玄関リノベーションの4つのアイデアと施工事例を紹介! 費用やDIYのコツ
「玄関はどのようにリノベーションをすればよいのだろう?」「費用の相場やリノベーションの際の注意点が知りたい」
玄関のリノベーションを検討ししている方の中にはこのような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
家のドアを開けて一番に足を踏み入れる玄関は、それほど大きな面積を占めるわけではありませんがマイホームの顔ともいえる重要な場所です。
しかし玄関が狭い、ごちゃごちゃする、といった悩みやストレスを抱えている人は多く、実際にリノベーションの要望に挙げる人は少なくありません。
本記事では、玄関のリノベーションをする際のアイデアや事例を紹介します。また、リノベーションの費用相場や玄関をリノベーションする際の注意点も紹介するためぜひ参考にしてください。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
玄関をおしゃれにリノベーションする4つのアイデア
初めて玄関をリノベーションする方の中には、どのようにリノベーションすればよいか悩む方も多くいます。ここでは、玄関をおしゃれにリノベーションする4つのアイデアを紹介します。
- 玄関の照明にこだわる
- 玄関の床素材にこだわる
- 窓を設置して自然光を取り入れる
- シューズインクローゼットで収納場所をつくる
玄関リノベーションの際の参考にしてください。
1-1.玄関の照明にこだわる
現在、玄関に取り付けられている照明が古い場合は玄関の雰囲気に合う照明に変更することでおしゃれな雰囲気を作ることができます。
例えば、玄関の足元に間接照明を取り付けることで高級感のある雰囲気を作り出せるでしょう。
照明ひとつで玄関の雰囲気は大きく変わるため、おしゃれな玄関にリノベーションしたい場合は照明にこだわってみてください。
1-2.玄関の床素材にこだわる
玄関の土間に使用する床素材にこだわることで玄関をおしゃれにリノベーションできます。
玄関の床素材にはタイルやコンクリート、モルタルなどさまざまな種類があります。
例えば、タイルは色や模様、形などのバリエーションが豊富であるため、自分の求める雰囲気の玄関を作り出すことができるでしょう。
また、床素材をコンクリートやモルタルにすると無機質な色合いと質感からクールな印象を作り出せます。
玄関の雰囲気をガラリと変えたい場合は、床素材にこだわることもおすすめです。
1-3.窓を設置して自然光を取り入れる
床の仕上げなどにこだわったとしても、薄暗い空間であるとおしゃれに見えません。
そのため、日の光が当たらない作りの玄関の場合は、窓を設置して自然光を取り入れることで明るい印象の空間を作ることができます。
また、設置する窓を開閉できるものにすると、風通しもよくなります。窓の設置により梅雨の時期などにカビの発生を抑えられるメリットも得られるでしょう。
1-4.シューズインクローゼットで収納場所をつくる
靴がごちゃごちゃしている玄関はおしゃれには見えません。
そのため、自宅に靴が多い方は玄関にシューズインクローゼットを設置するのがおすすめです。
来客者の死角となる場所にシューズインクローゼットを設置することでスッキリとした雰囲気の玄関になるでしょう。
また、コートやカバンなどの収納も可能となるため、自宅のリビングが広々と使用できます。
玄関をリノベーションするときの費用相場
玄関をリノベーションするのに、どれくらいの費用がかかるのか気になる人も多くいます。ここでは、玄関リノベーションの費用相場として以下の2つを紹介します。
- 玄関のリノベーションの費用相場は20~50万円
- 収納の設置や補修などの場合は10万円前後
玄関のリノベーションをする際の予算確保の参考にしてください。
2-1.玄関のリノベーションの費用相場は20~50万円
玄関リノベーションの費用相場は、工事の規模にもよりますが、20万〜50万円程度です。ただし以下のようなケースでは、さらに費用がかかる場合があります。
- 玄関ドアをグレードの高いものに交換する
- 開き戸を引き戸に変更する
- 既存の玄関よりも拡張するために間取りを変更する
大掛かりなリノベーションをする際は100万円ほど予算を確保しておくと安心です。
必要な期間は、玄関ドアや鍵の交換、壁紙の張り替え程度のリフォームであれば当日終わらせることも可能です。
2-2.収納の設置や補修などの場合は10万円前後
既存の玄関のスペースをそのまま活かす以下のようなリフォームであれば、10万円前後で済ませられます。
- 新たに収納建具などを設置する
- 汚れたクロスを新しいものに交換する
クロスを明るい色に交換するだけでも、玄関の雰囲気を一新できるでしょう。簡易的なリノベーションでも玄関の雰囲気を変えることができます。
玄関をリノベーションする3つのメリット
住まいのリノベーションを考えるときにはリビングやキッチンが優先され、玄関は後回しにされがちです。しかし玄関をリノベーションすると、以下のようなメリットを得られます。
- 家全体の雰囲気を変えられる
- 収納スペースを拡張できる
- エコな住宅を作ることができる
それぞれ確認していきます。
3-1.家全体の雰囲気を変えられる
「家の顔」ともいえる玄関をリノベーションすると、家全体の雰囲気を変えられます。
たとえば暗い玄関の壁紙を白に張り替え照明を明るいものに変更すれば、家全体の雰囲気が明るくなります。一方で明るいシーリングライトから間接照明へと切り替えると落ち着いた家を演出できるでしょう。
その際には、玄関から続くリビング、ダイニングなどほかのお部屋との雰囲気を合わせることも大切です。玄関だけを独立させて考えると、住まい全体の統一感を損なうため注意しましょう。
3-2.収納スペースを拡張できる
玄関のリノベーションの際に収納スペースを拡張することも可能です。家族の人数が多くて玄関にはいつも靴が散乱している、ベビーカーや自転車の置き場所がないといった場合には、収納を増やす玄関リノベーションで解決できます。
片付いた玄関で来客を迎えられるようになり、好印象を与えられでしょう。。
3-3.エコな住宅を作ることができる
玄関のリノベーションは、エコな住宅づくりにつながるのが最初のメリットです。
窓や玄関ドアなどの開口部からは、冬の暖房時には約60%の熱が流出し、夏の冷房時には約70%の熱が流入するといわれています。
しかし玄関の形状を変えることで断熱性や気密性などを高めれば、外気の影響を受けにくくすることが可能です。
外気温の影響が小さくなると、冷暖房効率が上がるため、光熱費の削減にもつながります。
玄関をリノベーションするときの6つのポイント
玄関リノベーションで押さえておきたいポイントは6つあります。
- 玄関ドアを交換する
- 玄関の床の素材を変更する
- 玄関の収納を追加する
- 玄関を広げるリフォーム
- 段差をなくしてバリアフリー化する
- 土間を設置・拡張する
どのような内容か、順番に見ていきましょう。
4-1.玄関ドアを交換する
玄関ドアの交換や変更は、お家の雰囲気を簡単に変えられるリノベーションのひとつです。デザイン性の向上はもちろん、将来的な車イスでの利用を想定し、開き戸を引き戸に変更するなど利便性を高められます。
ただし、マンションの場合は玄関ドアは共用部分になるため交換はできません。室内に面した側の色は変えられるケースがあるなど、マンションによってルールが異なります。リノベーションに際しては管理規約や利用細則をよく確認しておきましょう。
4-2.玄関の床の素材を変更する
玄関で使用される床材の種類には、コンクリートやモルタル、タイルなどがあります。既存の床材を変更することでも、玄関のイメージを刷新できます。
たとえばテラコッタタイルを張れば南欧風になります。反対にタイルを剥がしてコンクリートで仕上げればインダストリアルな玄関にイメージチェンジすることも可能です。
4-3.玄関の収納を追加する
玄関にものがあふれている場合は、収納を追加するとスッキリした玄関になります。既存の靴箱のスペースに、天井まである壁面収納を造作すると、収納力を大幅に高められるでしょう。
スペースが狭い場合の玄関収納は、玄関から上がってすぐの廊下に収納を設置するのもおすすめです。廊下側にはブーツやサンダルなど、季節とあわない履きものを収納するようにすれば、利便性も損ないません。
4-4.玄関を広げることを意識する
玄関を広げると、家全体が広く開放的な印象になります。広さに余裕を持つことで、ベビーカーや車椅子の出し入れ、荷物の受け取りといった動作が楽になるためメリットです。
スペースを広げ、シューズクロークを設けるのもおすすめです。洗面所と隣接させる形のウォークスルータイプにすれば、帰宅後靴と上着を脱ぎ、そのまま洗面所に向かえるようになるのでおすすめです。
4-5.段差をなくしてバリアフリー化する
玄関のリノベーションの際に段差をなくしてバリアフリー化しておくと、将来の負担を減らせます。
ただし日本の住宅の玄関には、上がり框(かまち)が設けられていることがほとんどです。古い家では30cmほどの高さがあることもあるため、その場合には間にもう一段設けて階段状にして段差を小さくする、あわせて手すりを設置するなども検討しましょう。
4-6.土間を拡張する
玄関を拡張し、広い土間のある玄関にするのもおすすめのリノベーションです。
外に置くしかなかった三輪車や自転車を屋内で保管できるようになれば、劣化しにくくなります。土間の片隅に手洗いを設ければ、手を洗ってから家に入れるので衛生的です。
マンションの場合、土間からそのままバルコニーに出られるように工夫すれば、庭のような感覚で活用できるようになるでしょう。
玄関をリノベーションする際の注意点とは?
玄関をリノベーションする際の注意点を3つ紹介します。
- マンションの場合は音に注意する
- 共用部の変更はできない
- 後悔しないためにリノベーションの基礎を勉強する
それぞれ確認していきます。
5-1.マンションの場合は音に注意する
マンションは多くの入居者が1つの建物内で生活を送ります。そのため、他の入居者に迷惑がかからないように配慮を持ってリノベーションすることが大切です。
リノベーションをする際は大きな音が発生してしまう作業はなるべく避けれるようにしましょう。また、どうしても大きな音が発生するリノベーションをする場合は、事前に周囲に住む入居者にあいさつをしておくようにしましょう。
5-2.共用部の変更はできない
マンションのリノベーションは、共用部分の変更が認められていない場合がほとんどです。
一般的に玄関のドアは共用部分に含まれます。そのため、既存の玄関のドアのデザインが気に入らないという理由でドアを付け替えるリノベーションをしてはいけません。
マンションには戸建て住宅にはないルールがあるため管理人に規約を確認してからリノベーションしましょう。
5-3.後悔しないためにリノベーションの基礎を勉強する
リノベーションで後悔しないためには、自身でリノベーションの基礎知識を勉強することも大切です。
リノベーションの基礎を勉強することで資金計画や業者の選び方などの際に正しい選択が可能となります。
「リノベーションコーディネーター」などリノベーションに関する知識をつけられる資格は多数あるため、リノベーションの前に基礎知識を身につけておきましょう。
また、不明なことがあればインターネットで調べたり、リノベーション会社に相談したりすることでも知識は身につけられます。正しい知識を身につけることでリノベーション後の後悔を防ぐことができるでしょう。
玄関のリノベーション施工事例4選
ここからは、実際に玄関をリノベーションした事例を4つ紹介していきます。
- 【事例1】リノベーションするなら広々玄関を。広い玄関は家自体を広く見せてくれる
- 【事例2】土間玄関でインダストリアルな雰囲気のリノベーション
- 【事例3】玄関から続くウォークインクローゼット。収納にもこだわったリノベーション
- 【事例4】大きな窓を活かして、明るい玄関にしたリノベーション
玄関リノベーションを検討する際の参考にしてみてください。
6-1.【事例1】リノベーションするなら広々玄関を。広い玄関は家自体を広く見せてくれる
リノベーション前は、一般的な大きさの玄関でしたが、リノベーションをして元の3倍以上の広さになりました。
作り付けのオープンシェルフは、何十足も靴を並べられる大容量となっています。いくら広い玄関にしても、脱いだ靴で埋まっていると雑然として全く広く感じられません。
造りつけのオープンシェルフがあることで、脱いだらぱっと置くだけで整理整頓が完了します。リノベ後も変わらぬきれいさを保てる優れものです。
全体的にシンプルな造りであるため、ギャラリーのようにオブジェや絵画を飾るのにも適しています。アートに触れると生活が豊かになり、飽きたら別の物にすれば変化を楽しめます。季節ごとのお花を置くなど、住む人の個性を示せる場所になるでしょう。
また、玄関を入るとリビングまで遮る物のない縦長の視界が開けているので、奥行きのある家に感じられます。
6-2.【事例2】土間玄関でインダストリアルな雰囲気のリノベーション
流行のインダストリアルな雰囲気を持った玄関と変化しました。インダストリアルは辞書で引くと「工業の」「産業の」などと書いてあります。そこから派生して、リノベーションでは、使い勝手がよくシンプル、少し無骨で男前というイメージを指しています。
土間の色合いとゴツゴツ感、機能的な使い勝手のよさは、正にインダストリアルな玄関といえるでしょう。リノベーションで設置した、むき出しの電球もよい雰囲気を出しています。
玄関を土間にすると「外内の中間のスペース」ができるので、さまざまな用途が生まれます。
例えば、たくさんの買い物袋を抱えて帰ってきたときもドサッと荷物を置いたり、お子さんの部活道具を置いたりする場所にもなります。
お砂場遊びの道具も躊躇なく置くことができ、DIYするときは床の汚れを気にせずに作業できるでしょう。
また、土間玄関は、ちょっとした椅子を置いてご近所さんとおしゃべりをするのもおすすめです。
6-3.【事例3】玄関から続くウォークインクローゼット。収納にもこだわったリノベーション
宅配便で大きな物が届いたとき「この場に収納があったら・・・」と思ったことはありませんか?
リノベーションで玄関を入ってすぐの大容量ウォークインクローゼットを設置しました。棚は可動式なので、大物はもちろんこまごまとした物を置いておくこともできます。
カーテンで仕切れば玄関先からクローゼットの中を見られることはありません。クローゼット内は土間エリアと室内履きエリアの両方があるので、収納した物を室内から取りに来るときも便利です。
また、玄関自体を見ると非常に幅広のつくりになっています。靴を脱いだり履いたりするとき座る部分が広いので、朝の玄関前渋滞が起こりにくく、スムーズな1日の始まりを迎えられるでしょう。。
お子さんが小さい内はベビーカーを広げたり、お外遊びのおもちゃを用意したり、意外と玄関で過ごす時間は長く、その場が快適であるかはとても重要です。リノベーションで小さなストレスを1つ1つ減らし、笑顔で子どもと向かい合う余裕を作りだします。
このような玄関とつながった大容量クローゼットは、家全体の動線を考えて設置しなければ使い勝手が悪くなり、最悪の場合、使わなくなってしまいます。
リノベーション設計前の段階で、プランナーやコーディネーターに作りたい旨を伝えるとよいでしょう。玄関と収納を広く取る分、居室は狭まってしまうので、バランス感覚も必要です。プロの意見を聞いて、相談しながらリノベーションを進めると安心です。
6-4.【事例4】大きな窓を活かして、明るい玄関にしたリノベーション
リノベーション前は居室だった場所を丸々玄関にしました。
壁と床、家具の色は白で統一したので、光を反射してより広く見えます。物をあまり置かないことで非日常感が生まれ、生活感のないホテルのエントランスホールのような空間がつくり出せます。
写真奥の大きな窓はルーフバルコニーに続いているので、家に帰ったら靴を履き替えずに外に出ることができます。
居室を減らすのは勇気がいりますが、壁を取り払ったことで、太陽光が奥まで届くようになり、家全体がワントーン明るくなるでしょう。。
玄関をDIYでリノベーションする際によくある質問とは?
玄関をDIYでリノベーションする際によくある質問を3つ紹介します。
- 玄関をDIYでおしゃれにする際のポイントは?
- 玄関をDIYする場合の費用相場はどれくらい?
- DIYに適した玄関の床材の選び方は?
疑問や悩みを解消するために役立ててください。
7-1.玄関をDIYでおしゃれにする際のポイントは?
玄関はお客様が自宅に訪れた際に1番初めに目にする場所です。そのため、玄関のイメージが家全体のイメージになり得ます。
玄関をDIYでおしゃれにする際は玄関が家全体のイメージとかけ離れていないか考えてリノベーションすることが大切です。
また、DIYでリノベーションする場合に利便性や見た目、広さなど全てを思い通りにできればよいですが、予算の都合上なかなか難しいのも現実です。
そのため。自分好みの玄関を目指しつつ、何を優先したいかを考えてリノベーションすることで理想の玄関に近づくことができるでしょう。
7-2.玄関をDIYする場合の費用相場はどれくらい?
玄関をDIYする場合の費用相場は5万円〜20万円程度です。
ただし、購入する材料を高価なものにすると相場以上の費用が発生することがあるため、あくまで目安としてください。
また、DIYをするためには材料費だけでなく道具も必要となるため予算内に収まるか計算しておきましょう。
7-3.DIYに適した玄関の床材の選び方は?
DIYで玄関の床をリノベーションする際は、土足に対応しており、濡れても変質しない床材を選ぶようにしましょう。
玄関は土のついた靴で歩くため、傷に強い床材でないとすぐに劣化してしまいます。
また、雨の日は靴が濡れているため、水を吸う床材はカビの発生や変質につながるため、玄関周りには向きません。
玄関は人が行き来する場所であるため、劣化しにくい床材を選ぶことをおすすめします。
まとめ
「家の顔」ともいえる玄関をリノベーションすると、印象を変えられるほか住宅性能を向上できる、活用の幅が広がるなどメリットが豊富です。
目的に沿った玄関にリノベーションをすることで、快適な空間から毎日をスタートできます。
本記事で紹介したアイデアを参考に、自身の希望に沿ったリノベーションをしてください。
なお、ゼロリノベでは、予算とあわせて「理想の玄関」をお聞きしたうえで、設計段階から「その家族にあった大きさ」を熟考し、適切なアドバイス・ご提案が可能です。
「話を聞いてみたいけれども、いきなり担当者と会うのは不安」といったときには、毎週開催しているオンラインセミナー「小さなリスクで家を買う」にぜひご参加ください。