団地リノベーショのメリット&デメリット・費用・成功させるポイントを解説!おしゃれな事例も紹介

レトロな団地を、自分たちらしい住まいに生まれ変わらせる「団地リノベーション」は、近年注目が高まっています。
手の届く価格で、ゆとりある間取りと豊かな周辺環境を手に入れられる点が魅力です。一方で、古さゆえの制約や注意点も存在します。
本記事では、団地リノベーションの基礎知識から注意点、費用目安、実際のビフォーアフター事例まで、建築士監修のもと丁寧に解説。団地リノベーションを前向きに検討したい方にとって、リアルな判断材料が得られる内容です。
※本記事に掲載している住宅ローン減税制度の概要・要件等は、2025年度時点の情報です。最新情報については、下記の記事を参照してください。
リノベ費用の決定版!リノベにかかるお金について総まとめした記事はこちらから
団地リノベーションとは?現代の暮らしに合う改装
団地と聞くと、「内装や設備は自由に変えられないのでは?」と思われがちですが、実は室内をまるごと解体し、間取りや設備を一新するリノベーションが可能です。
団地リノベーションとは、古くなった内装・設備を撤去し、現代の暮らしに合う空間に刷新する改装スタイル。
昭和30〜50年代に建てられた団地は、高齢化や空室の課題を抱える一方で、公園やスーパーなど住環境に恵まれた立地が多く、若い世代や子育て層から注目が集まっています。
団地暮らしにちょっと不安があるという人には、リノベーション済みの賃貸物件を探す方法もあります。実際に住んでみることで、団地暮らしが自分に合うかどうかを見極めやすくなるでしょう。
団地リノベーションのメリット
ここでは、団地リノベーションの主なメリットを5つ紹介します。
自分好みの空間で、心地よい暮らしができる
団地リノベーションでは、室内の状態や構造によっては、間取りや設備を一新する「フルリノベーション」も可能です。
古さを感じさせない、おしゃれで機能的な空間を実現できます。家具や内装のテイストも好みに合わせて統一でき、暮らしの満足度が高まります。
ただし、団地の多くは「壁式構造」を採用しており、ラーメン構造に比べて間取り変更に制約が出やすいため、事前の確認が大切です。
※壁式構造とラーメン構造の違いについては、「団地リノベーション4つの注意点」内で詳しく解説しています。
物件価格を抑えられる
団地は築年数が40年以上の物件が多く、相場としては割安です。
中古マンションの価格は、築25年を超えると大きく下がる傾向があり、リノベーションを前提に購入すれば、初期費用を抑えて理想の住まいを手に入れることが可能です。
地震に備えた強固な建物構造
多くの団地は「壁式構造」と呼ばれる、鉄筋コンクリートの壁で建物を支える耐震性の高い構造を採用しています。
実際に阪神・淡路大震災における調査では、壁式構造の団地で大きな被害が出た割合はわずか1.9%と低く、構造の耐震性が評価されています。
中古マンションの耐震性についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせて読んでみてください。

広々とした敷地や緑地に恵まれた環境が多い
昭和30~50年代に開発された団地には、広い敷地にゆったりと建物が配置され、敷地内に公園や緑地が整備されているケースも多く見られます。
自然に囲まれた落ち着いた暮らしを実現しやすいのも、団地ならではの魅力です。
ただし、立地や開発時期によって環境は異なるため、購入前に現地をしっかり確認しておくと安心です。
住民同士のつながりが生まれやすい
団地には自治会などの地域コミュニティが存在する場合が多く、共用部の清掃や行事の開催など、住民同士が協力し合う機会が豊富です。
人付き合いに不安を感じる人もいるかもしれませんが、防犯や災害時の助け合いなど、つながりのある暮らしが心強く感じられる場面もあるでしょう。
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団地リノベーションのデメリット
団地リノベーションには多くの魅力がありますが、事前に知っておきたい注意点もあります。ここでは、代表的な5つのデメリットを紹介します。
エレベーターがない・使いにくい場合がある
昭和40年頃までに建てられた団地には、エレベーターが設置されていないことが多く、5階建てに多く見られます。
エレベーターがあってもサイズが小さく、大型家具や家電の搬入が困難なケースもあります。
引っ越しや日常生活での移動が負担になるため、高齢者や小さな子どものいる家庭、体に不安がある人はとくに注意が必要です。
間取りの自由度に制限があることも
多くの団地は「壁式構造」と呼ばれる工法で建てられており、耐力壁を自由に取り払うことができません。そのため、希望通りの間取り変更が難しい場合があります。
とくに水回り(キッチンや浴室)の配置変更には制限が出やすく、リノベーションの計画段階で専門家に確認することが大切です。
共用部分はリノベーションできない
玄関ドア、窓、バルコニー、階段、廊下などの共用部分は、原則としてリノベーションができません。
また、団地ごとに規約が異なるため、着工前に管理組合や自治体に確認するのが安心です。
騒音トラブルの懸念
団地は構造上、防音性が高くないこともあり、上下階や隣室との騒音トラブルが発生しやすく、とくに子どもの足音や生活音が気になるという声も多くあります。
必要に応じて、防音性のある床材・壁材、二重サッシの採用、断熱材の追加など、施工での配慮が有効です。
天井が低めに感じることも
団地の多くは、天井が比較的低めに設計されており、床材を変更すると天井高がさらに下がる場合があります。無垢材など厚みのある床材を使うと、天井までの距離が10cm以上狭くなることも。
身長が高い人や、開放感を重視する人は圧迫感を感じるかもしれません。床の厚みを抑えた素材選びや、施工方法の工夫で対策は可能です。
【弊社事例】団地リノベーションのビフォーアフター事例5選
ここでは、ゼロリノベで実際に団地リノベーションしたおうちを紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください!
事例1:バカンス気分を味わえるおうち
広いエントランスホールを設け、中庭のような空間を演出しました。あたたかい色合いと素材感のある天井や床。まるで、バリのリゾートホテルにいるような住環境です。
家族間コミュニケーションも取りやすい
異素材がケンカせずうまく融合している
印象の変化が楽しめる
広さ | 96.5m² |
---|---|
築年月 | 1984年03月 |
居住人数 | 5人以上 |

事例2:「余白を残した間取り」を体現したおうち
3LDKの間取りをシンプルなワンルームのような間取りに変更。借景を眺めながらバスタイムを楽しめるよう、浴室はバルコニーに面した設計に。
広さ | 70.79m² |
---|---|
築年月 | 1975年03月 |
居住人数 | 2人 |



事例3:北欧雑貨と暮らす家

お気に入りのインテリアが映える、まるでギャラリーのような住まい。小物を飾るための棚や展示スペースを充実させました。
解放感&風の通る間取りに
広さ | 72.49m² |
---|---|
築年月 | 1980年08月 |
居住人数 | 2人 |

事例4:まるで美術館なおうち
デンマーク在住時に集めた、お気に入りの家具をゆったり置けるようにリノベーション。「Renovation of the year 2018 1000万円以上部門」で最優秀賞を受賞しています。
ドアは設けず壁で空間に仕切りを
家具が美しく見える空間に
広さ | 97.21m² |
---|---|
築年月 | 1982年08月 |
居住人数 | 3人 |

事例5:造作家具の映える家
南側に広がる庭の自然を存分に感じられる、木を基調としたLDK。居心地の良さに、家族が自然と集まるプランニングです。
角材のブラケットが家の統一感を演出
将来的には撤去し子供部屋に変更予定
広さ | 75.84m² |
---|---|
築年月 | 1972年07月 |
リノベ費用 | 1000万〜1500万円 |
居住人数 | 4人 |

もっと、団地リノベーションの事例を見てみたいという方は、下記をチェックしてみてください!
団地リノベーション4つの注意点
団地リノベーションを成功させるために、事前に押さえておきたい注意点は4つです。
「壁式構造」は間取り変更に制約がある
団地は「壁式構造」で建てられているケースが多く、間仕切り壁が建物を支えているため、壁を取り除いて自由な間取りをつくることが難しい場合があります。
一方、「ラーメン構造」で建てられた団地なら、柱で建物を支えるため壁の撤去が比較的自由です。
ただし、すべての団地が間取り変更に柔軟なわけではないため、希望のプランが可能か事前に確認しましょう。
また、玄関ドア・窓・サッシなどの共有部分は個人で変更できないため、リノベーション前に管理組合への相談が必要です。
耐震性・耐久性などの管理状況を確認する
団地の建物自体は丈夫でも、管理状態によって劣化度合いや耐震性は大きく異なります。長期修繕計画の有無や、外壁・設備のメンテナンス履歴をしっかりチェックしましょう。
さらに、災害リスクを把握するため、各自治体が公開しているハザードマップも確認しておくと安心です。
詳しくは、下記記事を参考にしてください。

コミュニティの質や相性を見極める
団地は住民同士の距離が近く、良好なコミュニティが築かれている場合もあれば、トラブルが起きやすい場合もあります。
郵便受けやゴミ捨て場、駐輪場など共用部の管理状況を見れば、住民マナーの良し悪しを判断するひとつの材料になるでしょう。
住みやすさは「物件そのもの」だけでなく、「住環境」にも左右されるため、周囲の様子をよく観察することが大切です。
建て替えリスクをチェックする
古い団地では、将来的に建て替えの議論が出る可能性もあります。リノベーションをしても、建て替えになれば住み続けることができなくなるため、購入前に建て替え計画の有無を確認しておきましょう。
建て替えの決議には、住人の5分の4以上の賛成が必要ですが、実際に検討が進んでいる団地も存在します。管理組合への問い合わせや、近隣住民へのヒアリングも有効です。
建て替えについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

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【 資料内容 】
- 中古マンション選びで重要な11の項目別に紹介
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【 セミナー内容 】
- 築35年の中古マンションを買っても大丈夫?
- 家の買いどき、外せないタイミングとは?
- 不動産会社の良し悪しが一発でわかる「ある行動」
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団地リノベーションにかかる費用
団地リノベーションにかかる費用は、使用する設備や素材のグレードなどによって大きく変動します。
- 表層リノベーション(壁紙や床の張り替え中心):300万〜600万円
- スケルトンリノベーション(間取り変更・配管更新含む):700万〜1,200万円
一般的なリノベーション費用は、1平米あたり約15万円前後が目安です。しかし、間取り変更をともなう場合は、構造上の制約や追加工事により、さらにコストが上がることもあるため、希望に合わせたプランと予算のすり合わせが大切です。
ゼロリノベでは、面積によって基本単価が決まる料金プランを採用しており、平米数ごとの費用目安は以下のとおりです。
ゼロリノベの平米数別の料金相場
フルリノベの場合には、1㎡単位の完全定額制『BASE』と広さによって基本単価が決まる『PLUS』 プランがあります。
平米数 | BASEプラン 1㎡単位の完全定額制(税込) | PLUSプラン 14万円〜/㎡+450万円(税込) |
---|---|---|
40㎡ | 1,110万円 | 1,111万円〜 |
50㎡ | 1,210万円 | 1,265万円〜 |
60㎡ | 1,320万円 | 1,419万円〜 |
70㎡ | 1,430万円 | 1,573万円〜 |
80㎡ | 1,540万円 | 1,727万円〜 |
90㎡ | 1,650万円 | 1,881万円〜 |
BASEプランもっと詳しく知る | PLUSプランをもっと詳しく知る |
*戸建ては建物ごとに状態が異なるため、別途お見積もりとなります。
(参考)リノベーション料金プラン|ゼロリノベ

団地リノベーションで節約するには?補助金・税金制度を使用
団地リノベーションの費用を抑える方法として、補助金や税制優遇制度の活用があります。ここでは、利用できる制度の概要と、より詳しい情報が確認できるページを紹介します。
補助金制度を活用する
対象となるリノベーションでは、国や自治体が実施する補助金制度を利用できる場合があります。
たとえば、断熱改修や耐震補強、省エネリフォームなどが該当することが多いです。ただし、補助金額や条件は年度によって変更されるため、最新の情報は『【2025年最新】住宅リノベーションに対する支援制度一覧』をご確認ください。
減税制度を活用する
団地リノベーションでも、一定の条件を満たすことで減税制度を受けられます。
主なものとして、以下のような制度があります。
- 住宅ローン控除(物件取得時)
- リノベーション工事に対する所得税・固定資産税の特例(耐震・省エネ・バリアフリー改修など)
こちらも適用条件や控除額が随時改正されるため、最新情報は『【2025年最新】住宅リノベーションに対する支援制度一覧』でご確認ください。
リノベーション済み団地に賃貸で住む方法も
リノベーション費用をかけずに団地暮らしを始めたい場合は、リノベーション済み団地を賃貸で探すのもひとつの手です。
探し方の例は、以下のとおりです。
- UR都市機構などの公団・公社サイトを利用する
- 不動産会社のポータルサイトや営業担当に直接相談する
とくに、不動産会社を通すと、リアルタイムで最新の空き情報を得られるためおすすめです。
団地のリノベーションについてよくある質問
まとめ
団地リノベーションは、コストを抑えながら理想の住まいを実現できる選択肢のひとつです。ただし、築年数や構造の制約、補助金・減税制度の確認など、事前に押さえておくべきポイントも多くあります。
ゼロリノベでは、設計の自由度を活かした空間づくりや、長く安心して暮らせる物件選びまでワンストップでサポート。
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