マンションの間取りの選び方3選!7つのアイデアや3つの事例を徹底解説
「マンションをリノベーションする際の選び方や事例が知りたい」「リノベーションする際に気をつけるべき注意点は?」
マンションのリノベーションを検討している方の中にはこのような疑問をお持ちの方も多くいます。
マンションは似たような間取りが多く、戸建住宅と違って自由度の少ない「家に合わせた暮らし」をするイメージが多いかもしれません。
しかし、リノベーションをすることで、ワクワクするユニークな間取りや、充実した収納などさまざまなアイデアを取り入れることができます。
本記事では、マンションの間取りの選び方やリノベーション事例を紹介します。また、ライフスタイル別にマンションをリノベーションする際の注意点も解説するためぜひ参考にしてください。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
間取り図の記号一覧
物件を選ぶ際、間取りを見ると普段見慣れない表記や記号に戸惑うこともあります。
マンションの間取り図では略称が使われることがあり、部屋などはアルファベット表記で示されています。アルファベット表記の意味は以下の通りです。
- L:リビングルーム
- D:ダイニングルーム
- K:キッチン
- CL:クローゼット
- WCL:ウォークインクローゼット(歩いて入れるくらいの広さ)
- N:納戸
- DEN:デン (書斎)
- S:サービスルーム
- UT:ユーティリティ(洗面脱衣所など)
- UB:ユニットバス
マンションの間取りは、LDKがそれぞれ独立していない場合や、「納戸」や「サービスルーム」「書斎」の用途が曖昧な場合もあります。
建築基準法では、寝室や洋室など居住する部屋に最低限採光を確保できる窓を設けなければいけないため、部屋の広さは十分にあっても窓がなかったり、その他の基準を満たさないものは書斎や収納として設定されている場合が多くあります。
人気のマンション間取り3パターン
マンションの間取りは似たようにつくられていることがほとんどです。その中でも特によく見る間取りを3パターン紹介します。
- 田の字型
- センターイン型
- ワイドスパン型
それぞれの間取りの特徴を確認していきます。
2-1.田の字型
田の字型とは漢字の「田」のような間取りで、廊下と水回りで「十」の配置となり、4隅に部屋があるような間取りです。
部屋の独立性を保ちやすいため、家族それぞれにプライベートゾーンを与えやすい間取りとなります。
2-2.センターイン型
センターイン型とは、玄関が中央にあり左右に居室とLDKが分かれている間取りのことです。
プライベートゾーンとコミュニケーションを取れるLDKをそれぞれ確保しやすいため、ゲストが多い家族におすすめの間取りです。
2-3.ワイドスパン型
ワイドスパン型とは、各居室がバルコニーや窓に面し、どこの部屋も日当たりの良いのがワイドスパン型の間取りです。
共用廊下が屋内にあるような、タワーマンションなどに多くみられます。
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マンションの間取りの選び方3選
初めてのリノベーションは、何をどのように行えばよいのかわからない方がほとんどです。マンションの間取りをリノベーションする際の間取りの選び方を3つ紹介します。
- 自分のライフスタイルに合わせる
- 自分の理想の生活を思い浮かべる
- ライフステージに合わせる
以下でそれぞれの詳細を確認していきます。
3-1. 自分のライフスタイルに合わせる
マンションの間取りを選ぶ際は現在の自分のライフスタイルに合わせて動線を考えていくパターンが一般的です。現在生活を送る中で不便に感じることを洗い出して間取りをつくることで快適な生活空間を作れるでしょう。
例えば、在宅の仕事をしている場合は大きなリビングに加えて仕事用の部屋があることで利便性や作業効率が高まります。現在のライフスタイルからプランを選びことでよりよい間取りへのリノベーションが可能となります。
3-2. 自分の理想の生活を思い浮かべる
ライフスタイルに合わせたリノベーションも大切ですが、自身の理想の生活を思い浮かべて間取りを検討することも重要です。例えば、家族とのコミュニケーションを大切にした生活を送りたい場合はキッチンとダイニングが遮られていない作りの間取りを選ぶべきです。
その他にも、水回りやベランダのこだわりなど人それぞれ理想があることでしょう。家はリノベーション後に長期にわたって住むこととなります。自分の理想の空間でストレスなく生活を送るためにも理想の生活が叶う間取りを選んでください。
3-3. ライフステージに合わせる
将来的に結婚を検討しており、家族が増えることが予想される場合はライフステージに合わせて間取りを変えられるよう、余白を残すこともおすすめです。子どもが小さなうちは、広々としたダイニングがあれば問題なく生活が送れますが、子どもの成長にともない独立した部屋が必要となる場合があります。
「将来子供は何人欲しいのか?」「子供部屋を用意することを考えているか?」など将来的なライフステージに合わせて間取りを選ぶことも重要なポイントとなります。
【状況別】マンションの間取りに求められるものとは?
それぞれのライフスタイルによっても求められる間取りが異なります。ここでは、状況別に求められる条件として以下の4つを紹介します。
- 共働き家庭
- 子育て家庭
- 中高生の子どもがいる家庭
- 子供どもが独立した家庭
自身のライフスタイルに適した間取りにリノベーションできるように参考にしてください。
4-1. 共働き家庭
共働きの家庭の場合は、夫婦それぞれが仕事時間や休日が異なる場合があります。夫婦間の生活リズムが異なる場合は、寝室を別々にするなど、個々に部屋を用意できる間取りを検討することでそれぞれの生活リズムに適した日々が送れるでしょう。
また、食事時間などにゆったりとした空間で食事を食べたり、テレビを見たりできるように少し広めのリビングがあると2人の時間も大切にできます。共働き家庭の場合はそれぞれの生活リズムを考慮することで快適な空間で生活ができます。
4-2. 子育て家庭
子育てをしている家庭は常に子どもに目が届くような間取りにすることがポイントです。キッチンとリビングが繋がっており、常に子どもがいる場所に対面していると安心です。
また、リビングはベビーベッドを置けるように広々とした空間に設計すると窮屈さを感じることなく快適な生活が可能となります。
4-3. 中高生の子どもがいる家庭
中高生の子供がいる家庭は子どものプライバシーに配慮して、それぞれに独立した部屋を与える家庭が多くなります。そのため、個室を多めにした間取りにすることがポイントです。
ただし、子どもがずっと部屋に籠ってばかりであると何をしているかわからずに心配になる場合もあるでしょう。そのため、子ども部屋にいくためには必ずリビングを通らないといけない作りに設計することで、毎日子どもの顔を見て意思疎通が可能となります。
4-4. 子どもが独立した家庭
子どもが独立した後は、個室にこだわらずに広々としたリビングや寝室がある間取りにすることが理想です。老後を考えて寝室とトイレが近いと生活のしやすさにつながるでしょう。
広々としたリビングがあると独立した子どもが実家に遊びに来た際も家族全員でコミュニケーションを楽しむ時間をとれます。
マンションの間取り情報を集める4つの方法
マンションをリノベーションをする際は、さまざまな情報を参考にして計画することが大切です。間取り情報を集める主な方法を4つ紹介します。
- 新聞・チラシ
- 本・雑誌
- インターネット
- モデルルーム
それぞれの方法の詳細を確認していきましょう。
5-1. 新聞・チラシ
新聞・チラシを見ることで、マンションの間取り情報を確認することができます。
新聞の折込みやポスティングされるチラシ広告に注目してマンションの間取りにはどのようなものがあるのか確認し参考にしましょう。
5-2. 本・雑誌
本や雑誌にもマンションの間取りに関する情報が掲載されています。
住宅情報の月刊誌やマンション関係の書籍には間取りに関する詳しい詳細が記載されているため参考になるでしょう。
5-3. インターネット
インターネットを活用することでより詳しいマンションの間取りの情報を手に入れられます。
一人暮らしや小さな子どもがいる場合など条件別のおすすめの間取りも簡単に調べることができるため参考にしましょう。
5-4. モデルルーム
間取りの具体的なイメージを使いたい場合は、モデルルームに行くこともおすすめです。実際に足を運び自身の目で部屋の間取りを確認することでリノベーションをするか総合的な判断が可能となります。
また、モデルルームには専門知識を持ったスタッフもいるため気になることがあれば気軽に質問してみましょう。
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マンション間取りのアイデア7選
画一的で無難な間取りが多いマンションも、リノベーションをすると住み心地が良くなるアイデアを実現できます。以下ではマンション間取りのアイデアを7つ紹介します。
- 子ども部屋(秘密基地)
- お掃除ロボット空間
- ロフト-1
- ロフト-2(子ども部屋)
- 壁付けキッチン
- 土間玄関
- 寝室
素敵なアイデアを参考に、自分だけの家のイメージを膨らませてみてください。
6-1.子ども部屋(秘密基地)
家族のコミュニケーションを考えた場合は、リビングに子ども部屋を確保するのがおすすめです。
広い子ども部屋はこもってしまうようになるので、プライベートを保てる最小限とし、リビングをその分広くすると開放感も得られます。
6-2.お掃除ロボット空間
共働きのご家庭や、小さな子どもがいる家ではとにかく家事の負担が減るのは嬉しいこと。
フラットで遮るものがなければ、お仕事から帰宅する間にお掃除ロボットが全て掃除を終わらせてくれます。
6-3.ロフト-1
各部屋の面積を充分に取りにくい場合は、ロフトを取り入れて見てはいかがでしょうか。
空間を有効的に利用できます。
6-4.ロフト-2(子ども部屋)
広めのロフトは子ども部屋としても使うことができます。
秘密基地のようなワクワクする空間はお子様も喜ぶはずです。
6-5.壁付けキッチン
最近は対面キッチンが主流となっていますが、壁付キッチンの利便性も見直されています。ひと昔まえのようにキッチンだけが部屋として分けるのではなく、リビングと一体化した空間であれば壁付けでも孤立することもありません。
また、通路が必要ないためLDを広く確保でき、動線もスムーズ。家具のようなおしゃれなキッチンにすればインテリア性も抜群です。
6-6.土間玄関
マンションの玄関はコンパクトですが、リノベーションすれば広々とした土間を実現できます。
自転車やベビーカーが置けたり、部活道具やアウトドア用品など外で使う汚れやすいものも気にせず収納できます。
6-7.寝室
家族が集うLDKを広々と居心地の良い空間にするため、寝室を最小限に確保した例がこちら。
解放的でカフェのようなおしゃれなLDKを見ると、もとの間取りよりも寝室を小さくしたメリットが充分伝わります。
マンションの間取り変更の工事費用
間取りを変更するにあたって、気になるのは予算や費用面ですよね。「大きくリノベーションするほど高額になるのでは…」と心配になる方も多いことでしょう。
部分的なリフォームとリノベーションにかかる工事費用の相場を紹介します。
7-1.部分的なリフォームの場合
改装部分が一部のみ、たとえば2部屋の間仕切りを撤去して一部屋にする場合、16畳程度で55-70万円、和室を洋室にする場合は40-60万円ほどと言われています。
ただし、素材にこだわった場合はさらにプラスになる場合があります。
7-2.リノベーション
部分的な改修は、既存部分を傷つけない繊細な作業や、その部分がとってつけたような印象にならないよう、規模が小さくても作業自体が簡単にはなりません。
トータルすると、一度全体を解体してゼロから仕上げるスケルトンリノベーションのほうが割安になることもあります。
なかなか予測がつきにくいリノベーション費用ですが、㎡あたりの単価を出している会社ならおおまかな計算ができ安心感にもつながります。
リノベーションにかかる費用を詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
リノベで叶えた!マンションの間取り変更の事例
リノベーションでマンションの間取りを変更した事例を3つ紹介します。
マンションの部屋の大きさ(1LDK、2LDK、3LDK)ごとの事例を紹介するので、自分の生活環境にあったリノベーションをする際の参考にしてください。
8-1. 1LDKのマンション:を2人暮らしのくつろぎ空間に
こちらは共働き夫婦のための家。1LDKの間取りを大胆にチェンジしました。バスタイムをゆったりと楽しむため、外の景色を見られるようにしたバスルームが印象的です。
リビングは広い壁面を活かしシアタールームにもなります。
8-2. 2LDKのマンション:を3人暮らしの光と風が循環する空間に
マンション特有の間仕切りが多い空間から、「回遊性」のある間取りへと変更しました。
光と風を導き循環する、快適で広々とした間取りが実現されています。家族の気配も近くに感じられます。
8-3. 3LDKのマンション:を4人暮らしの遊び心がある家に
「ワンパクで遊び心が詰まった家に」という思いが実現したこちらの住まいは、家の中心にあるボルダリングウォールがインパクト抜群。育ち盛りのお子さんが家の中でものびのびと遊ぶことができ、インテリア性も抜群です。
トイレもくつろぎの空間として、壁面いっぱいに本棚を造作しました。
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まとめ
マンションの間取りの選び方やリノベーション事例を紹介しました。
様々な要素を想定しながら間取りを決めても、将来は予測し難いものです。
家族の成長やライフスタイルの変化とともに、家の好みや使い方は変化していくとも考えてリノベーションを計画することが大切です。
マンションのリノベーションを検討している方は、本記事で紹介したアイデアや事例を参考にリノベーションを計画してみましょう。
なお、ゼロリノベではマンションの間取りのリノベーション実績が豊富にあり、物件の選定から間取りプランのご相談、施工までワンストップでのサポートが可能です。
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