フリーランスでも住宅ローンは通る?審査基準・通らない理由・通すコツを解説

フリーランスだと、住宅ローンは通りにくいのでは?と不安に感じていませんか。結論からいうと、フリーランスでも住宅ローンは通ります。

Aさん(47歳/フリーランスエンジニア)
→年収740万円で3,800万円の借り入れ
Bさん(38歳/Webデザイナー
年収300万円で1,850万円の借り入れ
・Cさん(34歳/ライター・編集者)
年収540万円で3,550万円の借り入れ

など実際に住宅ローンを組んでマイホームを手にしている人たちがいます。

ただし会社員と比べて審査の見られ方が異なり、「どの銀行を選ぶか」と「事前準備」で結果が大きく変わるのが特徴です。

住宅ローンを利用する際に重要なのは、「自分の収入に対しての借りられる額」と「社会的信用」の2点を押さえることです。それぞれ詳しく紹介していくので、じっくりと読み進めてください。

また、最後に年収別のリスクの低いローン金額についても記載します。こちらもチェックして参考にしてください。

この記事の監修者
【監修】ファイナンシャルプランナー茂木禄人

ファイナンシャルプランナー
茂木 禄人

株式会社Mapフィナンシャル において、独立系アドバイザーとして活動。詳細プロフィールはこちら

目次

フリーランスは住宅ローンに通る?結論と前提

フリーランスでも住宅ローンは通ります。ただし審査の本質は「年収」ではなく「安定して返せるか」です。

会社員は給与という形で安定性が担保されていますが、フリーランスはそれを自分で証明する必要があります。

そのため銀行は、次のような視点で判断します。
・収入は継続しているか
・将来も同じ水準を維持できそうか
・支払いに遅れはないか

つまり、「数字の高さ」よりも「ブレの少なさ」が重要です。

フリーランスの住宅ローン審査基準

フリーランスの場合、主に以下のポイントがチェックされます。

所得は「3年平均+推移」で見られる

フリーランスは確定申告の「所得」が年収として扱われます。売上ではない点に注意が必要です。

さらに重要なのは、単年ではなく「直近3年の平均」と「推移」です

例:
・1年目:600万
・2年目:400万
・3年目:500万
→平均:約500万

この場合でも、
・右肩下がり → マイナス評価
・横ばい〜緩やかな増加 → プラス評価

になります。

また、節税で所得を圧縮しすぎると「返済能力が低い」と判断されるため、住宅購入を視野に入れるなら数年前から戦略的に申告する必要があります。

なお、住宅ローンの申込時には、通常「確定申告書」と「納税証明書」の提出が求められます。ここに記載されている3年分の「所得」が年収として判断されるため、少なくとも3年連続で黒字申告をしておくことが重要です。

事業年数は「最低2〜3年」が基準

多くの金融機関では、事業年数2〜3年以上が前提です。

理由はシンプルで、「その仕事で継続的に稼げるか」を見るためです

目安は以下の通りです。
・1年未満:ほぼ不可
・2年:通るが銀行が限定される
・3年以上:選択肢が広がる

また、法人化している場合は「法人としての年数」が見られるケースもあり、個人時代の実績が評価されないこともあるため注意が必要です。

信用情報(支払い履歴)は想像以上に重要

フリーランスは収入が不安定と見られやすいため、「ちゃんと払う人か」がより厳しくチェックされます

対象になるのは以下です。
・クレジットカード
・携帯の分割払い
・自動車ローン
・カードローン
・税金(住民税・所得税・国保)

特に税金の未納は一発アウトになるケースもあります。

なお、信用情報は過去5年程度さかのぼって見られるため、「最近ちゃんとしている」だけでは不十分な場合があります。

自己資金(頭金)は“信用の代わり”

フリーランスの場合、頭金は単なる資金ではなく「信用の補完」として見られます

目安は物件価格の1〜2割です。

頭金があることで、
・借入額が減る
・返済負担率が下がる
・銀行のリスクが下がる

結果として、審査通過率が上がります。

逆にフルローンは「リスクが高い」と判断されやすく、特にフリーランスではハードルが上がります。

団信(健康状態)も審査の一部

住宅ローンは基本的に団体信用生命保険(団信)への加入が前提です。

持病や通院歴がある場合、
・団信に入れない
→ローン自体が組めない

というケースもあります。

ただし最近は「ワイド団信」など条件が緩和された商品もあるため、健康面に不安がある場合は金融機関選びがより重要になります。

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フリーランスが住宅ローンに落ちる主な理由

実際の審査落ちにはパターンがあります。

・所得が不安定(特に減少傾向)
・事業年数が短い
・節税しすぎで所得が低い
・税金やカードの支払い遅延
・自己資金がほぼない

中でも多いのが「節税しすぎ」です。

フリーランスにとって節税は重要ですが、住宅ローン審査では“見せる所得”が重要になります。

フリーランスが選びたい銀行の種類と特徴

フリーランスの住宅ローンは、「どの銀行を選ぶか」で結果が大きく変わります。同じ年収・同じ事業年数でも、銀行によって「通る/通らない」が分かれることも珍しくありません。

ここでは、代表的な4つのタイプの金融機関の特徴を整理します。

メガバンク(都市銀行)

メガバンクは金利水準が低く、商品のラインナップも豊富です。一方で、安定した給与所得を重視する傾向が強く、フリーランスにとっては審査がやや厳しめになるケースが多いです。

  • 特徴:金利は魅力的だが、属性(年収・勤務形態)を厳しく見る
  • 向いているケース:事業年数・所得ともに十分で、他の借入も少ないフリーランス

地方銀行・信用金庫

地方銀行や信用金庫は、地域密着型で「顔の見える取引」を重視する傾向があります。事業内容や取引履歴など、数字以外の部分も含めて総合的に判断してくれるケースが多く、フリーランスと相性が良いことがあります

  • 特徴:柔軟な審査、地元での実績や取引を評価されやすい
  • 向いているケース:同じ地域で継続的に仕事をしているフリーランス、地元での取引実績がある人

ネット銀行

ネット銀行は店舗を持たない分、金利が低く、手続きもオンラインで完結しやすいのが特徴です。その一方で、スコアリングに基づく機械的な審査が中心となるため、「条件に合うかどうか」がはっきり分かれます。

  • 特徴:金利が低いが、審査はデータ重視で融通は効きにくい
  • 向いているケース:収入や信用情報がきれいで、他の借入も少ないフリーランス

フラット35(住宅金融支援機構)

フラット35は、全期間固定金利で、一定の条件を満たせば民間よりも比較的通りやすいケースがあります。自営業者・フリーランスの利用も多く、「事業年数」や「収入の安定性」を満たせば選択肢に入りやすい商品です。

  • 特徴:全期間固定で返済計画を立てやすい、審査の基準が公開されている
  • 向いているケース:長期的な返済計画を安定させたいフリーランス、変動金利のリスクを抑えたい人

銀行選びのポイント

フリーランスの場合、「この1社だけ」に絞って審査に出すのはリスクがあります。少なくとも、

  • メガバンク or ネット銀行
  • 地方銀行・信用金庫
  • フラット35を取り扱う金融機関

など、タイプの違う複数の金融機関で事前審査を受けて比較することをおすすめします

フリーランスの年収別・借りられる額と無理なく返せる額

年収別に住宅ローンでどれくらいの額が借りられるのかを見てみましょう。

会社員、役員、個人事業主など立場によってさまざまな条件がありますが、いずれにしても年収に対して大きすぎる額の住宅ローンが組めないことに違いはありません。

フリーランスの年収別・借りられる額

以下の表は、返済負担率35%を前提にした「借りられる額の目安」です。

年収(万円)年間返済上限(万円)月々返済上限(万円)借りられる額の目安(万円)
300105約8.7約3,100
400140約11.6約4,130
500175約14.6約5,160
600210約17.5約6,200
700約245約20.4約7,230
前提:返済負担率35%・返済期間35年・金利1.0%前後(固定イメージ)

年収に対し銀行などの金融機関がいくらまで貸してくれるかは、「返済負担率」がひとつのポイントです。

返済負担率とは”

返済負担率は、年収に対する年間返済額の割合です。この返済負担率の上限額も金融機関によって異なります。

基準が公開されている住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」では、年収400万円未満の場合の返済負担率は30%以下、400万円以上の場合の返済負担率は35%以下と設定されています。

この設定で計算すると、たとえば年収600万円の場合は600万円×35%=210万円が年間返済額の上限となります。年間210万ということは毎月の返済額は17.5万円です。月々17.5万円を上回る返済となる金額のお金は貸してくれません。

総じて、銀行は最後まで滞りなく返済できる能力を持った人に住宅ローンを貸したいと考えています。

このように返済負担率を基本として覚えておきましょう。

ただし、フリーランスの場合はこの「上限いっぱい」まで借りるのではなく、次に紹介する「無理なく返せる額(安全ライン)」を基準にするのがおすすめです。

フリーランスの年収別・無理なく返せる額

以下の表は、年収ごとに「無理なく返せる借入額」を示したものです。目安は年収の約5倍、返済負担率20%前後です。

表の「無理なく返せる額」は「年収別のリスクの低いローン金額」です。これを参考に、銀行から借り入れをする金額を決めていくことをおすすめします。では、どのくらいまでなら無理なく返せるのでしょうか。

年収(万円)年間返済額(万円)月々返済額(万円)無理なく返せる借入額の目安(万円)
30060約5.0約1,800
40080約6.7約2,400
500100約8.3約3,000
600120約10.0約3,600
700140約11.7約4,200
800160約13.3約4,800
前提:返済負担率20%・返済期間35年・金利1.0%前後(固定イメージ)

人生には想定外のことが起こり得ます。何らかの事情で住宅ローンが返済できなくなり、経済的に破綻してしまう人も常に一定数います。

一般社団法人不動産競売流通協会が保有するデータを元にした、2025年の競売不動産は12,382件となっており、自分たちの住まいを競売にかけざるを得なくなった人も一定数いるのが現実です。

とはいえ、すべての人が過度に不安になる必要はありません。大切なのは、「自分の収入で無理なく返せるライン」の範囲にローンを抑えることです。

こうしたリスクは会社員にもありますが、自分の収入がそのまま家計の土台になるフリーランスにこそ、より慎重なリスク管理が求められます。住宅ローンを利用する際も、「無理をせず返済できる」ラインを軸に予算を決めることが重要です。

もちろん、子どもがいる、いない、共働きなどの状況の違いによって、住まいに使える金額は変わってきます。そのため、自分に適したライフプランを知るには、第三者のファイナンシャルプランナーに相談するのが近道です。

フリーランスにとってファイナンシャルプランナーにライフプランを作成してもらうことは、大きな助けになるでしょう。


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フリーランスの住宅ローンに関するよくある質問

フリーランスは開業何年で住宅ローンに通りますか?

目安は「2〜3年以上」です。

多くの金融機関では、直近2〜3年分の確定申告をもとに審査が行われます。そのため、開業1年未満だと審査対象外になるケースも少なくありません。

ただし、フラット35や一部の金融機関では、1〜2年でも相談可能な場合があります。いずれにしても「年数」だけでなく、「所得の安定性」も同時に見られる点が重要です。

フリーランスで赤字があると住宅ローンは通りませんか?

基本的には難しくなりますが、絶対に不可能ではありません。

住宅ローン審査では「継続して返済できるか」が重視されるため、赤字があるとマイナス評価になります。特に直近年が赤字の場合は厳しく見られます。

一方で、
・前年以前は黒字で安定している
・一時的な赤字(設備投資など)で理由が明確
といった場合は、金融機関によっては考慮されることもあります。

まずは「直近2〜3年を黒字で揃える」ことが基本戦略です。

フリーランスは法人化した方が住宅ローンに有利ですか?

一概に有利とは言えず、むしろ不利になるケースもあります。

法人化すると、審査では「法人としての決算」が重視されます。そのため、設立して間もない場合は「実績がない」と判断され、個人事業主時代より不利になることがあります。

一方で、
・法人で数年の安定した黒字実績がある
・役員報酬が安定している
といった場合はプラスに働くこともあります。

住宅購入を優先するなら、「法人化のタイミング」は慎重に判断する必要があります。

フリーランスでもリフォームローンは利用できますか?

はい、利用可能です。一般的に住宅ローンよりは通りやすい傾向があります。

リフォームローンは借入額が比較的小さく、審査も簡易なケースが多いためです。ただし、
・金利が住宅ローンより高い
・借入期間が短い
といった特徴があります。

また、中古物件購入+リノベーションの場合は「住宅ローン+リフォーム一体型ローン」を使うことで、金利を抑えられるケースもあります。

どのローンを選ぶべきかは、物件と資金計画によって変わるため、事前に整理しておくことが重要です。

まとめ

住宅ローンはフリーランスでも問題なく利用することが可能です。

しかし、そのためには「自分の収入に対して借りられる額」を知り、「社会的信用」を得ることが必要だということがおわかりいただけたでしょうか。

また、将来のリスク管理を念頭に置いて、借入金と返済額を適正な額に抑えることもしっかりと意識しましょう。そのためのライフプラン作りにもぜひ取り組んでみてください。

また、自身の健康状態を確認するには下記リンクの「団信チェック」が役に立ちます。ぜひこちらもご利用ください。

この記事の制作体制
  • Chika Otsuki

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

  • 株式会社Mapフィナンシャル において、独立系アドバイザーとして活動。詳細プロフィールはこちら

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