいトラブルが、キッチンまわりの床や壁の傷みや老朽化です。同じ場所にキッチン設置する場合はもちろん、位置を変える場合も補強や修繕などで追加費用が必要になる可能性があります。
キッチンまわりの床や壁の老朽化は、キッチンを取り外して初めて分かることなので、工事後の万が一に備え、余裕のある資金計画を立てておくと安心です。
6-2.配管や換気ダクトの変更
キッチン本体の四方が壁から離れ、部屋の中心に位置するアイランドキッチン。
既存のキッチン位置から場所を大きく変更する場合、排水管や排気ダクトなども動かす必要があります。
配管や換気ダクトを移動できるかどうか、工事業者が事前チェックを行っていますが、設計段階では分からなかったイレギュラーにより、想定通りの工事を行えない可能性もあります。
その場合、工事内容が大幅に変更され、追加の工事費用が発生することも多いため、万が一を想定した資金計画を立てておくことが大切です。
まとめ
アイランドキッチンの価格にフォーカスし、さまざまな角度から比較やコストを抑えるコツをお話してきました。
最後にもう一度、アイランドキッチンの価格についておさらいしていきましょう。
◎アイランドキッチンへリノベーション費用は、約130~240万円が相場です。
キッチン本体価格と設置工事費用を合わせた合計金額となっています。
◎主要メーカーが取り扱うアイランドキッチンには、3つのグレードがあります。
素材やグレードを下げ、生活に必要のないオプション機能を省くことで、キッチン本体価格のコストカットが可能になり、アイランドキッチンを採用しやすくなります。
ただし、工事中に
- キッチンまわりの床や壁の老朽化
- 配管や換気ダクトの変更
などが発覚し、追加で工事費用が発生することがあるため、余裕を持った資金計画を立てておくことが重要です。
アイランドキッチンは、他のキッチンよりも高い買い物になるケースが多いため、後悔の内容にしたいもの。
予算に合ったアイランドキッチンの実現や、あなたや家族にとって最高のキッチンにするために、この記事を参考にしていただけると幸いです。