マンションリノベーションの費用はいくらかかる?費用を抑える4つのコツ

近年、住まいの新たな選択肢としてリノベーションが注目を浴びています。
リノベーションは新築購入に比べて住宅費用を抑えながら、注文住宅のような間取りやデザインを叶えることができます。ただし、満足のいくリノベーションにするためには中古物件の目利きや余裕のある予算の組み立て方が必要不可欠です。
この記事では、リノベーションにかかる費用や価格を抑えるポイント、中古物件の選び方について解説していきます。

一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
リノベーションの概算費用を出している会社があります
中古マンションのリノベーションをする会社は全国に数多くありますが、その中には、リノベーション費用をおおまかに計算できるようにしている会社もあります。そういった会社の多くは、㎡あたりの単価で計算できるようになっています。
例えば、60㎡の専有面積のマンションをリノベーションするなら1㎡あたり15万円など、ある程度の予算感が把握できるのです。上記の場合なら、金額としては、900万円(税別)が、リノベーションにかかる費用となります。
ゼロリノベの料金プランは以下のとおりです。平米数ごとの費用相場と合わせてチェックしてみてくださいね。
ゼロリノベの3つの料金プラン
注文住宅のように、ゼロから自由な空間をつくれるフルリノベ『BASIC』と『PLUS』 スケルトン工事せず、既存を生かした部分リノベ『ECO』いずれも、選べる仕様/設備が決められておらず、世の中にある設備や素材から自由に選べることが特徴です。

ゼロリノベの平米数別の料金相場
フルリノベの場合には、広さによって基本料金が決まる『BASIC』と『PLUS』 プランがあります。
平米数 | BASICプラン 11~13万円/㎡+450万円 | PLUSプラン 14万円/㎡+450万円 |
---|---|---|
〜39㎡ | 879万円〜957万円 | 990万円 |
40㎡ | 890万円〜970万円 | 1,010万円 |
50㎡ | 1,000万円〜1,100万円 | 1,150万円 |
60㎡ | 1,110万円〜1,230万円 | 1,290万円 |
70㎡ | 1,220万円〜1,360万円 | 1,430万円 |
80㎡ | 1,330万円〜1,490万円 | 1,570万円 |
BASICプランの施工事例 | PLUSプランの施工事例 |
【基本知識】リノベーション費用を抑える4つのポイント
どこに注意すればリノベーションの費用を抑えることができるのか、大きなポイントを4つご紹介します。
キッチン
リノベーションの工事費用とは別に、設備費用として上がりやすい項目の1つがキッチンです。
金額の低いものであれば全部で30万円程度で納めることもできますが、逆にハイクラスになると200万円レベルのキッチンも存在します。また、造作キッチン(オリジナルの手作りキッチン)にすると、費用も上がりやすいことは覚えておきましょう。もしも、費用を安く納めたいのであれば、各メーカーのキッチンから、最低限の機能を持ったシステムキッチンを選ぶのがおすすめです。
お風呂
お風呂も、キッチンと同じく金額の上がりやすい項目の1つです。特に、お風呂は、広さを求めるほど金額が上がっていきます。価格相場は50万円程度のものから、300万円以上するものまで、多種多様です。
また、キッチンと同じくお風呂をゼロから作ることもできます。この場合は、お風呂の広さや縦横の寸法なども自由に決めることができるため、お風呂が好きな方にとっては非常におすすめです。ただし、金額のほうは割高になるので注意が必要です。
フローリング
フローリングの種類によっても金額は大きく異なります。というのも、フローリングの価格は、㎡あたりの金額で決められています。例えば、㎡3,000円のフローリングで60㎡のマンションなら、単純計算で、18万円(施工費は別)です。しかし、㎡10,000円のフローリングで同じ条件なら、60万円の費用となります。マンションが広ければ広いほど、㎡あたりの価格の違いが大きくなるので注意しておきましょう。
壁
実は、床や天井よりも面積が大きいのが壁の存在。仕上げを、クロス(壁紙)にするか、塗装にするか、漆喰や珪藻土にするかで価格は異なります。基本的には、クロス(壁紙) < 塗装 < 漆喰や珪藻土の順に価格は上がっていきます。
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リノベするなら知りたい7つの知識
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低コストでも空間をお洒落に見せるためのポイント
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リノベーションとはいえ、新築テイストが好きだし、なるべくコストをかけたくないという方もいるかもしれません。そこで、一般的にどういったところを注意すれば、コストを抑えつつ、お洒落になるかをご紹介します。
設備は標準仕様のものにする
上記でお伝えしたとおり、キッチンやお風呂の設備は、なるべく一般的なものを選びましょう。設備費用次第で、リノベーション全体の価格は大きく変わってきます。また、メーカーから出ているものは、昔と違って安かろう悪かろうということはありません。最低限の機能でも十分であることが多くあります。ショールームなどへ行って価格帯を調べてみるのもよいかもしれませんね。
フローリングは無垢材
フローリングは、いつも体に触れている部分です。ここはビニール素材のものより多少値がはっても、無垢のフローリングを選ぶことをおすすめします。空間の質的にも、雰囲気は無垢フローリングを使うと大きく変わります。

人の体に触れる部分にはお金をかけるべきだとゼロリノベではお伝えしています。逆に壁などはあまり普段直接触れる部分ではないので、床よりも優先度を下げてもいいかもしれませんね。
無垢材フローリングの選び方については、こちらの動画も参考にしてみてください!
壁は塗装よりも壁紙(新築感が出る)
新築っぽい雰囲気にするならクロス(壁紙)がおすすめです。よくある白いクロスではなく、薄いグレーのクロスなどを選ぶと、大人っぽい雰囲気になりますよ。また、部分的(玄関など)に別の色のクロスを取り入れるアクセントウォールも個性が出るのでおすすめです。
家具を安易に安物で済ませない
基本的に、リノベーションの費用を抑えて、家具に予算を使いましょう。白くてシンプルな空間でも、お洒落なソファーとテーブルがあるだけで、一気に空間のクオリティは変わります。逆に、空間にいくら費用を使っても、安物の家具を選んでしまうと、どうしてもいまいちな空間から抜け出せなくなってしまうので、注意が必要です。



インテリアはリノベーションでつくる「箱」と中身である「家具」のバランスも重要です!ゼロリノベのYouTubeではお施主さまのおうちのルームツアーで、購入した家具もご紹介しています。見れば参考になること間違いなしですよ。
中古マンションを購入するなら築25年以降がおすすめ!?
中古マンションは築年数の経過に伴い値下がりし、築25年以降値下がりが止まる傾向にあります。
下のグラフは、東日本レインズが発表した2022年(令和4年)4月〜6月に東京を中心とした首都圏で売却された中古マンションの、築年数別の㎡あたりの平均価格の推移をまとめたものです。
【参考】首都圏中古マンション・中古戸建 地域別・築年帯別制約状況【2022年04〜06月】|東日本不動産流通機構(1頁)を元に作成
グラフの価格推移から分かるように、マンションは新築直後から価値が減少しはじめ、築25年を境に価格の変動が緩やかになり下げ止まります。
つまり、値下がりが落ち着いた築25年以降の物件は、購入費を抑え、資産性も維持しやすい狙い目物件といえるのです。
中古マンションの耐震性や耐久性(寿命)が気になる場合にチェックするべき観点


前述の通り、値下がりの落ち着いた築25年以降のマンションがおすすめですが、建物の劣化や耐震性が気になる人もいらっしゃるかと思います。長く安心して住める物件を見極めるポイントは、マンションの「管理状態」です。
マンションの寿命は100年以上という国土交通省の資料もあります。もちろん、すべてのマンションの寿命が100年以上とは言えませんが、新築マンションも、これから15年何も管理せず放置すれば、質の悪い中古マンションとなってしまいます。そういった意味で、管理がどのようにされてきたか確認できる中古マンションは、過去の修繕履歴を参考にできる点で有利とも考えられます。
中古マンションの耐震性についても同様に、構造的なものや、立地など、様々な要因がありますが、一番重要なのは、やはりどのように管理されてきたかです。


この図は、阪神大震災のときの、マンションの災害度比率を表した図です。旧耐震と新耐震に分かれていますが、いずれも、倒壊したマンションは、しっかりと管理されていなかったマンションです。中古マンションを購入するときは、しっかりと管理されてきたかをチェックするようにしましょう。
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リノベするなら知りたい7つの知識
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【最重要】まずは、家に使っていい予算を知ることから
今よりも幸せになるための手段として家の購入を検討しているのに、月々の支払に追われるのは、本末転倒です。なので、最終的に新築マンションを選ぶにしても、中古マンションのリノベーションを選ぶにしても、「自分たちが住宅に使っていい予算」は、あらかじめしっかりと出しておきましょう。そして、それが無理なく返済できる金額になっているかも非常に重要です。
こんなデータがあります。独立行政法人 日本学生支援機構「令和4年度 学生生活調査結果」によると大学(昼間部)では、約二人に一人が奨学金を受給しています。ちなみに20年前は奨学金受給者は20%もいませんでした。つまり、学費を支払いきれない親が増えているということです。住宅ローンのように長期にわたって支払いが続く支出においては、住宅購入後のライフプランも踏まえて慎重に検討する必要があるのです。
また、奨学金の支払いが滞ると、住宅ローンの審査に落ちる場合があります。家を購入しようと思ったら、まずは家に使っていい予算をしっかりと決め、それを守るようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。本記事のポイントを最後にまとめます。
・リノベーション費用は会社によっては㎡単価で算出できる
・設備や素材にこだわると、どんどん費用は膨らむので取捨選択が必要
また、中古マンションの耐震、寿命についてや、住宅予算についても触れてきました。
住宅購入の中でもとりわけ中古マンションの購入・リノベーションは、経済的に理想の住まいが手に入る方法です。ただし、物件の目利きや住宅購入・リノベーションの予算立てが重要になります。
ゼロリノベでは、不動産仲介とリノベーションの設計施工をワンストップでサポートしています。ファイナンシャルプランナーによる安心予算の相談・計画を無料で実施しており、無理のない予算内での中古リノベーションをお手伝いいたします。
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編集後記



トータルのコスパを考えるとき、私が重視したいのがインテリア選び。リノベーションでつくる内装と同じくらい、空間の質を左右します。こちらの記事では、ゼロリノベのインテリアコーディネーターが厳選したショップをご紹介しています。気になる方は オンラインショップや店舗をチェックしてみてくださいね。



リノベ費用を抑えるポイントとして私がおすすめしたいのは、間仕切りをしすぎないこと。目的を決めた空間がたくさんあると、ライフスタイルや家族構成が変化した時に使いづらくなってしまう可能性があります。空間には余白を残し、その時に合わせて使い方を変えられるようにしておくと結果的にコストも抑えることができると思います。