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憧れのヘリンボーン床を実現するために知っておきたい5つのこと

ヘリンボーン事例01
この記事の監修者

一級建築士
西村 一宏

東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。

インテリア好きなら誰もが憧れを抱くヘリンボーン床。リノベーションをきっかけに、長年の夢を実現する人も多いもの。デザイン性に富み、重厚かつインテリアの可能性に富むヘリンボーン床の人気の理由と採用するために知っておきたい相場やポイントをご紹介します。

目次

ヘリンボーン床が人気の理由

今日はピンポイントで知りたいことがあってきました。

今日はお一人ですね。どのようなご質問ですか?

床材についてです。リノベーションするにあたって、インテリア全般は私が主にアイデアや希望を出しています。

そうでしたね。奥さまは間取りや機能的な部分、デザイン全般はT男さんがリードすると役割分担ができているとのこと、すばらしいですね。

一人暮らしをしていた頃からインテリア雑誌を見たり、家具店回りをするのも好きだったので。それで、実はずっと憧れていたインテリアを今回のリノベーションで実現したいんです。

それが床材。

はい、とにかく床はヘリンボーン張りがいいとずっと思い描いてきたんです。

ヘリンボーン床はとても人気が高いですね。リビングをヘリンボーン床にしたいとご希望される方、これまでもたくさんいらっしゃいましたよ。T男さんにとってどのようなところがヘリンボーンの魅力ですか?

ダイナミックで芸術的

なんといってもあのダイナミックさですよね。私がこれまで少しずつ買い足してきた家具は、ヘリンボーンに似合うイメージのものばかり。家具店やホテルとかでも採用されているので結構イメージは固まっているんです。事例写真も結構みてきました。

山型と谷型を組み合わせて張るあの独特の模様は、芸術的でもありますね。

使う素材、種類によっても雰囲気が変わりますよね。私はダーク系が好みです。

色との相性を楽しむ

床が個性的に仕上がりますので、色との相性も楽しめます。

たしかに、ビビッドな色をアクセントウォールにしても、負けないというのもヘリンボーンの特徴かもしれません。海外ドラマとかで出てくる部屋という感じかも。

男性的と思われがちですが、女性にも人気の理由はこのあたりにありそうですね。木目をしっかり感じるので、けっしてとがったイメージだけになりません。

ヴィンテージに似合う

ヴィンテージに似合うというのが、そもそも私がヘリンボーンに憧れた理由です。こだわりの家具店でよく見かけましたし、インダストリアル系のインテリアにも似合いますよね。

人気が高いですね。最近は、そうしたヴィンテージ感のあるお部屋に、インテリアグリーンを合わせることで、小さいお子さんのいるご家庭でもヴィンテージスタイルを楽しむ方が多いようです。

こうしてあげてみると、ヘリンボーンって懐が深い気もしてきた。ますますヘリンボーン床にしたい気持ちが強くなりました。

不安要素は何ですか?

ヘリンボーン床の価格と相場

ヘリンボーン事例02

価格のことなんです。これまでもオープンハウスにお邪魔したことがありますが、ヘリンボーンは最終的にあきらめたという声もあったので。

妻は完全にヘリンボーン=(イコール)高いと思ってしまっていて、任せると言った割には、「ヘリンボーンじゃなくてもいいんじゃない?」なんて言い出して。

では、ヘリンボーン張りの価格についてみてみましょう。バーチ、カエデ、ケヤキ、チェスナット、ウォールナット、オークなど樹種や素材によって違いがありますが、無垢材で材料が1.5倍、工費が1.5~2倍程度アップするのが一般的な相場です。

やはり、それくらい上がりますか。手間がかかるからなぁ。一片というか一枚のサイズもいろいろですよね。

職人が一枚ずつていねいに貼る作業があって、あの独特の柄が生まれます。T男さんのおっしゃる通り、一枚のサイズが細かい場合は枚数が増え、貼る手間が増えますね。工期もその分長く見積もる必要があります。細かいから高いと一概にはいえませんが。

優先順位を考える

ヘリンボーン事例03

予算と工期がかさむとなると、こりゃあますます妻が黙っていないな。

具体的にどのスペースをヘリンボーン張りにするか、イメージされていますか。

メインのリビングダイニングを全面ヘリンボーンにしたいのはもちろん、私の部屋と寝室も。まあ、将来の子ども部屋スペースはヘリンボーンじゃなくてもいいかもしれないけれど。

優先順位をつけていきたいですね。それぞれの面積に対する予算を出して、採用できる箇所を検討していきましょう。

特にT男さんのお宅はリノベーションを予定されていますので、費用を考える際に、見落としてはいけない点があります。それは、暮らしに直結する箇所の修理・修繕です。

給排水菅の交換とか劣化している部分の交換や修繕ですね。たしかに、それは先送りに出来ない部分なんですよね。

当初のお見積りから増えてしまうこともありますので、必要な箇所の予算をしっかり付け合わせて、予算組みをしていくといいですよ。

ヘリンボーン張りの仕上がりをイメージする

ヘリンボーン事例04

部屋の仕上がりイメージも見えたほうがいいですね。

はい、リビングは奥さまをはじめ、ご家族皆で過ごされることが多い場所なので、イメージを事前に共有しておくことは必要です。

長年の夢、なんだよなぁ。

さきほど家具もヘリンボーン床をイメージして買い足してきたとおっしゃっていましたね。それらをリノベーションしたお部屋でも使うのであれば、イメージは湧きやすいですね。同時に、リビング以外のスペースで夢を実現するという考え方もあります。

寝室なら濃い色で重厚感出してもいいかもしれないな。でもベッドを置いてしまう分、見えなくてもったいない。

ご自身のお部屋を優先するという方法もありますね。

でもあまり広くないスペースだから圧迫感が出ちゃって不向きというのも聞きます。

その場合は幅が細いものを選ぶといいとされています。

その手もありますね。なんとか説得できるかな。

事例をみる

ヘリンボーン事例05

ご家族でぜひ、たくさんの事例写真を参考にされてください。お一人暮らしや男性の部屋より、ご家族で過ごすリビングの様子がわかる事例写真だと、イメージしやすいと思います。

そうですね。これまで、どちらかというと男部屋や商業スペースの事例写真を見ることが多かったので、実際のリノベーション事例をたくさん探していこうと思います。

ご家族でぜひ、たくさん共有してみてください。

リビングダイニングをヘリンボーン床にするか、というか出来るか、見積もりをしっかり出してもらうことにします。

妻には事例写真も見せて、もう一度確認してみます。「どっちでもいいよ」じゃなくて、「これがいいね」と同意してもらうほうが自分としても安心できますから。

下記は、多くのメディアに取り上げられたヘリンボーン床が特徴のリノベーション事例です。こちらも参考にしてみてください。

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まとめ

人気のヘリンボーン床についてご紹介しました。リノベーションに関する情報はたくさんありますが、情報からイメージが先行しすぎて計画が進まなくなることもありがちです。

また、予算や優先順位は、物件やご家庭によって異なります。事例を参考にそれぞれの優先順位に叶うリノベーション計画を立てましょう。

編集後記

ブレイス

ヘリンボーン床、おしゃれで憧れますよね!わが家は注文住宅だったのですが、床材や壁紙などどれもわりと無難にしてしまい、せっかくならもう少しこだわればよかったなと後悔しています。予算を無視して無理をするのはおすすめしませんが、事例も参考にしてお気に入りの住まいにしたいですね。

ヘリンボーン床が気になるけれど費用がネックという方は、「リノベーション費用を抑える5つの手段!コスパ良く理想の家を作る方法」の記事もぜひ参考にしてください。

大月

ヘリンボーンは高級感とクラシカルな印象を演出できるので、ゼロリノベで採用されるお客さまも数多くいらっしゃいます。ただし、費用もかさむため、部分的に取り入れることで空間にもメリハリが生まれよりおしゃれに仕上げることができますよ!

楢崎

ヘリンボーンの床をリノベーションで取り入れることで、シンプルな部屋にもアクセントが加わり、個性あふれる魅力的な空間が完成します。こだわりのポイントとして、検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の制作体制
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

  • ブレイス 麻衣

    本サイトの企画担当。翻訳・通訳を学んだ後、豪州のMICE施設にて現地採用。帰国後は、東京の外国人をターゲットとした不動産会社に主任として3年間従事し、5年間渡独。SEOやサイト運営を学びつつライター活動をする中、SEOコンテンツ制作・ディ...

  • 楢崎優司朗

    ゼロリノベのデザイナー。美術大学で空間デザインを専攻。在学中にデザイン会社を起業し、イベントやプロモーションの空間演出を手掛ける。卒業後はブランディングや企画制作に多く携わる中で、生活空間のデザインやリノベーションの持続可能性...

  • 西村 一宏

    リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。

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