戸建てリノベーションの費用は?施工内容別の相場やプロが教える成功のコツを紹介

戸建てリノベーションを検討する際、もっとも気になるのは「どれくらい費用がかかるのか」ということでしょう。
実際のところ、リフォームやリノベーションの内容によって費用は変わってきます。
この記事では、2025年最新の費用相場や費用を抑えるコツをわかりやすく解説。費用別のリノベーション事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

一級建築士
西村 一宏
ゼロリノベの取締役。一級建築士としての豊富な現場経験と元大学講師としての深い専門知識をもとに、設計施工の責任者を務める。リノベーション・オブ・ザ・イヤーなど建築関連アワードの受賞数は20以上。業界の既成観念に囚われない最適なアプローチで施主のニーズに応えている。
リノベ費用の決定版!リノベにかかるお金について総まとめした記事はこちらから
戸建てリノベーションの費用相場
下表は、複数の専門機関データ*を統合した、リノベーション費用の参考値です。実際の費用は、建物の状態・工事内容・地域などにより、大幅に変動するため、あくまで目安として参考にしてください。
リノベーション種類 | 60㎡目安 | 80㎡目安 | 100㎡目安 |
---|---|---|---|
表層リノベーション | 400~900万円 | 500~1,100万円 | 600~1,300万円 |
フルリノベーション | 700~1,800万円 | 900~2,200万円 | 1,000~3,000万円 |
スケルトンリノベーション | 1,200~2,500万円 | 1,500~3,000万円 | 1,800~3,500万円 |
※参考:一般社団法人リノベーション協議会、および全建連(全国建設業協会)の公開データを活用
【表層リノベーション】
壁紙や床材など、「建物内側の表面的な部分」だけを新しくする方法。構造部分や外壁、配管には手を加えないため、費用を抑えつつ室内の雰囲気を一新できます。短期間で工事が終わるのも特徴です。
【フルリノベーション】
外壁や屋根など建物の外側も含め、内装や設備を一新するリノベーション。骨組みなどの構造部分はそのまま活かしつつ、間取り変更や設備の刷新も可能。住まい全体を快適に生まれ変わらせたい人向き。
【スケルトンリノベーション】
建物の骨組みだけを残し、内外装や配管・設備まで全て新しくする大規模な工事。間取り変更や耐震補強、断熱性能の向上なども実現できるため、築古物件を「新築同様」にしたい場合に選ばれます。
【範囲別】リノベーション費用相場
ここでは、代表的な範囲ごとの費用目安をまとめました。全体のリノベーション予算を立てる際や、優先順位を決めるときの参考にしてください。
範囲 | 費用相場(目安) | 備考・補足(例) |
---|---|---|
キッチン | 80~250万円 | 標準~ハイグレード、レイアウト変更なし |
バスルーム | 60~180万円 | ユニットバス標準~高機能、在来工法はさらに高額 |
トイレ | 25~80万円 | 標準~ハイグレード、タンクレスタイプ含む |
洗面所 | 15~100万円 | 既製品~オーダー、収納付きなど幅広い |
フローリング | 30~100万円(60㎡) | 複合フローリング~無垢材、面積・グレードによる |
壁紙・クロス | 30~80万円(60㎡) | 一般的なクロス~自然素材、面積による |
外壁塗装 | 80~150万円(約100㎡) | 戸建ての外壁材張替えは、さらに高額 |
屋根工事 | 50~100万円(約100㎡) | 塗装のみ、葺き替えはさらに高額 |
電気配線全面更新 | 60~120万円(約100㎡) | 分電盤交換含む、追加工事で増加 |
給排水管全面更新 | 80~150万円(約100㎡) | 配管の状態・規模による |
※上記は標準的な戸建て(60㎡~100㎡程度)を想定した目安です。実際の費用は建物の状態や工事内容、地域によって大きく変動します。
このように、リノベーション費用は部位ごとに幅があります。全体の予算を立てる際は、優先したい箇所や必要な工事範囲をしっかりと見極めて計画を進めましょう。
戸建てリノベーション費用を左右する8つのポイント

戸建てリノベーションの費用は、以下の要素によって大きく変わります。
規模(坪数・平米数)
リノベーションする面積が広いほど、材料費や工事費も増えます。たとえば、60㎡と100㎡では、同じ工事内容でも費用に数百万円単位の差が生じることもあります。
構造(木造・鉄骨・RC造)
木造は間取り変更の自由度が高く、比較的費用を抑えやすいですが、鉄骨造やRC造は構造補強や解体費が高くなりやすい傾向があります。
築年数
築20年以上の物件では、耐震補強や配管の全面交換が必要になる場合が多く、工事費が大きく上乗せされます。築30年以上は、とくに外壁や基礎の補修も必要になることが多いです。
間取り変更の有無
水回り(キッチン・浴室・トイレなど)の位置を大きく変えると、配管工事や床・壁の解体・再施工が必要となり、費用が大幅に増加します。
設備や建材のグレード
キッチンや浴室、フローリングなど、設備や建材のグレードを上げると、1箇所ごとに数十万円〜百万円単位で費用が変わることも。こだわりが強いほど総額も高くなります。
特注・造作(オーダーメイド)
造作家具やオーダーメイドの設備は、既製品に比べて設計料や職人の工賃、材料費が加算されるため、コストが高くなる傾向があります。
一方で、既製品では対応できないサイズや形状の空間にピッタリ合わせることで、無駄なスペースを減らし、結果的にコストパフォーマンスが高くなることもあります。
造作家具に興味のある方は、下記記事をチェックしてみてください。
外装・庭工事の有無
屋根や外装の塗装・張替え、外構(エクステリア)工事を追加すると、数十万円から数百万円の追加費用が発生します。とくに外壁や屋根の全面改修は高額になりやすいです。
地域による人件費や資材価格の差
都市部と地方では、人件費や資材費が大きく異なります。首都圏や大都市圏は、同じ工事内容でも地方より高額になる傾向があります。
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築35年でも大丈夫?中古物件の見極めかた
- 中古って本当に大丈夫?
- 資産性がないんじゃない?
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そんな不安を抱える方にぴったり!安心して住める中古物件の見極め方を伝授します。
戸建てリノベーションの3つのメリットとは?
戸建てリノベーションには、費用面や自由度、資産価値などさまざまなメリットがあります。主な3点を紹介します。
新築・買い替えよりも費用を抑えられる
中古戸建てをリノベーションすることで、新築より2〜3割安く理想の住まいを実現できるケースが多いです。
建築費用を抑えられる分、設備や内装に予算を回すことも可能になります。
希望条件やデザインの自由度が高い
間取りや設備、デザインを自分好みにカスタマイズ可能。マンションに比べて、構造上の問題や管理規約などによる制約が少なく、ライフスタイルにあわせた住まいづくりができます。
希望エリアや物件の選択肢が広がる
資産価値の下落リスクを抑えやすいのが特徴です。また、新築では難しい人気エリアでも、中古物件+リノベーションなら選択肢が増えます。
デメリットに関しては、下記の記事をご覧ください。
戸建てリノベーション費用に関する注意点
リノベーションには本体工事費以外にも、見落としがちな費用やリスクがあります。ここでは、とくに注意しておきたいポイントを、理由や対策も含めて解説します。
中古戸建て購入には諸費用がかかる
物件価格以外に、手付金や仲介手数料、登記費用、引越し費用などが必要です。目安として「売買代金の10%程度」を見込んでおきましょう。
さらに、不動産取得税や登録免許税、司法書士費用なども発生する場合があります。資金計画に余裕を持つのがポイントです。
諸費用に関する詳しい内容は、下記記事を参考にしてください。
仮住まい費用が発生する場合がある
フルリノベやスケルトンリノベの場合、住みながらのリノベーションができないケースがほとんどです。その場合、工事中は仮住まいが必要になり、家賃や引越し費用が追加でかかることがあります。
家具などはトランクルームで保管し、ウィークリーマンションやマンスリーマンションに仮住まいするのが一般的。
そのため、仮住まいの選定や契約、工事スケジュールとの調整も考慮し、事前にしっかり計画を立てましょう。
住宅ローンと賃料の二重払いのリスク
仮住まい中は、住宅ローンと家賃の二重払いになるケースも。資金計画に余裕を持ち、無理のない返済プランを組むことが大切です。
リノベーション期間をできるだけ短縮するためには、効率的な打ち合わせやスケジュール管理も重要。
なお、工事期間中の住宅ローンは、金融機関との交渉次第で丸々返済するのではなく、金利分のみにしてもらえる可能性があるため、まずは相談してみましょう。
希望通りのリノベーションができないリスクもある
築年数や構造によっては、希望する間取り変更や設備導入が難しい場合もあります。
事前の現地調査や専門家の意見を必ず仰ぎ、現実的なプランを立てましょう。
申請費用や追加工事の発生リスク
リノベーション内容によっては、建築確認申請や行政への届け出が必要になり、書類作成や申請費用がかかる場合があります。増築や大規模な間取り変更をする場合は、とくに注意が必要です。
また、築古物件は基礎や構造の劣化が進んでいる場合が多く、追加費用がかかるリスクが高いため注意が必要です。
プロが教える!戸建てリノベーション4つのポイント

戸建てリノベーションを成功させるためには、プロの視点から押さえておきたいポイントがあります。それぞれの理由や具体的なアドバイスも含めて解説します。
1.補助金・減税制度を活用する
リノベーション向けの補助金や減税制度を利用すれば、費用負担を大きく軽減できます。
たとえば、耐震・省エネ・バリアフリーなどの特定工事は「リフォーム促進税制」や「住宅ローン減税」の対象になります。条件や適用期間をしっかり確認しましょう。
自治体独自の助成金も多く存在するため、最新情報をチェックすることが重要です。
2.信頼できる業者を選ぶ
戸建てリノベーションはマンションよりも個別性が高く、経験豊富な業者選びが成功のカギです。
実績や口コミ、現地調査の丁寧さ、アフターサービスの充実度などを確認しましょう。
複数社から見積もりを取得し、提案内容やコスト感、対応の質を比較。技術力や提案力、得意分野、有資格者の有無なども大切なチェックポイントです。
詳しいリノベーション会社の選び方は、下記の記事が参考になります。
3.DIYや既存設備活用でコストダウン
【DIYの活用】
壁紙張り替えや床材の一部など、自分でできる範囲はDIYで対応するとコストを抑えられます。
【既存設備の活用】
使える設備や建材は再利用し、無駄なコストを抑えましょう。ただし、再利用の可否や耐久性は必ず専門家に相談してください。
【材料・設備のグレードを見直す】
キッチンや浴室、床材などのグレードを標準品や普及品にすることで、大幅なコストダウンが可能です。こだわりたい部分とコストを抑えたい部分の優先順位をつけて、リノベーション会社と相談しながら選びましょう。
セルフリノベに興味のある方は、下記記事をチェックしてみてください。
4.インスペクション(建物状況調査)を実施する
購入前や工事前にインスペクションをおこなうことで、隠れた劣化や構造上の問題を把握できます。
専門家による第三者目線での調査は、追加費用やトラブル防止に不可欠。インスペクションの結果をもとに、本当に必要な工事範囲や優先順位を明確にしましょう。
なお、ゼロリノベでは一戸建てリノベーションの場合、ホームインスペクションの実施を要件として定めています。
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築35年でも大丈夫?中古物件の見極めかた
- 中古って本当に大丈夫?
- 資産性がないんじゃない?
- いつまで住めるの?
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- リノベーションでどこまで綺麗になる?
そんな不安を抱える方にぴったり!安心して住める中古物件の見極め方を伝授します。
【弊社事例】ゼロリノベの戸建てリノベーション3選
ここからは、ゼロリノベで戸建てリノベーションした事例を3つご紹介します。
リノベーションで何を重視したり、どうやってコストダウンしたかなど、参考にしてみてください!
事例1:筋交いと梁が個性になった家
広々としたリビングダイニングを実現するために、2部屋をつなげ一体感のある間取りに変更。
木造の一戸建ては、設計上どうしても取り払えない柱や梁が残ることも。しかし、それがかえって部屋のアクセントに!
必要最低限の機能を重視したキッチンなど、シンプルさがこだわりの北欧インテリアを際立てます。
物件情報
広さ | 117.14m² |
---|---|
費用 | 2,052万円(税別) |
築年月 | 1971年12月 |
居住人数 | 2人 |

事例2:おうちのなかに「ライブラリー」空間を!
リビングの一角に設けられた、ライブラリーが目を引くおうち。1階はキッチンを中心に回遊導線を設置し、どこからでもアクセスできるように。
2階の間取りは大きく変更せず、内装の質を上げることを重視。
「何にコストをかけるか」優先順位を考えてリノベーションした事例です。
物件情報
広さ | 88.6m² |
---|---|
費用 | 1,516万円(税別) |
築年月 | 2004年09月 |
居住人数 | 3人 |

事例3:白く美しい家
「LDK+和室」のよくある間取りを、トイレ前の目隠し壁だけを設けたオープンスペースに。
暗かった階段は壁を撤去し、黒のアイアン手すりを設置。空間を引き締めると同時に、リビングとの一体感を演出します。
2階は、クロスや床材など表層的なリフォームに留めることで、コストバランスを取りました。
物件情報
広さ | 88.81m² |
---|---|
費用 | 816万円(税別) |
築年月 | 2010年05月 |
居住人数 | 4人 |

まとめ
戸建てリノベーションを成功に導くには、「現状の建物状態の把握」「どこにコストをかけるべきか優先順位を明確にする」「補助金や減税制度を積極的に活用する」、そして「専門家のアドバイスを受ける」ことが大切です。
ゼロリノベでは、ファイナンシャルプランナーによる予算立て、プロによるリノベーションに適した物件選びからお手伝いできます。
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