部屋の寒さ対策15選|今すぐできる簡単な方法から本格リフォームまで完全解説

部屋の寒さはなぜ起こる?原因を知って効果的な対策を
部屋の寒さ対策を始める前に、まず寒くなる原因を理解することが重要です。適切な原因分析により、最も効果的な対策方法を選択できるようになります。
窓からの冷気流入が最大の要因
部屋が寒くなる最も大きな原因は窓からの冷気流入です。窓は家の中で最も断熱性能が低い部分であり、冷たい外気が入ってきやすく、室内の温かい空気も外に逃げやすい場所となっています。1)2)
コールドドラフト現象による底冷え
窓付近では「コールドドラフト現象」が発生します。これは暖房で暖まった室内の空気が冷えた窓に触れることで冷気に変化し、床に流れ込む現象です。この現象により、実際の室温よりも家全体が寒いと感じるようになってしまいます。3)
壁・床からの熱損失
壁も熱の出入り口になりやすい場所の一つです。特に古い物件では壁材や断熱材が劣化していたり、そもそも断熱処理がされていない場合があります。断熱性が低い壁は室内の熱を外に逃がしてしまい、室温に大きな影響を与えます。1)4)
今すぐできる手軽な寒さ対策7選
費用をかけずに今すぐ実践できる寒さ対策をご紹介します。これらの方法は賃貸住宅でも気軽に取り入れることができ、複数組み合わせることでより高い効果が期待できます。
窓まわりの簡単対策
厚手カーテンの活用
厚手で丈が長めのカーテンを使用することで、窓からの冷気を効果的に遮断できます。カーテンの裾が床に垂れるくらい長いもの(パドリング)にすると、より効果的です。レースカーテンと組み合わせることで、さらに防寒効果が向上します。5)6)
隙間テープで気密性向上
窓サッシやドアの隙間から入る冷気を防ぐため、隙間テープを貼る方法が有効です。100円ショップでも手軽に入手でき、誰でも簡単に取り付けることができます。隙間風を完全にシャットアウトすることで、暖房効率が大幅に向上します。7)8)
断熱シートや緩衝材の貼付
窓や壁に断熱シート、またはプチプチ(緩衝材)を貼ると、冷気の流入を防げます。空気の層ができることで断熱効果を発揮し、結露の防止効果も期待できます。見た目が気になる場合は、専用の断熱シートを選ぶとよいでしょう。9)10)
床の寒さ対策
ラグ・カーペットの敷設
厚手のラグやカーペットを敷くことで床からの冷気を遮断できます。毛足の長いものや起毛タイプが特に効果的です。さらにラグの下にアルミシートを敷くと保温効果がアップし、より暖かく過ごせます。11)12)
コルクマットやタイルカーペットの活用
コルク素材やジョイント式のカーペットも断熱効果があります。厚みがあるため空気を通しにくく、保温性に優れた特徴があります。部分的に敷くことで、必要な場所だけの寒さ対策も可能です。13)
空気循環・湿度の調整
サーキュレーターで空気循環
暖房の暖かい空気は天井付近にたまりがちです。サーキュレーターで空気を循環させると、部屋全体が均一に暖かくなります。冷たい空気が下に、暖かい空気が上に集まる性質を利用し、効率的に室温を上げることができます。14)15)
加湿器による体感温度向上
湿度を上げると体感温度が上がり、同じ室温でも暖かく感じます。ダイニチ工業の研究によると、同じ室温25℃の場合でも湿度30%と60%では、体感温度が1.7℃も変わることが分かっています。ただし、結露には注意が必要です。16)
本格的な寒さ対策8選|リフォームで根本解決
手軽な対策だけでは効果が不十分な場合、本格的なリフォームによる根本的な解決を検討しましょう。初期投資は必要ですが、長期的には光熱費の節約にもつながります。
窓の性能向上
複層ガラス・内窓の設置
既存の窓の内側に内窓を設置する方法は、最も効果の高い寒さ対策の一つです。樹脂製の内窓はアルミに比べて熱伝導率が1000分の1程度と断熱効果に優れ、既存の窓との間に生まれる空気層が室内の熱を外に伝えにくくします。17)18)
樹脂サッシへの交換
熱伝導率の低い樹脂サッシに変えることで、窓からの冷気を大幅に抑えられます。一般的な金属製サッシは熱伝導性が高いため、熱の出入りを促進してしまいますが、樹脂サッシはこれを防ぎ、温度変化を抑えます。19)
断熱材の導入・改修
床下・壁・天井の断熱強化
壁や床、天井に断熱材を入れることで、家全体の断熱性が向上します。国土交通省の調査によると、約9割の住宅が現在の断熱基準に達していないため、断熱改修の効果は非常に高いと言えます。最初に高性能な断熱材を導入すれば、暖房費も節約でき、将来的な経済的負担を軽減することも可能です。20)21)
床暖房システムの導入
電気式床暖房
部分暖房や使用時間が短い部屋におすすめの床暖房システムです。パナソニックの電気式床暖房は無駄なエネルギーを使わないPTCヒーターを採用し、効率的な暖房が可能です。キッチンのシンク前やベッドサイドなど、局所的な設置に適しています。22)
温水式床暖房
広い範囲や複数の部屋におすすめのランニングコストが安い床暖房です。ヒートポンプ式温水暖房機を使用することで、大気の熱を利用した効率的な暖房が実現できます。床暖房機能付きエコキュートと組み合わせることで、さらにランニングコストを抑えることができます。23)24)
健康面から見た適正室温の重要性
部屋の寒さは単なる快適性の問題ではなく、健康に直結する重要な要素です。WHO(世界保健機関)や厚生労働省の指針を踏まえ、適正な室温管理の必要性を理解しましょう。
WHO推奨の室温18℃以上を維持
WHO(世界保健機関)は2018年に発表した「住宅と健康ガイドライン」で、冬季室内温度18℃以上を強く勧告しています。特に高齢者や子ども、慢性疾患を持つ人には、さらに部屋を暖めることが推奨されています。25)26)
血圧・健康への影響
厚生労働省の研究によると、18℃以下の低い室温は血圧や睡眠の質など、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。室温が10℃低いと血圧は7.3mmHg高くなり、高齢者になると血圧上昇の幅はさらに大きくなることが分かっています。適切な室温管理は、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスク軽減にもつながります。27)28)
ヒートショック予防
暖かい部屋と寒い部屋との温度差による急激な血圧変動が原因で心筋梗塞や脳卒中などを起こすヒートショックの死亡リスクは、交通事故の4~5倍といわれています。脱衣所や浴室をヒーターなどで暖かくすることや、窓の断熱を強化し室内の熱を外に逃がさないようにすることが重要です。29)
FAQ|よくある寒さ対策の疑問
部屋を暖かくする方法で100均でできるものはありますか?
100円ショップで購入できる寒さ対策グッズには、隙間テープ、断熱シート(またはプチプチ)、アルミシートなどがあります。隙間テープは窓サッシの隙間を埋めて冷気の侵入を防ぎ、プチプチは窓に貼ることで空気の層を作り断熱効果を発揮します。アルミシートはラグの下に敷くことで保温効果を高められます。30)
アパートの一人暮らしでできる寒さ対策を教えてください
賃貸のアパートでも実践できる寒さ対策として、厚手のカーテンの設置、隙間テープの貼付、ラグやカーペットの敷設、間仕切りカーテンの使用などがあります。これらは原状回復が可能で、大家さんの許可も不要な方法です。また、サーキュレーターや加湿器の活用も効果的です。31)
寒い部屋を暖かくする工夫で即効性があるものは?
即効性のある方法として、窓下への暖房器具の設置、サーキュレーターによる空気循環、加湿器の使用、暖かいスリッパや靴下の着用などがあります。特に窓下に暖房器具を置くことで、コールドドラフト現象を防ぎ、効率的に部屋を暖められます。32)
外より家の中が寒い場合の対策方法は?
家の中が外より寒く感じる場合、断熱性能の不足が主な原因です。隙間テープで気密性を高め、断熱シートで窓や壁の断熱を強化し、ラグやカーペットで床からの冷気を遮断しましょう。根本的な解決には、内窓の設置や断熱材の導入などのリフォームが効果的です。33)
外は暖かいのに部屋が寒い原因は何ですか?
外が暖かくても部屋が寒い場合、建物の断熱性能が低い、日当たりが悪い、風通しが悪いなどの原因が考えられます。特に古い建物では断熱材が不足している可能性があります。窓の断熱対策や、日中のカーテン開放による太陽熱の取り込み、空気循環の改善などが有効です。34)
部屋を暖めるエアコン以外の方法はありますか?
エアコン以外の暖房方法として、石油ストーブ、ガスストーブ、電気ヒーター、床暖房、ホットカーペットなどがあります。また、非暖房器具による方法として、厚着、ブランケットの使用、運動による体温上昇、温かい飲み物の摂取なども効果的です。35)
寒さ対策グッズで部屋に使えるものを教えてください
効果的な寒さ対策グッズには、断熱シート、隙間テープ、厚手カーテン、ラグ・カーペット、アルミシート、コルクマット、サーキュレーター、加湿器、間仕切りカーテン、ブランケット、湯たんぽなどがあります。用途と予算に応じて選択しましょう。36)
寒さ対策の服装で室内におすすめのものは?
室内での寒さ対策におすすめの服装は、重ね着(レイヤリング)、保温性の高いインナー、厚手の靴下、スリッパ、ルームシューズ、ひざ掛け、ショール、カーディガンなどです。特に足元を温めることで全身の血行が改善され、体感温度が向上します。37)
まとめ
部屋の寒さ対策は、手軽にできるものから本格的なリフォームまで様々な方法があります。まずは今すぐできる対策から始めて、効果が不十分な場合は段階的により本格的な対策を検討しましょう。
重要なのは、寒さの原因を正しく把握し、その原因に応じた適切な対策を選択することです。窓まわりの対策が最も効果的であり、隙間テープや断熱シート、厚手カーテンなどの組み合わせで大きな改善が期待できます。
また、室温18℃以上を維持することは健康面でも重要であり、血圧管理やヒートショック予防にもつながります。快適で健康的な住環境を実現するために、自分の住まいに最適な寒さ対策を実践してみてください。
参考文献
1)部屋の寒さ対策はどうすればいい?今すぐできる方法から本格的なやり方 – DAIKEN 2)猛暑・厳しい寒さ対策には窓の断熱が大切!夏・冬別に断熱方法を解説 – LIXIL 3)家の寒さ対策12選 – 株式会社ライフテック 4)部屋の寒さ対策はこれをやれば間違いなし! – 断熱リフォームの匠 5)簡単にできる部屋の寒さ対策13選! – Jackery 6)寒い部屋も工夫次第であったか!手軽にできる寒さ対策12選 – アルファジャーナル 7)「断熱材のない家」の防寒対策17選 – リノベーションPRO 8)窓や壁の寒さ対策、どうする? – TRIAL MAGAZINE 9)暖房器具に頼らない、セルフ断熱に挑戦してみた – 三井でみつけて 10)寒さ対策には窓が重要! – カインズリフォーム 11)コルクマットやタイルカーペットを使う – Panasonic 12)電気式床暖房 – Panasonic 13)温水式床暖房 – Panasonic 14)かんたん床暖 – Panasonic 15)パナソニック床暖房の温水式と電気式のメリット・デメリットを解説 – イマガワリフォーム 16)床暖房(電気/温水) – Panasonic 17)インプラス(内窓)の特長 – 断熱効果をプラス – LIXIL 18)リフォーム | いまどきのリフォーム | 窓まわり編 – LIXIL 19)インプラス(内窓)の特長 – 遮熱効果プラス – LIXIL 20)断熱窓で快適な暮らしを実現 – LIXIL 21)窓まわり | 特長から探す | 窓リフォーム商品の特長 – LIXIL 22)内窓(二重窓・二重サッシ) – LIXIL 23)窓まわり | 窓リフォーム – LIXIL 24)内窓|インプラス ~断熱効果実験 – LIXIL-X 25)室内の快適な温度とは?WHOは18℃以上を強く勧告! – トスケンホームブログ 26)快適な職場環境をつくるための室温管理の基準とポイント 27)住宅と健康長寿 – 健康長寿ネット 28)室温と高血圧、睡眠の関係 – e-健康づくりネット(厚生労働省) 29)「家が寒い」は危険!健康被害のリスクと日本の断熱事情 – グリーンピース 30)住宅内の室温の変化が居住者の健康に与える影響とは? – 国土交通省 31)住まいの温度と健康について考えてみましょう – アルプス電気健康保険組合 32)部屋の温度は何度が理想?適温と室温の違いは? – WHALE HOUSE 33)適正な室温で快適に!クールビズの提案 – 政府広報オンライン 34)窓まわり | インプラス/インプラス for Renovation/インプラス浴室仕様 – LIXIL 35)かんたん床暖の人気商品・通販・価格比較 – 価格.com 36)家庭用ヒートポンプ式温水床暖房システム – Panasonic 37)床暖房機能付フルオート – Panasonic