エアコン設定温度って結局何度が正解?:快適さと節電の両軸で徹底調査

エアコンは現代の生活に欠かせない家電となっていますが、その設定温度は快適性だけでなく、電気代や健康、環境負荷にも大きく影響します。この記事では、季節ごとの最適なエアコン設定温度と、快適さと省エネを両立させるためのポイントを解説します。
推奨される設定温度とは
環境省では、クールビズの取り組みの一環として、夏季の室温を28℃、冬季は20℃に設定することを推奨しています[1]。ただし、これはあくまで「室温」の目安であり、エアコンの設定温度そのものではないことに注意が必要です。
実際の室温は、部屋の広さや断熱性、日当たり、在室人数などによって変わるため、エアコンの設定温度をそのまま28℃や20℃にしても、必ずしも室温がその通りになるわけではありません。また、体感温度は個人差が大きいため、健康を第一に考え、無理のない範囲で調整することが大切です。
夏のエアコン設定温度
夏季のエアコン使用時には、室温28℃を目安としつつも、実際の設定温度は状況に応じて調整するのが望ましいでしょう。
最適な設定温度の目安
- 一般的な目安:26〜28℃
- 就寝時:27〜28℃(体温が下がるため少し高めに)
- 高齢者や小さなお子さんがいる場合:26〜27℃(熱中症予防のため)
設定温度を必要以上に低くすると、電気代が大幅に増加するだけでなく、室内外の温度差が大きくなることで体調不良の原因にもなります。関西電力の調査によると、設定温度を1℃上げるだけで約10%の省エネ効果があるとされています[3]。
快適に過ごすための工夫
- 扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させる
- 遮光カーテンやブラインドで直射日光を遮る
- 通気性の良い服装を心がける
- こまめな水分補給を行う
冬のエアコン設定温度
冬季は室温20℃を目安としますが、こちらも状況に応じた調整が必要です。
最適な設定温度の目安
- 一般的な目安:20〜22℃
- 就寝時:19〜20℃(厚めの寝具を使用)
- 高齢者や小さなお子さんがいる場合:21〜22℃(ヒートショック予防のため)
暖房時は、設定温度を高くしすぎると乾燥や頭痛の原因になることがあります。また、経済産業省の資料によると、暖房の設定温度を1℃下げると約10%の省エネになるとされています[2]。
快適に過ごすための工夫
- 床や窓からの冷気を防ぐために断熱対策を行う
- 加湿器を使用して適切な湿度(50〜60%)を保つ
- 重ね着やひざ掛けなどで体温調節をする
- 温かい飲み物を摂取する
省エネと快適性の両立
エアコンの使用による電気代は、家庭の電気使用量の中でも大きな割合を占めています。関西電力の資料によると、夏季のエアコン使用は電気使用量の約38.3%、冬季は約17.0%を占めるとされています[3]。
電気代を抑えるポイント
- 適切な温度設定:夏は28℃、冬は20℃を目安に
- タイマー機能の活用:不在時や就寝時に自動で電源が切れるよう設定
- フィルターの定期清掃:2週間に1回程度の清掃で効率アップ
- 適切な部屋の広さに合ったエアコンの選択:過剰な能力のエアコンは電気の無駄遣いに
経済産業省の試算では、冷房の設定温度を28℃にして1日1時間運転時間を短縮すると、年間で約580円の節約になるとされています。暖房の場合は、同じく1時間短縮すると年間約1,260円の節約になります[2]。
まとめ
エアコンの設定温度は、快適性と省エネのバランスを考慮して決めることが大切です。環境省が推奨する夏季28℃、冬季20℃という室温の目安を参考にしつつも、個人の体感や健康状態、部屋の環境に合わせて柔軟に調整しましょう。
また、設定温度の調整だけでなく、扇風機の併用や断熱対策、適切な服装の選択など、総合的なアプローチで快適な室内環境を作ることが、省エネと健康維持の両立につながります。
参考文献
- 環境省「クールビズ/COOLBIZ」
https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/coolbiz/ - 経済産業省「空調 | 無理のない省エネ節約」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/airconditioning/index.html - 関西電力「エアコンの設定温度は何℃が理想?快適で省エネを実現するポイントを徹底解説」
https://kepco.jp/ryokin/article_aircon-temperature/