リフォーム資金に贈与税はかかる?非課税措置や贈与税未払いがばれるケースを徹底解説!
「リフォーム資金の援助を親から受けたいけど、贈与税ってかかるの?」
「夫婦間でも贈与税がかかるって本当?」
「いくらまでなら贈与税がかからない?お得な贈与の制度ってあるの?」
贈与税の税率は他の税に比べて高く設定されています。
そのため、高額な資金援助を受けた際の影響が気になる方も多いのではないでしょうか。
結論、リフォーム資金も贈与税の対象となります。
子どもから親、または夫婦間でリフォーム費用を支援した場合であっても、贈与税がかかってしまいます。
リフォームにおける贈与税には基礎控除と非課税措置が設けられているため、条件によってはお得に節税できます。
そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
- 贈与税の概要と該当する人
- 贈与税の基礎控除と非課税措置について
- 非課税措置が受けられる人と住宅の条件
- 子どもから親、夫婦間での贈与に関する節税方法
- 贈与税の無申告がバレるケース
「せっかくの住宅資金なのに、家族間のやりとりで高額な贈与税がかかるのは勿体ない……」と感じている方は、ぜひこの記事をお役立て下さい。
ファイナンシャルプランナー
茂木 禄人
株式会社Mapフィナンシャル において、独立系アドバイザーとして活動。詳細プロフィールはこちら
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贈与税とは?財産的価値がある物をもらったときにかかる税金
贈与税とは、個人から価値ある財産をもらった場合にかかる税金のことです。
贈与を受けた額が年間110万円を超えると贈与税の申告が必要になるため、贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日の間に、確定申告を行う必要があります。
贈与税は親子間や夫婦間であっても、発生します。
贈与税はお金だけが課税対象になるわけではありません。例えば、金融商品や生命保険の保険金、借金返済なども贈与税がかかります。
贈与税の計算式は、以下の通りです。
▼贈与税の計算式
基礎控除後の課税価格×税率-控除額=贈与税額
例)贈与額400万円の場合
(400万円-基礎控除110万円)×特例税率15%-控除額0円=43.5万円
どれくらいの贈与税がかかるのか知りたい方は、上記の計算式を参考にしましょう。
贈与税は誰にかかる?贈与を受けた人にかかる
贈与税を支払うのは、贈与税が発生する資産を受け取った人です。
例えば、夫が妻に贈与税が発生する資産を贈与した場合、妻が贈与税を納める必要があります。
誰に贈与税が発生するのかを再確認し、勘違いしないようにしましょう。
贈与税がかかるのはいくらから?年間110万円以内なら問題なし
贈与税には10万円の控除枠があり、110万円分を超えた場合に贈与税がかかります。
例えば、リフォーム資金のうち、300万円を親からの資金援助で行う場合、次のように課税対象額を計算できます。
▼課税対象額の計算方法
「300万円−110万円=190万円」
300万円の贈与を受ける際、贈与税の課税対象額は190万円です。
贈与税は生前贈与による相続税対策を防ぐため、他の税に比べ、税率が高めに設定してあります。
そのため、支払う金額には注意が必要です。
しかし、父母や祖父母など直系尊属からの贈与によってリフォームを行う場合、最大1,110万円までの非課税枠を利用できる可能性があります。
次の章で詳しく解説していきます。
特殊な工事であれば贈与税の非課税額は最大1,110万円になる
リフォーム費用にかかる贈与税は、特殊な工事であれば最大1,110万円まで非課税対象となります。
この最大1,1000万円は、基礎控除額110万円と、併用可能な非課税措置額を足した金額です。
ただし、非課税対象となるには、いくつかの条件を満たさなければなりません。
例えば、下記の条件があります。
- 18歳以上(令和4年3月31日以前の贈与については20歳以上)の人が親や祖父母からリフォーム資金、住宅取得資金を援助してもらう場合に限る
- 贈与を受けた翌年3月15日までに入居
- リフォーム後の住宅要件に一定の基準あり(省エネ性能基準など)
- 所得合計が2,000万円以下
住宅購入費用やリフォーム費用を親や祖父母から援助してもらう予定の方、その可能性がある方は、贈与税の非課税対象枠の活用を検討してみて下さい。
下表では、住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税措置をまとめました。
ご自身のケースと照らし合わせ、非課税額を確認してみましょう。
住宅の種類 | 非課税限度額 |
耐震・耐震またはバリアフリー住宅 | 1,000万円 |
その他の住宅 | 500万円 |
参照:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」
※東日本大震災の被災者に適用される非課税限度額については別に定めがあります。
4-1.質の高い住宅は最大非課税額が1,110万円
一定の条件を満たす「省エネ等住宅」の場合、非課税措置が1,000万円まで利用できます。
この1,000万円に基礎控除額が加わり、非課税額は1,110万円となります。
「省エネ等住宅」とは、次のいずれかの基準に適合する住宅のことです。
- 断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
- 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物の住宅
- 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の住宅
「省エネ等住宅」であることを証明するためには、「住宅性能証明書」「建設住宅性能評価書の写し」のいずれかの書類が必要です。
4-2.一般の住宅は非課税額が610万円
質の高い住宅に該当しない一般の住宅である場合、非課税額は500万円までです。
非課税額500万円に、基礎控除110万円が加わり、非課税額は610万円になります。
非課税枠は、次に説明する条件を満たしていれば誰でも利用できます。
条件の数は多いですが、リフォームを検討している人の多くが当てはまるものばかりです。
非課税額が対象となる人や住宅の条件は、「5-1.非課税措置の対象者」「5-2.非課税措置が対象となる住宅の5つの条件」にて、詳しく説明しています。
4-3.小規模リフォームなら贈与金は110万円までがおすすめ
小規模リフォームの場合、援助してもらう金額を110万円以内に収めるようにしましょう。
リフォームにかかる贈与税の非課税枠を利用する場合、床や壁の修繕など、規模の大きな工事が必要になります。
そのため、「自己資金+贈与金110万円まで」を基準に、リフォーム内容や予算を組み立ててることをおすすめします。
省エネ改修や耐震補強工事を行う予定であれば、次に説明する「5-4.非課税枠を超えた分の贈与税は金額ごとに税率が変わる」を参考にしてみましょう。
贈与税の非課税措置を受けるには?申請書類と税率を理解する
ここからは、贈与税の非課税措置に関する基本情報を下記の順序で紹介します。
- 非課税措置の対象者
- 非課税措置が対象となる住宅の5つの条件
- 非課税措置申請手続きに必要な10種の書類
- 非課税枠を超えた分の贈与税は金額ごとに税率が変わる
非課税措置が適用されるには、贈与を受けた翌年2月1日から3月15日の間に、確定申告を行う必要があります。
期間内に確定申告を行わないと、非課税の適用もされないので、注意しましょう。
5-1.非課税措置の対象者
贈与税の非課税措置を受けるために、次の条件を満たす必要があります。
□ | 贈与を受けた年の1月1日において、18歳以上であること。 |
□ | 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること。 |
□ | 贈与を受けた年の翌年3月15日までに工事を行い、同日までに居住すること。または、同日後遅滞なくその家に居住することが確実であることが見込まれること。 |
契約日が2024年の後半になる人は、3つ目の項目に注意が必要です。
手続きが複雑にならないためにも、入居期日までにリフォーム工事が完了するよう、リフォーム会社と相談しておきましょう。
5-2.非課税措置が対象となる住宅の5つの条件
リフォーム資金にかかる贈与税の非課税措置を受けるためには、工事後の住宅で5つの要件を満たす必要があります。
□ | リフォームを行う人が所有し、居住する住宅 |
□ | リフォーム後の住宅の床面積(マンションの場合は専有面積)が50㎡以上(受贈者の合計所得金額が1,000万円以下の場合は40㎡以下)240㎡以下。 |
□ | 家屋の床面積の2分の1以上が居住用。 |
□ | 工事費用が100万円以上(居住用以外の場所がある場合は2分の1以上の費用が居住用に充てられていること)。 |
□ | 次のうちの1つに当てはまること。 ▼増築、改築、建築基準法上の大規模の修繕または大規模の模様替 |
出典:住宅リフォーム推進協議会「リフォームの減税制度」
出典:国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について」
5つ目の条件は、ご自身でどれに当てはまるのか判断するのが大変かもしれません。
事前に専門家へ相談したい方は、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターが掲載している「地方公共団体におけるリフォーム相談窓口」への電話相談をおすすめします。
費用感を詳しく知りたい方は、以下の記事を続けてお読み下さい。
関連:マンションにおけるリフォーム、リノベーションの費用感について解説した記事
5-3.非課税措置申請手続きに必要な10種の書類
贈与税の非課税措置を受ける場合、税務署に提出しなければならない書類が10種類あります。
贈与を受けた翌年2月1日から3月15日の間に、税務署に贈与税の申告を行いましょう。
次の図は、申請手続きに必要な書類を一覧表にまとめたものです。
手続き準備の際、参考にしてみて下さい。
必ず準備する書類 | |
□ | 計算明細書 |
□ | 受贈者の戸籍謄本 |
□ | 贈与年の合計所得金額を明らかにする書類 |
□ | 請負・売買契約書の写し |
新築住宅・中古住宅の購入時のみ | |
□ | 登記事項証明書 |
増改築等の場合のみ | |
□ | 受贈者の戸籍の写し |
□ | 増改築等工事証明書(工事が「増築、改築、建築基準法上の大規模の修繕又は大規模の模様替」の場合は、確認済証の写し又は検査済証の写しでも可) |
□ | リフォーム工事瑕疵担保険付保証明書(工事が「給排水管・雨水の侵入を防止する部分に係る修繕又は模様替の場合のみ」) |
非課税枠の500万円加算を申請する場合のみ | |
□ | 質の高い住宅の基準に適合することを証する書類 |
参照:国税庁「(令和3年分用)資産税(贈与税及び譲渡所得)関係 特例適用チェック表」
5-4.非課税枠を超えた分の贈与税は金額ごとに税率が変わる
贈与税の基礎控除額、非課税措置枠を超えた分にかかる贈与税は、金額ごとに税率が変わります。
下図は、課税価格に対してかかる税率と控除額を一覧表にまとめたものです。
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | – |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
(国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」を元に筆者作成)
基礎控除後の課税価格と贈与税額の計算の具体例は、以下の通りです。
(例) 贈与財産の価額が600万円の場合(「一般税率」を使用)
▼基礎控除後の課税価格
600万円 - 110万円 = 490万円
▼贈与税額の計算
490万円 × 30% - 65万円 = 82万円
住宅の名義人とリフォームの名義人が異なるとどうなる?
住宅の名義人とリフォームの名義人が異なる場合、リフォーム費用に贈与税がかかります。
リフォームをすると、住宅の資産価値が上がりますよね。
その分、住宅の持ち主に対して、費用を負担した人が贈与者とみなされてしまうことが理由です。
贈与税の仕組みは、子どもと親、夫と妻などの家族関係にも適用されます。
贈与税の非課税措置が利用できるのは、直系尊属からの贈与に限られているため、子から親、または夫婦間で資金のやりとりが発生した場合、贈与税の非課税措置が利用できません。
- 親名義の実家を、子どもが費用負担してリフォームしたい
- 夫婦共同名義で購入した自宅を、妻のお金でリフォームしたい
住宅の名義人と、リフォームの名義人が異なるケースは家庭によっていくつかパターンがあるかと思います。
この章の内容を参考に、誰が費用負担するか、どのような方法を取るのが最適か、検討してみて下さい。
6-1.親子間でもリフォーム費用に贈与税がかかる
親名義の住宅をリフォームする際、子どもが費用を負担すると、子から親に対する贈与税がかかります。
なぜなら、住宅の名義人とリフォームの名義人は一致していなければならないからです。
家族であっても異なる人の名義でリフォームを行った場合、建物価値を上げるための贈与とみなされます。
例えば、実家のリフォーム費用1,000万円を子が負担した場合は、以下の贈与税がかかります。
▼基礎控除額を除いた、課税対象額
「1,000万円−110万円=890万円」
基礎控除額を除いた課税対象額が1,000万円以下の場合、贈与税の税率は40%、そこからさらに控除される金額は125万円です。
そのため、贈与税額は次のように計算できます。
▼贈与税額
「890万円×40%-125万円=231万円」
231万円の贈与税が親にかかります。
ただし、親名義の住宅を子どもの費用負担でリフォームする場合に、2つの方法で大きな課税を避けることができます。
ここでは、以下の3つのパターンを紹介します。
- リフォーム前の家の名義を親から子へ変更する場合
- 建物価値が上がった分だけ子どもに持分移転登記する場合
- 「相続時精算課税制度」を使う場合
順番に見ていきましょう。
6-1-1.リフォーム前の家の名義を親から子へ変更する場合
リフォーム前に親から子へ建物を贈与し、子ども名義に変更することで、リフォーム費用にかかる贈与税が防げます。
例えば、建物価格200万円の実家を子どもの資金1,000万円でリフォームする場合、以下の贈与税額がかかります。
▼基礎控除額を除いた、課税対象額
「200万円-110万円=90万円」
基礎控除額を除いた課税対象額が200万円以下の場合、贈与税率は10%です。
そのため、贈与税額は次のように計算できます。
▼贈与税額
「90万円×10%=9万円」
名義変更を行わない場合、親に対して231万円の贈与税がかかるのに対し、親から子へ実家の名義人を変更した場合、子どもにかかる贈与税は9万円です。
どのタイミングで名義変更するかによって、贈与税の費用負担が大幅に軽くなります。
6-1-2.建物価値が上がった分だけ子どもに持分移転登記する場合
建物の価値が上がった分だけ、子どもに持分移転登記することで贈与税の課税を防げます。
贈与税は、その贈与を受けて得をした相手に対し課税されます。
そのため、貰った分の対価を相手に支払えば、贈与税はかかりません。
子どもが支払ったリフォーム費用を、建物で支払う形をとることで、贈与税の課税を防ぐのが持分移転登記です。
持分移転登記の場合、リフォームが完了し、建物価値が上がったタイミングで、共有名義への登記手続きが必要になります。
持分移転登記での注意点は、親または祖父母が亡くなった際に、その持分が相続対象となることです。
他の相続人がいる場合には、事前に相談しておきましょう。
6-1-3.「相続時精算課税制度」を使う場合
リフォーム前の住宅贈与に「相続時精算課税制度」を使うことで、最大2,500万円まで贈与税がかからずに贈与を受けられます。
この制度は、2,500万円まで非課税で生前贈与を受けられる仕組みです。
ただし、贈与者が亡くなった後は生前贈与を受けた財産に対し、贈与当時の時価で相続税が課されます。
いわば、贈与税の支払いを先延ばしにできるような制度になります。
60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫への贈与が対象です。
一度利用すると以後ずっと「相続時精算課税制度」で贈与を受けなければならず、2,500万円を超えた金額には一律20%の贈与税が課されます。
この制度を利用するのは親の財産が家を含め、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」の額を超えない場合でのみしかおすすめできません。
条件に当てはまる場合でも、利用の際には相続専門の税理士などに相談し、慎重に方法を選ぶ必要があります。
相続時精算課税制度についてより詳しく知りたい方は、国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」をご確認下さい。
6-2.夫婦間でもリフォーム費用に贈与税がかかる
夫婦共同名義で購入したマンションをリフォームする際、どちらか一方の名義でリフォームを行うと、贈与税がかかります。
例えば、夫名義で購入したマンションのリフォーム費用を妻が負担する場合にも、同様に贈与税がかかります。
最善の方法はリフォーム費用を110万円に抑えることです。
しかし、リフォームの内容によっては、110万円に抑えることが難しい場合もありますよね。
この場合、いくつかの方法で贈与税がかからない場合があります。
1つずつ順番に見ていきましょう。
6-2-1.工事前にリフォームをする人へ名義変更で贈与税は節税できる
実家のリフォーム費用を出すケースと同様に、リフォームの名義人と一致するように住宅の名義人を変更すれば、贈与税は節税できる可能性があります。
ただし、マンションのリフォームの場合、物件価格が低くない可能性もあります。
その場合は、次に紹介する「6-2-2.共有名義に変更すれば贈与税はかからない」「6-2-3.結婚20年以上の夫婦なら2,000万円の贈与税特別控除あり」の方法がおすすめです。
6-2-2.共有名義に変更すれば贈与税はかからない
リフォーム費用の負担額に応じて建物の持分を移転登記し、夫婦の共有名義に変更することで、贈与税の課税を防げます。
リフォーム費用を支払った人に対し、リフォーム費と同じ価値の建物権利を与えます。
持分を分配することで、両者の間に損得が生じず、贈与税がかからなくなります。
6-2-3.結婚20年以上の夫婦なら2,000万円の贈与税特別控除あり
結婚して20年以上の夫婦で、自分の居住用住宅をリフォームする場合、2,000万円の特別控除を受けられます。
ただし、贈与を受けた翌年の3月15日までに居住し、以後ずっと住み続けることが条件となるため、契約から施工までの期間に注意が必要です。
住宅の価格が2,000万円以下であれば、この制度を利用し、贈与税をかけずに住宅の名義人を変更できます。
適用を受けるためには、税務署へ贈与税の申告が必要です。
詳しくは、国税庁「No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」をご確認下さい。
税務署への無申告はNG!贈与税未払いがばれる3つのケース
贈与税の無申告は、複数のルートで税務署に把握さればれてしまいます。
申告漏れがあると、贈与税の他にペナルティがかかる場合もあります。
ここからは、贈与税の無申告がばれる3つのルートを紹介します。
それぞれ順番に見ていきましょう。
7-1. 住宅購入時の登記
住宅購入と同時にリフォームを行う場合、住宅購入時の登記で贈与税の無申告がばれる可能性が高いです。
不動産登記が行われると、税務署は法務局へ事実確認を行います。
その際、不動産の名義人は誰か、複数人であれば持分はいくらずつなのかを把握します。
ここで、年収不相応の資金が使用されていた場合、贈与税無申告の疑いがかかるのです。
税務署は対象者に「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」の書類を送付し、以下の内容を確認します。
- 年齢、職業、所得
- 資金調達の方法
これらの情報を確認し、資金調達の内容に矛盾があった場合は、詳しく調べられてしまいます。
7-2.住宅ローン控除の手続き
住宅資金の贈与税無申告は、住宅ローン控除の手続きでばれる可能性があります。
住宅ローン控除を利用するためには、ローン1年目に確定申告が必要です。
確定申告時には、不動産登記事項証明書と年末時の住宅ローン借入金残高証明書を税務署に提出する必要があります。
提出後に、住宅購入資金の実態と登記時の持分に差異があった場合、贈与税無申告の疑いがかかります。
7-3.相続時の税務調査
夫婦間の贈与税無申告は、相続の際にばれる可能性があります。
相続税が発生した際の税務調査で、贈与者の過去の預金や所得を調べるからです。
税務調査にて、申告されていない高額の預金引き出しや送金があると、贈与税無申告の疑いがかかり、相続人に連絡がきます。
贈与税の無申告はいずれもペナルティ加算が生じる可能性があります。
贈与税が発生した場合は、必ず確定申告しましょう。
贈与税の申告方法は?書類と期間を把握しよう
贈与税の申告は、贈与を受けた翌年2月1日〜3月15日の間に行う必要があります。
贈与税の確定申告時に必要な書類は、以下の通りです。
- 贈与税を受ける人の所得金額が分かる書類
- 戸籍謄本
- 住民票の写し
- 戸籍附票の写し
- 売買契約書
- 計算明細書
リフォームを実施した場合、増改築工事証明書・リフォーム工事保険付保証証明書も追加で準備しておけば、安心です。
確定申告の方法がよくわからない場合は、税務署や不動産会社に相談するのもおすすめです。
まとめ
この記事では、リフォーム資金にかかる贈与税非課税措置の仕組みや、親子間・夫婦間における贈与税の節税対策などについて説明しました。
贈与税は、納税義務が生じるケースと控除が適用されるケースが、複雑に分かれています。
理解が難しい場合は、税理士などの専門家に相談しながら進めるのが1つの方法でもあります。
この記事で紹介した方法を参考に、ご自身で検討してみた上で、慎重に判断しましょう。
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編集後記
せっかくの住宅資金なのに、税金負担で十分活用できないと悲しいですよね。少し難しく感じますが、後悔のないよう非課税措置や節税策についてしっかりと把握しておきたいです。
また、リフォームに使える贈与税以外の減税があるのかや、補助金についても気になるところ。「【2024年最新】リフォーム減税の対象となる7つの工事&得する利用方法」の記事も併せてご覧になってみてください。
税金は複雑でややこしい反面、正しく理解しておけば大きな節税効果を期待できます。判断が難しい場合には「6.住宅の名義人とリフォームの名義人が異なるとどうなる?」に当てはまるケースがないかを確認してみるのがおすすめです!
贈与税の仕組みや節税対策を理解し、確定申告を適切に行うことは重要です。資金計画を事前に立てることで、贈与税の負担を最小限に抑え、財産管理を円滑に進めることができます。