子育てしやすい家のリノベーション事例|リノベのポイントや公的支援制度も紹介

これから子どもと一緒に暮らす将来を見据えて、「子育てしやすい家にしたい」と考える人は少なくありません。
家事のしやすさや安全性、家族が自然と集まる間取りなど、住まいづくりに工夫を加えることで、子育て期の心地よさは大きく変わります。
この記事では、子育てしやすい家にリノベーションするためのポイントを「間取り」と「素材」の2つの視点からわかりやすく解説。子育てにやさしい実際のリノベーション事例、さらにリノベ費用の負担を抑えるための公的支援制度も紹介します。
子どもがいても、これから迎えても、快適でおしゃれに暮らせる理想の住まいをつくりましょう。

一級建築士
西村 一宏
ゼロリノベの取締役。一級建築士としての豊富な現場経験と元大学講師としての深い専門知識をもとに、設計施工の責任者を務める。リノベーション・オブ・ザ・イヤーなど建築関連アワードの受賞数は20以上。業界の既成観念に囚われない最適なアプローチで施主のニーズに応えている。
リノベ費用の決定版!リノベにかかるお金について総まとめした記事はこちらから
子育てしやすい家にリノベーションするときの間取りポイント
子どもとの暮らしを快適にする住まいづくりでは、「家事がしやすい動線」「成長に合わせて変化できる間取り」「片付けしやすい収納配置」が欠かせません。
ここでは、子育て世帯がとくに意識したい、4つの間取りポイントを紹介します。
1.リビングとキッチンを対面にする
子育て家庭では、キッチンからリビング全体を見渡せるレイアウトが圧倒的に人気です。料理をしながら子どもの様子を確認できるため、安心感と会話のしやすさが生まれます。
- 家事をしながら子どもの行動が見えて安心感がある
- 困ったときにすぐ声をかけられる距離感が生まれる
- カウンターで宿題やお絵かきを見守れる
家族時間が自然と増える点も魅力。カウンターの高さを低めに設計すれば、子どもが座って勉強したり食事の手伝いをしたりしやすくなります。
リビングとキッチンの一体化は、「目が届きやすくつながれる空間」づくりの第一歩です。
2.子どもの成長に合わせた変化できる間取り
長く暮らす家だからこそ、子どもの成長や暮らしの変化に合わせて柔軟に使える間取りにしておくことが大切です。
ライフステージに応じて空間を仕切ったり統合したりできる設計にすれば、家族構成が変わっても快適に暮らせます。
可動式の間仕切りや2ドア設計の採用
幼少期はリビング横のスペースを子どもの遊び場に、成長後は個室に分けて活用できるようにしておくのが理想的。そこで効果的なのが、可動式の間仕切りやスライドドア、引き戸を使った設計です。
- 幼少期:リビングとつなげて、目が届くプレイスペースとして活用
- 学齢期:間仕切りを閉じて、各自の個室に変更
- 独立後:間仕切りを外して再び広いLDKに
さらにおすすめなのが、あらかじめ出入口を2か所設けておく「2ドア設計」。最初は1室として使いながらも、将来仕切るとそれぞれの部屋に廊下側から直接入れるようになります。
これによりプライバシーを確保しつつ、ライフステージの変化に柔軟に対応可能です。
ロフトや多目的スペースを活用
ロフト下を収納やスタディコーナーとして使い、将来的には遊び場や趣味部屋に変化させるのもおすすめ。
天井高を活かしたロフト空間は、限られた面積を有効活用できる上、子どもの感性や好奇心を育む「秘密基地」のようなスペースになります。
成長とともに変化できるこうした工夫を取り入れることで、「遊びながら成長できる家」を自然に実現できます。
3.収納スペースを増やして、使いやすく配置する
子どもが小さい時期はおもちゃ、学齢期には教材やスポーツ用品など、モノが増えるのが育児世帯の共通の悩みです。
スッキリと暮らすためには、動線を邪魔せず収納力を高める工夫がポイントになります。
ロフト・小上がりを活用
限られた床面積でも、縦方向の空間をうまく活用すれば収納量を増やしつつ、家族がのびのび暮らせる間取りが実現します。
とくに、ロフトや小上がりは、収納・遊び・学びを一体化しやすく人気。床下や天井下を活かすことで、収納家具を増やさずに広く見せることができます。
- 段差を利用して引き出し収納を設置
- 小上がり下にラックを組み込む
- ロフトを子ども部屋兼収納スペースとして利用
こうした立体的設計は、圧迫感を与えず収納量を確保できるだけでなく、子どもにとっては秘密基地のような特別感も生まれます。収納効率アップと暮らしの楽しさを両立させたいときに、おすすめのアイディアです。
玄関に広めの土間収納を設ける
ベビーカーや自転車、部活用品など、外で使うものをまとめて置ける「土間収納」は片付けが簡単。
玄関から洗面室へ直通できるウォークスルー設計にすると、帰宅後すぐ手洗いができ衛生的です。
4.水回りをコンパクトにまとめて家事を効率化
日々の家事は、移動距離が長いほど負担が増えます。とくに洗濯や料理、入浴の準備など水を扱う作業を効率化するには、水回りを一箇所にまとめる間取りが効果的。
- 洗面所・ランドリー・浴室を隣接させる
- 洗濯から乾燥までを一室で完結させる
- キッチンからアクセスできる位置に配置する
動線が短くなることで複数の家事を同時に進めやすくなり、子どもの様子を見守りながら作業できるため安心感も得られます。
アイディア満載!子育てしやすい家のリノベーション事例5選
子どもが自由に遊び、親も穏やかに過ごせる。家族それぞれの時間とコミュニケーションを大切にした、「子育てしやすい家」のリノベーション事例を集めました。
動線や収納、素材や空間設計の工夫など、暮らしをラクにする実例アイディアが満載ですので、ぜひ参考にしてみてください。
1.遊びも暮らしも育む家。ロフトがつなぐ、子育てリノベのかたち
ゼロリノベのリノベーション施工事例
子供達が遊べるロフトや回遊性のあるプラン/寝室を寝るだけのスペースとすることで広いリビングダイニングを確保/特注サイズのダイニングテーブルは様々な用途を兼ねる/奥行きのある造作ベンチはクッションの使い方次第でキッチリもダラッとも使える
※費用は引き渡し当時の金額です
柳詰子どもたちの遊び場となるロフトや、家中をぐるっと回れる回遊動線が、のびのびした子育て環境を実現しました。収納付きの造作ベンチや特注テーブルなど、限られた面積でも使いやすさと快適性を両立。
家族の声が届く距離で、日々の暮らしと成長を育む「子育てリノベーション」の好例です。
2.子どもの成長も、暮らしの形も。描けるリノベーション
ゼロリノベのリノベーション施工事例
家族の変化に合わせて変えられる自由な間取りを希望されたNさまご家族。大きなワンルームのように広々したLDKには将来個室も増設可能です。キッズスペースに施した黒板塗装で、子どもの自由な創造性をいつでも発揮できます。家族の会話が自然と増える楽しい住まいです。
※費用は引き渡し当時の金額です



大きなワンルームのように設計されたLDKは、将来の家族構成に合わせて自在に変えられる間取り。キッズスペースの黒板塗装が、子どもの創造性と家族のコミュニケーションを育みます。
完成を目指さず、成長とともに「アップデートできる家」を叶えた自由度の高いリノベーション事例です。
3.木のぬくもりが見守る暮らし。自然素材でつくる安心子育て空間
ゼロリノベのリノベーション施工事例
無垢の木に憧れがあったという施主様夫婦。安心・安全をテーマに漆喰や木などの自然素材で仕上げました。リビングの一角に造りつけた小上がりは床下に充実の収納確保するとともに、小さなお子さんの将来は子ども部屋として使えるよう計画しました。
※費用は引き渡し当時の金額です



無垢の木と漆喰の自然素材で仕上げた、安心・安全な家族のためのリノベーションです。
リビング一体の小上がりは、収納兼子ども部屋として成長に合わせて活用できる多機能空間。木のぬくもりと心地よさに包まれた、子育て世代にぴったりの暮らしを育てる家です。
4.子育ても在宅も、猫との暮らしも。余白が育むゆとりの家



在宅勤務や子どもの成長、暮らし方の変化に合わせて形を変えられる「余白ある空間設計」です。掃除や収納のしやすさを追求し、家事ストレスを減らした子育てフレンドリーな住まい。
猫ものびのびと過ごせる、家族全員の「心のゆとり」を叶えたリノベーション。
5.家事も子育てもスマートに。北欧×機能性でつくるストレスフリーな暮らし
ゼロリノベのリノベーション施工事例
ほっとする北欧ナチュラルな空間に、家族が助かる機能がたっぷり。使いやすさを追求した細やかな工夫が随所に光ります。玄関土間からつながるウォークインクローゼットは、子育て世代に嬉しい、パントリーも兼ねた大型収納。暮らしに合わせて動かせる棚まで、抜け目なしです。
※費用は引き渡し当時の金額です



北欧ナチュラルな温もりの中に、子育て生活を支える機能性をギュッと詰め込みました。大型WICや可動棚など、家族の成長や暮らしの変化に柔軟に対応できる設計。
整理整頓がしやすく、余白ある空間設計が心のゆとりも生む「機能美×子育てリノベーション」です。
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子育て世帯のリノベーションにおすすめの素材
子育て世帯のリノベーションでは、健康・安心・快適さを意識した素材選びが欠かせません。
小さな子どもが床をハイハイしたり、壁に触れたりすることを考えると、肌ざわりが良く化学物質の少ない素材を選ぶことが大切です。また、マンションなど集合住宅では、防音性や遮音性への配慮も重視したいポイントです。
ここでは、子育て世代におすすめの素材を3つご紹介します。
無垢材
自然素材の代表ともいえる無垢材(むくざい)は、木そのものの温もりと調湿性を活かした人気の床材です。
無垢材は接着剤を使わないため化学物質がほとんど含まれず、子どもにも安心。さらに適切にお手入れすれば、30年以上長持ちする高耐久素材として愛用できます。
【無垢材のメリット】
- 湿度を自動調整し、快適な空気環境を保つ
- 断熱性が高く、冬でも冷えにくい
- 木の精油成分がカビやダニの発生を抑制
とくにリビングやこども部屋など、素足で過ごす場所の床材としておすすめ。経年によって色合いが深まるため、家族の成長とともに変化を楽しめる素材です。
漆喰・珪藻土
壁材には、漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)といった自然素材を選ぶと安心です。
どちらも多孔質構造で、空気中の湿度や臭いを吸収する作用があります。
【漆喰・珪藻土のメリット】
- 部屋の湿気を吸放出し、カビや結露を防ぐ
- 消臭効果があり、部屋の空気をクリーンに保つ
- 耐火性が高く、安全性に優れる
子どもが小さいうちは壁を汚してしまうこともありますが、漆喰や珪藻土は乾燥後も上から塗り重ねできるのが利点です。
また、家族でDIY塗り直しを楽しむのも、思い出づくりのひとつになります。
吸音材・遮音マット
走り回る声や足音など、子どもの生活音をできるだけ軽減する工夫も、集合住宅や密集地では欠かせません。そのために有効なのが、吸音材や遮音マットです。
【吸音材・遮音マットを使用するメリット】
- 下階への足音や生活音を軽減
- 赤ちゃんの夜泣きや遊び声による近隣トラブルを防ぐ
- フローリング下など、見えない部分に施工してもデザイン性を損なわない
一定の防音対策を施しておけば、親も子も気兼ねなく過ごせます。少しの投資で、家族がのびのび暮らせる静かな環境が手に入ります。
子育てリノベーションで使える公的支援制度
子育てのために自宅をリノベーションする際には、補助金や減税制度などの公的支援を利用できる場合があります。
ここでは、2025年10月時点で利用できる可能性がある、実施・受付中の代表的な制度を紹介します。
いずれも申請条件や時期が毎年更新されるため、制度の概要を知ったうえで、詳細は公式サイトや施工会社へ確認するのが確実です。
補助金制度の例|住宅省エネ2025キャンペーン
国が主導する住宅省エネ2025キャンペーンでは、3つの主要補助事業が実施されています。ただし、制度によっては受付が終了しているものもあるため、以下の点に注意が必要です。
子育てグリーン住宅支援事業(国土交通省)
- 進捗:新築・GX志向型住宅分は2025年7月22日に予算上限に達し、申請受付終了。
- リフォーム対象(既存住宅の省エネ改修・子育て対応改修・バリアフリー改修)は、一部内容を継続検討中。現時点で新規募集は停止中。
- 制度の後継として、2026年度「住宅省エネ次世代支援事業」(仮称)が検討されていますが、開始時期は未発表。
先進的窓リノベ2025事業(環境省)
- 申請受付中(2025年10月時点)で、交付申請の予約締切は2025年11月14日(金)まで。
- 高性能な断熱窓やドアの設置に対して、1ヵ所あたり数万円〜数十万円の補助。
- 断熱性の向上や光熱費削減に効果があり、窓改修を検討している家庭に人気の制度。
給湯省エネ2025事業(経済産業省)
- 申請受付中。予約受付は2025年11月14日(金)までで、予算消化率は約70%。
- エコキュート・ハイブリッド給湯機など、省エネ型給湯器の設置に対し、1台あたり約6〜13万円(撤去加算含むと最大17万円程度)を補助。
また、自治体によっては「子育て世帯向けリフォーム補助金」「住宅購入・改修支援金」などの独自制度を設けている地域もあります。
居住地+「リフォーム補助金」で検索し、最新情報をチェックすると良いでしょう。
減税制度の例|ローン控除・固定資産税軽減など
リノベーションの内容によっては、税制優遇制度を利用できる可能性もあります。
- 住宅ローン控除
リフォームや省エネ改修を行う際、一定条件を満たせば年末時点のローン残高に応じた所得税控除が受けられます。
- 固定資産税の軽減
耐震・バリアフリー・省エネ改修などを行うと、翌年度の固定資産税が最大3分の1程度減額される場合があります。
- 贈与税の非課税措置
親や祖父母からリノベーション資金を援助してもらう場合、一定額まで贈与税が非課税に。 世代間サポートを受けやすい制度です。
これらの制度は、年度や予算の進捗により突然終了する場合もあります。補助金申請は多くの場合、施工を依頼するリノベーション会社が代行申請するため、まずは相談時に利用可否をチェックしましょう。
※本記事に掲載している住宅ローン減税制度の概要・要件等は、2025年度時点の情報です。最新情報については、下記の記事を参照してください。
リノベ費用を算出して施工事例を見てみる
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まとめ
子育てしやすい家をつくるリノベーションでは、家族の今と未来を見据えて、「暮らし方に合わせて変えられる設計」を意識することが大切です。
子どもの成長に合わせて間取りを柔軟に変えられる工夫、家事や収納をスムーズにしてくれる動線、安心して触れられる自然素材などを取り入れることで、安心感とデザイン性を兼ね備えた、家族がのびのび暮らせる空間を実現できます。
また、補助金制度や減税制度を上手に活用すれば、費用を抑えながら理想の住まいを叶えることも可能です。制度の最新情報は、自治体や専門会社を通じて確認しておくと安心でしょう。
なお、ゼロリノベでは、施工面積に応じた明瞭な価格設定を導入。家族の成長に合わせて変えられる間取りや、造作収納など、子育て世代に人気のプランも豊富にご提案しています。
子どもとともに育つ家づくりは、安心・快適・おしゃれをすべて叶えるゼロリノベを、ぜひご検討ください。







