後悔しない!使いやすいコンセントの位置と上手な隠し方を一級建築士が解説
この記事では、後悔しないためのコンセントのアイデアをゼロリノベ一級建築士の西村がご紹介します。
生活感がでやすく、ごちゃついて見えるコンセントや配線まわり。
細かい部分ですが、コンセントの位置の決め方や隠し方によって、暮らしやすさが大きく変わってきます。
賃貸の場合、欲しい場所にコンセントがなく、配線に困っているという方もいらっしゃるはず。今回のアイデア集を、ぜひ住まいづくりのヒントにしてください。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
隠すコンセントのアイデア集
はじめに、生活感が出やすいコンセントを隠すアイデアを、ゼロリノベの事例をもとにご紹介します。
①床下にコンセントを隠す
床にコンセントを埋め込んで、フラットな状態で使用します。上からラグを敷いてしまえば、コンセントは見えません。
季節家電など、常時使わないものの配線におすすめです。
②ネット周辺機器のコンセントを壁面収納に隠す
続いては、通信回線のモデムやルーター用の電源基地を壁面収納に隠すアイデアです。
インターネット用のモデムなどは、配線が多く見た目がごちゃごちゃしており、かつ見栄えのいいものがないのが現状です。
隠れた位置に電源や光ケーブルを持ってくることで、壁面収納にモデムを配置することができます。
③テレビの背面にコンセントを隠す
続いては、テレビの後ろのテレビ用コンセントです。
壁掛けテレビや、薄型テレビを配置したい時は、テレビの後ろにニッチ収納を設けてその中に配線をまとめるとスッキリします。
また、ニッチを設けずとも、テレビボードの真裏にコンセントの位置を決めることで、ごちゃごちゃした配線が表に見えなくなります。
④キッチンのニッチにコンセントを隠す
続いては、キッチン横のニッチにコンセントを入れている事例です。
ニッチがあると、キッチンまわりやダイニングまわりの小物を収納できるので、テーブルの上が片付いた状態を保つことができます。
⑤見えない場所に掃除機用のコンセントを隠す
続いては、キッチンを浮かせて空いたスペースに掃除機用のコンセントを設けるアイデアです。
充電中のお掃除ロボットを見せたくない場合は、床の隙間を利用してお掃除ロボットの基地を隠すのがおすすめです。
同様に、パントリーにコンセントを配置して、スティック掃除機の収納を充電を兼ねるアイデアもおすすめです。生活空間からは見えないけれど、出したい時にすぐ出せるアクセスのよさが魅力です。
⑥フローリングやフロアタイルの下にコンセント
床下に開口部を設けてコンセントを配置するアイデアもおすすめです。使用したい時だけ開口部のふたを開けて使用します。
仕上げ材は、フローリングはもちろん、モルタル調のフロアタイルなど様々なものを選ぶことができます。
【番外編】配線ラックを活用する
番外編として、配線ラックのご紹介です。駅や商業施設で使用されているカバーを用いたアイデアです。
インダストリアルな雰囲気が演出でき、お部屋のアクセントにもなります。
使いやすいコンセントの位置を紹介
この章では、ゼロリノベ一級建築士の西村の自邸で実際に使用しているものを例に、使いやすいコンセントの位置をご紹介します。
①キッチンの角にコンセント
キッチンの角に家具用のコンセントを埋め込んでいます。キッチンツールの電源や、スマホ・タブレットなどの充電などに便利です。キッチン・ダイニングのどちらからも使いやすい位置に配置することで、用途の幅が広がります。
キッチンカウンターの奥にも2口コンセントを配置しています。キッチンまわりは電源が必要な家電が多いため、必要な時に出して使うものについてもコンセントを配置しておくと便利です。
②ダイニングの脇にコンセント
キッチン同様、スマホやタブレットなどの充電を頻繁に行うため、届きやすい位置に2口タイプのコンセントを配置しています。
また、反対側の角にもコンセントを配置しており、こちらはスマートスピーカー用に使用しています。普段は絵を置いて、コンセントを隠して使います。
このように、我が家ではリビングダイニングまわりに多めにコンセントを設けています。
家族が使用する電子機器が増えているので、コンセントの争奪戦にならないよう、使いやすい位置に余裕のある数を設置するのがおすすめです。
③WIC内にコンセント
我が家ではウォークインクロゼット(WIC)にもコンセントをつけています。空気清浄機を置いて消臭したり、除湿機を置いたりするのに1つあると便利です。
④玄関土間にコンセント
電動自転車を使用している人は、玄関にコンセントを設置するのもおすすめです。外から帰宅してすぐに充電しやすいのはもちろん、電動自転車のバッテリーにはソケットが付けられるため、災害時に備えた蓄電機としても活用できます。
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使いやすい位置のコンセントのアイデア集
続いては、ゼロリノベの事例から、使いやすい位置にコンセントを配置している事例をご紹介します。
①ソファの下にコンセント
ダイニングが横に長いこちらの事例では、ダイニングテーブルで作業したい時のために多めにソファ下にコンセントを配置しました。ソファは飲食店で使われているような造作ソファを使用しています。
②キッチンの壁にコンセント
続いてはキッチンの目の前にコンセントがある事例です。抜き差しがしやすく、液体がかかりにくいのがメリットです。
③ベッドの脇にコンセント
ベッドサイドにコンセントがあると、寝た状態でコンセントが使用できるので、就寝時にスマホを充電したい時などに便利です。
④玄関土間にコンセント
こちらは広い玄関土間にコンセントを配置した事例です。キャンプギアのお手入れをするために広い玄関土間が採用されており、掃除機や電動ドリルなどでキャンプギアをメンテナンスする時にコンセントが役立ちます。
⑤バリアフリー用のコンセント(手前側につける)
車椅子ユーザーの施主様が使いやすい位置にコンセントを配置した事例です。通常は、カウンターや奥の壁にコンセントを設けるのが一般的ですが、手前の方にコンセントを持ってくることで車椅子の方でも使いやすくなります。
【番外編】パントリー内のペットトイレ用に
こちらはパントリーの中に愛猫のペットトイレの電源をとった事例です。こちらのトイレは自動掃除機能つきのもので、パントリー内の収納の位置関係を考えてコンセントの位置も計画しています。
コンセント位置の計画はイメージを具体的に
本記事の事例を参考に、ご自宅のコンセント計画がイメージできたでしょうか。
欲しい位置にコンセントがあることで、生活がグッと快適になります。お家づくりの際にはぜひ、じっくり時間をかけてコンセント位置を計画してみてください。
本記事の内容は、ゼロリノベYoutubeチャンネルで動画でもお楽しみいただけます。ぜひこちらもご参考ください。
ゼロリノベでは、物件探しからリノベーション設計施工までワンストップでサービスを提供しています。興味がある方は、ゼロリノベの口コミや評判をまとめたこちらの記事もぜひご参考くださいね。
編集後記
生活していくうちに、お部屋を作った当初は予定のなかった家電が増えることも。わが家でもあとから食器洗い乾燥機がほしくなり卓上のものを購入したのですが、近くにコンセントがなく、今延長コードがキッチンでかなり邪魔になっています。今回記事でご紹介した隠すアイデアを使えば、「今はいらないけれどいずれ必要になるかも」という場所にも生活感を出さずにコンセントを用意しておけますね。今だけでなく、少し先の将来まで見据えてコンセントの場所を考えておくといいですよ。
コンセントの位置や配線計画は、地味だけどとっても大切!リノベーションで適材適所に仕込むことで生活が格段にラクになるからです。さらに生活感の出やすい配線をできるだけ目立たなくする工夫は、ストレスフリーな暮らしには不可欠と言えるでしょう。
本来新築物件では変えることのできないコンセント部分もリノベーションによって配置や仕上がりを決めることができます。それぞれの暮らし方に合わせ設計することでQOLも爆あがり間違いなしですね。