住宅ローンの新潮流!?40年ローンのメリット・デメリットとおすすめ金融機関8選
住宅ローンの返済期間といえば最長35年が一般的ですが、なかには「40年〜50年」の返済期間を選ぶことが可能な住宅ローンもあります。
ただし、40年以上の住宅ローンはデメリットを多く抱えているため、基本的におすすめできません。
▼ 40年以上の住宅ローンのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
◎ 毎月返済額が安くなる ◎ 親子リレー返済のプランを立てやすい ◎ 住宅ローン付きで売却できるケースがある ◎審査の際に返済負担率を下げられる ◎返済期間を調整できる ◎物件購入予算を上げられる ◎団体信用生命保険を長期でつけられる | ✕ 金利が高い ✕ 返済期間が長い分の利息負担が増える ✕ 選べる住宅ローンの種類が少ない ✕ 借入れ可能な年齢など条件に制限がある |
「返済期間を長くすれば、月々の返済額を安く抑えられる」と考えて、40年以上の住宅ローンを希望している人もいるでしょう。しかし、それが自分にとってベストかどうかはメリット・デメリットを把握したうえで、慎重に判断する必要があります。
そこで本記事では、「返済期間が40年以上の住宅ローン」に焦点を当てて詳しく解説します。
<本記事のポイント>
- 40年以上の住宅ローンの特徴
- 40年以上の住宅ローンのシミュレーション
- 40年以上の住宅ローンのメリット・デメリット
- 40年以上の住宅ローンを取り扱う銀行8選
- 40年以上の住宅ローンをおすすめしない理由
- 住宅ローンを40年以上で組む際の注意点
本記事を最後までお読みいただければ、40年以上の住宅ローンの基本から、なぜおすすめできないのかを深く理解できます。
後悔のない住宅ローン選びにぜひお役立てください。ではさっそく解説を始めましょう。
宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟
宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。
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最長35年じゃない!40年住宅ローンが増えている理由
「フラット35」を提供している住宅金融支援機構では、最長50年の返済期間で住宅ローンを組める「フラット50」を2009年から提供しています。
「フラット50」の提供に伴って、一部の金融機関も返済期間が40年の住宅ローンの取り扱いを始めるようになりました。
40年の住宅ローンを選ぶと返済期間は長くなりますが、月々の返済額を抑えられるため、若い世代や子育て世帯など、月々の負担を減らしたい方が利用しやすいです。
そのため、20代を中心に40年住宅ローンの利用が増えています。
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返済期間が40年以上の住宅ローンの特徴
では、40年以上の住宅ローンの特徴とはどんなものがあるのでしょうか?
40年以上の住宅ローンについて、以下の内容について解説します。
- 40年住宅ローンは2種類ある
- 35年以下の住宅ローンに比較して金利が高い
- 借り入れ条件に制約がある
ぜひ、参考にしてみてください。
2-1.40年住宅ローンは2種類ある
40年住宅ローンを組む前に、大きく分けて以下の2種類あることを知っておきましょう。
- 公民共同ローン
- 金融機関のローン
近年では、地方銀行が独自で40年住宅ローンを用意している場合もあります。
それでは、2種類の住宅ローンについて、それぞれ詳しく解説します。
2-1-1.公民共同ローン
公民共同ローンとは、最長で50年で組める住宅ローンであり、金利は長期固定です。
代表的な公民共同ローンとして、住宅金融支援機構の「フラット50」が挙げられます。
▼フラット50
返済期間 | 36年~50年 |
金利の範囲 | 年2.240~年2.710 |
最頻金利 | 年2.240 |
出典:【フラット50】※2023年12月現在
フラット50では、返済期間が【36年〜50年】となっており、40年以上の返済期間で住宅ローンを組めます。
2-1-2.金融機関のローン
金融機関でも、40年以上の住宅ローンを提供している場合があります。
主に、地方銀行やろうきんなどの、地方の金融機関が独自で提供していることが多いです。
返済期間を最長40年に設定している金融機関が多いですが、金融機関によって金利のタイプや利用条件、団信などの内容は異なります。
2-2.35年以下の住宅ローンに比較して金利が高い
40年以上の返済期間が選べる住宅ローンで注意したいのは、35年以下の住宅ローンに比較して、金利が高くなることです。
フラット35とフラット50の金利を比較してみましょう。
▼フラット35とフラット50の金利比較
フラット35 | フラット50 | ||
返済期間 | 15年〜20年 | 21年〜35年 | 36年〜50年 |
金利の範囲 | 年1.430%〜年2.990% | 年1.910%〜年3.470% | 年2.240%〜年2.710% |
最頻金利 | 年1.430% | 年1.910% | 年2.240% |
出典:【フラット35】 、【フラット50】 ※2023年12月現在
この金利の違いが総返済額にどう影響するのかについては、後ほど「3. 40年以上の住宅ローンのシミュレーション」にてご紹介します。
2-3. 借り入れ条件に制約がある
返済期間が40年以上になる住宅ローンでは、35年以下の住宅ローンに比較して、借り入れ条件が厳しくなっています。
フラット35とフラット50の借り入れ条件を比較してみましょう。
フラット35 | フラット50 | |
申込要件 | 申込時の年齢が満70歳未満の方 | 申込時の年齢が満44歳未満の方 |
借入対象となる住宅 | 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅住宅の床面積:戸建て、連続建ておよび重ね建て:70㎡以上、共同建て(マンションなど):30㎡以上 | 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅かつ長期優良住宅住宅の床面積:戸建て、連続建ておよび重ね建て:70㎡以上、共同建て(マンションなど):30㎡以上 |
出典:【フラット35】 、【フラット50】 ※親子リレー返済を除く
最長35年のフラット35と比較して、最長50年のフラット50が大きく異なるのは「申込時の年齢」と「対象となる住宅」です。
返済期間が長期間になるフラット50は、フラット35よりも26歳若い「44歳未満」でないと申込みができません。
さらに、対象となる住宅に対して「長期優良住宅」という制約がついています。
認可を受けるためには耐震性・耐久性・可変性などに優れ、維持管理のしやすい住宅であることなどが条件となります。
フラット50のような長期優良住宅が条件になっている住宅ローンを契約するためには、購入する物件や建築する物件が、長期優良住宅であるかが重要なポイントです。
40年以上の住宅ローンのシミュレーション
ここで、40年以上の住宅ローンを借り入れたときのシミュレーションをしてみましょう。
《借入金額3,000万円・固定金利・元利均等・ボーナス割合0%》の条件で、フラット50・フラット35を借り入れたシミュレーションは、以下のとおりです。
▼《借入金額3,000万円・固定金利・元利均等・ボーナス割合0%》
返済期間 | 35年 | 40年 | 50年 |
試算に利用した金利 | 年1.910% | 年2.240% | 年2.240% |
総返済額 | 4,116万円 | 4,545万円 | 4,990万円 |
毎月返済額 | 9.8万円 | 9.5万円 | 8.4万円 |
また、《借入金額3,000万〜5,000円・固定金利・元利均等・ボーナス割合0%》の条件で、フラット50・フラット35を借り入れた場合の金額ごとの月々の返済金額は、以下のとおりです。
借入金額 | 月々の返済額 (返済期間35年) | 月々の返済額 (返済期間40年) | 月々の返済額 (返済期間50年) |
3,000万円 | 9.8万円/月 | 9.5万円/月 | 8.4万円/月 |
4,000万円 | 13.1万円/月 | 12.7万円/月 | 11.1万円/月 |
5,000万円 | 16.4万円/月 | 15.8万円/月 | 13.9万円/月 |
このように比較すると、「35年より大幅に返済期間を延ばさないのであれば、35年で返済したほうがお得」と感じる方が多いのではないでしょうか。
例えば、借入金額3,000万円の場合の35年と40年を比較すると、毎月の返済額は【▲3,000円】しか変わらないのに、総返済額では【+429万円】もの差がつく試算となっています。
40年以上の住宅ローンを組むメリット・デメリットについては、次章以降で詳しく解説しましょう。
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40年以上の住宅ローンのメリット
40年以上の住宅ローンには、どんなメリットがあるのでしょうか。
- 毎月返済額が安くなる
- 親子リレー返済のプランを立てやすい
- 住宅ローン付きで売却できるケースがある
- 審査の際に返済負担率を下げられる
- 返済期間を調整できる
- 物件購入予算を上げられる
- 団体信用生命保険を長期でつけられる
それぞれ見てみましょう。
4-1. 毎月返済額が安くなる
1つめのメリットは「毎月返済額が安くなる」ことです。
先ほどシミュレーションしたとおり、35年の住宅ローンよりも毎月の返済額を抑えられます。
先ほどは《借入金額3,000~5,000万円》で試算しましたが、借入希望額が大きくなるほど、毎月返済額へのインパクトも大きくなるため、仮に《借入金額6,000万円》で試算してみましょう。
▼ 《借入金額6,000万円・固定金利・元利均等・ボーナス割合0%》の毎月返済額試算例
返済期間 | 35年 | 40年 | 50年 |
試算に利用した金利 | 年1.910% | 年2.240% | 年2.240% |
総返済額 | 8,232万円 | 9,090万円 | 9,980万円 |
毎月返済額 | 19.6万円 | 19万円 | 16.7万円 |
35年との差 | – | ▲6,000円 | ▲29,000円 |
このように、借入期間が長くなると毎月の返済金額を抑えられ、負担を軽くすることができます。
4-2. 親子リレー返済のプランを立てやすい
2つめのメリットは「親子リレー返済のプランを立てやすい」ことです。
親子リレー返済(親子リレーローン)とは、住宅ローンを契約する本人の子どもなどを後継者として、2世代で住宅ローンを返済する制度です。
「子どもに返済をバトンタッチする時期を、できるだけ遅らせたい」といった希望がある場合には、40年以上の住宅ローンを組むことで、時期を柔軟に調整しやすくなります。
詳しくは、「親子ローンとは?リレーローンとペアローンの違いやデメリットを解説」をご覧ください。
4-3. 住宅ローン付きで売却できるケースがある
3つめのメリットは「住宅ローン付きで売却できるケースがある」ことです。
これは厳密には、40年以上の住宅ローン特有のメリットではないのですが、多くの40年以上の住宅ローンには、住宅ローンの返済中に物件を売却する際、購入者に債務を引き継げる特約がついています。
住宅ローン付きの売却が有利となりやすいのは、固定金利の住宅ローンです。
というのは、現代は超低金利時代といわれるほど、金利が低くなっています。
将来、住宅を売却する時点では金利が上昇していると想定すれば、低金利のいま固定金利で契約した住宅ローンを購入者に承継できることは、住宅を売却するうえで有利に働きます。
4-4.審査の際に返済負担率を下げられる
35年住宅ローンと比べて、40年住宅ローンは借入期間が伸びており、月々の返済額が抑えられるため、返済負担率も軽くなります。
返済負担率を下げられると月々の負担が減るため、35年住宅ローンと比べて40年住宅ローンにすることで、借入可能額を増やせる可能性があることがメリットの1つと言えるでしょう。
借入金額を増やしたい場合には、40年住宅ローンの利用を検討してもよいでしょう。
4-5.返済期間を調整できる
多くの住宅ローンでは、毎月の返済額と合わせてまとまった額の返済が可能な繰上げ返済ができます。
そのため、40年住宅ローンのように返済期間を長く設定していたとしても、繰上げ返済を利用することで、後から返済期間を短くすることが可能なため、返済期間を調整できます。
逆に、返済期間を35年から40年に変更するといった、返済期間の延長はできません。
返済期間を調整できれば、昇進や転職などで収入が増えた場合に、予定よりも返済期間を短くできることになります。
後から返済期間を調整したい場合や、現状は35年だと負担が大きいが将来的に収入の向上が見込める場合には、40年住宅ローンの利用を検討してもよいでしょう。
4-6.物件購入予算を上げられる
40年住宅ローンは35年住宅ローンと比べて、月々の負担が減るため、借入金額を増やせる可能性があります。
借入金額を増やせれば、物件購入予算を上げられるため、35年住宅ローンで購入を検討していた物件と比べて、値段の高い物件を選べるようになります。
ただし、住宅ローンの返済や購入した物件の維持費など、月々に必要な費用を計算しておくことが重要です。
4-7.団体信用生命保険を長期でつけられる
40年住宅ローンを利用することで、団体信用生命保険(団信)を長期でつけられるメリットがあります。
団体信用生命保険は、住宅ローンの契約者が亡くなった場合や高度障害状態になった場合に、住宅ローンの返済が免除される保険です。
団体信用生命保険の特徴として、手厚い保障を低コストで受けられることが挙げられます。
そのため、35年住宅ローンではなくあえて40年住宅ローンを利用することで、団体信用生命保険の保険適用期間を伸ばすことができるのです。
>>関連記事:築50年マンションは買って大丈夫!不動産のプロ教える後悔しないための見分け方
40年以上の住宅ローンのデメリット
次に40年以上の住宅ローンのデメリットを見ていきましょう。
- 金利が高い
- 返済期間が長い分の利息負担が増える
- 選べる住宅ローンの種類が少ない
- 借入れ可能な年齢など条件に制限がある
40年以上の住宅ローンには、上記のようなデメリットがあります。
5-1. 金利が高い
1つめのデメリットは「金利が高い」ことです。
以下は先ほどご紹介した表の再掲ですが、フラット35・フラット50で比較すると、35年で返済するなら【年1.360%】の金利が、36年以上で返済すると【年1.810%】となり、【+0.45%】も上がってしまいます。
フラット35 | フラット50 | |
返済期間 | 21年〜35年 | 36年〜50年 |
金利の範囲 | 年1.910%〜年3.470% | 年2.240%〜年2.710% |
最頻金利 | 年1.910% | 年2.240% |
出典:【フラット35】 、【フラット50】 ※2023年12月現在
当然ながらその分、利息額が増えて総返済額も積み上がります。
総返済額の観点から見れば、「40年以上の住宅ローンを組むよりも、35年以下で返済するほうがお得」となり、これは40年以上の住宅ローンの大きなデメリットです。
5-2. 返済期間が長い分の利息負担が増える
2つめのデメリットは「返済期間が長い分の利息負担が増える」ことです。
前述の高い金利に輪を掛けて利息の負担を大きくしているのが「長い返済期間」です。
イメージしやすくするために、《返済期間が35年でも40年でも金利が同じ年2.240%だった場合》を仮定して試算してみましょう。
▼ 《借入金額3,000万円・固定金利2.240%・元利均等・ボーナス割合0%》の試算
返済期間 | 35年 | 40年 | 50年 |
総返済額 | 4,331万円 | 4,545万円 | 4,990万円 |
35年との比較 | – | +214万円 | +659万円 |
同じ借入金額・同じ金利でも、返済期間が長引くほど、利息が増えていくことがわかります。
さらに、より現実に近い試算として、1つめのデメリットとして挙げた「金利の違い」も反映させて試算してみましょう。
▼《借入金額3,000万円・固定金利・元利均等・ボーナス割合0%》の試算
返済期間 | 35年 | 40年 | 50年 |
試算に利用した金利 | 年1.910% | 年2.240% | 年2.240% |
総返済額 | 4,116万円 | 4,545万円 | 4,990万円 |
35年との比較 | – | +429万円 | +874万円 |
35年で返すか、40年で返すかによって利息は【+429万円】もの差が出ることがわかります。50年となれば【+874万円】となり、負担はさらに大きくなります。
5-3. 選べる住宅ローンの種類が少ない
3つめのデメリットは「選べる住宅ローンの種類が少ない」ことです。
本来、住宅ローンは、金利・付帯できる保険の充実度・諸費用の安さ・繰り上げ返済のしやすさ・審査の通りやすさなど、さまざまな観点から吟味し、ベストな住宅ローンを選び抜きたいところです。
しかし、住宅ローンの主流は「返済期間:最長35年」で、40年以上の返済期間が可能な住宅ローンは、残念ながらあまり多いとは言えません。40年以上の返済期間を希望する時点で、選択肢は非常に狭まってしまいます。
40年の返済期間が可能な住宅ローンの代表は、フラット50ですが、ほかには以下が挙げられます。
▼ 40年の返済期間が可能な住宅ローンの例
5-4. 借り入れ可能な年齢など条件に制限がある
4つめのデメリットは「借入れ可能な年齢など条件に制限がある」ことです。
「2-3. 借り入れ条件に制約がある」でもご紹介したとおり、例えばフラット50であれば「申込み時の年齢が44歳未満・対象は長期優良住宅のみ」という条件があります。
細かな条件は選ぶ住宅ローンによって異なりますが、返済期間35年未満の住宅ローンに比較すると、厳しい条件になりますので、注意が必要です。
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できる限り住宅ローンは35年以下で借りるのがおすすめ
さて、ここまでにご紹介した40年以上の住宅ローンのメリット・デメリットをまとめると、以下のとおりとなります。
メリット | デメリット |
◎ 毎月返済額が安くなる ◎ 親子リレー返済のプランを立てやすい ◎ 住宅ローン付きで売却できるケースがある ◎審査の際に返済負担率を下げられる ◎返済期間を調整できる ◎物件購入予算を上げられる ◎団体信用生命保険を長期でつけられる | ✕ 金利が高い ✕ 返済期間が長い分の利息負担が増える ✕ 選べる住宅ローンの種類が少ない ✕ 借入れ可能な年齢など条件に制限がある |
40年以上の住宅ローンでは、メリットの方が大きいように見えますが、金利が高いことや選べる住宅ローンの種類が少ないなどのデメリットを大きく感じる方もいるでしょう。
数千円〜数万円の毎月返済額を減らすことを目的に40年以上の住宅ローンを組んだとしても、返済がなかなか終わらずに、将来、経済的に困窮するリスクが高まります。
できる限り住宅ローンは返済期間35年以内で借りるべきといえますし、実際、ほとんどの人が返済期間35年以下の住宅ローンを契約しています。
何らかのやむを得ない事情や特別な意図がない限りは、返済期間40年以上の住宅ローンは選択肢から外し、「35年以下で住宅ローンを組むためには、どうすれば良いか?」という思考に切り替えましょう。
より詳しく知りたい方は、「現役FPが解説!住宅ローンの選び方完全ガイド|金利は?返済方法は?」をご覧ください。
40年住宅ローンの取扱いをしている金融機関・ネット銀行8選
40年住宅ローンを用意している金融機関やネット銀行は、近年増えてきています。
しかし、まだまだ40年住宅ローンの取り扱いがある金融機関やネット銀行は一部です。
そこで、40年住宅ローンの取扱いをしている金融機関やネット銀行から、以下の8つを紹介します。
- 城南信用金庫
- 京葉銀行
- 西日本シティ銀行
- 北洋銀行
- 熊本銀行
- スルガ銀行
- 東海ろうきん
- 住信SBIネット銀行
それでは、それぞれの金融機関やネット銀行について見ていきましょう。
7-1.城南信用金庫|ネットからの申し込みが可能
城南信用金庫は、東京23区を中心に営業している信用金庫です。
城南信用金庫で40年住宅ローンを利用する場合の条件や金利は以下の表のとおりです。
利用条件 |
・城南信用金庫の営業地域内に住んでいるか、営業地域内の事業所に勤務している ・建築基準法およびその他の法令の定めに合致している |
金利 | 年2.350% |
※2023年12月現在
参考:城南信用金庫ホームページ
城南信用金庫は利用できる地域が限られていますが、ネットからの申し込みが可能なため、利用できる地域内に住んでいる場合には、利用を検討してみるとよいでしょう。
7-2.京葉銀行|金利ミックスプランが魅力的
京葉銀行は、千葉県を中心に営業している銀行です。
京葉銀行で40年住宅ローンを利用する場合の条件や金利は以下の表のとおりです。
利用条件 |
・借入時の年齢が満18歳以上65歳以下で、完済時満80歳未満の方 ・安定した収入のある方 ・当行所定の団体信用生命保険に加入できる方 ・お借換えの対象となる住宅ローンについて直近1年間でご返済を延滞されたことのない方 |
金利 |
変動金利:年2.350% 全期間固定金利:年2.17% |
※2023年12月現在
参考:京葉銀行ホームページ
京葉銀行は、変動金利や固定金利など、さまざまな種類の金利が選べ、変動金利と固定金利をミックスさせた金利ミックスプランが選べることが特徴です。
7-3.西日本シティ銀行|返済期間が最長50年
西日本シティ銀行は、福岡県を中心に営業している銀行です。
西日本シティ銀行で40年住宅ローンを利用する場合の条件や金利は以下の表のとおりです。
利用条件 |
・申込時の年齢が満20歳以上満70歳以下で、完済時の年齢が満81歳以下の方 ・年収・勤続年数等が下記基準を満たす方 <給与所得者の方> ・取扱店のお近くに住んでいる、または勤めている方 ・団体信用生命保険に加入が認められる健康な方 ・保証会社の保証が受けられる方 |
金利 | 変動金利:年2.725% |
※2023年12月現在
参考:西日本シティ銀行ホームページ
西日本シティ銀行は、最長で50年の住宅ローンを組めることが特徴です。
7-4.北洋銀行|他ローンの利用で優遇あり
北洋銀行は、北海道を中心に営業している銀行です。
北洋銀行で40年住宅ローンを利用する場合の条件や金利は以下の表のとおりです。
利用条件 |
・借入時、満18歳以上満65歳未満かつ、ローン完済時、満82歳未満 ・借入申込人ご本人の前年度税込み年収200万円以上の方。 |
金利 | 変動金利:年2.675% |
※2023年12月現在
参考:北洋銀行ホームページ
北洋銀行は、他のローンを利用している場合に優遇があることが特徴です。
7-5.熊本銀行|Webサポートデスクが充実
熊本銀行は、熊本県を中心に営業している銀行です。
熊本銀行で40年住宅ローンを利用する場合の条件や金利は以下の表のとおりです。
利用条件 |
・借入時年齢満18歳以上71歳未満で、完済時の年齢が82歳未満の方 ・世帯主または真正な生計維持者の方 |
金利 | 変動金利:年3.125% |
※2023年12月現在
参考:熊本銀行ホームページ
熊本銀行は、Webサポートデスクが充実しており、相談しやすいところが特徴です。
7-6.スルガ銀行|最大4億円まで借り入れ可能
スルガ銀行は、千葉県を中心に営業している銀行です。
スルガ銀行で40年住宅ローンを利用する場合の条件や金利は以下の表のとおりです。
利用条件 |
・借入れ時点の年齢が18歳以上70歳未満で、最終返済時の年齢が82歳未満の方 ・団体信用生命保険に加入できる方 |
金利 | 変動金利:年1.475 % ~ 2.875 % |
※2023年12月現在
参考:スルガ銀行ホームページ
スルガ銀行は、最大4億円と高額な借り入れが可能なところが特徴です。
7-7.東海ろうきん(東海労働金庫)|団体信用生命保険料が0円
東海ろうきんは、千葉県を中心に営業している銀行です。
東海ろうきんで40年住宅ローンを利用する場合の条件や金利は以下の表のとおりです。
利用条件 |
東海ろうきんの会員組合員、生協組合員、または愛知・岐阜・三重県内に在住もしくは在勤の方(自営業者の方は除く)で、下記条件をすべて満たす方 ・申込み時年齢満 18 歳以上、最終返済時年齢満 76 歳未満の方 |
金利 | 変動金利:年1.540% 全期間固定金利:2.440% |
※2023年12月現在
参考:東海ろうきんホームページ
東海ろうきんには、団体信用生命保険料が0円で、保険料の負担を心配せずに利用できる特徴があります。
7-8.住信SBIネット銀行|顧客満足度ネット銀行部門1位
住信SBIネット銀行は、千葉県を中心に営業している銀行です。
住信SBIネット銀行で40年住宅ローンを利用する場合の条件や金利は以下の表のとおりです。
利用条件 |
・借入時の年齢が満18歳以上満65歳以下で、最終返済時の年齢が満80歳未満であること |
金利 | 変動金利:年2.775% |
※2023年12月現在
参考:住信SBIネット銀行ホームページ
住信SBIネット銀行は、顧客満足度がネット銀行部門1位の銀行であるため、安心して利用できます。
住宅ローンを40年以上で組む際の注意点
最後に、「どうしても特別な事情があって、住宅ローンを40年以上で借りざるを得ない」という場合、注意したい点をお伝えします。
- 購入物件に無理がないか再検討する
- 積極的に繰り上げ返済を行う
- 若いうちに検討する
上記の点に注意することで、住宅ローンを40年以上で組んだ場合でも、失敗するリスクを減らせます。
8-1. 購入物件に無理がないか再検討する
1つめの注意点は「購入物件に無理がないか再検討する」ことです。
そもそも、“住宅ローンを40年以上で借りざるを得ない状況”に陥っている前提が間違っていないか、購入しようとしている物件の選び方に問題がないか、冷静に考えてみましょう。
例えば、新築へのこだわりを捨てる、中古物件をリノベーションするなどの選択肢も視野に入れると、必要な借入額を抑え、返済期間を短縮できるはずです。
どうしても譲れない場合、自分の考えに偏りが出ている可能性もあるため、信頼できる知人や身内などに相談し、客観的な意見を聞くことも大切です。
以下の記事でご紹介している金融機関の窓口や、ファイナンシャルプランナーに相談することも役立つでしょう。
参考:「住宅ローンの相談はどこにする?失敗しない相談先の選び方とタイミング」
8-2. 積極的に繰り上げ返済を行う
2つめの注意点は「積極的に繰り上げ返済を行う」ことです。
40年以上の住宅ローンを契約した場合、できるだけ繰り上げ返済を行い、40年以上の住宅ローンが持つデメリット(利息負担が大きい)を少しでも減らす努力を行いましょう。
詳しくは、「住宅ローンの繰り上げ返済のメリット・デメリットとすべき人の判断基準」をご覧ください。
8-3.若いうちに検討する
住宅ローンの利用条件として、完済時の年齢の上限が定められていることがほとんどです。
そのため、40年住宅ローンを利用する場合は、できるだけ若いうちに検討することが重要です。
また、完済時の年齢が恒例となる場合には、返済能力が落ちる可能性があるため、審査に落ちる可能性が高まります。
40年住宅ローンがおすすめの人
40年住宅ローンがおすすめの人の特徴として、以下の3つが挙げられます。
- 年齢が若い人
- 親子リレーローンを考えている人
- 繰上げ返済を検討している人
40年住宅ローンを検討している場合には、ぜひ参考にしてみてください。
9-1.年齢が若い人
40年住宅ローンは、年齢が若い人におすすめです。
借入時の年齢が20代前半であれば、返済期間が40年だとしても、定年前後で返済が終わる可能性が高いです。
また、途中で収入が増えて家計に余裕が出れば、繰上げ返済の利用もできるため、返済期間を短くできます。
そのため、年齢が若い人ほど、40年住宅ローンのメリットを受けながら、デメリットを抑えられます。
9-2.親子リレーローンを考えている人
親子リレーローンを利用すれば、借入可能額を増やせたり、親子それぞれの負担割合によって住宅ローン控除を適用できたりします。
そのため、住宅ローン控除を親子それぞれに適用することによって、無駄なく控除の恩恵を受けられます。
だからこそ、親子リレーローンを考えている人には、40年住宅ローンがおすすめです。
9-3.繰上げ返済を検討している人
住宅ローンを前倒しで返済する、繰上げ返済を検討している人には、40年住宅ローンがおすすめです。
40年住宅ローンを利用して月々の負担を減らしながら、余裕ができたタイミングで繰上げ返済をして返済期間を短くすると、負担を減らしながら早期返済を実現できます。
ただし、金融機関によっては、繰上げ返済には手数料がかかることがあるため、事前の確認が必要です。
まとめ
住宅ローン返済期間は一般的には最長35年ですが、一部に最長50年のものがあります。住宅金融支援機構の「フラット50」が代表的な例です。
住宅ローンの返済期間はできる限り35年以下に抑え、40年以上の住宅ローンは避けることをおすすめします。
どうしてもやむを得ない事情で住宅ローンを40年以上で組む際には、以下の点にご注意ください。
- 購入物件に無理がないか再検討する
- 積極的に繰り上げ返済を行う
無理をして40年以上の住宅ローンを契約すれば、必ずそのひずみが出て、返済が困難になったり、自由のない生活に心の余裕まで失ったりします。
住宅ローンは、ある程度の余裕を残せるものを選び、“自由のある幸せな人生を送れること”を大切に考えていきましょう。