エアコンフィルター掃除の完全ガイド:効率と清潔さを保つために

エアコンを快適に使い続けるためには、定期的なフィルター掃除が欠かせません。この記事では、エアコンフィルター掃除の重要性から具体的な掃除方法、頻度まで、メーカー公式情報に基づいて詳しく解説します。
エアコンフィルター掃除が必要な理由
エアコンのフィルターには、空気中のホコリやゴミが室内機内部に入らないようにする重要な役割があります。このフィルターが汚れると、以下のような問題が生じます。
冷暖房能力の低下
フィルターにホコリが溜まると、空気の通り道が塞がれ、エアコンが十分に空気を吸い込めなくなります。その結果、部屋を冷やしたり暖めたりする能力が低下してしまいます。三菱電機の調査によると、フィルターが汚れていると、エアコン本来の冷暖房能力を発揮できなくなることが確認されています[1]。
電気代の増加
フィルターの汚れにより冷暖房効率が下がると、同じ温度に到達するためにより多くの電力を消費するようになります。ダイキン工業の試算では、フィルター掃除をしないと冷房時の消費電力が約25%も高くなるという結果が出ています[3]。
カビや嫌なニオイの発生
フィルターにはホコリだけでなく、タバコのヤニやペットの毛、油分なども付着します。これらがエアコン内部で湿気と結びつくとカビが発生し、エアコンから出る風に嫌なニオイがついてしまうことがあります。
フィルター掃除の推奨頻度
エアコンの使用頻度や環境によって最適な掃除頻度は異なりますが、メーカー各社の推奨する頻度は以下の通りです。
一般的な使用環境の場合
- 毎日使用している場合:2週間に1回程度
- 時々使用する程度:月に1回程度
特殊な環境の場合
- ペットを飼っている家庭:1週間に1回程度
- 喫煙者がいる家庭:1週間に1回程度
- 調理をよくする場所の近く:1週間に1回程度
自動お掃除機能付きエアコンの場合
自動お掃除機能(フィルターおそうじ運転機能)が付いているエアコンでは、基本的にフィルター掃除は自動で行われますが、以下の点に注意が必要です[4]。
- ダストボックスのお手入れは定期的に必要(機種により異なるが、お掃除ランプが点灯したら実施)
- ホコリに油分や水分、タバコのヤニが含まれている場合は、自動掃除でも完全に取り切れないことがある
- 使用環境により汚れの程度が異なるため、汚れが気になる場合は手動でのお手入れも推奨
フィルター掃除の準備
フィルター掃除を始める前に、以下の準備をしましょう。
安全のための注意事項
- エアコンの運転を停止し、電源プラグをコンセントから抜く
- 安定した台や脚立を用意する(転倒に注意)
- 作業中はマスクを着用する(ホコリを吸い込まないため)
必要な道具
- 掃除機
- やわらかいスポンジ
- 清潔な布
- 水を入れたバケツ(水洗いする場合)
- 中性洗剤(汚れがひどい場合)
フィルター掃除の手順
メーカーや機種によって多少の違いはありますが、基本的な手順は以下の通りです[2]。
1. フィルターの取り外し
- エアコンの前面パネルを開ける
- フィルターのつまみや取っ手を持ち、指示に従って引き出す
- 無理に引っ張らず、取扱説明書を確認しながら正しく取り外す
2. ホコリの除去
- フィルターの表面のホコリを掃除機で吸い取る
- 裏面から吸い取ると逆にホコリがフィルターの目に詰まる可能性があるため、必ず表面から吸い取る
- 裏面も同様に掃除機で吸い取る
3. 水洗い(汚れがひどい場合)
- 水またはぬるま湯でフィルターを優しく洗う
- 汚れがひどい場合は、スポンジで優しくこする
- 強くこすりすぎるとフィルターに穴が開いたり変形したりする恐れがあるので注意
- キッチンやダイニングなど油を使う場所のエアコンは、台所用中性洗剤を薄めた水で洗い、よくすすぐ
4. 乾燥と取り付け
- 洗ったフィルターは清潔なタオルで水気を拭き取る
- 日陰で十分に乾燥させる(完全に乾かさないとカビの原因になる)
- 完全に乾いたら、取り外したときと逆の手順でエアコンに取り付ける
機種別のフィルター掃除方法
自動お掃除機能がないエアコン
上記の基本的な手順に従って、定期的に手動でフィルター掃除を行います。パナソニックによると、約2週間に1回の頻度でのお手入れが推奨されています[4]。
自動お掃除機能付きエアコン
フィルターの掃除は自動で行われますが、ダストボックスのお手入れは必要です[3]。
ダストボックスのお手入れ方法(一般的な例)
- 取扱説明書を確認し、ダストボックスの位置と取り外し方を確認
- つまみを押すなどしてダストボックスを取り外す
- ダストボックスとダストブラシのホコリを掃除機で吸い取る
- 必要に応じて水洗いし、日陰でよく乾かす
- 完全に乾いたら元の位置に取り付ける
プロによる清掃が必要なケース
フィルター掃除を定期的に行っていても、以下のような症状がある場合は、エアコン内部の専門的な清掃が必要かもしれません[1]。
- カビ臭いニオイがする
- 冷暖房の効きが悪い
- フィルター掃除をしても改善しない
- エアコン使用時にアレルギー症状が出る
このような場合は、エアコン内部の熱交換器(フィン)やファンなど、自分では掃除しにくい部分に汚れやカビが発生している可能性があります。三菱電機やダイキン工業など各メーカーでは、専門技術を持ったスタッフによる分解洗浄サービスを提供しています。
まとめ
エアコンフィルターの定期的な掃除は、冷暖房効率の維持、電気代の節約、室内の空気質改善に大きく貢献します。自動お掃除機能の有無に関わらず、使用環境に合わせた適切な頻度でのお手入れを心がけましょう。
また、フィルター掃除だけでは取り除けない内部の汚れが気になる場合は、各メーカーの専門サービスを利用することで、エアコンを長く快適に使い続けることができます。
参考文献
- 三菱電機「エアコンのフィルターの掃除方法や頻度は?そんな疑問にお答えします。」
https://kuratoku.lcx.mitsubishielectric.co.jp/professional/detail_166/ - 三菱電機「エアコンのお手入れ方法を教えてください。」
https://www.mitsubishielectric.co.jp/club-me/howto/memo/1606/index.html - ダイキン工業「シーズンの合間、今のうちにエアコンのお掃除を!」
https://www.ac.daikin.co.jp/clubdaikin/useful/aircon_clean - パナソニック「エアコンのエアフィルターのお手入れ方法」
https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/14926/