無垢材フローリングのメリット・デメリットは?お手入れ方法も紹介|厳選リノベ事例5選
無垢材フローリングとは、天然木100%で作られたフローリングのことを指します。
複数の薄い板を重ね合わせて作る一般的な積層フローリングにはない、天然木ならではの温かみや味わいを感じられるのが特長です。樹種によって風合いも異なり、自分好みの天然木を選べる楽しみがあるため、ゼロリノベのお客様でもリノベーションで取り入れられる方が多く人気のフローリングです。
一点ものの良さや経年変化を楽しめるメリットがある一方で、樹種によっては反りや傷が生じやすいといったデリケートな一面もあるため、全ての人が無垢材フローリングに向いているわけではありません。
また、フローリングのような床材は、貼り替えるのに時間もお金もかかるものなので、購入する際は慎重に選ぶ必要があります。
しかし、無垢材の特徴や住んでからのメンテナンス方法など、正しい知識の上で選べば、手触りのよいフローリングのとても心地よい住まいを手に入れることができます。
本記事では
- 無垢材フローリングの代表的な種類と特徴
- 他のフローリングとの違い
- 無垢材フローリングのメリット・デメリット
- 無垢材フローリングをおすすめできる人・できない人
- 自分に合った無垢材フローリングの選び方
- よくある失敗と対策
など、無垢材フローリングを選ぶ際、事前に知っておくべき基礎知識を徹底解説。
これを読めば、自分にとって最高の無垢材フローリングを選べるようになるでしょう。
無垢材フローリングの樹種とコーディネート事例については、こちらのYouTube動画でも紹介しているのでぜひご覧ください!
無垢材フローリングとは
まずは無垢材フローリングとは何か正しく理解しておきましょう。
無垢材とは、一本の木から直接切り出した木材のことを指します。
木材を接着剤で張り合わせた集合材や集成材や合板とは異なり、化学物質を一切含まない自然素材で、天然木の風合いを楽しめるのが特徴です。
無垢材フローリングは、一本の木から切り出して作られたフローリング。
一般的なフローリングは複合フローリングと呼ばれ、薄い板を重ね合わせて作られます。
これに対して無垢材フローリングは、貼り合わせをせず、一枚の板で作られていることから「単層フローリング」とも呼ばれます。
無垢材と聞くと「床に張られたフローリング一面が、全て一本の木からできている」イメージを持つかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
あくまでも「一枚分のフローリングが一本の木から作られている」と認識しておきましょう。
無垢材フローリングの代表的な7つの種類と特徴
一口に無垢材フローリングと言っても、樹種によってその特徴はさまざま。
ここでは、新築やリノベーション事例でよく使われているポピュラーな木材を7種類ピックアップし、それぞれの特徴を紹介していきます。
2-1.杉
【杉無垢材フローリングの特徴】
木の中にたくさんの空気をため込むことから、断熱性能が高く、「冬でも素足で歩ける暖かい床」を叶えてくれ実現します。
2-2.ヒノキ
【ヒノキ無垢材フローリングの特徴】
同じ国産種の杉よりも高価ではあるものの、劣化しにくい素材で、長期間貼り替えずに使い続けることができます。
2-3.パイン
【パイン無垢材フローリングの特徴】
針葉樹を代表する床材であるパイン。カラマツや赤松などほかの針葉樹と比べてがありますが、住宅用フローリングとして馴染み深いのがは北欧産レッドパインです。ランダムな節や柔らかい肌触りが魅力で、塗装が付きやすく着色にも適しています。また、経年変化により赤黒くなるのが特徴です。
2-4.オーク
【オーク無垢材フローリングの特徴】
渋みのある落ち着いた色合いと力強い木目が魅力的なオーク。土足文化のある欧米でも昔から使われているほど、耐久性にも優れた素材です。適度な硬さであるため、素足でも疲れにくいのがポイントです。
2-5.チーク
【チーク無垢材フローリングの特徴】
天然の油分による独特の光沢があり、見た目にも肌触りにもエレガントな雰囲気が漂います。
2-6.メープル
【メープル無垢材フローリングの特徴】
優しい木目と色合いは「最高峰の美しさ」と言われており、床材に使用することで、明るく爽やかな印象のお部屋に。
2-7.ウォルナット
【ウォルナット無垢材フローリングの特徴】
やや暗めの色味と上品な光沢は、床材に用いることで、落ち着いた雰囲気の部屋を演出してくれます。
複合フローリングとの違い
前述の通り、一本の木を切り出して作られているフローリングを「無垢材フローリング」と呼ぶのに対し、複数の薄い板を張り合わせて作られたフローリングを「複合フローリング」と呼びます。
複合フローリングは主に、以下の3種類に分けられます。
- 挽き板(ひきいた)
- 突き板(つきいた)
- シート
それぞれの特徴や無垢材フローリングと違いを詳しく見てみましょう。
3-1.挽き板フローリングとの違い
挽き板フローリングとは、土台となる基材の上に、「挽き板」と呼ばれる、やや厚めの天然木の板を貼り付けたフローリングです。
表面に本物の天然木が使われているので、見た目も質感も無垢材フローリングに近いのが特徴です。
3-2.突き板フローリングとの違い
突板フローリングとは、土台となる基材の上に、挽き板よりも薄い「突き板」を貼って作られたフローリングです。
こちらも表面に天然木が使われているため、見た目は無垢材フローリング似ていますが、質感は厚みのある挽き板フローリングの方がリアルです。
3-3.シートフローリングとの違い
シートフローリングとは、樹脂や紙の上に木の模様をプリントし、そのシートを基材の表面に貼ったフローリングです。
3種の複合フローリングのうち、最も安価で扱いやすいタイプですが、天然木の質感や風合いは感じられにくく、安っぽく見えがちになってしまうことは否めません。
いずれも、「100%本物の天然木ではない」という点が、無垢材フローリングと複合フローリングの大きな違いです。
無垢材フローリングのメリット
無垢材フローリングと複合フローリングの違いが明確になったところで、無垢材フローリングにはどんなメリットがあるのか、見ていきましょう。
主なメリットは、全部で5つです。
- 本物の木ならではの風合いや香りを楽しめる
- 使い込むことで味わいが出る
- 夏場ベタつかずサラッとした肌触り
- 冬場でも冷えない
- 傷の修理がしやすい
具体的にどんな良いことがあるのか、一つずつ解説していきます。
4-1.天然木ならではの風合いや香りを楽しめる
挽き板・突き板といった複合フローリングには、表面に本物の天然木が使われているものの、厚みは最大でも2mm程度。
その下には10mmほどの合板が基材として使われているため、無垢材フローリングと比べて使用する天然木の量が圧倒的に少ないという特徴があります。
しっかりと厚みのある天然木は木そのものの風合いが感じられ、部屋に入るとふわりと木の香りが漂います。
写真では同じように見えても、複合フローリングでは感じられない「生命力」が、無垢材フローリングにはあるのです。
また同じ種類の木でも、一本一本の風合いや木目は異なるもの。それぞれに違った表情を見せる「一点物」としての特別感がある点も、無垢材フローリングの魅力のひとつです。
4-2.使い込むことで味わいが出る「経年美化」
無垢材フローリングには、年月とともに少しずつ色味や質感が変わっていく「経年変化」という特徴があります。
使い込むごとに色が濃くなるもの・薄くなるもの・光沢が出てくるものなど、どのように変化していくかは、木の種類や家の住人の暮らし方によって様々。
「自分の家にしかない味わい」を楽しむことができるのです。
挽き板・突板フローリングも、表面に天然木を使用しているため、経年変化自体はもちろん見られます。
しかし、無垢材フローリングにはメンテナンスや傷の修理を繰り返し、長い時間をかけて変化していく、いわば「経年美化」と呼べるような味わい深さがあるのです。
4-3.夏場はベタつかずサラッとした肌触り
木材を使った住宅や家具店の宣伝文句でよく「木は呼吸をする」といった表現をされることがあります。
これは、木材には小さな穴がたくさん空いており、水分や空気を出し入れできる「調湿機能」があるためです。
一本の木をそのまま使用した無垢材は、湿気の高い夏場に空気中の水分を取り込むだけではなく、人間の汗も吸い取ってくれます。
木の板を表面にしか使用していない挽き板・突き板フローリングでは、その分空気の穴も少なくなるため、残念ながらここまでの調湿作用は期待できません。
4-4.断熱効果があり、冬場でも冷えない
無垢材フローリングの中にある無数の穴は、湿度を調節する機能だけではなく、断熱効果もあります。
空洞があることによって空気の層ができ、地面からの冷気をシャットアウトするのです。
挽き板・突き板フローリングは天然木の厚みが無垢材フローリングよりも大幅に少ないので、その分空気の層も薄く、冷気をダイレクトに感じてしまいます。
4-5.傷の修理がしやすい
突き板やシートタイプのフローリングの場合、表面に傷が付いて中の基材が見えてしまうと、修理の手段は張り替えるしかありません。
やや厚みのある挽き板フローリングでも、深い傷が付いてしまえば、同じことです。
全て同じ素材の木で作られている無垢材フローリングなら、木目に沿ってヤスリをかけ、オイルなどをコーティングするだけで傷の修理ができます。
多少の傷やへこみは張り替えずに修理を重ねることで、長く大切に使い続けられるのです。
無垢材フローリングのデメリット
多くの魅力がある無垢材フローリングですが、気をつけておきたいポイントもあります。
無垢材フローリングの代表的なデメリットは、以下の5つです。
- 価格が高い
- 隙間・反り・ヒビ割れが生じやすい
- 傷や水じみが付きやすい
- 「床鳴り」が発生することがある
- 床暖房やホットカーペットが使えない素材がある
無垢材フローリングの採用を決める前に、デメリットもしっかりと確認しておきましょう。
5-1.価格が高い
一般的にフローリングの価格は、使用する天然木の量が多いほど上がっていくものです。
つまり、これまでご紹介したフローリングの価格は、「無垢材→挽き板→突き板→シート」の順で安価になります。
1㎡あたりの費用は、無垢材フローリングが9,000円~、複合フローリングが7,000円~が相場で木の種類によって価格は左右されますが、複合フローリングよりも出費がかさむものと心得ておきましょう。
5-2.隙間・反り・ヒビ割れが生じやすい
複合フローリングが接着剤によって土台をしっかり固められているのに対して、無垢材は木そのものを直接床に敷くことになるため、形状が安定しづらい傾向にあります。
これは空気の乾燥などで木材の中の水分が奪われると収縮するという、無垢材の性質によるものです。
きちんと施工されたフローリングを正しく扱っていれば、生活が不便になるほどの隙間や反りは生じません。しかし、冬場は加湿器を部屋に設置して部屋を極度に乾燥させないなどの注意を払う必要があります。
5-3.傷や水シミが付きやすい
シートフローリングや、表面が水に強いウレタンなどの塗料で加工されている挽き板・突き板フローリングに比べて、水分に弱いというのが、無垢材フローリングの弱点。
コーヒーやワインといった色の強い液体はもちろん、ただの水でも無垢材フローリングの上にこぼしたまま放置していると、そこだけ色が剥げたように変わってしまうことがあります。
また、杉やヒノキといった柔らかい木材の場合は、物を落とした衝撃で傷が付いてしまうことも。
定期的にフローリング表面にオイルを塗り直す・傷の補修をするといったメンテナンスをしてあげる必要があります。
なおこれは、表面をオイルでコーティングしてある挽き板・突き板フローリングにも言えることです。
水ジミをどうしても避けたいのであれば、ウレタン加工を施された複合フローリングか、シートタイプのフローリングを利用した方がいいでしょう。
5-4.「床鳴り」が発生することがある
前述した通り、収縮や変形が起こりやすいという特徴がある、無垢材フローリング。
変形の仕方によっては、フローリングの上を歩いたときに継ぎ目同士がこすれ、「ミシミシ」といった床鳴りの音が出ることがあります。
薄い板を接着剤で固めた複合フローリングでは、このようなことは基本的に起こりません。
無垢材フローリングの床鳴りは、ホームセンターなどで売られている専用の補修材を継ぎ目に流し込めば、隙間が埋まって音は鳴り止みます。しかし、自らの手でメンテナンスが必要なのは少し面倒という方は、複合フローリングを検討してみましょう。
5-5.使える暖房器具が限られる場合もある
寒さが厳しい時期に、足元を暖かくしてくれる床暖房やホットカーペット。
無垢材フローリングでは、温度変化によるヒビ割れを防ぐために、こういった暖房器具が使えない場合もあります。
さらに、水蒸気を大量に出す石油ストーブやガスストーブも、水分に弱い無垢材フローリングには適していません。
暖房器具には床材へのダメージが少ない、エアコンやオイルヒーターが推奨されています。
一部、特別に加工され床暖房に対応している無垢材フローリングなどもありますが、通常のフローリングよりも価格が高くなってしまうというデメリットがあります。
そのため暖房器具を使う箇所のフローリングには、無垢材以外の床材を選ぶという選択も良いでしょう。
【メリットとデメリットまとめ】 ここで、無垢材フローリングのメリットとデメリットを比較してみましょう。 こうして見比べると、見た目や住み心地ではメリットの方が、扱いやすさに関してはデメリットの方が多いことがわかります。 |
無垢材フローリングをおすすめできる人・できない人
これまで無垢材フローリングの特徴やメリット・デメリットについて解説してきました。その一方で「結局、自分は無垢材フローリングと複合フローリングのどちらを選べばいいの?」と迷ってしまった方もいるかもしれません。
そこでここからは、最終的な判断材料として役立つ、無垢材フローリングをおすすめできる人・できない人の特徴を紹介していきます。
自分がどちらのタイプに当てはまるのか、チェックしてみましょう。
6-1.おすすめできる人
- 家を大切に扱う「丁寧な暮らし」がしてみたい
- 一年じゅう中裸足で生活したい
- 「本物」に触れて暮らした
無垢材のフローリングは、その家に住む人とともに、時間をかけてゆっくりと変化していくものです。
「100%本物の天然木」を、見て触って、心豊かに暮らしたいという思いが強い方には、無垢材フローリングが最適だといえるでしょう。
最終的な決め手としては、「多少値が張っても、天然の木の香りがする一生モノにこだわって快適に過ごしたい!」という場合は、無垢材フローリングを選ぶべきです。
6-2.おすすめできない人
- 予算にあまり余裕がない
- 最小限のメンテナンスで綺麗な床を保ちたい
- 床を気にせず暖房器具を使いたい
見た目や使い心地が良い反面、利便性にやや欠ける、無垢材フローリング。
お手入れの頻度や使用する暖房器具など、生活の自由度を優先するのであれば、複合フローリングの方が向いているかもしれません。
選択に迷った場合は、将来的に手をかけ続ける覚悟があるかどうかで考えてみましょう。
「オイルの塗り直し・乾燥による変形を防ぐ加湿・床鳴りの補修に気を使うのが嫌!」と感じる場合は、無理に無垢材フローリングにこだわらず、複合フローリングを選ぶべきです。
自分に合った無垢材フローリング選び方
無垢材フローリングを選ぶ際に重要になってくるのは、以下の4つのポイントです。
【無垢材フローリングを選ぶポイント】
- 見た目(部屋のイメージに合うかなど)
- 価格
- 耐久性(変形しづらい・傷が付きにくい)
- 断熱性
この4つの要素に優先順位を付けながら選ぶことで、自分の理想により近い無垢材フローリングが見つかります。
ここで、記事の序盤で紹介した7種類の木材について、より深く見ていきましょう。
【木の種類を選ぶ基準の一例】
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このように、自分の譲れないこだわりが何か、考えながら選んでいくことが大切です。
よくある失敗と対策
購入した当初は自分の理想通りのだと思っていたのに、実際に住んでみてから無垢材フローリングへの不満が出てきた、という人は少なからずいます。
満足のいく無垢材フローリングを長く使い続けるためには、失敗しやすいポイントを抑え、それに合わせた対策をしておくことが重要です。
よくある失敗例として挙げられるのは、次の3つ。
無垢材フローリングのよくある失敗例
- 経年変化後の色が気に入らない
- 苦手な匂いの木材を選んでしまった
- 割れやヒビがあちこちにでてきてしまった
それぞれどのように対策をすればいいのか、詳しく見ていきましょう。
8-1.経年変化後の色が気に入らない
買った当初の色味が気に入っていたのに、時間が経って色が変わり、「こんなはずじゃなかった!」と後悔するパターンです。
このような失敗を防ぐためには、使用する木材がどのように経年変化するか、事前に確認しておくことが大切。
買った当初の色をどうしても維持したい場合は、無垢材フローリングではなく、天然木を使用していないシートフローリングを購入するのがベターです。
8-2.苦手な香りの木材を選んでしまった
いくら見た目が気に入っていても、香りが苦手なフローリングを選んでしまっては、一気に家の住み心地が悪くなりますよね。
無垢材フローリングの香りは、木の種類によってさまざま。
特に杉やヒノキは香りが強く、人によっては苦手ということもあります。
自分が候補に入れている木材と同じものを使用したモデルルームに足を運ぶなどして、香りも確認しておくのがおすすめです。
8-3.割れやヒビがあちこちにでてきてしまった
「張り替えてからまだ日が浅いのに、フローリングに割れやヒビができてしまい、がっかり……」
こちらも、無垢材フローリングを購入した人に多く見られる失敗です。
無垢材フローリングの割れやヒビを防ぐためには、日常的なケアと、定期的なメンテナンスが不可欠。
使用している木の種類や仕上げ方法によっては、メンテナンスのやり方や頻度が異なるので、購入前にチェックしておきましょう。
長持ちさせるお手入れ方法
無垢材の風合いを美しく維持するためには、適切なお手入れが必要です。ここからは、自分でできるお手入れ方法をご紹介します。
9-1.普段は乾拭き、汚れには水拭きが有効
日常的な拭き掃除は乾拭きが基本です。普段はモップやクロスでスイスイ拭くだけで大丈夫ですが、表面の汚れ落としには水拭きが効果的。たまに固く絞った雑巾で拭くのがおすすめです。
無垢材は素材そのものに「油分」が含まれているため、乾拭きすることで磨かれて「ツヤ」が生まれます。そのため油分を排除し過ぎない程度の水拭きと日常的な乾拭きの両方でお手入れするのが理想的なのです。水拭きは1カ月に1~2度程度を目安にしましょう。
9-2.定期的にクリーナーで汚れを落とす
水拭きで定期的に汚れを落としていても、日々の汚れは気づかないうちに蓄積していくものです。本来の素材が持つ風合いや色合いを維持するために、半年に一度、または一年に一度は専用クリーナーでしっかり汚れを落としましょう。その際、ゴシゴシと力を入れすぎないように優しく拭き取るのがポイントです。
9-3.劣化が目立ってきたら再塗装する
無垢材に塗装している場合、ヘコミや傷などで中の木の素地が目立ってきたら再塗装を検討しましょう。塗装は無垢材の撥水性を高める効果もあるため、塗装が落ちていくと保護機能も失われていってしまいます。
ヤスリなどで劣化部分を滑らかにしたあと、チリや埃を綺麗に取り除き木目に沿ってブラシで薄く塗りましょう。
部分的な補修塗装なら、出来るだけ小さいブラシで薄く重ねていきます。塗料を付け過ぎると、塗装が厚くなり木目をつぶしてしまうので気を付けましょう。また、ヤスリで表面をツルツルにし過ぎてしまうと塗料の付きが悪くなるため、ヤスリがけはほんの少しだけザラ付きを残した状態にするのがポイントです。
着色してない場合は、専用ワックスやオイルなどがよいでしょう。素地のままよりも保護膜があり、耐久性維持も期待できます。
無垢材を使って最高のリノベーションを
風合いを楽しむためには適度なお手入れが必要ではあるものの、やはり無垢材ならではの独特な質感は、お部屋の雰囲気づくりに大きく貢献します。
ここからは無垢材フローリングを使った魅力たっぷりのリノベーション事例をご紹介していきます。樹種や貼り方の違いなどによるバリエーションの豊かさにも注目しながら、細部まで統一感のある素敵な住空間を参考にしてみてください。
10-1.無垢材フローリングを使ったリノベーション事例4選
[事例1]オーク材をダークカラーのオイル塗装で仕上げた大人の空間
渋みのあるオーク無垢材をダークカラーのオイル塗装で仕上げた事例です。木目がしっかりと引き立ち、高級感のある大人のシックな雰囲気を醸しています。
一つ一つ異なる木目の表情が味わい深く、経変変化も楽しめる住まいです。
[事例2]杉材をグレイッシュカラーで薄化粧し優しい雰囲気を演出
杉の無垢材にほんのりグレイッシュな塗装を施した事例です。優しい雰囲気の中でダーク系の家具が空間を引き締めてくれていて、透明感と広がりを感じる住空間です。
杉の柔らかい風合い、淡い色調がナチュラルな雰囲気を演出します。
[事例3]市松張りのオーク材で変化を表現したリズミカルなLDK
オーク材を市松模様に張り合わせ、リズミカルな空間に仕上げた事例です。個性的な床の表情が非日常を感じさせてくれます。
オークの控えめな木目を活かし、爽やかなブルーをアクセントに家具が引き立つ素材づかいが魅力です。
[事例4]チーク材をヘリンボーン仕上げにしてでレトロな雰囲気を演出
チーク材のヘリンボーン床が個性的な事例です。チーク独特の赤みのあるカラーがレトロな雰囲気を醸してくれています。
傷に強く、ペット飼育者にもおすすめです。細かな傷を気にせず穏やかな時間を過ごせます。
10-2.フローリングがハードル高いならインテリアでトライ
「無垢材の独特な雰囲気は魅力だけど、お手入れなど自分にはハードルが高いのでは?」と感じている方には、ダイニングテーブルやチェア、本棚やラックなどのインテリアで無垢材を取り入れてみるのもおすすめです。家具は直接手に触れるものですから、無垢材の質感を身近に感じられるでしょう。
家具もナラやオーク、パイン、チェリーなどさまざまな樹種で作られています。自分好みの木目や風合いをじっくりと時間をかけて選んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
無垢材フローリングとはどんなものなのか、満足の行く品を選ぶためにはどうすればいいのか、理解することができたのではないでしょうか。
床材選びは、その後の家の住み心地を大きく左右する、重要なイベントです。
ぜひ本記事の内容を参考に、自分にとってベストな最高の無垢材フローリングをお迎えしてくださいね。
またゼロリノベではこれまで、本記事で紹介した事例以外にも無垢材フローリングを使ったリノベーションを多数手掛けてきました。無垢材の扱いに長けたリノベーション設計のプロが、あなたの理想の空間づくりをお手伝いします。
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