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ヘリボーンの床はデザイン性の高さや高級感が魅力。メリット・デメリットや費用相場も解説。

部屋のアクセントになるデザイン性の高さや高級感が魅力のヘリボーンの床。ヘリンボーンとは、山型と谷型が連続するV字型の模様のことです。メリット・デメリットや費用相場など、気になる点について解説します。

よくあるご質問

ヘリンボーンの床のメリットは?

ヘリボーンの床を取り入れるメリットは、「高級感がある」「部屋のアクセントになる」「幅広いテイストに馴染む」「湿度による影響を受けにくい」の4つです。長い板を単に並べて張っただけの一般的なフローリングと比べると洗練された印象になり、おしゃれ感もアップします。メリットの詳細はこちらをご覧ください。

ヘリンボーンの床にするデメリットは?

ヘリンボーンの床を取り入れるデメリットは、「工期が長くなる」「費用が高い」「圧迫感を感じる場合がある」の3つです。インパクトが強いため、取り入れる部屋が狭かったり、床材の色が濃い場合に圧迫感を感じることが多いようです。デメリットの詳細はこちらをご覧ください。

ヘリンボーン床の部屋を広く見せるには?

ヘリンボーンの床の部屋を広く見せるには、「使用する床材の幅を狭くする」「床材の色を明るめのトーンにする」「木目が目立たない床材を使う」などの対策が効果的です。

床をヘリンボーンにするにはいくらぐらいの費用がかかりますか?

ヘリンボーンの床にする場合、本体価格と施工費の2つの費用がかかります。ヘリンボーンの本体価格でもっともメジャーなのは1㎡につき10,000円前後の商品です。施工費は1㎡あたり7,500円程度が一般的です。ただ、下地処理が必要なければ4,500円程度で済む場合もあります。

本体価格の相場、施工費の相場を合わせると「(本体)10,000円+(施工費)7,500円=合計17,500円」。

これがヘリンボーンの床にする場合の1㎡あたりの相場となります。既存のフローリングを撤去して張り替える場合は、施工費や廃材費がプラスされるので高くなります。

6畳の広さをヘリンボーンの床にリノベーションする場合、既存のフローリングの上に重ね張りする場合で約10万円〜。既存のフローリングを撤去して張り替える場合で約15万円〜になります。ヘリンボーン床の費用相場はこちらをご覧ください。

目次

ヘリンボーンの床とは

ヘリンボーンの床は、デザイン性が高く高級感やおしゃれな雰囲気を生み出せることから、取り入れたい人が増えています。

とは言え、住宅インテリアに詳しくない人にとっては少し聞き慣れない名前ですよね。そこで、ヘリンボーンの床とは一体どんなものなのか、この章では

◎ヘリンボーン床の名前の由来

◎ヘリンボーン床のデザインの種類

◎ヘリンボーン床に使える素材

の3つについて説明していきます。

1-1.ヘリンボーンの床とは山型と谷型が連続するV字型の模様の床

冒頭でも触れたように、ヘリンボーンの床とは床材の張り方の一種で、長方形に短くカットした板を90度に合わせV字型に並べて張ったものです。

画像を見ても分かるように、山型と谷型が連続するV字型の模様です。ダイナミックで芸術的、上品で高級感のあるデザインは、ファッションやインテリア業界で大人気です。

ヘリンボーンのデザインを採用しているインテリアは多く、特に住宅の床デザインとして人気があります。カフェやホテルの床のデザインに使われていることも多く、おしゃれで洗練された空間を作り出します。

そもそもヘリンボーンとは、直訳すると、魚の「ニシン」の「骨」という意味です。V字型になっているデザインがニシンの骨に似ていることからそう呼ばれているのだそう。「ヘリングボーン」と呼ばれることもあります。日本の伝統文様である杉綾」も同じパターンです。

住宅界においてヘリンボーンのデザインは、床や壁、机の天板などで良く見られます。ファッション業界では、ツイードやコートやスーツなどのデザインとして幅広く使用されています。

ヘリンボーンの床は、ちょっと差を付けたおしゃれな部屋にしたい時、高級感を出したい時、部屋にアクセントを付けたい時、外国のホテルのような雰囲気にしたい時などに取り入れる人が多いデザインです。

1-2.ヘリンボーン床のデザインの種類

ヘリンボーンの床には、「ヘリンボーン」と「フレンチヘリンボーン」2つのデザインがあります。それぞれについて説明していきましょう。

◎ヘリンボーン

短くカットした長方形の床材の角をV字になるように直角に合わせ、隙間ができないように床に張ります。重ねるようにきっちりと並べることで、整然とスッキリとした印象を与え、洗練された空間を生み出します。

◎フレンチヘリンボーン

長方形の角を45度にカットした床材を並べていきます。角を合わせた部分が一直線になるため、通常のヘリンボーン張りよりもシャープな印象に仕上がります。

【並べ方で印象が大きく変わる】

デザインの他に、板の並べ方でも見え方を変えることができます。

例えばヘリンボーン張りの主流は、一枚の板を並べていく「シングル張り」ですが、二枚ずつや三枚ずつを重ねていく手法もあります。

シンプルで美しいシングル張りに比べ、二枚ずつ、三枚ずつ並べたヘリンボーンの床はダイナミックで力強い印象になります。

ほかに、何枚もの板で大きくV字型を描くことも可能です。二枚の板で作るV字型と比べると、こちらもダイナミックな印象。このように、板の並べ方で床の印象を大きく変えることができるのです。

◎板の色を変えながら、大きくV字型を描いたフレンチヘリンボーン

◎列ごとに色を変えて、大きく模様を描いたヘリンボーン張り

◎フレンチヘリンボーンの張り方を組み合わせて作ったデザイン

1-3.ヘリンボーンの床に使える素材

ヘリンボーンの床に使える素材に特に決まりはありません。とは言え、板を長方形に短くカットすることを考えるとカットしやすい」素材が良いでしょう。

一般的によく使われる素材としては主に4種類あります。使う素材によって床のイメージが変わってきますので、素材選びはとても重要です。それぞれの特徴を具体的に説明していきます。

◎無垢材

無垢とは、天然木から取り出して一枚の板に加工した素材のこと。木の雰囲気そのものを感じられるので、ナチュラルテイストを好む方に人気の木材です。切り出したままの素材なので、一つひとつ違う表情を味わえるのが無垢材ならではの魅力です。

フローリングに使う無垢材は木の種類によって色や風合いが異なります。よく使われる無垢材には

  • チーク
  • パイン
  • スギ
  • ヒノキ
  • オーク
  • クリ

などがあります。

無垢材を用いたヘリンボーン床は調湿作用にすぐれ余分な湿気を吸収し、乾燥すると湿気を吐き出します。そのため肌触りがやわらかく、素足で過ごしたい人にはピッタリ。また、木の香りによるリラックス効果も期待できます。

一方、木そのものなので、湿度の変化が大きいと膨張と収縮を繰返し板が反ってしまうことも。湿気の多い日本で美しい状態を保つには、メンテナンスが不可欠です。

◎集成材

複数の木片を集めて固め形を整えた素材です。人工的に作られているため、天然の素材に比べ強度や寸法安定性、耐久性に優れています。乾燥された部材なので湿気に強く、品質が安定しているという利点もあります。

無垢材に比べると価格が安く、手入れのしやすさが魅力です。自然の木材に近い風合いを生み出せるので、気軽かつ安価に木材を取り入れたい人におすすめの素材です。

◎プラスチックタイル

通称Pタイルと呼ばれるもの。正式名称は、コンポジションビニル床材。塩化ビニル樹脂や炭酸カルシウムなどを混ぜ、薄い板状に形成した床材のことを言います。

カッターで筋を付けて折り曲げるだけでカットでき、ボンドで張り付けるだけで簡単に施工ができます。

さらに傷や汚れに強く、耐久性、耐水性などにも優れているため、玄関土間や洗面所、トイレなど汚れやすい場所でよく使われています。木目調のデザインを選ぶと、優しい雰囲気のヘリンボーン床になります。

◎フロアタイル

塩化ビニル製のタイル状の床材。木の素材の風合いをリアルに表現したデザインもあり、ヘリンボーンの床にも適しています。こちらもプラスチックタイルと同様、傷や汚れに強く耐久性、耐水性に優れているため、汚れやすい場所に使用されることが多い素材です。

Pタイルとの違いは、柄や構造にあります。例えば柄の場合、Pタイルは素材の筋やまだら模様を生かして柄を作っていますが、フロアタイルはプリントしたシールを挟み込んでいるので、デザインのバリエーションが豊富です。

構造面では、Pタイルが層のない薄い板状のものであるのに対し、フロアタイルは柄のプリント層を表面のクリア層と塩化ビニル樹脂の基材で挟み込んだ複層構造です。

◎レンガやタイル

「ヘリンボーン」は板の張り方のことなので、木材以外でも実現できます。レンガやタイルをV字型に並べていけばヘリンボーンのデザインにすることができ、ワンランク上のおしゃれな空間を演出できるでしょう。ベランダや玄関、外構などにおすすめです。

【素材の色使いで印象を変える】

ヘリンボーンの床に使う素材の色によって印象を変えることができます。

◎明るめの色、ライトオーク系

広い面積で使用しても重くならず、華やかな印象を保てます。ナチュラルテイストの部屋によく似合います。海外のホテルやカフェのような空間を作りたい方におすすめ。

◎ダーク・レッド系

落ち着きのあるモダンな雰囲気を作り出します。間接照明などと組み合わせると、一気におしゃれ感がアップ!

◎組み合わせ

素材が同じでも、異なる色を組み合わせることでポップでカジュアルな印象になります。床に存在感を持たせたい時におすすめです。

【場所別】ヘリンボーン床の事例4選

前章では、ヘリンボーンの床とはどのようなものかをお伝えしました。では実際にヘリンボーンの床を取り入れるとどのような雰囲気の空間になるのか、気になりますよね。

そこでこの章では、

  • リビング
  • キッチン
  • 子供部屋
  • 寝室

などの場所別に分けて、ヘリンボーンの床を取り入れた部屋の事例を紹介いたします。

2-1.リビング

無垢チーク材を使ったヘリンボーン床。リノベーション前は、和室と居間の2部屋だったところをつなげ、自然の温もり溢れるヘリンボーン床を敷き詰めました。

大きな窓からたっぷりと差し込む光がヘリンボーンの床に溶け込み、ナチュラルかつワンランク上のおしゃれ感を生み出しています。

ヘリンボーンの床は幅広いインテリアに馴染みますが、中でも無垢材のヘリンボーンとナチュラルな雰囲気の家具は相性抜群。床のデザインとインテリア、両方から自然のあたたかみを感じられます。

2-2.子供部屋

和室をリノベーションしてヘリンボーンの床に張り替えた例。無垢チーク材を使用しています。無垢材は肌触りがやわらかく、裸足で過ごしたい人におすすめ。お子様などがいる場合は、裸足でも心地よく過ごせる空間があると伸び伸びと子育てができそうです。

2-3.キッチン

キッチンとダイニングをヘリンボーンの床にした例です。床のデザインにインパクトを持たせることで一段とおしゃれな空間になります。

キッチンは水はねや油はねなどの汚れが気になる場所ですので、掃除のしやすい集成材やプラスチックタイルがおすすめです。

2-4.寝室

寝室はプライベート感の強い場所だからこそ、自分の好みを大いに取り入れたいものですよね。家族の共有の場所だとなかなか意見の一致が得られない床のデザインも、寝室なら遠慮なく取り入れられます。

おしゃれなデザインのヘリンボーンの床で、素敵な夢が見られそうです。

ヘリンボーン床を取り入れる4つのメリット

ヘリンボーンの床を取り入れるメリットは、部屋がおしゃれになることです。もう少し詳しく言うと、

◎芸術的で高級感のある部屋になる

◎部屋の印象を変えられる

◎馴染むテイストが幅広い

◎湿度による影響を受けにくい

といったメリットがあります。ヘリンボーンの床を取り入れることでどのようなメリットがあるのか、それぞれについて具体的に説明していきます。

3-1.芸術的で高級感のある部屋になる

ヘリンボーンの床のデザインは山型と谷型を組み合わせて張る模様で、ダイナミックで芸術的です。長い板を単に並べて張っただけの一般的なフローリングと比べると洗練された印象になり、高級感のある床になります。

ヘリンボーンの床は、カフェやホテル、店舗などで取り入れられていることも多いので、住宅の床に採用するとたちまちおしゃれ感がアップ。

ヘリンボーンの床を取り入れた部屋にいるだけでテンションが上がりますし、ついつい友だちに自慢したくなっちゃいますよね。

3-2.部屋の印象を変えられる

ヘリンボーンの床を取り入れることで、部屋の印象がガラリと変わります。部屋にアクセントを付けることで、それぞれの部屋のインテリアを楽しめたり、気分を変えることができるというメリットがあります。

部屋全体の床をヘリンボーンにすることはもちろん、部屋の一角をヘリンボーンの床にしてみるのもおすすめです。例えば、LDKのキッチン部分だけ、ダイニングの部分だけ、テレビコーナーだけ、小上がり部分だけ…などをヘリンボーンの床にすることで、空間の仕切りのような役割を果たすことができるのです。

このように、床そのものをアクセントデザインとして楽しめるのも、ヘリンボーンの床のメリットです。

3-3.馴染むテイストが幅広い

ヘリンボーンの床は、独特な模様でありながら幅広いテイストに馴染むデザインです。ヘリンボーンの床と馴染みやすいテイストをご紹介します。

【ヘリンボーン床の選ぶ素材や色と馴染むテイスト】

◎木の風合いが強い床材、無垢材、明るめの色の木材→ナチュラルテイスト、北欧テイスト

◎木目や節が目立つ床材や塗料などでダメージ加工を施している床材→ヴィンテージテイスト

◎濃い色合いの床材→クラシカルテイスト、アジアンテイスト

馴染むテイストが幅広いということは、それだけインテリアにもこだわれるということ。さらに、今お持ちの家具にマッチするタイプを探せる点もメリットです。ヘリンボーンの床を取り入れると、お部屋の楽しみ方がぐんと増えそうですね。

3-4.湿度による影響を受けにくい

ヘリンボーンの床は、湿度による影響を受けにくいというメリットがあります。一般的なフローリングよりも短い板を何枚も使うため、乾燥して収縮しても床材が反りにくいからです。

そのため、通常のフローリングで経年劣化としてみられるフローリングの隙間ができにくいという特徴があります。

ヘリンボーンの床を取り入れるデメリット

ヘリンボーンの床を取り入れるととてもおしゃれな雰囲気になりますが、デメリットもあります。ヘリンボーンの床を取り入れるデメリットは、

◎工期が長くなる

◎費用が高い

◎圧迫感を感じる場合がある

の3つです。

では具体的にどんな点がデメリットになるのか、説明していきます。

4-1.工期が長くなる

ヘリンボーンの床は通常のフローリングよりも複雑な組み方なので、作業の手間がかかります少しでも板がずれてしまうと模様が歪んでしまうので、作業は慎重かつ丁寧に行わなければなりません。

一概にどのくらい長くなるかは張るスペースの広さや板の幅などによって異なるので一概には言えませんので、作業の前にしっかり確認しておくようにしましょう。

「ヘリンボーン」の工期が長引くのはもちろん、「フレンチヘリンボーン」になるとさらに時間がかかります。「フレンチヘリンボーン」とは板の先を斜め45度にカットし、それをV字型に合わせていくというもの。板の形はそのままV字型に張っていくヘリンボーンよりも作業工程が増えるので、施工期間も長くなるというわけです。

4-2.費用がかかる

ヘリンボーンの床は通常のフローリングよりも費用がかかりますフローリング材や接着剤を多く使うことや作業の複雑さから工費や人件費が増えるからです。

バーチ、カエデ、ケヤキ、チェスナット、ウォールナット、オークなど樹種や素材によって違いがありますが、無垢材の場合、材料費が通常のフローリングの1.5倍、工費は通常のフローリングの1.5〜2倍程度アップすると見ておいた方が良いでしょう。

4-3.圧迫感を感じる場合がある

ヘリンボーンの床のデザインに圧迫感を感じてしまう場合があります。取り入れる部屋が狭かったり、床材の色が濃い場合に圧迫感を感じることが多いようです。

その場合、使用する床材の幅を狭くしたり、床材の色を明るめのトーンにする、木目が目立たない床材を使うと良いでしょう。

【圧迫感の解消方法】

◎部屋が狭い→幅が細い床材を使う

◎床の存在感に負けてしまう→明るいトーン、淡い色合いの床材を使う

ヘリンボーン床の費用相場

部屋を一気におしゃれにするヘリンボーンの床ですが、「部屋がおしゃれになる」というメリットの反面、「費用がかかる」というデメリットがあることをお話しました。

そこで、ヘリンボーンの床を取り入れた場合の費用の相場を知り、ヘリンボーンの床を検討する際の参考にしましょう。

ヘリンボーンの床にする場合、本体価格と施工費の2つの費用がかかります。

ヘリンボーンの本体価格は1㎡で6,000円〜15,000円と幅広いのですが、もっともメジャーなのは1㎡につき10,000円前後の商品です。

施工費は1㎡あたり7,500円程度が一般的です。ただ、下地処理が必要なければ4,500円程度で済む場合もあります。

本体価格の相場、施工費の相場を合わせると

(本体)10,000円+(施工費)7,500円=合計17,500円

これがヘリンボーンの床にする場合の1㎡あたりの相場となります。

1㎡あたりと言ってもイメージが湧きにくいと思いますので、6畳の場合の相場はこちらです。

【6畳の広さをヘリンボーンの床にリノベーションする場合】

◎既存のフローリングの上に重ね張りをする場合

6畳 約10万円〜

◎既存のフローリングを撤去して張り替える場合

6畳 約15万円〜

既存のフローリングを撤去して張り前る場合は、施工費や廃材費がプラスされるので高くなります。

さらに無垢材などの高価な床材を選んだ場合は、その分コストが高くなります。また、重ね張りをしたことで床が高くなりドアの部分をカットする必要があるなど、工事費用が追加される場合もあるので、最初にしっかり見積もりをとってもらいましょう。

ヘリンボーンの床がおすすめな人

デザイン性が高く部屋を一気におしゃれにするヘリンボーンの床ですが、誰にでもおすすめというわけではありません。

ヘリンボーンの床がおすすめな人は

◎おしゃれな空間を手に入れるために努力を惜しまない

◎手入れが苦にならない

です。おすすめな人についてもう少し具体的に説明していきます。

6-1.おしゃれな空間を手に入れるために努力を惜しまない

ダイナミックかつ芸術的なデザインで部屋を一気におしゃれにしてくれるヘリンボーンの床は、発注をかけるまでに考えることがたくさんあります。

取り入れる場所、使う床材の素材、色、デザインの種類などを決める必要があり、準備期間を十分にとることが必要です。

自分の部屋だけでなく、家族共有のスペースや家族の部屋の床も手がける予定であれば、みんなの意見をまとめる必要もありそうです。

「おしゃれな部屋にするためなら多少時間がかかっても頑張れる!」といった、意欲に溢れた人におすすめできるデザインです。

6-2.手入れが苦にならない

ヘリンボーンの床の素材に無垢材を使用した場合、簡単ではありますが手入れが必要になる場合があります。

無垢材は木ですので水分を吸収すると膨張し、乾燥すると収縮するという性質を持っています。そのため湿気や水分に注意する必要があり、「ジュースをこぼしたらすぐに拭き取る」「ウェットシートで掃除をしない」「高い湿度に気をつける」など、小まめなケアが苦にならない人におすすめのデザインです。

ヘリンボーンの床をおすすめできない人

ヘリンボーンの床をおすすめできない人は

◎すぐに家を完成させたい・リノベーション期日が決まっている

◎予算に限りがある

◎飽きっぽい

です。具体的にどのような人にはおすすめできないのか説明していきます。

7-1.すぐに家を完成させたい、リノベーション期日が決まっている

ヘリンボーンの床を取り入れるためには、床材の素材や色選び、デザインや取り入れる場所の選択など、通常のフローリング比べて決めることが少し増えます。さらに、作業の複雑さから工期も長くなる傾向にありますので、すぐに家を完成させたい人やリノベーション期日が決まっている人にはおすすめできません。

どうしてもヘリンボーンの床を諦めきれない、という人にはヘリンボーン柄のクッションフロアが販売されているので試してみるのも良いでしょう。

7-2.予算に限りがある

予算に余裕がない場合も、ヘリンボーンの床を取り入れるのはおすすめできません。ヘリンボーンの床は材料費や工費、人件費が通常のフローリングより多くかかるからです。

より見た目が美しいヘリンボーンの床に仕上げようとするならば、できるだけ木の節目のない床材を選ぶ必要があり、床材だけでも高額な費用が見込まれます。

また、部屋が広かったり、何箇所にもヘリンボーンの床を取り入れる予定がある場合も総額は高くなります。

一般的に、ヘリンボーンの床にした場合、材料費は通常のフローリングの1.5倍、工費は1.5〜2倍かかるとみておいた方が良いでしょう。

7-3.飽きっぽい

ヘリンボーンの床は特徴的なデザインなので、中には毎日目にしているうちに「すぐに飽きてしまった」という人もいるようです。存在感の大きいデザインなので、一度飽きてしまうと居心地の悪さを感じかねません。

「流行っているから」「なんとなく良さそうだったか」というようなその時の感情で決めてしまうと、後々好みが変わった時に後悔することもあり得ます。せっかくコストと工期をかけて手がけるものですから、取り入れる際はじっくり考えてから決めると良いでしょう。

ヘリンボーンの床を実現するために知っておきたいこと

ここまで、ヘリンボーンの床について魅力や価格、事例、メリット・デメリットなどさまざまな内容をお伝えしてきました。では、実際にヘリンボーンの床を実現するためには何を知っておけば良いのかを紹介します。

ヘリンボーンの床を実現するためには

◎工期と予算の把握

◎優先順位を考える

◎仕上がりをイメージする

の3つが最低限必要です。具体的に説明していきましょう。

8-1.工期と予算の把握

ヘリンボーンの床は作業が複雑なため、工期と費用がかかるということはお話しました。費用は床材によって変わりますし、工期は部屋の広さや作業の規模によって変わります。

つまり、ヘリンボーンの床を実現できるかどうかは、自分たちが準備できる「工期」と「予算」次第ということです。

見切り発車をして後になって「え!こんなに高いの?」「まだ終わらないの?」となることだけは避けたいものですよね。

まずは実際に見積もりをとってもらい、工事が「どのくらいの期間」で「どのくらいの費用」になるのかを把握しましょう。

その上で、見積もり内容が自分たちの計画内にあるのかを判断し、ヘリンボーンの床の実現に向かいましょう。

【チェックポイント】

◎自分たちの予算と工期の限度と、ヘリンボーンの床にした場合の費用と工期を照らし合わせる

8-2.優先順位を考える

ヘリンボーンの床を実現するために、新築やリノベーションにおいてこだわる部分の優先順位を決めておきましょう。

「リノベーションするなら、絶対に憧れのヘリンボーンの床にするんだ!」

「新築マイホームの寝室とキッチンとトイレはヘリンボーンの床にしたい」

と言った“憧れ”も大事にしたいのですが、全部をヘリンボーンの床にすることは現実的ではありません。

誰にでも全体の予算には限りがありますので、絶対に手がける部分の予算を確保しておくとそのほかの自由になる部分で予算組みをしやすいからです。

特にリノベーションをする場合、暮らしに直結する部分の修理・修繕は手を抜けない部分。給排水管の交換や劣化している部品の交換や修繕が必要になってくるでしょう。

具体的な優先順位の決め方としては、面積に対する予算を出すこと。細かく予算を分けることで、ヘリンボーンの床を取り入れられる箇所を検討しやすくなります。

【チェックポイント】

◎絶対に手掛けなければならない場所、部分を把握して工事の優先順位を考える

8-3.仕上がりをイメージする

どんな場所にヘリンボーンの床を取り入れ、どんな家具を配置するのか、実際の仕上がりをイメージしてみましょう。

特にリビングなど家族全員が使うスペースなどは、あらかじめ家族でのイメージ共有が大切です。

具体的にイメージするには、たくさんの事例を画像で見ることが必要。画像は一人暮らしや男性の部屋、カフェやホテルではなく、実際に等身大の家族が過ごす様子が分かるようなリビングの画像がおすすめです。

たくさんの画像に触れイメージを膨らませることで、「どういう場所に」「どの範囲で」「どんなデザインで」「どんな色で」ヘリンボーンの床を取り入れたいのか、家族の要望がはっきりしてくるでしょう。

【チェックポイント】

◎ファミリーが暮らすリビングなどの画像にたくさん触れて、仕上がりを具体的にイメージする

まとめ

いかがでしたか?ヘリンボーンの床とはどのようなものか把握でき、リノベーションをする際にヘリンボーンの床にするかどうか、検討できたかと思います。

最後にこの記事の内容をまとめてみると

◎ヘリンボーンの床とは、長方形の板を短くカットしたものを90度に合わせ隙間のないように張ったもの。山型と谷型が連続したV字型の模様が特徴

ヘリンボーンの床の種類としては

  • ヘリンボーン張り
  • フレンチヘリンボーン張り

の2種類があります。

◎ヘリンボーンの床によく使われる素材は

  • 無垢材
  • 集成材
  • プラスチックタイル
  • フロアタイル
  • レンガやタイル

など。好みのテイストや手入れを考慮して決めると良いでしょう。

◎ヘリンボーンの床を取り入れるメリット・デメリットは

メリットデメリット
芸術的で高級感のある部屋になる工期が長くなる
部屋の印象を変えられる費用がかかる
馴染むテイストが幅広い圧迫感を感じる場合がある
湿度による影響を受けにくい

◎ヘリンボーンの床の費用相場は

1㎡あたり

本体価格が10,000円

施工費が7,500円

合計17,500円

ヘリンボーンの床にリノベーションする際の費用は、現在のフローリングを撤去するかどうかと、選ぶ素材によって大きく変わります。

例えば6畳の場合

  • 既存のフローリングの上に重ね張りをする場合 約10万円〜
  • 既存のフローリングを撤去して張り替える場合 約15万円〜

となります。

◎ヘリンボーンの床がおすすめな人は

  • おしゃれな空間を手に入れるために妥協しない人
  • 手入れが苦にならない

◎ヘリンボーンの床をおすすめできない人は

  • 新築、リノベーション期日が迫っている
  • 予算に限りがある
  • 飽きっぽい

◎ヘリンボーンの床を実現するために知っておきたいことは

  • 工期と予算の把握
  • 優先順位を考える
  • 仕上がりをイメージする

ことです。この記事をもとに、おしゃれな床にするにはヘリンボーンの床が最適なのかを判断し、一番良い形でおしゃれな床を手に入れられることを願っています。

この記事の執筆
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

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