床をDIYリノベーションする手順!材料・費用・注意点など簡単解説
内装の中でも目に入る面積が広く、インテリアの印象が大きく変わるのが「床」です。常に肌に触れる素材でもあるため、家づくりの際には特にフローリングにこだわりたいという方も多いのではないでしょうか。
DIYの人気も高まっている現在、自分で張り替えにチャレンジしたいと思っていらっしゃる方もいるでしょう。
- リビング、浴室、キッチンの床を張り替えたい
- 少しでも費用を抑えたい、またはDIYが好きだからチャレンジしたい
- 賃貸だけど床張り替えはできるのかどうか知りたい
という方のために、DIYを中心に床リノベーションのポイントを解説していきます。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
DIYリノベーションで出来ること・出来ないこと
DIYとは、「Do It Yourself」の頭文字を取った略で、「自分でやる」という意味です。セルフリノベーションや、日曜大工もこれに含まれます。
- 壁紙を張り替えて印象を変えたい
- 壁や家具を好きな色に塗装したい
- タイルを使って家具や空間をおしゃれに彩りたい
- 床の高さを少し上げたい
などのリノベーションは、DIYの範囲で実現することも可能です。
一方で、DIYでは難しいものは以下のようなもの。
- 壁を壊して間取りを変えたい
- コンセントや照明器具の位置を変えるなど、電気工事をしたい
- キッチンや洗面台の位置を変更したい
専門の資格や経験、大掛かりな工事必要な内容はプロの力を借りましょう。
リビングの床をDIYリノベーション
2-1.床のDIYリノベーションに必要なもの
床をDIYでリノベーションしたい時は、以下のような材料や道具を揃えましょう。
- 好みのフローリング材
- フローリング用の釘
- 木工用ボンド(工作用ではなく建築材料用がおすすめ)
- ノコギリ(丸ノコなどの電動工具が便利)
- スケール(メジャー)
- ハンマー
- 巾木(床と壁の角部につける材。床もしくは壁と同じ色がおすすめ)
どれもホームセンターやインターネット通販で手に入れることが可能です。
DIY用のコーナーが設けられているショップなら、数ある製品の中からおすすめのものを選びやすいでしょう。
2-2.DIYリノベーションで使う床材の種類
ひと口に「床」と言っても、たくさんの種類があります。
フローリング…無垢材や合板の建材などの木質製品で、床材の代表例です。無垢材の場合は独特の木の質感や肌触りが良いのが魅力ですが、天然素材なのでメンテナンスは必須です。木材の種類によって価格に幅があります
クッションフロア…シート状になっているビニール素材の床材。耐傷性に優れ、汚れがついても拭き掃除でキレイにできるため主に水回りなどで使用されます。価格も比較的安価です。
フロアタイル…クッションフロアと似たビニール素材の床材ですが、タイルやフローリングのようにパネルタイプになっています。木目や石目などの質感がリアルに再現されているのが特徴。クッションフロアよりも硬く丈夫で高級感があります。
カーペット…床材用の絨毯素材で、ロール状のものとタイル状(タイルカーペット)のものがあります。布素材の温かさがあり、柔らかいので足触りが良いのが特徴です。
それぞれの素材の中にもグレードがあり、グレードの高さに比例して価格も高くなります。
一般的には「フローリング>カーペット>フロアタイル>クッションフロア」の順に安価となっていきます。
2-3.賃貸リノベーションのおすすめ床材
賃貸マンションの場合は、退去時に現状復帰をしないといけないため、元の建物に影響するような大掛かりなことはできません。賃貸でDIYをするなら、比較的作業も簡単で、退去時も剥がすのにそれほど手間のかからない重ね張りができるものがおすすめです。
釘やボンドを使用せずに、置いてはめ込んでいくだけの「イージーロックフローリング」という商品や、「ユカハリタイル」という四角いパネルタイプのものもあります。好みに合わせてセレクトしてみましょう。
2-4.床のDIYリノベーション方法・注意点
床のDIYを行う際には、元の床材を剥がしてから新しい床材を張る「張り替え」と、元の床材の上に新しい床材を張る「重ね張り」の2通りの方法があります。
張り替え工法
張り替えは、傷んだ箇所を確認しながら、床の高さを変えることなく新しくできるメリットがあります。しかし床を一度解体する必要があるため、大掛かりで難易度が高くなる傾向です。
重ね張り工法
重ね張りの際は床材を上から張るので強度が増し、張り替えに比べると難易度も低めです。しかしフローリングの厚み分が加わるため、床が高くなってしまう、場所によっては段差ができてしまう場合もあります。
実際の張り替えの手順は
- 古い床材を剥がす
- 新しい床材を張る
- 巾木の部材を取り付けて仕上げる
というステップを踏みます。無垢材のような素地のフローリングの場合は、素材を保護するためこの後さらに塗装をして仕上げます。
浴室・キッチンの床をDIYリノベーション
3-1.水回りに適した床材
浴室やキッチンなど、水回りの床をDIYしたい時には素材選びが重要です。メリット・デメリットを踏まえてセレクトしましょう。
- 樹脂床材…耐水性に優れ、丈夫なのが魅力ですが、汚れやすい側面も。施工が簡単なシールタイプがあります
- タイル床材…樹脂性よりも費用は高くなりますが、しっかりとして高級感のある雰囲気を演出でき、掃除がしやすい素材です。本格的なタイル施工は難易度が高いため、DIYの場合はキットタイプを使うのがおすすめです。
浴室の床材は、同じ水回りであるキッチンにも使えます。
3-2.床材の種類による費用
グレードが高くなるほど工事費用も比例して高くなりますが、樹脂床材で一般的なサイズの浴室だと2万円前後ほど、タイル床材(シートタイプ)は1万5千円程度が目安となります。
3-2.浴室の床をDIYリフォームする際の注意点
浴室のような常に水がかりがあるような場所では、しっかりと下地処理をして凹凸をなくすのが大切です。下地処理が甘いと仕上がりの美しさが損なわれてしまいます。
また隙間を埋めるコーキング処理も行い、元の床材と新しい床材の間に水が入り込むことのないように注意しましょう。
DIYのメリットとデメリット
床のDIYのメリットは、プロの施工業者に依頼をすると高額になってしまう工事でも、コストを抑えて仕上げられる点にあります。費用をかけずに模様替えやリフレッシュをできたらうれしいものです。
デメリットは、特に張り替えの施工は慣れていない素人にはやや難易度が高いという点です。範囲が広ければ余計に作業負担は重くなります。開口部や端は特に処理が難しいので、仕上がりの「素人感」には目をつむらなければならないでしょう。
元の床を剥がすため、一度施工を始めてしまったら、「やっぱりうまくできなさそうだ」と思っても、途中で放置するわけにもいきません。
また、剥がしてみたら下地が傷んでいたり、シロアリの被害にあっているなど素人ではどうしようもできない欠陥が見つかることもあります。
こうしたデメリットが心配な場合は、やはりプロに任せた方が安心です。
まとめ
比較的お手頃な費用で模様替えや印象を変えることができる床のDIY。選ぶ素材やキットによっては、高度な技術がなくても施工できるのが魅力です。床の雰囲気が変わると、お部屋の印象もぐんと見違えるので暮らしがより楽しくなり、心地良く感じられます。
しかし、時にはDIYの範囲でできない部分も出てくるため、その際はプロに任せることも考慮しておきましょう。注意点やデメリットも踏まえながら、DIYでできる床の張り替えにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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