【アフォーダブル住宅とは? 日本の課題と世界の成功事例から学ぶ解決策】

現在、日本では住宅価格の高騰が大きな問題となっています。都市部では、平均所得の大きな割合を住宅費に割かなくてはならず、多くの家庭に大きな負担がかかっています¹。
そこで注目されるのが「アフォーダブル住宅」です。これは住宅費の負担を収入の30%以下に抑えることを目指した住宅モデルです²。本記事では、日本の現状や世界の成功事例を紹介し、実現に向けた解決策を提案します。
アフォーダブル住宅とは?
では、改めてアフォーダブル住宅の明確な定義と実現に向けた現状について確認しておきましょう。アフォーダブル住宅とは、その名の通り「手の届く」価格設定の住宅を指します。これは、不動産価格の高騰が止まらない首都圏において注目されつつある政策の一つです。東京都は手頃な値段で基本的な設備が整った「アフォーダブル住宅」を供給する事業を打ち出しました。
アフォーダブル住宅の定義
- 家賃が収入の30%以下の住宅³
- 政府や民間が提供し、住宅市場の安定を図ることが目的⁴
- 住民の生活負担を減らし、貧困の連鎖を防ぐことができる⁵
実現のハードル
- 住宅価格が高騰する都市部での実現が難しい⁶
- 立地の確保と消滅していく工場跡地の活用課題⁷
- 政策の不備により、住宅価格抑制のプロジェクトが持続しない⁸
2025年3月現在、首都圏と近畿圏の新築マンションの平均価格を、直近12ヶ月の数値を元に作成してみました。首都圏の新築マンションの平均価格は8,000万円台前後を推移しており、2024年8月と10月は平均価格が1億円に迫る勢いとなっています。
特に首都圏においては、新築マンションの購入が住宅購入における選択肢から外れてしまうという現実が実際に起こっています。一部の富裕層や投資家向けの住宅ではなく、一般的な子育て世帯にも手の届く価格で住宅を供給する必要性からアフォーダブル住宅の普及が推進されるようになりました。

世界の成功事例
不動産価格の高騰がいよいよ無視できない事態となり、アフォーダブル住宅の供給に乗り出した日本ですが、世界ではすでに同様の取り組みが行われている国もあります。ここでは、住宅共有における世界の成功事例について紹介します。
1. アメリカ: インクルーシブ・ゾーニング
- 地域の特性に応じて住宅政策を策定し、低所得者向け住宅の供給を義務化⁹
- 公共と民間の協力による住宅開発で持続可能な供給を実現¹⁰
2. ドイツ: バウグルッペ・コミュニティーハウジング
- 住民が共同で住宅を設計・管理し、コストを抑制¹¹
- 効率的な地域利用と住民の安定を促進¹²
日本の現状と課題
ただし、日本では政策が不十分であったり、土地の確保の課題があったりとアフォーダブル住宅の十分な供給の実現に向けてはまだまだ課題が残ります。現場の課題としては主に以下の通りです。
- 空き家の有効活用が進んでいない(2023年時点で全国の空き家は約850万戸)¹³
- 公営住宅の老朽化が進行し、入居希望者の需要に応えられていない¹⁴
- 住宅費補助制度の要件が厳しく、利用者が限られる¹⁵
これらの解決のためには、以下のような施策を推進していく必要があると考えられます。
- 空き家リノベーションの拡大:既存の住宅を改修し、低所得者層向けの住宅として活用¹⁶
- 民間企業との連携を強化:官民協力による住宅供給プロジェクトの促進¹⁷
- 住宅補助制度の改善:所得基準の緩和や補助金の拡充を検討¹⁸
住宅価格の高騰が問題視される一方で、「空き家問題」という見逃せない現実があるのも事実です。新築の物件では手が届きにくいからこそ、古くなって使われなくなった空き家をリノベーションし、安価に売り出すことができれば、「住宅高騰」と「空き家問題」という日本の住宅課題を一石二鳥で解決することもできるかもしれません。
手が届くかどうかより自身の「安心予算」を知ることが先決!
ここまでアフォーダブル住宅について紹介してきました。住宅費の負担を収入の30%以下に抑えるといっても、果たしてそれは本当に「無理のない住宅費」と言えるのでしょうか。
例えば、同じ年収帯でも家庭によって支出額は異なります。同じ年収帯、同じ住宅費負担であっても、普段の生活費や支出が多い家庭では手元に残るお金が少なくなってしまうことは明らかです。住宅以外にも、食費や光熱費、趣味や旅行など何にどれだけお金をかけるかは人それぞれ。中でも住宅費は長年にわたって払い続ける必要のある「固定費」とも言えるでしょう。
だからこそ、ライフプラン全体を踏まえたうえで「住宅費にいくらかけられるのか」を把握することが重要なのです。
ゼロリノベは、ローン返済が重荷となり生活に苦しむ大人を一人でも減らしたいという思いから「大人を自由にする住まい」のコンセプトが生まれました。せっかくマイホームを手にしたのにその先の暮らしが不自由になっては意味がありません。そのため、ゼロリノベでは「安心予算で家を買う」ことをもっとも重要視しています。
安心予算とは「住宅ローンで借りられる金額」ではなく「無理なく払える金額」を指します。趣味や旅行も我慢しない生活を確約したうえで、いくら住宅費に割けるのかを把握することが住宅購入における第一歩だと私たちは考えています。
まとめ
アフォーダブル住宅は、日本の未来を支える重要な課題です。政策の強化や民間の協力が不可欠であり、持続可能な解決策を模索する必要があります。ただし、いつになるか分からないアフォーダブル住宅の供給を待つよりも今できる行動が一つだけあります。
それは「小さいリスクで家を買う方法」を知ることです。ゼロリノベでは、住宅購入がその後の人生を苦しめることがないように、その前提に基づき住宅購入の中でどんな方法がベストなのかを考え続けてきました。
自分たちにとって「手の届く」価格はいくらなのか?人生の中で、かかるお金は住宅費だけではありません。教育費や老後資金など、必要なお金は他にもたくさんあるでしょう。その中でも唯一コントロールできるのが「住宅費」です。だからこそ、自分たちが住宅費にどれだけ資金を割けるのかを知ることは、先の見えない未来の選択肢を増やすことにも繋がるのです。
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参考文献
- 総務省統計局「2023年 住宅・土地統計調査」
- OECD「Housing Affordability in Japan」
- World Bank「Affordable Housing and Urban Development」
- 日本住宅政策研究会「日本の住宅市場とアフォーダブル住宅の役割」
- 国土交通省「住宅政策白書 2022」
- 東京大学都市工学研究室「都市部における住宅価格と所得格差」
- 経済産業省「工場跡地活用の現状と課題」
- 日本不動産学会「住宅価格抑制政策の効果と持続可能性」
- HUD(米国住宅都市開発省)「Inclusionary Zoning: A Guide for Policymakers」
- MIT Urban Studies「Affordable Housing Strategies in the U.S.」
- ドイツ連邦建設交通デジタル省「Baugruppe: A Sustainable Housing Model」
- European Housing Policy Institute「Community Housing Models in Germany」
- 総務省統計局「2023年住宅・土地統計調査」
- 国土交通省「公営住宅の現状と今後の課題」
- 厚生労働省「生活保護と住宅補助の現状」
- 国土交通省「空き家活用ガイドライン」
- 日本経済新聞「官民連携による住宅政策の最新動向」
- OECD「Housing Policies for the Future」