ユニットバスとは?真の意味とリフォームのメリット&ポイントを解説
浴室のリフォームを検討する中で、お風呂について調べていると、かなりの頻度で目に入る「ユニットバス」という言葉。
「ユニットバスって、そもそもどんなお風呂のことなの?」
と、ユニットバスの意味を理解していない自分に気が付いたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ユニットバス=トイレが同じ空間にあるお風呂」という認識をお持ちの方も多いかもしれませんが、この認識は誤りで、ユニットバスが持つ真の意味は全くの別物。
万が一、誤った認識のまま、「お風呂とトイレは別にしたいから」という理由で、リフォームの選択肢からユニットバスを外してしまうといった事態が起こると、大変なことになります。
何故なら、ユニットバスは現在のお風呂業界の主流であり、多くの人々に選ばれているお風呂だからです。
そこで本記事では、ユニットバスとはどんなお風呂のことを指すのか、真の意味や種類についてご紹介したうえで、
- ユニットバスと、別タイプのお風呂・在来工法との違い
- ユニットバスのメリット・デメリット
- ユニットバスへのリフォームがおすすめな人・おすすめできない人
などを、徹底解説します。
本記事をお読みいただければ、ユニットバスとは何なのかを網羅的に理解し、ユニットバスが自分の希望やこだわりを叶えてくれるお風呂なのかどうかを判断できるようになるでしょう。
また、「こうしておけば良かった…」とリフォーム後に後悔することが無いよう、ユニットバスを選ぶ上で知っておくべきポイントもご紹介しますので、是非参考になさって下さいね。
ユニットバスとは
冒頭でも述べたとおり、「ユニットバス=トイレが同じ空間にあるお風呂」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、これは誤りです。
それでは、ユニットバスとは一体どんなお風呂のことを指すのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
1-1.ユニットバスとは「全てのパーツがセットで造られたお風呂」のこと
結論から申し上げますと、ユニットバスとは、「浴室の壁・床・天井・浴槽などのパーツ一式がセットで製造されたお風呂」のことです。
工場にてあらかじめセットで造っておいた各パーツを施工現場に搬入し、現場で組み立てるため、壁・床・天井・浴槽が一体化した浴室に仕上がります。
それではなぜ、「ユニットバス=トイレが同じ空間にあるお風呂」というイメージが広がったのでしょうか。
その理由を知るには、1964年に開催された東京五輪の歴史を紐解く必要があります。
当時の日本では、タイル張りなど、現場で1から造り上げていくタイプのお風呂が主流でした。
東京五輪の招致が決まり、来日する外国人のために急ピッチでホテルの建設を進めていく中で、「従来のお風呂では建設に時間がかかりすぎて間に合わない」という問題が浮上。
短期間でお風呂を設置する方法は無いのか模索する中で、大手メーカー・TOTOが開発したのが、お風呂のパーツを工場で量産して現場で素早く組み立てる、ユニットバスという新しいお風呂の形だったのです。
この初代ユニットバスは、外国人の利用を念頭に、浴槽・洗面台・トイレが同室にある欧米スタイルで製造されました。
このイメージが現在も根強く残っていることが、「ユニットバス=トイレが同じ空間にあるお風呂」と認識している人が多い理由なのです。
1-2.ユニットバスの種類
全てのパーツがセットで製造されたお風呂のことを指すユニットバスですが、ユニットバスの中にもいくつか種類があります。
具体的に言うと、現在製造・販売されているユニットバスは3種類です。
そこで、3種類のユニットバスの特徴を解説します。
1-2-1.3点ユニットバス
1種類目は「3点ユニットバス」です。
これは、1964年開催の東京五輪の際に造られた「初代ユニットバス」同様、浴槽・洗面台・トイレが同室にあるユニットバスを指します。
3点ユニットバスのメリットは、お風呂からトイレまでを一気に掃除できる効率性。
一方で、
- お風呂に入ると浴室全体がジメジメしてしまうため、トイレットペーパーなどの備品の置き場を確保できない
- 複数人で同居している場合、誰かの入浴時にはトイレが使えないなど、困るときがある
といったデメリットも挙げられます。
狭い空間を有効に活用できるので、ホテルや賃貸物件でよく見かけるタイプです。
1-2-2.2点ユニットバス
2種類目は「2点ユニットバス」です。
これは、浴槽と洗面台が同室にあるユニットバスを指します。
浴槽と洗面台を同室にすることで省スペースを実現しつつ、3点ユニットバスとは異なり、トイレが別室になるので、トイレットペーパーなどの置き場をしっかり確保できる点がメリット。
また、シャワーで浴槽と洗面台を一気に洗えるため、掃除がしやすいという声も聞かれます。
一方で、誰かが入浴していると洗面台が使用できないため、同居人がいる場合や来客があった場合に困る点がデメリットと言えるでしょう。
1-2-3.1点ユニットバス
そして、3種類目は「1点ユニットバス」です。
これは、浴槽のみが独立しているユニットバスを指します。
浴槽と洗い場のみで浴室が構成されているため、広々としたスペースで身体を洗ったり、湯船に浸かったりすることが可能。
使い勝手が良いことから、様々なメーカーで取り扱いがあり、最も多く選ばれているユニットバスです。
1-3.ユニットバスとシステムバスはほぼ同義
ところで、お風呂のリフォームを検討し、お風呂の種類などを調べていると、「ユニットバス」という言葉と同じくらいの頻度で「システムバス」という言葉を目にすることがあるのではないでしょうか。
「システムバスって何?」
「ユニットバスとはどう違うの?」
と、疑問に思われる方も多いと思います。
結論から申し上げますと、システムバスはユニットバスより後に創られた言葉なのですが、意味はほとんど同じです。
では何故、同じような意味を持つ言葉が創られたのでしょうか。
先に述べたとおり、ユニットバスの本来の定義は「浴室の壁・床・天井・浴槽などのパーツ一式がセットで製造されたお風呂」です。
ユニットバスは誕生以来、常に進化を続け、近年では追い炊き機能やミストサウナが付いているなど、多機能なシステムが導入されたタイプのものが多数登場しています。
しかし、ユニットバスと聞くと、どうしても「トイレが同じ空間にあるお風呂」を思い浮かべてしまう方が多いのも事実ですよね。
そこで、元来のユニットバスのイメージと差別化を図るために創られたのが「システムバス」という言葉なのです。
- 現場では工場で製造したパーツを組み立てるだけという「手軽さ」
- 優れたシステムが備わっている「便利さ」
こういった魅力が多くの人々の心を掴み、現在、ユニットバス(≒システムバス)は、お風呂業界の主流となっています。
1-4.在来工法との違い
お風呂業界の主流となり、リフォーム時にも多くの人々に選ばれているユニットバス。
しかし、ユニットバス以外の選択肢が全くないという訳ではありません。
実は、1964年開催の東京五輪前に主流だった、昔ながらの「現場で1から造り上げていくタイプのお風呂」を、現在でも選ぶことが可能。
このようなお風呂の造り方のことを「在来工法」と言い(「オリジナル」とも言う。)、あえて在来工法のお風呂をセレクトされる方もいらっしゃるのです。
ところで、在来工法のお風呂とユニットバスには、どのような違いがあるのでしょうか。
①設置方法
②工期
③サイズ
④自由度
⑤費用
の5つの観点に着目し、その違いを分析すると、以下のようになります。
①設置方法
繰り返しになりますが、在来工法は現場で1から造り上げるタイプのお風呂。
一方のユニットバスは、工場にてセットで造られたパーツを搬入し、現場では組み立てだけを行うタイプのお風呂です。
②工期
配管・防水などの下地の処理から全ての工程を現場で行うため、工期が長くかかるのが在来工法。
一方のユニットバスは、工期が短く済みます。
③サイズ
ユニットバスには決められた規格サイズがあり、どのメーカーも、この規格サイズに沿ってお風呂を造っているため、サイズについての選択肢は絞られます。
一方の在来工法は、好きなサイズでお風呂を設置することが可能です。
④自由度
サイズだけでなく、デザインについての自由度も高いのが在来工法。
床や壁の素材・陶器の種類など、好きなものを選ぶことができます。
一方のユニットバスは、あらかじめセットで造られたパーツを組み立てるため、デザイン面でのカスタマイズがあまりできません。
⑤費用
設置方法が複雑で、工期が長くかかる在来工法の方が費用が高くつく傾向があります。
工場で大量生産されたパーツを使ううえ、工期が短いこともあり、ユニットバスの方が安く済むことが多いです。
ユニットバスのメリット・デメリット
このように、1964年開催の東京五輪を機に拡がった「浴室の壁・床・天井・浴槽などのパーツ一式がセットで製造されたお風呂」であるユニットバス(≒システムバス)と、昔ながらのお風呂である在来工法との間には、真逆と言っても過言ではないほど大きな違いがあります。
しかし、あくまでも現在の主流はユニットバスであり、リフォーム時にも多くの方に選ばれているのは紛れもない事実です。
その理由は、「ユニットバスにした方が、多くのメリットを享受できる」と感じる人が多いから。
そこで、ユニットバスにリフォームするとどのようなメリットが得られるのか、逆に、デメリットとして挙げられるのはどのような部分なのかをご紹介します。
2-1.ユニットバスにリフォームする6つのメリット
まずはメリットから見ていきましょう。
ユニットバスにリフォームをすることで得られるメリットは、以下の6つです。
6つのメリットについて、1つ1つ詳細に解説していきます。
2-1-1.工期が短く、費用が安い
1つ目のメリットは「工期が短く、費用が安い」ことです。
お風呂のリフォームにかかる工期は、リフォーム前のお風呂の状況等によっても左右されますが、平均的には以下のようになります。
お風呂のリフォームの平均工期 | |
ユニットバスへのリフォーム | 2~5日間程度 |
在来工法へのリフォーム | 2週間程度 |
お風呂のリフォーム中は、当然お風呂が使えない訳ですが、お風呂がある生活に慣れている現代人にとって、「お風呂が使えない生活」は非常に不便です。
その間は近場の銭湯に通うなどの対策を強いられることになりますので、工期が短いに越したことはありません。
また、工期が短いと人件費が削減されるため、リフォーム費用も安く済む傾向があります。
2-1-2.漏水のリスクが低い
2つ目のメリットは「漏水のリスクが低い」ことです。
目には見えない部分になりますが、ほとんどのユニットバスの浴槽と床の下には、それぞれ「防水パン」と呼ばれる「水の受け皿」が埋め込まれています。
イメージしづらいという方は、洗濯機を想像してみて下さい。
ご自宅の洗濯機の下に、このようなプラスチック製の受け皿のようなものが付いていませんか?
これは洗濯機用の防水パンで、洗濯機から水漏れが起こった際に、床や階下への浸水を防ぐ重要な役割を担っています。
ユニットバスの浴槽と床の下に埋め込まれているのは、この洗濯機用防水パンの大きいバージョン(お風呂用)です。
浴槽にヒビが入ったなど、万が一のトラブルが起きたときに、防水パンが水の受け皿となり、水が外に漏れるリスクを最小限に抑えてくれます。
また、
- そもそも、各パーツに防水性が高い素材を使用している
- 床や壁が一体化するため、すき間が少ない
というのも、漏水リスクが低い理由です。
2-1-3.掃除がしやすい
3つ目のメリットは「掃除がしやすい」ことです。
ユニットバスに使われるパーツは、その全てが浴室のために設計されています。
よって、
- そもそもすき間が少ないうえ、すき間に汚れが溜まりにくいように造られている
- 水はけが良いためカビが生えにくく、汚れにくい素材が使われている
など、ユニットバスと比べるとすき間が多く、タイルの目地などにカビが生えやすい在来工法と比べ、非常にお手入れがしやすい点が特徴です。
それぞれのメーカーが、いかにして掃除の手間を軽減するかを追求し続けており、近年では自動清掃機能が付いたユニットバスも登場しています。
2-1-4.断熱性が高い
4つ目のメリットは「断熱性が高い」ことです。
ユニットバスは、家の中で壁・床・天井・浴槽が一体化した浴室を組み立てて造ります。
つまり、ユニットバスの壁と家の骨組みは全くの別物で、二重構造のようになっているのです。
そのため、冬でも外壁や床から寒さ(外気)が浴室内に伝わりにくいのが特徴。
二重構造でない上にすき間も多く、外気が入りやすい在来工法と比べると、断熱性が非常に高い点が大きな利点と言えます。
また、ユニットバスの中には、壁・床・天井・防水パンなどに断熱性のある素材が使われているものも多数あり、そういった商品は更に浴室内の温かさを保ちやすいです。
2-1-5.機能性が高い
5つ目のメリットは「機能性が高い」ことです。
元来のイメージと差別化を図るため、システムバスという言葉が創られるほどに機能性が高まっているユニットバス。
近年のユニットバスは、
- 追い炊き機能
- 浴室暖房乾燥機
などの機能に加え、ジェットバスやサウナなどのリラックス機能も付けることができるなど、便利かつ快適になっているのです。
もちろん在来工法においても、こういった機能をオプションで付けることはできますが、付ければ付けるほど費用がかかるうえ、「壁が大理石などの石でできたお風呂の場合、ビスを打つ際にひび割れ等のリスクがあるため、物を壁に取り付けることができない」などといった具合に、素材や状況によっては付けることができないケースもあります。
2-1-6.どんな人でも使いやすい
そして、6つ目のメリットは「どんな人でも使いやすい」ことです。
老若男女問わず全ての人が使いやすいよう、ユニットバスには、
- 脱衣所と洗い場の段差を無くす
- 浴槽の高さをまたぎやすいように設定する
- 床に滑りにくく加工した素材を使用する
など、様々な工夫がなされています。
在来工法の場合、自分たちにとって使いやすい浴室とはどんなものなのかを自分自身で考え、設計に盛り込む必要がありますが、「手を加えなくても皆が使いやすい」というのがユニットバスの特徴。
小さいお子さまやご高齢の方と同居されているご家庭も多いと思いますので、この点も嬉しいポイントと言えますね。
2-2.ユニットバスにリフォームするデメリット
一方、ユニットバス最大のデメリットと言えるのが、「サイズやデザインの自由度が低い」ということです。
先にも少し触れましたが、ユニットバスには決められた規格サイズがあり、すべてのメーカーがこの規格サイズに沿ってユニットバスを製造しています。
よって、「少し変わった形の浴室にリフォームしたい」と思っても、そういったユニットバスは存在しませんし、逆に、リフォーム前のお風呂が在来工法で、浴室がイレギュラーな形をしていたりすると、大がかりな改装工事が必要になったり、そもそも設置ができなかったりというケースがあり得るのです。
【POINT】
ユニットバスのサイズについては「4-1.サイズに注意する」にて詳細に解説しますので、あわせてご参照下さい。
また、デザインについても、壁の色や素材などをメーカーが扱っているものの中から選ばなければならないため、どうしてもパターン化してしまいます。
大理石やヒノキなどの特殊な素材を使いたい、全面タイル張りにしたい、大きい窓を付けて自然光をたっぷり取り入れたい…等、お風呂のデザインにこだわりがある方の場合、物足りなく感じてしまう可能性が否めません。
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ユニットバスへのリフォームがおすすめな人・おすすめできない人
ここまで、在来工法とユニットバスの違いを踏まえ、ユニットバスのメリット・デメリットをご紹介させていただきました。
続いて、これらの情報を前提に、「ユニットバスへのリフォームがおすすめな人」はどんな人で、逆に「ユニットバスへのリフォームがおすすめできない人」はどんな人なのか、それぞれの特徴をご紹介します。
3-1.ユニットバスへのリフォームがおすすめな人
ユニットバスへのリフォームがおすすめなのは、以下の3つの特徴のいずれかに当てはまる人です。
上記3つの特徴を、1つ1つ詳細にチェックしていきましょう。
3-1-1.リフォーム費用を抑えたい人
まず、ユニットバスは「リフォーム費用を抑えたい人」におすすめです。
お風呂のリフォーム費用は、リフォーム前のお風呂がユニットバスか在来工法かなどによっても異なりますが、平均的には以下のような相場になっています。
お風呂のリフォーム費用の相場 | |
ユニットバスへのリフォーム | 50万円~150万円 |
在来工法へのリフォーム | 50万円~200万円 |
上記の表を見て、「確かにユニットバスへリフォームした方が安いけど、そこまで大幅な費用の差がある訳じゃないんだな」と感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり差は大きいです。
なぜなら、ユニットバスへのリフォームに150万円かければ、ほぼ間違いなくハイグレードなお風呂を導入することができる一方、お風呂へのこだわりが強い方が在来工法を選ぶと、200万円では収まらないことが多々あるからです。
具体的に説明しましょう。
ユニットバスには、
- ローグレード
→水栓は簡易的で、浴槽や床に断熱材が入っていないユニットバス - ミドルグレード
→浴槽や床に断熱材が入っていて、ローグレードではオプションだった機能が標準装備された使い勝手の良いユニットバス - ハイグレード
→使い勝手が良いだけでなく、デザインにも高級感があるユニットバス
という3つのグレードがあるところ、各グレードのユニットバスへリフォームした場合(一軒家でよく選ばれる1.0坪サイズのユニットバスにリフォームした場合)にかかる費用の相場はそれぞれ以下のとおりです。
ユニットバスへのリフォーム費用の相場 | |
ローグレード | 61~76万円 |
ミドルグレード | 70~87万円 |
ハイグレード | 94~112万円 |
もちろん、
- ハイグレードの中でも高級な部類に入るユニットバスを選んだ場合
- 1.0坪サイズより大きい、広々としたユニットバスを選んだ場合
- オプション機能を多数つけた場合
- リフォーム前のお風呂の状況的に、大規模な工事が必要になった場合
などには、大幅に費用が上乗せになる可能性もありますが、「基本的には150万円かければかなり良いユニットバスにリフォームできる」「100万円以下でも十分リフォームできる」ということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
一方で、在来工法を選び、こだわりを詰め込んだ場合、200万円を上回る費用がかかる可能性があるというのは先に述べたとおり。
一例を挙げると、解放感溢れるお風呂にしたいという想いから、全面ガラス張りにこだわり、250万円以上の費用をかけてリフォームしたという事例もあります。
3-1-2.お風呂の利便性を重視したい人
また、ユニットバスは「お風呂の利便性を重視したい人」におすすめです。
お風呂は毎日使うものであり、身体についた汚れを落とす場所ですので、清潔に保つことが大変重要ですよね。
この点、
- すき間が少なく、汚れが溜まりにくい
- 水はけがよいためカビにくい
など、「お手入れしやすい構造」をしているユニットバスは、大変便利であると言えます。
その他にも
- 高い機能性
- 老若男女誰でも使いやすい仕様
- 優れた断熱性
等、ユニットバスには便利な魅力がたくさん!
中でも「優れた断熱性」は、ヒートショック対策になりますし、追い炊き機能や浴室暖房の使用頻度が減ることで、結果として光熱費等のランニングコストを抑える効果もあり、良いことづくめです。
3-1-3.マンション(特に2階以上)にお住まいの人
そして、漏水リスクの低いユニットバスは「マンション(特に2階以上)にお住まいの人」にもおすすめです。
万が一お風呂で漏水トラブルが起きた場合、戸建てであれば自分の家だけの被害で済みますが、マンションだと、階下の部屋にお住まいの方など、他の住民にまで迷惑をかけてしまう可能性があります。
もちろん、在来工法のお風呂にも防水加工を施すのですが、漏水リスクの軽減力は、浴槽や床の下に防水パンが埋め込まれており、防水性の高い素材が使われていて、床や壁のすき間も少ないユニットバスの方が圧倒的に上。
また、在来工法のお風呂は経年劣化しやすく、ある程度の月日が経つと、
- タイルにヒビが入る
- 継ぎ目のゴムの部分が剥がれる
など、漏水の原因となり得る様々なトラブルが起こる可能性も否めません。
漏水リスクの軽減力がユニットバスより低く、また、例えリフォーム直後は問題無くても、時が経つと漏水リスクが増してくる在来工法は、マンションに設置する場合、様々な面で注意すべきお風呂であると言えるのです。
【POINT】
在来工法のお風呂には、ユニットバスと比べて大幅に重くなるという特徴もあります。
これは、コンクリートブロック造りの壁等を用いて造るためで、構造の問題上、在来工法のお風呂へのリフォームを管理規約によって禁止しているマンションもあります。
3-2.ユニットバスへのリフォームがおすすめできない人
一方、ユニットバスへのリフォームがおすすめできない人は、「費用や便利さよりも、お風呂のデザインにこだわりたい人」です。
先にも述べたとおり、決められたパーツの中で造られるユニットバスは、
- 家にいながら温泉気分を味わえるような、和風浴室にしたい!
- 壁や浴槽に檜材を使って、自然のぬくもりが感じられる檜風呂にしたい!
- 全面タイル張りの、北欧風なお風呂にしたい!
といったこだわりを実現することができません。
また、「部屋のスペースを有効活用したいから、縦長の浴室にしたい」などの要望も、各メーカーの規格サイズから外れてしまうと叶えられません。
このように、お風呂のサイズ・デザイン面におけるこだわりが強い方は、在来工法を選ぶのがおすすめ。
こだわりをたっぷり詰め込んだオンリーワンのお風呂を実現させることができますよ。
3-3.「ハーフユニットバス」という選択肢
「ユニットバスも良いけれど、デザインの自由度が高い在来工法も捨てがたい…」
そんなニーズに応え、近年登場したのが、下半分(浴槽や床)がユニットバス・上半分(壁や天井)が在来工法でできている「ハーフユニットバス」です。
大変画期的な造りのお風呂なのですが、ハーフユニットバスには、
- こだわると費用が高くつく
- 上半分が在来工法なので、漏水対策が必要
などのデメリットも。
また、近年登場した新しいタイプのお風呂なので、現時点では種類が少なく、選択肢の幅が狭いという問題もあります。
しかし一方で、ユニットバスよりも自由度が高いというのは事実であるため、
- ユニットバスと在来工法の「良いとこ取り」をしたい方
- 天井に傾斜がある・壁の一部が出っ張っているなど、設置スペースが特殊な形であるという理由で、ユニットバスが設置できない方
などには大変おすすめです。
なお、現状、ハーフユニットバスを取り扱っているメーカーとしては、TOTOや日比野化学工業などが挙げられます。
【TOTO】
出典:TOTO公式サイト
TOTOのハーフユニットバス「ハーフバス08」。
壁や天井に好きな素材を選べるのはもちろん、浴槽の形も、直線的な「Type0」・曲線的な「Type8」の2タイプから選ぶことができます。
「1-1.ユニットバスとは「全てのパーツがセットで造られたお風呂」のこと」でも述べたとおり、TOTOは、国内で初めてユニットバスを製造したメーカーで、いわばユニットバスのパイオニア。
現在も機能性の高いお風呂を生み出し続けているTOTOを選ぶからこそ得られる「安心感」も、ハーフバス08を選ぶメリットの1つと言えるでしょう。
ハーフバス08について更に詳しい情報を知りたいという方はTOTO公式サイトを、ご参照下さい。
【日比野化学工業】
出典:日比野化学工業公式サイト
日比野化学工業は、岐阜県のFRP(繊維強化プラスチック)加工を得意とする会社で、ユニットバスなどの製造も手掛けています。
そんな日比野化学工業のハーフユニットバスは、とにかく自由度が高いのが特徴。
例えば、通常は1つしかない浴室への出入り口を2つ設置し、ベランダやバルコニーへアクセスできるようにするなどのカスタマイズも可能です。
こちらの商品について詳しい情報を知りたい方は、日比野化学工業公式サイトをあわせてご参照下さい。
ユニットバスを選ぶ上で知っておくべきポイント
ユニットバスがおすすめできる人とできない人はそれぞれどんな人か、そして、近年登場したハーフユニットバスとはどんなものか、お分かりいただけたでしょうか。
ここまで述べてきたことを一言にまとめますと、「お風呂のサイズ・デザインによほどのこだわりがある方や、スペースの関係でどうしてもユニットバスを設置できない方以外は、ユニットバスを選んでおけばまず間違いない!」ということ。
そこで、本記事の締めくくりとして、数あるユニットバスの中から自分の家に合うものを選ぶため、知っておいて欲しいポイントを2つご紹介します。
4-1.サイズに注意する
1つ目のポイントは「サイズに注意する」ということです。
サイズに注意しないと、「折角気に入ったユニットバスが、設置を予定しているスペースに入らなかった…」などという事態が起こりかねません。
そういった事態を避けるためには、設置予定のスペースに希望のユニットバスが収まるか、リフォーム業者にあらかじめ確認するのが1番確実です。
具体的に説明しましょう。
これまで繰り返し述べてきたとおり、ユニットバスには全メーカー共通の規格サイズがあります。
一例として、よく選ばれる規格サイズの1つに「1616サイズ」というものがありますが、これは、「浴室の内径、つまり、浴室内の向かい合わせになった壁から壁までの長さ(上記写真参照)が、縦160cm×横160cmである」ということを表しているのです。
ここで注目しなければならないのは、このサイズは「浴室の内径」であるということ。
つまり、浴室の内径については全メーカー共通の規格サイズがあるけれど、壁の厚み等によって、外寸は若干異なってくるということになります。
よって、「リフォーム前の浴室が1616サイズだから、同じサイズのものを選んでおけば問題無いだろう」と安易に思い込むのはNG。
- リフォーム前の浴室が在来工法で、特殊なサイズである方
- リフォームを機に浴室を広くしたいとお考えの方
はもちろんですが、リフォーム前のものと同じサイズのユニットバスへリフォーム予定の方も、念のため業者に相談しておいた方が安心と言えるのです。
もちろん、弊社ゼロリノベでもご相談を承りますよ。
なお、ご参考までに、ユニットバスの一般的な規格サイズを一覧でご紹介します。
【POINT】
ユニットバスには「戸建て用」と「マンション用」があります。
規格サイズの呼称は共通ですが、マンション用のユニットバスは、戸建て用より高さが抑えて造られているという違いがあります。
戸建てなら戸建て用のユニットバスを、マンションならマンション用のユニットバスを選ぶようにしましょう。
4-2.自宅全体の雰囲気に合わせる
2つ目のポイントは「自宅全体の雰囲気に合わせる」ということです。
デザインにおける自由度が低いユニットバスですが、商品によって、
- パーツ(壁・床・浴槽)の色
- 照明の種類
を選ぶことは可能。
浴室もおうちの一部ですので、部屋の雰囲気や色味に合わせると、統一感がグッと高まりおすすめですよ!
弊社ゼロリノベのリフォーム実例を2つご紹介しましょう。
こちらのお宅の場合、お部屋の基調が白で、浴室も白系に統一されています。
浴室が、お部屋の上品な雰囲気ととてもよくなじんでいますね。
※お部屋全体の雰囲気をご覧になりたい方は、こちらのページをご参照下さい。
こちらのお宅の場合、お部屋も浴室もブラウン系の色味がアクセントになっています。
照明の雰囲気までもがお部屋の雰囲気と合っていて、とても素敵ですね。
※お部屋全体の雰囲気をご覧になりたい方は、こちらのページをご参照下さい。
パーツの色味や照明の種類だけで、浴室の雰囲気はガラッと変わるもの。
イメージが湧きにくい…という方は、各メーカーのショールームに足を運び、ユニットバスの実物を見てみるのがおすすめですよ!
まとめ
本記事の内容をまとめます。
ユニットバスとは、「浴室の壁・床・天井・浴槽などのパーツ一式がセットで製造されたお風呂」のことで、各パーツを施工現場に搬入して現場で組み立てる、という流れで造るもの。
「ユニットバス=トイレが同じ空間にあるお風呂」という認識は誤りです。
3点ユニットバス・2点ユニットバス・1点ユニットバスの3種類があり、ほぼ同じ意味の言葉に「システムバス」があります。
昔ながらのお風呂の造り方である「在来工法(オリジナル)」とは、設置方法・工期・サイズ・自由度・費用など、様々な面で違いがあるユニットバスが、現在、お風呂業界の主流となり、多くの方に選ばれている理由は、
- 工期が短く、費用が安い
- 漏水のリスクが低い
- 掃除がしやすい
- 断熱性が高い
- 機能性が高い
- どんな人でも使いやすい
など、得られるメリットが多いから。
一方、ユニットバスの最大のデメリットとして挙げられるのは「サイズやデザインの自由度が低いこと」であるため、「浴室を縦長にしたい」「温泉のような浴室にしたい」など、サイズ・デザイン面のこだわりは絶対譲れない!という方は、自由度の高い在来工法を選ぶと良いでしょう。
逆に言うと、サイズ・デザイン面における強いこだわりがある方や、設置スペースが特殊な形状をしているなどの理由でどうしてもユニットバスを選択できない方以外は、ユニットバスを選んでおけばまず間違いないと言え、
- リフォーム費用を抑えたい人
- お風呂の利便性を重視したい人
- マンション(特に2階以上)にお住まいの人
には、特にユニットバスがおすすめです。
数あるユニットバスから自分の家に合ったものを選ぶためには、サイズに注意し、自宅全体の雰囲気と統一感を持たせることを意識してみて下さいね。
本記事が、皆様のお役に立てば幸いです。