子育てをするなら家の広さはどのくらい?人気のリノベーション6事例
子どもが生まれ家族が増えると、そろそろ「家族が住む家」をどうすべきか考えるようになるでしょう。
夫婦で暮らしているときは十分な広さでも、一人、二人と子どもが増えていくとやはり手狭になっていきます。
でも「子育てに適した家ってどのくらい広さがあればいいの?」「住みたいエリアで予算内に購入できる家が見つかるかしら」と、住む場所や予算、部屋の広さなど希望通りに探せるか心配な方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子育てにちょうど良い家の広さの目安についてやおすすめの間取りポイント、工夫がいっぱいの子育て世帯のリノベーション事例を詳しくご紹介します。
家族で暮らす住まいを計画している方は、どのくらいの広さなら理想の住まいが実現できるのかぜひ参考にしてください。
子育てをするのにちょうど良い家の広さの目安は?
はじめに、家族構成ごとの家の広さの目安について、国が指標としている基準をもとにご紹介します。
1-1.子どもが小さいうちの必要最低限の広さは35㎡~40㎡
国土交通省の「健康で文化的な住生活の基準として必要不可欠な住宅の面積水準」とする最低居住面積水準は、次の通りです。
- 単身者 25㎡
- 2人家族 30㎡(30㎡)
- 3人家族 40㎡(35㎡)
- 4人家族 50㎡(45㎡)
※()内は未就学児が1名いる場合
※国土交通省 住生活基本計画における「水準」について
上記の内容によると、子どもが小さいうちの必要最低限の広さは35㎡~40㎡が目安となりますが、あくまで目安であり、子どもの成長や家族のライフスタイルの変化に対応して広さを検討することが必要です。
子どもが未就学児や小学生のころは、必ずしも個室が必須ではないかもしれませんが、中学以上に成長すれば、個室を設けることも検討しなければならないでしょう。
1-2.一般的には65㎡~75㎡あると良いとされている
上述では最低居住面積水準について触れましたが、それとは別に「豊かな住生活の実現を前提とした場合に必要と考える住宅の面積水準」という指標の「誘導居住面積水準」では、次のような面積が良いとされています。
- 都市居住型 2人家族 55㎡(55㎡)
3人家族 75㎡(65㎡)
4人家族 95㎡(85㎡)
- 一般型 2人家族 75㎡(75㎡)
3人家族 100㎡(87.5㎡)
4人家族 125㎡(112.5㎡)
※()内は未就学児が1名いる場合
※国土交通省 住生活基本計画における「水準」について
3人家族の場合、誘導基準面積水準は都市居住型で65㎡~75㎡、一般型で87.5㎡~100㎡が良いとされる住宅の広さの目安となっています。
都市居住型とは都心とその周辺での共同住宅居住を想定したもので、一般型は郊外や都市以外での戸建住宅居住を想定しています。そのため、一般型は都市型に比べて広い水準です。都心のマンションなら、都市居住型の水準が参考となるでしょう。
誘導基準面積水準は最低居住面積と比べて面積にゆとりがありますから、部屋の自由度が増します。リビングなど家族共有の部屋のほかに、趣味の部屋や収納スペース、子ども部屋なども確保できる広さといえます。
1-3.家族4人以上で暮らす場合は60㎡以上がおすすめ
家族4人で暮らす場合の広さの目安は、最低基準面積は45㎡~50㎡です。ゆとりを持った広さとして、誘導基準面積水準は都市居住型で85㎡~95㎡、一般型で112.5㎡~125㎡です。
家族の年齢やライフスタイルにもよりますが、都市型のマンションを検討している場合は、最低基準面積よりも少しゆとりをもって、家族4人以上なら60㎡台も視野に入れてで探すことをおすすめします。
なぜなら、ゆとりを求めて70㎡以上、80㎡以上と条件を絞りすぎてしまうと、物件金額がその分高くなってしまい、家計全体の中で住居費の負担が大きくなりがちです。
また、間取りや眺望などによっては70㎡台の物件よりも60㎡台の物件の方が体感的に広く感じるケースもあります。
また、リノベーションをすることで、用途による部屋の使い分けや将来的に個室に区画する工夫、収納や寝室を兼ねたロフトベットなどさまざまなアイデアを取り入れて空間を広く活用することも可能です。
同じ面積でも、視覚的な広がりや開放感、高さを活用して物理的に使える面積を増やすなどリノベーションは広く暮らすための魅力が豊富です。
60平米の住宅をリノベーションする際のポイントについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【参考】
「住生活基本計画における居住面積水準」(国土交通省)
子育て中におすすめしたい家の間取りの8つのポイント
ここからは、子育て中におすすめしたい間取りのポイントをご紹介します。
- リビングが広い
- 玄関が廊下が広い
- 充実した収納スペースがある
- カウンターキッチンがある
- 子どもが自由に遊べるスペースをつくる
- 和室や畳のスペースがある
- 家の中に段差が少ない
- 壁、床の防音性が高い
2-1.リビングが広い
子育て世代は、家族みんながリビングでくつろぐ時間が多いため、リビングは広く確保するのがおすすめです。
子どもが小さいうちは親の目が行き届く範囲でのびのび遊び、子どもも見守られている安心感がありコミュニケーションもとりやすくなります。リビングが子育ての中心的なスペースになるといっても過言ではありません。
家族が集まるリビングを広く計画しておけば、子どもが成長しても手狭に感じることも少ないでしょう。また、後に子ども部屋として間仕切りできるような余白を残したプランニングも可能です。
2-2.玄関や廊下が広い
玄関を広く確保すると、ベビーカーを置いたり、玄関土間の一角をシューズクロークとして活用したりすることも可能です。
一箇所にまとまることで、一目で必要なものがわかりやすいため取り出しやすくしまいやすい空間になります。外から帰ってすぐに格納できるのは便利ですね。
2-3.充実した収納スペースがある
収納スペースを大きく確保することは、広々と暮らすために必要な部分です。モノがあふれると広い部屋でも雑然として見えて、狭く感じてしまいます。
限られた空間で充実した収納を実現するには、家族の収納を一括で管理できる大きなクローゼットがおすすめです。ひとつの場所で管理することで無駄を減らし不用意にものを増やさない効果も期待できます。
また、ファミリークローゼットがあると、急な来客の際には散らばっている雑多なものを一気に格納できるため片付けが楽チンなのも隠れたメリットです。
2-4.カウンターキッチンがある
キッチンからリビングの様子が見えるような対面キッチンなどの配置は、コミュニケーションもとりやすくおすすめです。
子どもにも目が行き届きますし、リビングで遊ばせながら家事をするのも容易です。来客時にも会話しながら作業できるのもポイントです。
2-5.子どもが自由に遊べるスペースをつくる
子どもが自由に遊べるような、ちょっとしたプレイスペースを作るのもユニークです。おこもり感のある遊べるロフトをつくったり、自由に落書きできる黒板壁を作ったり、子育て期ならではの設備を思い切って取り入れるのもよいでしょう。
将来的には、プレイスペースを子ども部屋に仕切れるようなプランニングなら、子どもが成長してからも活用できます。
2-6.和室や畳のスペースがある
畳スペースは、実は子育て時期にとても重宝する場所です。子どもが小さいときは布団を敷いてお世話もできますし、オムツ替えや着替えもしやすくお昼寝にも活躍します。
クッション性がありやわらかいため、子どもの遊び場としても優れています。畳スペースを小上がり仕様にすれば、下は収納も兼ねることができて子どもの玩具なども片付きます。
2-7.家の中に段差が少ない
できるだけ床に段差のない空間にすることで、視覚的に広く見えますし、ハイハイやよちよち歩きなどの小さい子どもがいる家庭では、転びにくく安全に過ごせます。
もし既存の住宅に段差があっても、リノベーションで段差のない空間にすることも可能です。バリアフリーな住宅は掃除機も一気にかけられますしお掃除ロボットも運転できるなど家事効率もUPします。
2-8.壁、床の防音性が高い
リノベーションするときは、トラブル防止のためにも床、壁の防音性能にも注目しましょう。
2-8-1.壁
壁の防音効果が低いと、赤ちゃんの泣き声や子どもが走り回る音、騒ぎ声などが漏れやすく近所迷惑になる場合があります。
隣家と距離がとれている戸建住宅は、それほど問題ありませんが、マンションのような集合住宅では、隣り合う部屋の音は気になるものです。トラブルにならないよう必要があれば防音性を高めるリノベーションを検討することをおすすめします。
一般的には、木造より鉄筋コンクリート造のほうが防音性能は高いです。リノベーションで防音効果を高めるには、ボード2層張りや断熱材を取り入れることで遮音性の向上が期待できます。
2-8-2.床
マンションなど集合住宅では、上階の人の足音や落下音などが必要以上に響くことがあります。そもそも音の感じ方は個人差があるもので、明確な基準はありませんが、防音・遮音性を高めておくのは大切です。
リノベーションで二重床にできる下地材を入れることで、衝撃音に対する遮音性を高められます。万協フロアーの「万協エコボードシリーズ」などがあります。
とはいえ、兄弟がいるような子育て時期には音を立てずに暮らすのが難しいときもあります。下の階に迷惑をかけているのでは?と心配な方ははじめから1階の住宅を選択することもひとつの方法です。
子育て中におすすめの家のリノベーション事例6選
ここからは、子育て中の家族におすすめのリノベーション事例をご紹介します。
[事例1]将来の子ども部屋を想定し建具を二箇所に設けたリビング
キッチンからダイニング、リビングまで視界が抜ける見晴らしのよい住空間。子どもの成長を見越して、あらかじめ二箇所の建具を設置し個室に対応できるようにリノベーションしました。
個室が必要になるまでは、自由に遊べるスペースを確保したひろびろリビングに。可変性のあるプランで、家族構成や年齢に合わせて自由に変えられます。
[事例2]玄関を広くして収納力をアップ、ベビーカーも置けるスペースに
一般的な玄関よりも広さを確保し、靴だけではなく上着やベビーカーなど外から帰ったらすぐに収納できる使いやすさが秀逸な土間空間。
出かけるときは必要なものを一度に準備できて忙しい子育て家族には機能的な玄関収納です。自転車の空気入れやスケードボードなどアウトドア用品もまとめて収納できるのは便利ですね。
[事例3]家族の様子が見える造作のカウンターキッチン
リビングにオープンな対面キッチンにすることで、家族の様子がわかりやすくコミュニケーションもとりやすいのがポイントです。
キッチンの横に作り付けのダイニングキッチンを造作し、家事をしながら子どもが勉強したり、テーブルで遊んだり。食事の後片付けもしやすく機能的に家事動線も実現しています。
[事例4]充実したファミリークローゼットで一括管理
家族みんなの洋服や小物を一箇所で管理できるファミリークローゼットは、限られたスペースでも大容量の収納力を発揮します。何があるか一目瞭然ですから不用意にものを増やすことも避けられます。
通り抜けできるプランで、必要なものを取りながら別の部屋に移動できるなど動線も優れています。
[事例5]遊んだり、お昼寝したり、子育て世帯に便利な小上がりスペース
気軽にごろんと寝転がれる便利な小上がりスペース。段差を付ければ下部は収納としても使えます。子どものお昼寝場所として、専用の遊び場として、何役にも活用できます。
下部には子どもの遊び道具を収納することも可能で、片付け上手な習慣も身に付きそうですね。
[事例6]縦空間を有効に使う、秘密基地なロフトスペース
子どもたちの好奇心を誘うロフトスペース。上は専用の遊び場に、下はベットスペースにと限られた空間を有効活用しています。
立体的に高さを活かすことで、実際の面積以上の使い方が実現し収納力もアップ。片づけやすいお部屋づくりにも貢献します。
まとめ
今回は、子育てに適した家の広さについて、60㎡以上が目安になることや、子育て中におすすめの次の8つのポイントをご紹介しました。
- リビングが広い
- 玄関や廊下が広い
- 充実した収納スペースがある
- キッチンからリビングの様子が見える
- 子どもが自由に遊べるスペース
- 和室や畳スペースがある
- 家の中に段差が少ない
- 床の防音性が高い
また、上記のポイントを実現しているリノベーション事例もご紹介してきました。
子育てするのに必要な広さの目安はあるものの、それはあくまで目安です。アイデア次第で空間を最大限活用する事ができるため、広さのイメージに加えて、子育て世帯にあると嬉しい設備を自分たちの住まいに取り入れていくと良いでしょう。
ゼロリノベでは、将来的な家族構成やライフスタイルの変化に対応できる可変性のあるプランも得意としています。大容量の収納スペースや小上がり空間など子育て世帯に適したリノベーション事例が豊富にあります。
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