リノベーションで床暖房は可能!種類・費用・設置ポイントを徹底解説
「リノベーションで床暖房にすることは可能?」
「床暖房は後付けでもできるの?」
足下からじんわりと部屋全体を暖めてくれる床暖房、憧れますよね。
結論から申しますと、戸建てでもマンションでもリノベーションで床暖房を後付けすることは可能です。床暖房は建物を建設する過程で取り付けるイメージですが、後からでも施工する方法があるからです。
ただし、床暖房には以下の2種類があります。
暖まり方や温度などをよく知った上で慎重に選ばなければなりません。
このように効果や使い方が異なるので、これらのことを知らずに床暖房を設置してしまうと後悔してしまいます。
床暖房は他の暖房器具よりも初期費用がかかるので、失敗したくないですよね。
リノベーションでの床暖房を成功させるには、以下のようなポイントを押さえておく必要があります。
【この記事で分かること】
◎床暖房の効果と特徴
◎リノベーションできる床暖房の種類
◎2つの床暖房の初期費用・毎月の光熱費
◎各床暖房におすすめの設置場所
◎床暖房の施工方法の種類と工事期間
◎リノベーションで床暖房を設置する際に失敗しないためのポイント
この1記事でリノベーションで床暖房にする全てが分かります。まずは床暖房をリノベーションで取り入れるべきかどうかから判断したい方も、取り入れる方法を詳しく知りたい方も、ぜひこの先を読み進めてくださいね。
リノベーションでの床暖房は戸建てでもマンションでも設置可能
床暖房は、戸建てでもマンションでもリノベーションで設置することが可能です。もちろん、購入した中古住宅にリノベーションを施す際に、床暖房を取り付けることもできます。
床暖房というと床の下に設置するイメージなので、「後付けするのが難しいのでは?もし設置するにしても大掛かりな工事が必要なのでは?」と思っている方もいるでしょう。
しかし、ちょっとした工事でキッチンや脱衣所など必要な場所だけ床暖房にできる方法がありますし、広範囲のスペースを床暖房にする方法も思ったほど大掛かりにならずに設置することができます。詳しくは「11. リノベーションで床暖房を施工する方法は2種類ある【工法の選び方】」でお伝えしますね。
リノベーションできる床暖房の種類・特徴・費用・工期
ご自宅で床暖房を取り入れることができると分かったら、もっと具体的なことが知りたいですよね。
床暖房には種類があり、特徴や費用が異なります。そこで、本章ではリノベーションでできる床暖房についておおまかに説明します。
リノベーションできる床暖房の種類ですが、大きく以下の2つに分けられます。
それぞれの特徴・費用・工期については以下のとおりです。
数字はあくまでも目安ですので、メーカーや設置する地域などの環境によって異なることがあります。ただ、特徴や費用を見ると、かなり違いがあることが分かります。
そこで、次章からはそれぞれの種類の特徴・費用・工期・おすすめな人などについて詳しく解説していきます。お急ぎの方は以下のリンクをクリックすると、知りたいところだけお読みいただけます。
▶3. リノベーションできる床暖房の種類は大きく2つ
▶6. どちらにするか決めよう!電気式床暖房と温水式床暖房を徹底比較!
▶7. 電気式床暖房のメリット・デメリット
▶8. 温水式床暖房のメリット・デメリット
▶9. 電気式床暖房がおすすめな人
▶10. 温水式床暖房がおすすめな人
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リノベーションできる床暖房の種類は大きく2つ
2章で床暖房には以下の2種類あり、電気式床暖房は狭い場所を温めるのに向き、温水式床暖房は広い場所を温めるのに向いていると説明しました。
本章では、2種類の床暖房の仕組みを説明します。仕組みを知っておくと、より自分の住まいに適した床暖房を見極めるのに役立ちます。。
3-1. 電気式床暖房
電気式床暖房は、フローリングの下に発熱線パネルを敷き、電気を通して床を暖める仕組みです。ホットカーペットと同じ原理と考えると分かりやすいでしょう。
電気式床暖房にはさらに、以下の3種類があります。
同じ電気を使うにも、どのような電気を使うかで区別されます。
電熱線ヒーター式は一番オーソドックスなものです。PTCヒーター式は、センサーを使って温めたい部分だけをコントロールできるものです。キッチンでよく立つ場所のみ温めたい場合などに向いています。
蓄熱式は太陽光電池などです。電熱ヒーター式とPTCヒーター式は初期費用がそれほどかかりません。蓄熱式はオール電化住宅などでよく使われますが、新たに蓄熱材を設置する場合は初期費用が高くなります。
3-2. 温水式床暖房
温水式床暖房は、フローリングの下に敷き詰めたパネルに電気やガスで温めたお湯を通して床を暖める仕組みです。温まったお湯が床の下を循環して部屋全体をまんべんなくじんわりと温めます。
温水式床暖房の種類は、大きく以下の3つです。
初期費用は電気式床暖房よりやや高く、エコジョーズやエコキュートなどと併用する場合は別途費用がかかります。
リノベーションで床暖房を取り入れた際の効果
床暖房は下からじんわりと温め、部屋全体の温度を上げる暖房装置です。しかし、「床暖房ひとつだけで部屋全体が暖かくなるものなのか?」「他の暖房器具と比べてどんなメリットがあるのか?」など、具体的な効果について疑問に思っている方も多いでしょう。
そこで、床暖房の効果についてさらっと解説しておきます。
4-1. 床暖房の効果
以下は代表的な暖房器具の効果を表したものです。他の暖房器具との違いを比べてみましょう。
※アレルゲンとはホコリ・ダニなどです
床暖房は足元からまんべんなく暖まるため、まるでひだまりの中にいるかのような暖かさを感じることができます。ただし、徐々に温度が上がっていくため部屋全体をすぐに温めることは難しいです。外から帰ってきてすぐに暖かい部屋に入りたいという場合は、タイマーを設定しておく必要があるでしょう。
エアコンや温風ヒーターと違って風が出ないので、空気が乾燥しない・ホコリやダニが舞わないといった利点もあります。下の図は、床暖房と温風暖房を使用した際に舞い上がるアレルゲンの量を示したものです。
参考:東京ガス 【床暖房のメリット7つ・デメリット3つ】と床暖房の【お得な使い方】
ダニアレルゲンが、同じ条件下で空気中1リットルにつき何個舞い上がっているかどうかを計測しています。温風暖房(エアコンや温風ヒーターなど)の場合は50個見つかったのに対し、床暖房の場合はわずか17個程度という結果です。
このデータを見ても、床暖房はアレルゲンが舞いにくく、ハウスダストや花粉症などのアレルギー体質の方にも優しいということが分かりますね。
冬は寒さでどうしても体が縮こまって活動しにくくなりますが、部屋全体がまんべんなく温まる床暖房の場合は、室内での活動量も自然と増えるでしょう。
お手入れ要らずなので大掃除の大変な思いからも開放されます。
※ただし、寒冷地では不凍液を定期的に入れ替える必要がある場合があります。
4-2. 床暖房と他の暖房器具の費用の違い
床暖房の効果はおわかりいただけたかと思いますが、気になるのが費用ですね。「部屋全体を暖めるとなると、毎月相当な暖房費がかかってしまうのではないか?」と心配される方もいるでしょう。
しかし、床暖房はそのような心配も不要です。床暖房とエアコンの費用を比べてみましょう。
(※1)1日8時間連続使用、室温約20℃一定状態で30日運転、床温約25度~約30度の場合です。全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり27円(税込)として計算しています。
(※2)1日8時間連続使用、外気温約7度、室温約20℃一定状態、床温約30℃で30日運転した場合です。全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり27円(税込)として計算しています。
(※3)1日8時間連続使用、室温約20℃一定状態、床温約30℃で30日運転した場合です。ボイラー燃焼効率80%として、2018年9月の全国平均の灯油店頭価格から、灯油単価1リットルあたり94円(税込)として計算しています。
参考:パナソニック 2021 インテリア建材 暮らし&リフォーム(p325、p333)/東京ガス温水床暖房の活用方法/総務省家計統計 2021年1~3月(世帯人員・世帯主の年齢階級別 総世帯・勤労者世帯)
エアコンは、夏と冬では冬の方が費用が高くなります。冬のほうが消費電力が大きいからです。冬の間は電気代をひと月1万円以上支払っているという方も多いでしょう。
それに引き換え、床暖房は設置の際の初期費用こそかかりますが、毎月支払う費用は1/4〜1/2程度に抑えることができるので、長い目で考えればかなりお得と言うことができます。
例えば、冬の12〜2月の3ヶ月間使い続けたとして、上記の費用を参考に10年後、20年後のランニングコスト(継続して使用する際にかかる費用)を計算してみると以下になります。
エアコンを冬に3ヶ月間使い続けた場合に支払う額は、10年間で床暖房設置の初期費用と同じくらいになります。エアコンの寿命は一般的に10年程度と言われているので、買い替えの費用も5〜10万円程度必要になります。
これに対し、床暖房は3ヶ月間10年使い続けても10〜20万円程度です。床暖房の寿命は30年程度と言われているため、一度設置すればメンテナンスのための費用はほぼ発生しないと考えて良いでしょう。
※寒冷地では不凍液の交換が必要な場合があります(目安:10年ごと)
リノベーションで床暖房を取り入れるのがおすすめな人・おすすめでない人
床暖房の効果について解説してきましたが、「今の暖房を変更してまで取り入れるべきかどうか」と悩んでいる方もいるかと思います。
そこで、本章ではリノベーションで床暖房を取り入れるのがおすすめな人とおすすめでない人について、それぞれ一覧にしました。リノベーションで床暖房を取り入れるかどうかの判断にお使いください。
5-1. おすすめな人
リノベーションで床暖房を取り入れるのがおすすめな人は、以下のような方です。
床暖房はエアコンや温風ヒーターなどの他の電気器具と違って風が出ません。そのため、暖房器具を使うことで風による乾燥や、風が直接顔に当たる・風でホコリなどが舞い上がってアレルギーがひどくなるなどのお悩みを持っている方には、風の出ない床暖房がおすすめです。
床暖房は床に埋め込んで温める仕組みなので、置型の暖房器具を使えないような狭い場所、反対に暖房が行き届きにくい広い場所にもおすすめです。床暖房はじんわりと温まるため体の芯から暖まることができ、火傷などをする心配もありません。
電気式床暖房と温水式床暖房はそれぞれ特徴が異なりますが、目的に応じて上手に利用すればほとんどの要求に応えることができると言えます。エアコンの風を避けホコリを舞い上げない、室内を乾燥させないなどは電気式床暖房でも温水式床暖房でも共通ですが、種類別に対応する目的は以下です。
上記のような明確な目的がある人は、床暖房の種類を使い分けるのがおすすめです。
5-2. おすすめでない人
一方、リノベーションで床暖房を取り入れるのがおすすめでない人は、以下のような方です。
暖地など冬が短い地方の方は暖房器具自体の出番も少なく、「そこまでして暖房器具にお金をかけたくない」という人もいるでしょう。そういった方には、冷暖房両方が備わっているエアコンや電気ヒーターなどがおすすめです。
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どちらにするか決めよう!電気式床暖房と温水式床暖房を徹底比較!
床暖房を取り入れることを決めたら、次は温水式床暖房と電気式床暖房のどちらにするかを選んでいきましょう。
本章では電気式床暖房と温水式床暖房を徹底比較します。
まずは「2.リノベーションできる床暖房の種類・特徴・費用・工期」でもご紹介したこちらの表をご覧ください。
床暖房の種類と特徴は上記のようになっていますが、これではちょっと具体的にイメージしにくいですね。
そこで、電気式床暖房と温水式床暖房のメリット・デメリットも比較してみましょう。
それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
電気式床暖房:初期費用は安いですが毎月の光熱費が高く、暖まり方にムラがあり場所によっては高温になるので、狭い場所で短時間使うのに向いているという特徴があります。
温水式床暖房:初期費用は高めですが毎月の光熱費は安く、広い場所で長時間使うのに向いています。部屋を均等に温めることができ低温やけどをする危険性はありませんが、工期もやや長く経済的・時間的に余裕がある方に向いているでしょう。
以下では、電気式床暖房と温水床暖房のメリット・デメリットの詳細を解説します。
電気式床暖房のメリット・デメリット
電気式床暖房のメリット・デメリットは以下です。
ひとつずつ詳しく説明します。
7-1. 電気式床暖房のメリット
電気式床暖房のメリットは以下です。
【電気式床暖房のメリット】
ひとつずつ詳しく説明していきます。
7-1-1. 初期費用が1畳あたり5〜8万円と安い
電気式床暖房の初期費用は、1畳あたりの設置費用が8〜12万円の温水式床暖房に比べて5〜8万円と比較的安めです。その理由は、設置が簡単で温水式床暖房に比べると作業工程が少ないからです。
以下に、部屋面積での電気式床暖房と温水式床暖房の初期費用を比べました。なお、温水式床暖房は8畳程度の広さからしか対応していない製品も多いため、数字はあくまでも目安です。
※温水式床暖房はエコ給湯器や床暖房専用ヒートポンプの設置をする場合、別途25〜100万円かかります。
このように、電気式床暖房の初期費用は温水式床暖房よりもお得です。
7-1-2. 設置工事の工期が短い
先程お伝えしたように、電気式床暖房の設置は簡単なので、工期も温水式床暖房に比べて短いです。なぜなら、電気式床暖房は温水式床暖房に比べて作業の工程が少ないため、工期が短くて済むからです。
電気式床暖房は工事期間が短いので、リモートワークなどで部屋を1日以上空けることができない・サクッと設置したいという方に向いているでしょう。
7-1-3. 狭い場所を短時間温めるのに向いている
電気式床暖房は、狭い場所を短時間暖めるのに向いています。なぜなら、短時間であれば温水式床暖房よりもコストが掛からないからです。
温水式床暖房は設置の際の初期費用が高めです。狭くて使用頻度の少ない場所のために高いお金を払って設置するのは考えものですね。
それに引き換え、電気式床暖房は初期費用を抑えることができて設置も簡単です。毎月の光熱費は高くつきますが、「3-2-1. ひと月に支払う費用が温水式床暖房よりも割高」で説明するように、電気式床暖房は”狭い場所で短時間使用”すると、広い場所を長時間暖めるよりもコストを削減することができます。
このような理由から、狭い場所を短時間温めるなら電気式床暖房がおすすめなのです。
7-1-4. PTCなら必要な場所だけ温めることが可能
「5-1. 電気式床暖房」でも説明しましたが、PTCヒーター式とは温度センサーが内蔵された特殊な電熱シートです。温めたい部分だけセンサーで温めることができます。
例えば、部屋の中に日が当たる場所と当たらない場所があれば、日が当たる場所はあまり温めず、日が当たらない場所だけしっかり温めることができるという具合です。
それゆえ、PTCヒーター式の電気式床暖房であれば必要な場所だけ温めることができ、かつ光熱費を節約することも可能です。
7-2. 電気式床暖房のデメリット
一方で、電気式床暖房のデメリットは以下です。
こちらもひとつずつ説明していきます。
7-2-1. ひと月に支払う費用が温水式床暖房よりも割高
電気式床暖房は初期費用が安い代わりに毎月の電気代は高めです。なぜなら、電気式床暖房は立ち上がりは早いものの、部屋全体を暖めるには温水式床暖房よりも時間がかかるからです。
例として、パナソニックの商品、「フリーほっと」(電気式)と「フリーほっと温すいW」(ヒートポンプ式)・「フリーほっと温すいW」(石油ボイラー)(共に温水式)のひと月にかかる費用を表にして以下に比べてみました。
※上記はパナソニックが「温度設定を20℃、8時間使用した場合」とした時の目安です。ただし、外気温が0℃の時は26〜28℃、外気温が6℃のときは24〜26℃程度が一般的な設定温度とされています。寒さがピークの月や寒冷地などはひと月にかかる費用がもう少し高くなる可能性もあるでしょう。
電気式床暖房は狭い場所でかつ短時間であれば電気代がお得ですが、広い部屋で長時間の使用になるほど不利になるという特徴があります。
このようなことから、居室のような長時間使用し続ける場所では、ひと月の電気代が高くなってしまうためあまりおすすめではありません。
7-2-2. 光熱費が高いため広い場所を暖めるに向いていない
3-2-1とも重なりますが、電気式床暖房は光熱費が高いため広い場所にも向いていません。電気式だと温めるのに多くの電熱を必要とするからです。
電気式床暖房の接触面の温度は43〜45℃程度です。43℃といえば、熱めのお風呂と同じくらいの温度ですね。そのくらいの温度をキープし続けるには、熱源から大量の熱量を流さなくてはならず、その分の光熱費も高くなります。
そのため、電気式床暖房は足元だけ温めたい脱衣所やキッチンなどには向いていますが、リビングや寝室など広い場所でかつ部屋全体を温めたい場合には向いていないのです。
7-2-3. 暖まり方にムラがある
電気式床暖房は暖まり方にムラが出てしまいます。なぜなら、電熱線が通っている場所は43〜45℃程度と比較的熱く、反対に電熱線の結合部分は温まらないからです。そのため、暖かく感じるところと冷たく感じるところに差が出てしまいます。
7-2-4. 長時間同じ姿勢で接すると低温やけどの危険がある
何度もお伝えしているように、電気式床暖房は43〜45℃程度になります。そのため、電気式床暖房の上に寝転がるなど長時間同じ姿勢で体を接していると、低温やけどをする危険があるので注意しましょう。
温水式床暖房のメリット・デメリット
次は温水式床暖房の特徴を、メリット・デメリットを説明しながら解説していきます。同じ床暖房と言っても電気式床暖房とは用途や効果がかなり異なるので、よく読んでみてくださいね。
【温水式床暖房のメリット・デメリット】
ひとつずつ解説していきます。
8-1. 温水式床暖房のメリット
温水式床暖房のメリットは以下です。
温水式床暖房には大きく「ヒートポンプ式」「温水式ガス」「石油(灯油)ボイラー」に分けられますが、違いはお湯を温めるのに電気を使うか、ガスを使うか、石油(灯油)を使うかです。
いずれの場合も電気式床暖房と比較する場合のメリット・デメリットはそれほど変わらないため、ここではまとめて「温水式床暖房」として説明します。
8-1-1. 毎月の光熱費が安い
初期費用は1畳あたり8〜11万円とやや高めですが、ひと月に支払う費用は電気式床暖房に比べるととても安いです。
1月分の光熱費をエアコンと比較してみると以下のとおりです。
特に電気代は寒い時ほどたくさんの熱量を必要とするため1kwあたりの料金も高くなります。そのため、エアコンを冬の時期に暖房として使う場合は、夏の光熱費よりも高いと実感している方も多いはずです。
しかし、温水式床暖房は1日8時間使ってもひと月5000円未満で済むことが多く、定期的なメンテナンスもほぼ不要なのでとても経済的と言えます。
※寒冷地では不凍液を定期的に入れ替える必要がある場合があります(目安:10年ごと)。
8-1-2. 広い場所を長時間温めるのに向いている
温水式床暖房は電気式床暖房と比べて広い場所を長時間温めるのに向いています。理由は以下の2つです。
①ランニングコストが安い
②低温でも暖まる
簡単に説明しますね。
①ランニングコストが安い
4-1-1でもお伝えしたように、温水式床暖房はランニングコストが安いので、広い場所でかつ長時間使用してもひと月の光熱費を抑えることができます。
②低温でも暖まる
温水式床暖房は輻射熱によって天井・壁などが暖かい空気を吸収し放射します。これにより部屋全体の空気が温められて上昇するため、20℃くらいの低温設定でもひだまりのように暖かく感じられるのです。
8-1-3. 部屋中を均等に温めることができる
温水式床暖房は電気式床暖房に比べて部屋中を均等に温めることができます。なぜなら、効率的に部屋全体を温めることができるからです。
電気式床暖房は部屋全体を温めるのにかなりの時間がかかります。しかし、温水式床暖房は電気式床暖房よりも部屋全体を温めるのが早く、輻射熱の相乗効果で部屋全体の空気がムラなく暖まることから、部屋中が均等に温まります。
8-1-4. 体の芯から暖まることができる
温水式床暖房は、床暖房の最大の特徴とも言うべき「体の芯から暖まる」ことができます。なぜなら、温水式床暖房は接触面である足やお尻など体の冷えやすい部分から体を温めることができるからです。
加えて、輻射熱によって天井や壁に吸収された熱を放射する放射熱が空気全体を温めるということも、体の芯から暖まる理由と言えます。
西武ガスの調査では、以下のような結果が出ています。
このサーモグラフィでは、温水式床暖房の方は体の隅々まで、あるいは部屋の隅々まで温まっていますね。
このように、温水式床暖房は暖かい季節を部屋にそのまま再現して体の芯を暖めることができると言えます。
8-1-5. 低温やけどの心配がない
温水式床暖房は接触面が最高でも40℃程度にしかならないため、電気式床暖房のようにずっと座っていても低温やけどをする心配はありません。
そのため、高齢者・小さい子どもがいても安心です。もちろん、リビングでのんびりと寝転がりたい人にもおすすめです。
8-2. 温水式床暖房のデメリット
メリットだけ知って判断してしまいがちですが、温水式床暖房のデメリットもしっかりと理解しておきましょう。デメリットは以下です。
1つずつ解説していきます。
8-2-1. 初期費用が1畳あたり8〜11万円と割高
温水式床暖房は、温水を通すための設備を設置するため、1畳あたりの初期費用が8〜11万円と割高です。加えて、床暖房専用の熱源機も必要です。
エコキュートやエコジョーズなどを利用する場合は、別途25〜100万円程度かかります。接触面が熱くならない温水式床暖房を希望する方はバリアフリーを意識している場合も多いですが、バリアフリーにするには床の張替え工事も必要です(「11-2. 張り替え|床を剥がして貼り付ける方法」で詳しくお伝えします)。
総合すると、電気式床暖房よりも初期費用がかかることを理解しておいたほうがいいでしょう。
8-2-2. エコ給湯器や床暖房専用ヒートポンプを設置する場合別途費用がかかる
4-2-1でもお伝えしましたが、床暖房専用ヒートポンプやエコキュートやエコジョーズなどのエコ給湯器を設置する場合は別途25〜100万円程度費用がかかります。
とはいえ、ランニングコストは安いため、広さや使用頻度(時間)によっては初期費用を10年以内に回収できる可能性もあります。
例えば、12畳のリビングにガス温水式床暖房とエコジョーズを設置した場合、約7年程度で初期費用が回収できる計算になります。
温水式床暖房は電気式床暖房に比べて確かに初期費用がかかります。エコ給湯器などを設置する場合はさらに割高になります。しかし、10年程度使っていれば十分に元が取れるため、使う期間や用途に合わせれば賢い選択ができるでしょう。
8-2-3. 設置工事の工期が2〜4日かかる
温水式床暖房は温水を作り出す熱源機の設置も含まれることから、最低でも2〜3日かかります。
加えて、床の張替え(「11-2. 張り替え|床を剥がして貼り付ける方法」参照)を行う場合は、工期が3〜4日程度かかることを知っておくと良いでしょう。業者によって多少異なるので、正確な工期は見積もり時に詳しく聞くのがおすすめです。
8-2-4. 狭い場所・短時間使用する場所には不向き
温水式床暖房は初期費用がかかることから、狭い場所や短時間しか使わないような場所に設置するのは不向きです。温水式床暖房は速くても部屋全体が温まるまでに45分〜1時間程度かかるからです。
温水式床暖房は、長時間いて体の芯から温まりたい・家族皆が集まるような広い部屋全体を長く暖めたいというような用途に向いています。
「7-1-3. 狭い場所を短時間温めるのに向いている」で説明したように、足元だけすぐに暖めたい・狭い場所にストーブや電気ヒーターなどの代わりとして設置したいという場合は、温水式床暖房ではなく電気式床暖房のほうが向いているでしょう。
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電気式床暖房がおすすめな人
ここまで読んで、床暖房の種類や特徴について十分に理解されたことと思います。
そこで、電気式と温水式どちらの床暖房を取り入れるのが良いか明確に判断できるように、本章ではまず電気式床暖房がおすすめな人を解説します。
ひとつずつ詳しく説明していきます。
9-1. キッチンや脱衣所など狭い範囲に設置したい人
電気式床暖房はキッチンや脱衣所など狭い範囲に設置したい人におすすめです。「7-1-3. 狭い場所を短時間温めるのに向いている」でも説明した以下のようなことが理由です。
- 他の暖房器具と比べて場所を取らない
- 温水式床暖房に比べて足元だけ暖められる
9-2. 床暖房を使う頻度が少ない人
床暖房を使う頻度が少ない人は、電気式床暖房がおすすめです。なぜなら、短時間の使用なら温水式床暖房よりコストが抑えられるからです。
床暖房は電気式でも温水式でも、スイッチを入れた時が一番熱源を使用します。そのため頻繁に使う人はスイッチを入れるたびに一度に使用する光熱費が高くなりますが、頻繁に使わない人はその分の光熱費を抑えられるというわけです。
9-3. 簡単に床暖房を設置したい人
簡単に床暖房を設置したい人は、電気式床暖房がおすすめです。何らかの理由で温水式床暖房のような給湯器を床暖房専用のものに交換できない、3〜4日間も工事を入れられないといった人は、温水式より電気式床暖房が向いています。
9-4. 初期費用をかけたくない人
リノベーションで床暖房にしたいけれど初期費用をかけたくないという人は、電気式床暖房がおすすめです。「7-1-1. 初期費用が1畳あたり5〜8万円と安い」でもお伝えしたように、電気式床暖房は温水式床暖房より初期費用が安いからです。
温水式床暖房は、温水を作り出すための熱源機の設置が必要です。それに対して電気式床暖房は温水を作る熱源機を設置する必要がなく、初期費用が安くなります。
9-5. 熱源機を導入するのが難しい人
現在の住宅環境に熱源機を導入するのが難しい人は、電気式床暖房がおすすめです。例えばマンションの規定などで既存以外の機器の設置が禁じられている、あるいは設置場所がないという場合です。
特に、エコジョーズやエコキュートなどはかなり大きな箱のため、場所を取ります。ほとんどのマンションのベランダはいざという時の避難通路になっているため、設置するのは難しいでしょう。
温水式床暖房がおすすめな人
温水式床暖房がおすすめな人についても気になりますね。温水式床暖房がおすすめな人は、以下のような人です。
こちらも1つずつ解説していきます。
10-1. リビングや寝室など広い範囲に床暖房を使いたい人
温水式床暖房は広い範囲に床暖房を設置したい人におすすめです。なぜなら、「8. 温水式床暖房のメリット・デメリット」でも説明したとおり、低温でも体の芯まで温まるので毎月の光熱費が他の暖房器具よりも安いからです。
10-2. 早く部屋を温めたい人
温水式床暖房全般ではありませんが、早く部屋を温めたいなら温水式ガス床暖房がおすすめです。温水式ガス床暖房はガス給湯器で温めるので、電気式床暖房やヒートポンプを使った温水式床暖房よりも立ち上がりが早いからです。
これに対して電気式床暖房はどうかというと、部屋全体を温めにくく部屋全体を温めるとなると時間も光熱費もたくさん必要になります。
なお、ガス温水式床暖房以外の温水式床暖房は立ち上がるまで寒いということはありません。立ち上がり時間とはあくまで「設定温度に達するまでの時間」です。温水式床暖房はいずれもスイッチを入れた瞬間から温度が上がっていき、輻射熱で部屋全体がじんわりと温まるのでご安心ください。
10-3. 体の芯から暖まりたい人
体の芯から暖まりたい人には、温水式床暖房を強くおすすめします。「8-1-4. 体の芯から暖まることができる」で説明したように、エアコンなどに比べて温水式床暖房は、下からじんわりと温まることと輻射熱の効果によって体の芯まで暖めることができるからです。
10-4. お年寄りや小さな子どもがいる人
温水式床暖房はお年寄りや小さな子どもがいる人におすすめです。「8-1-5. 低温やけどの心配がない」で説明したように、電気式床暖房は45℃程度になるため低温やけどの恐れがありますが、温水式床暖房は40℃程度のぬるま湯程度の温度をキープします。
そのため、長時間床の上に座っていたりハイハイや寝転んだりしていても低温やけどになる心配がないからです。
10-5. ランニングコストを抑えたい人
ランニングコスト(月々の暖房費)を抑えたい人は温水式床暖房がおすすめです。温水式床暖房は初期費用こそかかりますが、その後のランニングコストは他の暖房器具よりも安く、約30年間はメンテナンスも不要だからです。
10-6. 熱源機を設置できる人
熱源機を設置できる人は温水式床暖房がおすすめです。もしも熱源機を設置できるスペースがあるなら、温水式床暖房にしたほうが光熱費がお得だからです。
ガス熱源機(床暖房共用給湯器)やエコキュート・エコジョーズ、ハイブリッド給湯器(電気+ガス)などは屋外に設置するためある程度のスペースが必要です。
戸建てや共有スペースに設置許可のあるマンションであれば、リノベーションして温水式床暖房を取り入れると将来的に経済的ゆとりが持てるでしょう。
リノベーションで床暖房を施工する方法は2種類ある【工法の選び方】
ここまで読んで、電気式床暖房にするか、それとも温水式床暖房にするか大体心が固まってきたのではないでしょうか。ただ、リノベーションで床暖房にする場合、その施工方法についても知っておく必要があります。なぜなら、電気式でも温水式でも以下の2種類の方法があり、それによって仕上がりが違ってくるからです。
◎直張り
◎張り替え
それぞれによって特徴が異なりますので、本章でメリット・デメリットも含めて詳しく解説します。
11-1. 直張り|床の上に貼り付ける方法
直張りとは、既存の床の上に床暖房の装置を直接貼り付ける方法です。今ある床の上にそのまま床暖房パネルを貼り付け、その上からフローリングを取り付けるので工事が簡単です。
直張りには以下のようなメリット・デメリットがあります。
ひとつずつ詳しく説明します。
11-1-1. 直張りのメリット
直張りのメリットは以下です。
ひとつずつ解説します。
■工事が簡単
直張りは既存の床の上に床暖房パネルを敷き、その上から床材を敷き詰めるという工事になります。張替えのように一度剥がすという作業を省くことができるため、工事が簡単です。
床材については「【Point.1】床暖房に向く床材を選ぶ」で詳しく説明します。
■工期が短い
工事が簡単ということは、その分工期も短くなります。張り替えで床暖房を設置する場合は通常3〜4日かかってしまいますが、直張りの場合は通常で1〜2日です。
■初期費用を抑えられる
直張りは張り替えやそれに伴う清掃・撤去作業などがないため、その分の費用がなく初期費用を抑えることが可能です。
11-1-2. 直張りのデメリット
直張りのデメリットは以下です。
こちらも詳しく説明します。
■段差ができる
直張りのデメリットは、段差ができてしまうことです。既存の床の上にヒーター内蔵の床暖房パネルを敷くため、どうしても床暖房の分高くなってしまいます。
【直張り用の床暖房の厚みの例】
参照:Panasonic 電気式床暖房 フリーほっと100V/200V / 東北電気グループ 北日本電線株式会社「ゆかい〜な」
高齢者などがいる住宅ではつまずいて転倒する原因にもなるため、あまりおすすめできません。将来を見越してバリアフリーを考えている方も、リノベーションで床暖房にするなら張り替えをおすすめします。
■DIYも可能だが素人には難しい
実は、直張りは自分でできるキットも販売されています。ただ、電気を取り扱う危険が伴うことと、DIYをする際に必要な工具を購入する費用がかかってしまうことから、あまりおすすめはしません。
11-2. 張り替え|床を剥がして貼り付ける方法
張り替えとは既存の床を全て剥がし、床暖房パネルを取り付けた上から新しい床材を敷く方法です。
張り替えのメリット・デメリットは以下のとおりです。
直張り同様、張り替えの施工方法についても上記のメリット・デメリットを踏まえながら詳しく解説していきます。
11-2-1. 張り替えのメリット
張り替えのメリットは以下です。
まずはメリットから説明します。
■床材を変更できる
張替えのメリットの1つ目は、床材を変更できるということです。床暖房は熱を通すため、既存の床材では使えない場合があります。リノベーションで床暖房を設置する際に、一緒に床暖房用の床材にしてしまえるというのは手間がなくメリットです。
床材が老朽化して取り替えなければと思っている人も、これから中古住宅をリノベーションして住もうとしている人も、床暖房専用の床材を選べるのでメリットになるでしょう。床暖房に適した床材については、「【Point.1】床暖房に向く床材を選ぶ」で詳しく説明します。
■床をバリアフリーにできる
もうひとつのメリットは、床をバリアフリーにできるということです。既存の床材を一度剥がし、床暖房パネルと床材を貼るため、直張りのように余計な高さが出ることがありません。
リノベーションでバリアフリーにしたいと考えている方にもおすすめです。
11-2-2. 張り替えのデメリット
張り替えは床がきれいになりバリアフリーにもできますが、以下のようなデメリットもあります。
張り替えの場合、既存の床材を剥がす費用や処分する費用が含まれるため、どうしても初期費用が高くなります。
例えば、電気式床暖房を直張りした場合、1畳あたりの初期費用は5〜8万円ですが、張り替えだと8〜11万円程度です。
リノベーションで床暖房を設置する際の費用
本章ではリノベーションで床暖房を設置する際の費用を具体的にお伝えします。実際にどれくらい費用がかかるか見積もる際の参考にしてください。
12-1. リノベーションで床暖房を設置する際の初期費用
まずは初期費用から整理します。
仮に、10畳分の床暖房をリノベーションで設置した場合の初期費用の合計金額は、電気式床暖房で50〜110万円程度、温水式床暖房では105〜250万円程度となります。
初期費用だけ見ると思ったよりも高額で圧倒されるかもしれません。しかし、床暖房は一度設置すればメンテナンスの必要がほぼないため、10年も使えば初期費用が回収できてしまいます。
12-2. リノベーションで床暖房を設置する際のランニングコスト
次にランニングコストを整理します。毎月支払う光熱費がいくらになるかというのはとても重要です。ランニングコストが高ければ現状と変わらないかそれ以上になる可能性があり、お金に余裕がなければ「わざわざ高いお金を出してまでリノベーションで床暖房にする必要があるのか」という疑問が生じてしまうからです。
そこで、もう一度以下の表を確認してみましょう。
※上記はパナソニックが「温度設定を20℃、8時間使用した場合」とした時の目安です。
表はあくまでも目安なので、住宅が木造かコンクリートか、断熱材がしっかりと入っているか、気密性が高いかどうかなどによっても光熱費は変わってきます。
ただ、エアコンを使っている場合の寒い時期のひと月の光熱費と比べると、床暖房のランニングコストはかなり安いと言えます。
【ひと月あたりのエアコンと床暖房の光熱費】
12-3. 補助金が出る自治体もある
リノベーションで床暖房にする人に対し、補助金を出している自治体があります。国で以下のような省エネリフォームへの補助金制度を設けているからです。
一部ですが、自治体によっては床暖房自体が対象になっているところもあります。
この他、「住宅ストック循環支援事業」も見逃せません。
「長期優良住宅リフォームの補助制度」と「住宅ストック循環支援事業」を組み合わせて利用することができれば、かなりのコスト削減ができるでしょう。
申請方法は自治体によって事業別に窓口が異なるため、お住まいの自治体に直接問い合わせるのがおすすめです。
自治体の補助金は当年度の予算に達すると受付終了となるので注意しましょう。
補助金が利用できれば、初期費用を抑えることができます。床暖房のリノベーションに着手する前に、お住いの自治体に聞いてみてはいかがでしょうか。
床暖房のリノベーションを成功させるための5つのポイント
最後に、床暖房のリノベーションを成功させるためのポイントをお伝えします。高いお金をかけて設置した後に後悔しないためにも、ぜひポイントを押さえましょう。
1つずつ解説します。
【Point1.】床暖房に向く床材を選ぶ
床暖房には床暖房に向いている床材と向かない床材があります。例えば通常の無垢フローリングは熱を加え続けると、水分が抜けて反り返ってきてしまいます。このように、床暖房に向く床材というものがあることを知らずに通常の無垢材を選んでしまうと、再び床材を張り替えなければならない可能性があるので注意しましょう。
【Point.2】敷く面積を工夫してコストを削減する
床暖房は敷く面積を工夫すればコストを削減することができます。
通常、床暖房を敷く面積が部屋の70%程度であれば、部屋全体が十分に温まるとされています。ベッドやタンスなどの大型家具が配置してある下は、暖める必要がないので大型家具の下は避けて設置しましょう。
「うちは大きなタンスが複数あって70%を切ってしまう」と心配する方もいると思いますが、お住まいの環境や配置の仕方によっては、50%程度の敷面積でも十分に暖まります。
例えば、天井近くまである背の高い家具などはマンションの構造にある柱と同じとみなすことができます。そのため家具を避けて床暖房を設置したとしても問題ありません。
【Point.3】木製の家具の材質に気をつける
床暖房を設置する部屋に置いてある家具の材質には気をつけなければなりません。
例えば針葉樹の木材(ヒノキ・パイン・杉など)で作られた家具は水分の影響を受けやすいため、直接置くと変形してしまう可能性があります。
針葉樹の木材で作られた家具を置く場合は、下に一枚板などをかませるなどの配慮が必要です。
【Point.4】マンションは管理組合の許可を取る
リノベーションで床暖房にする住宅がマンションの場合は、管理組合の許可が必要です。リノベーションが可能かどうかの他に「朝9時〜夕方5時まで」など工事時間の制約などもある場合があるため、必ず管理組合の許可を取りましょう。
【Point.5】断熱性の低い家なら他のリノベーションも考慮する
戸建ての木造住宅で断熱材が入っていない場合や隙間風が入ってくるような場合は、床暖房と一緒に断熱のリノベーションを検討するのがおすすめです。
せっかく床暖房を入れても断熱性が低いと床暖房の効果が薄れてしまい、毎月の光熱費も高くなってしまうからです。
断熱材が入っていない場合は床や壁に断熱材を入れる、隙間風が入ってくるような場合は壁の修繕をするなどのリノベーションがおすすめです。
これからリノベーションするなら床暖房も併せて検討しよう
もしも、これから中古住宅を購入してリノベーションをするなら、床暖房の設置も同じタイミングで検討しましょう。なぜなら、直張りや張り替えをせずに最初から設計に組み込めるからです。
既存の住宅に後付けで床暖房を設置するには、どうしても出張費などの諸経費が初期費用に含まれてしまいます。以下は、一般的なリノベーションで「諸経費」として計上される項目の目安です。
金額は業者によって異なりますが、リノベーション全体の8〜20%程度とされています。例えば温水式床暖房を設置が100万円とすると、諸経費は別途8〜20万円もかかるという計算です。
しかし、住宅をまるごとリノベーションするタイミングで床暖房も設置できれば、すでに職人さんが入っているため床暖房の設置費用だけで済むのでお得です。
設計費の中には床も含まれているので、リノベーションを依頼している業者に床材やデザインなどの相談もできるでしょう。
ゼロリノベでは、リノベーションを前提とした中古マンションの購入からご相談に乗っています。無駄なコストをかけずに理想のリノベーションを実現するための無料セミナーも開催していますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
まとめ
「リノベーションで床暖房にする」と一口に言っても、床暖房の種類によって効果や全体の費用が大きく違ったり、施工方法によって仕上がりが変わってきたりすることがおわかりいただけたかと思います。
例えば高齢者がいるご家庭でも、ヒートショックを予防するなら脱衣所に電気式床暖房がおすすめですし、居室やリビングで長時間過ごされるなら温水式床暖房がおすすめです。さらに、バリアフリーにするなら張り替えでリノベーションするのが良いでしょう。
床暖房は賢く使えば光熱費の節約にもなりますし、健康な生活を手に入れることもできます。床暖房のリノベーションのことで迷ったら、何度でもこのページを読み返して確認してみてください。