わかりやすい!住宅ローン控除で初めて確定申告する人向け簡単ガイド
「住宅ローン控除を受けるために、確定申告が必要になった」
そんなとき、初めて確定申告する人にとっては、戸惑うことが多いかもしれません。
ですが、実際の手続きは、全体像を理解したうえで行えば難しいものではないので、ご安心ください。
本記事では、住宅ローン控除のために初めて確定申告をする方に向けて、概要を簡単にまとめました。
本記事のポイント
- 住宅ローン控除の確定申告の概要がつかめる
- 確定申告の初心者にもわかりやすく基礎知識を解説
- 必要書類や注意点も理解できる
「住宅ローン控除の確定申告について知りたい」
「初めて確定申告をする」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説を最後までお読みいただければ、住宅ローン控除のための確定申告では、どんな書類を準備し、いつ何をすれば良いのか、具体的に把握できます。
結果として、スムーズに確定申告の準備に取りかかれるはずです。では、さっそく解説を始めましょう。
ファイナンシャルプランナー
茂木 禄人
株式会社Mapフィナンシャル において、独立系アドバイザーとして活動。詳細プロフィールはこちら
住宅ローン控除のための確定申告(1)どんな人に必要?
住宅ローン控除のための確定申告について、まずは「どんな人に必要なのか?」を見てみましょう。
- 住宅ローン控除を受ける1年目の人
- 住宅ローン控除を受ける2年目以降の人で年末調整の対象ではない人
1-1. 住宅ローン控除を受ける1年目の人
まず、住宅ローン控除を受ける1年目の人(最初の年)は、すべての人が確定申告する必要があります。
企業に勤めている会社員であっても、個人事業主であっても、住宅ローン控除を受ける最初の年は、全員が確定申告で住宅ローン控除の申請をします。
1-2. 住宅ローン控除を受ける2年目以降の人で年末調整の対象ではない人
1年目は全員確定申告が必要ですが、2年目以降は、確定申告が必要な人・必要でない人に分かれます。
2年目以降も確定申告が必要な人は、年末調整の対象ではない人です。
逆にいえば、勤務先の会社などで年末調整をしてもらっている人は、確定申告は不要です。
年末調整で必要書類を提出することで、住宅ローン控除の申請ができます。
自分が年末調整の対象かどうかわからない人は、以下をご覧ください。
▼ 年末調整の対象ではなく確定申告が必要な人
- 給与所得者ではない人(個人事業主など)
- 給与所得者でも、給与年収が2,000万円を超えている人
ここでいう「給与所得者」とは、会社員・パート・アルバイト・会社役員・公務員など、勤務先から給与として収入を得ている人のことです。
給与を得ていない個人事業主・フリーランスは、給与所得者ではないので、確定申告が必要です。
また、給与所得者であっても、給与年収が2,000万円を超えている人は年末調整の対象外となりますので、住宅ローン控除の申請は、確定申告で行う必要があります。
住宅ローン控除のための確定申告(2)いつする?
住宅ローン控除のための確定申告は、
【購入した住宅に入居した翌年の2月16日〜3月15日】
のタイミングで、最初の確定申告を行います。
出典:住宅ローン減税の申請方法
2年目以降も、毎年、確定申告の時期である【2月16日〜3月15日】に確定申告を行います。
住宅ローン控除のための確定申告(3)どこでする?
住宅ローン控除のための確定申告は、自分が住んでいる地域を管轄する「税務署」で行います。
税務署に直接行って書類を提出する方法のほか、郵送やインターネットでも手続きができます。
インターネットで手続きする場合の手順は、以下のとおりです。
出典:山陰合同銀行
住宅ローン控除のための確定申告(4)準備する必要書類は?
住宅ローン控除のための確定申告で、準備すべき必要書類は以下のとおりです。
▼ 確定申告書に添付すべき書類
書類名 | 入手先 |
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書【原本】 | 住宅ローンを借り入れした金融機関 |
住宅の登記事項証明書【原本】 | 法務局 |
住宅の工事請負契約書又は売買契約書【写し】 | 契約時の書類をコピーする |
確定申告書に記載するマイナンバーの本人確認書類(マイナンバーカードの写しなど) | マイナンバーカードなどをコピーする |
(認定住宅の場合)①認定長期優良住宅の場合(両方が必要)
・都道府県・市区町村等の長期優良住宅建築等計画の認定通知書【写し】 ・市区町村の住宅用家屋証明書【原本又は写し】又は建築士等の認定長期優良住宅建築証明書【原本】 ②低炭素住宅の場合(両方が必要) ・都道府県・市区町村等の低炭素建築物新築等計画の認定通知書【写し】 ・市区町村の住宅用家屋証明書【原本又は写し】 又は建築士等の認定低炭素住宅建築証明書【原本】 ③低炭素住宅とみなされる特定建築物の場合 ・市区町村の住宅用家屋証明書(特定建築物用)【原本又は写し】 |
契約した不動産会社など |
(中古住宅が所定の耐震基準を満たすものとして控除を受ける場合)以下のいずれかの書類 ・建築士等の耐震基準適合証明書【原本】 ・登録住宅性能評価機関の建設住宅性能評価書【写し】 ・既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約に係る付保証明書【原本】 |
契約した不動産会社など |
(中古住宅が要耐震改修住宅に当たる場合)・耐震改修に係る工事請負契約書【写し】
・次の①~④のうちいずれかの書類 ①建築物の耐震改修計画の認定申請書【写し】及び耐震基準適合証明書【原本】 ②耐震基準適合証明申請書【写し】及び耐震基準適合証明書【原本】 ③建設住宅性能評価申請書【写し】及び建設住宅性能評価書【写し】 ④既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の申込書【写し】及び既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約に係る付保証明書【原本】 |
契約した不動産会社など |
参考:国税庁
必要書類について詳しくは、以下の記事もあわせてご覧ください。
住宅ローン控除のための確定申告(5)確定申告書の書き方は?
必要な書類がそろったら、「計算明細書」と「確定申告書」を作成して税務署に提出します。
5-1. 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
住宅借入金等特別控除額の計算明細書の様式は、以下からPDFをダウンロードできます。
税務署に直接持参する場合・郵送する場合には、PDFをダウンロードしてプリントしたうえで記入します。
▼住宅借入金等特別控除額の計算明細書の書き方見本
出典:計算明細書の書き方見本
※インターネット(e-Tax)経由で行う場合には、e-Taxの画面の案内に従って入力します。
5-2. 確定申告書A(第一表)
確定申告書の様式は、以下からPDFをダウンロードできます。
▼ 確定申告書A(第一表)の書き方見本
出典: 確定申告書(第一表)の書き方見本
※インターネット(e-Tax)経由で行う場合には、e-Taxの画面の案内に従って入力します。
5-3. 確定申告書A(第二表)
▼ 確定申告書A(第二表)の書き方見本
※インターネット(e-Tax)経由で行う場合には、e-Taxの画面の案内に従って入力します。
ここでは概要だけご紹介しましたが、より詳細の書き方は、様式をダウンロードすると末尾に記載されています。
また、税務署が発行しているパンフレット「住宅借入金等特別控除を受けられる方へ(新築・購入用)」でもわかりやすく解説されていますので、参考にしてみてください。
住宅ローン控除のための確定申告の注意点
最後に、住宅ローン控除のための確定申告の注意点をお伝えします。
6-1. 確定申告の仕方がわからない場合は税務署で相談する
「確定申告を初めて行う」という方にとっては、確定申告のやり方自体に不明点が出てくるものです。
そういった方のために、確定申告の時期には、確定申告の相談を受け付けています。
やり方がわからない場合は、税務署で相談するのが最も確実です。
申告相談の時期や会場について詳しくは、所轄税務署にお問い合わせください。
まとめ
住宅ローン控除のための確定申告は、以下の人に必要です。
- 住宅ローン控除を受ける1年目の人
- 住宅ローン控除を受ける2年目以降の人で年末調整の対象ではない人
最初の確定申告をする時期は、住宅に入居した翌年の2月16日〜3月15日で、住んでいる地域の所轄の税務署で行います。
必要な添付書類や作成書類がありますので、確定申告の前に余裕を持って書類をそろえておきましょう。
住宅ローン控除のための確定申告の注意点はこちらです。
- すまい給付金は別途申請が必要
- 確定申告の仕方がわからない場合は税務署で相談する
必要書類について詳しくは、以下の記事で解説しています。続けてご覧ください。