中古マンションのリノベーション費用は60平米で1,050万円が相場。素敵なリノベ事例や平米数別の相場も解説。
中古マンションをリノベーションするときには、マンションの購入代金やリノベーション費用、諸費用などをトータルして予算組みする必要があります。本記事では平米数別のリノベーション費用相場について解説。素敵なリノベーション事例もご紹介するので参考にしてくださいね。
よくあるご質問
中古マンションのフルリノベーションはどれくらいの費用が必要ですか?
中古マンションのフルリノベーションにかかる費用の平均は下記のとおりです。
平米数 | フルリノベーション費用(平均/税別) |
40㎡ | 770万円 |
50㎡ | 859万円 |
60㎡ | 1050万円 |
70㎡ | 1155万円 |
80㎡ | 1340万円 |
フルリノベーション(スケルトンリノベーション)の場合は、行うリノベーション内容やグレードなどによって費用感も異なります。平均相場を見ると、60㎡台からは1,000万円以上がかかるようです。
リノベーション費用も住宅ローンを組めますか?
中古マンションを買ってリノベーションする場合は、「物件の購入費用」だけでなく「リノベーション費用」もまとめて借入れできます。
そうすることで、購入費用とリノベ費用を一本にまとめられるだけでなく、リフォームローンに比べて金利を抑えることも可能です。最終的な返済額を考えると、リフォームローンを中古物件の購入費用とは別に利用するより、住宅ローンでまとめて借入した方がお得になります。
中古マンションのリノベーションで後悔しないためのコツはありますか?
中古マンションのリノベーションで後悔しないためのコツは以下の3つが挙げられます。
- 担当者に予算を明確に伝える
- リノベーションしたい場所に優先順位を付ける
- リノベーション依頼先は2~3社に絞って検討する
詳しくはこちらをご覧ください。
中古マンションのリノベーションで費用に大きく影響を与える箇所はどこですか?
リノベーションは、次の6つの項目が費用に大きく影響を与えます。
- 平米数
- 間取り
- 壁/床の素材
- キッチン
- お風呂・洗面所
- 特注/造作
予算をオーバーしそうになったときには、これらを見直すことで予算内に収めた家づくりができるかもしれません。詳細はこちらをご覧ください。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
【事前知識】「リノベーション」と「リフォーム」は何が違う?
そもそも、リフォームとリノベーションにはどんな違いがあるのでしょうか?まずはこの疑問を明らかにしておきましょう。
リフォームは、住宅を元の状態に戻すための工事や部分的な改修工事、老朽化の改善など幅広い意味で使われる言葉です。
一方で、リノベーションは住宅全体を改装する場合や、躯体を残したまま間取りやデザインを刷新する改修工事を行う場合に使われることがあります。
一般的にはリノベーションとリフォームは似た意味を持つ言葉として使われますが、リフォームが原状復帰に留まるのに対し、リノベーションには「既存の建物に付加価値を加える」という明確な違いあります
また、リノベーションはもともと全体に行うことが一般的なので、「フル」の言葉を付けずに使われることが多いです。フルリノベーションはスケルトンリノベーションと呼ばれることもあります。
中古マンションのリノベーションに必要な費用とは?
まずは、マンションのリノベーションにはどのような費用が必要になるのかを確認しましょう。
2-1.中古マンションのリノベーションに必要な費用一覧
中古マンションをリノベーションするのには、大きく分けて以下の2つの費用が必要です。
- 中古マンションの購入費用
- リノベーション費用
中古マンションのリノベーションでは、2つの費用のバランスを考えて予算を組むことが大切です。
物件購入に費用をかけすぎるとリノベーション費用が不足して、満足いくリノベーションを行えない可能性があります。かといってリノベーション費用を優先しすぎると、希望のエリアや広さ、予算など条件に合うマンションを購入できなくなるかもしれません。
さらに具体的に理解するために、マンション購入とリノベーション費用にはどのようなものが含まれるのか、その内訳を見ていきましょう。
2-2.マンション購入費用とリノベーション費用が必要
中古マンションのリノベーションを予算内で収めるためには、どちらにいくら配分するかを考える必要があるため、それぞれにどの程度の費用がかかるか把握しておくことが大切です。
まずは、中古マンションの購入に必要な費用を確認してみましょう。
売買契約 | 手付金(売買代金の5%程度) |
決済/引き渡し | 売買代金(手付金を差し引いた額) 取得諸費用(売買代金の10%程度) |
不動産購入後 | 引越し費用(引越し時) 管理費/修繕積立日(毎月) 不動産取得税(取得後) 固定資産税(毎年) |
中古マンションを購入するには、上記の通り物件自体の費用以外にも、売買代金の7〜10%程度の取得諸費用が必要です。
たとえば、物件が3,000万円だとした場合、取得諸費用は210〜300万円ほどになるため、あらかじめ予算に含めておくことが大切です。
また購入後には、毎月の管理費や修繕積立金、毎年の固定資産税などの支払いがあることも考慮しておく必要があります。
諸費用を借入する住宅ローンに含めることも可能ですが、そうすると借入総額の負担が大きくなってしまいます。手持ち資金から出せるかどうかも事前に確認しておくとスムーズに進められますよ。
中古マンション購入費用についての詳細は、下記の関連記事もぜひご覧ください。
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【平米数別】中古マンションリノベーションの「リアル費用相場表」
平米数 | フルリノベーション費用(平均/税別) |
40㎡ | 770万円 |
50㎡ | 859万円 |
60㎡ | 1050万円 |
70㎡ | 1155万円 |
80㎡ | 1340万円 |
3-1.中古マンションリノベーションの費用相場を平米数別に確認
フルリノベーション(スケルトンリノベーション)の場合は、行うリノベーション内容やグレードなどによって費用感も異なります。
平均相場を見ると、60㎡台からは1,000万円以上がかかるようです。
60㎡は3人家族や2人暮らしのお客様がよく選ばれる広さで、ゼロリノベの事例でも60㎡台は最も多いです。
ちなみに、ゼロリノベでは面積によって基本単価が決まる料金プランを採用しており、平米数ごとの費用目安は以下のとおりです。
ゼロリノベの平米数別の料金相場
フルリノベの場合には、広さによって基本料金が決まる『BASIC』と『PLUS』 プランがあります。
平米数 | BASICプラン 11~13万円/㎡+450万円 | PLUSプラン 14万円/㎡+450万円 |
---|---|---|
〜39㎡ | 879万円〜957万円 | 990万円 |
40㎡ | 890万円〜970万円 | 1,010万円 |
50㎡ | 1,000万円〜1,100万円 | 1,150万円 |
60㎡ | 1,110万円〜1,230万円 | 1,290万円 |
70㎡ | 1,220万円〜1,360万円 | 1,430万円 |
80㎡ | 1,330万円〜1,490万円 | 1,570万円 |
BASICプランの施工事例 | PLUSプランの施工事例 |
リノベーション内容の違いによる費用幅については「4.マンションのリノベーションにかかる費用の目安の出し方」をご覧ください。
3-1-1中古マンションのリノベーション費用相場①40㎡(1LDK)
40㎡の中古マンションをリノベーションする場合、770万円ほどが相場です。
40㎡は1LDKの間取りが多く、一人暮らしやカップルの向けの物件が多くあります。なお、設備のグレードを下げたりデザインにこだわらなかったりすればもっと安く費用を抑えることも可能でしょう。
3-1-2.中古マンションのリノベーション費用相場①50㎡(2LDK)
50㎡の中古マンションをリノベーションする場合、860万円ほどが相場です。
50㎡は1LDK~2LDKほどのコンパクトな物件が多く、カップルの同棲先として選ばれることの多い間取りです。
3-1-3.中古マンションのリノベーション費用相場①60㎡(2LDL~3LDK)
60㎡の中古マンションをリノベーションする場合、1,050万円ほどが相場です。
60㎡は2LDK~3LDKほどの間取りが多く、2~3人家族向けの物件です。家族のライフスタイルによって費用は大きく変動し、水回りなどの設備を重視する場合はより高額になることも考えられます。
3-1-4.中古マンションのリノベーション費用相場①70㎡(3LDK~4LDK)
70㎡の中古マンションをリノベーションする場合、1,150万円ほどが相場です。
70㎡は3LDK~4LDKほどの間取りが多いですが、なかには広めの2LDKのような物件もあります。3人以上の家族で暮らしても問題ない広さですが、施工面積が広ければ広いほど、費用もかかってくる傾向にあるため、費用とのバランスを考えることが重要です。
3-1-5.中古マンションのリノベーション費用相場①80㎡(3LDK~4LDK)
80㎡の中古マンションをリノベーションする場合、1,350万円ほどが相場です。
80㎡は3LDK~4LDK以上の間取りが多く、4人以上の家族やペットと一緒に長く住むことを想定して作られています。面積が広い分リノベーションの自由度も高いですが、設備やデザインによって費用が大きく変動してしまう可能性もあるため、より慎重にリノベーションを進めましょう。
中古マンションのリノベーション費用に関わる6つのポイント
マンションのリノベーションにかかる費用の差を生み出すのは、主に以下の6つの項目です。
- 平米数
- 間取り
- 壁/床の素材
- キッチン
- お風呂・洗面所
- 特注/造作
それぞれどのような内容なのか、確認しましょう。
4-1.平米数
工事するエリアが広いほど、リノベーション費用は大きくなります。なぜなら、広いほど「資材の増量」「多くの作業時間」が必要になるからです。
4-2.間取り
水回りの位置を大きく移動すると、通常よりリノベーション費用がかかります。配管を延ばしたり、床下配管に傾斜をつけて水を流しやすくするために床を上げたりする必要があるからです。
また個室の数が多いほど、間仕切りや扉の数が増えるため、工事費用も高くなってしまいます。
4-3.壁・床の素材
壁や床は改修面積が広いので、どのような素材を選ぶかによりリノベーション費用は大きく違ってきます。
たとえば、80㎡をリノベーションする場合、1,500円/㎡のクッションフロアを使えば120,000円(80㎡×1,500円)で済みます。一方10,000円/㎡の無垢材フローリングへ変更する場合は、800,000円(80㎡×10,000円)かかってしまいます。
一般的に自然素材は高額なので、「内装は珪藻土と無垢材で仕上げたい」などの希望がある場合、リノベーション費用は高くなる可能性があるでしょう。
4-4.キッチン
キッチンは最も費用の差が出やすい項目です。なぜなら、メーカーやグレードの違いによって、50万円くらいのものから300万円くらいのものまで幅が広いからです。
オプション一つとっても、高品質・高性能なシステムキッチンを望む人もいれば、必要最小限でよいと考える人もいます。
4-5.お風呂・洗面所
各メーカーのユニットバスを選ぶか、在来工法でオリジナルのお風呂をつくるかによって、100万円以上の差が出るケースもあります。洗面所も同様に、ユニット洗面台を使うか造作するかにより費用に差が出ます。
なぜなら、在来工法のお風呂や造作洗面台は、部材を1から作成するため、職人の作業が増えるためです。組み立てが容易なユニットバスやユニット洗面台に比べると、タイルなど金額が高くなる素材を使うことも多かったり、作業日数も長くなったりするのでコスト増に繋がります。
ユニットバス
ユニットバスとは、あらかじめ防水性の高い素材で、浴槽・天井・床・壁などをユニット化しておいて、現地に運んでスピーディに組み立てられるタイプのバスルームを指します。新築マンションのほとんどはユニットバスが採用されています。
浴室在来工法とは
在来工法は、床や壁の防水性を考慮しながら、モルタルとタイルで仕上げる方法です。自由にスペースに合わせて自由につくれるのが特徴です。
4-6.特注/造作
多くの造作家具や建具、大きなロフトなどを工務店に特注するほど、費用は大きくなります。通常は既製品で済むところを、職人が1から作成するため作業が増えるからです。
このように、素材や手間によってリノベーション費用は大きく差が出ます。こうした仕組みを把握しておけば、予算を超えてしまったときに、素材やプランを見直すことで予算内に収められるようになるでしょう。
造作では、キッチンやソファ、収納家具にキャットウォークなどあらゆるものをオリジナルでつくれるのが魅力です。こちらの事例では、造作を贅沢に採用して唯一無二のおしゃれ空間を実現しました。
高くなるからと言ってすべてを諦める必要はありません。叶えたい部分にあらかじめ優先順位をつけてバランスよく計画していくことが大切です。
中古マンションのリノベーションにかかる費用の目安の出し方
費用差が出やすい項目を把握したところで、実際にリノベーションにどれくらいの費用がかかるのか、費用目安の出し方を紹介します。
5-1.マンションのリノベーションにかかる費用の目安をつかむ方法
マンションのリノベーションにかかる費用の目安をつかむときには、以下の2つのステップで進めます。
【STEP1】リノベーションするマンションの広さを確認する
【STEP2】リノベーションする内容を確認する
どのような内容か、順番にチェックしましょう。
5-1-1.【STEP1】リノベーションする中古マンションの広さを確認する
まずはリノベーションするマンションの平米数を確認しましょう。広さがわかれば、相場一覧表を確認することで、ざっくりとした費用感がわかります。
家族構成に対してどの程度の広さにすればよいか分からない場合は、「中古マンションの探し方で悩む全ての人に伝えたい最善の方法とは?」をご覧ください。
5-1-2.【STEP2】リノベーション内容を確認する
より明確に費用感をつかむためのポイントは「やりたいイメージの優先順位をつける」ことです。
正直、同じ工事をした場合の費用の差は、どの会社も似たり寄ったりです。もちろん、企業努力によって何十万円かは変わります。
しかし、それよりも「やりたいイメージの優先順位」のつけ方によって、費用に大きく差が出ます。優先順位をつけずにやりたいことをやれば費用は膨らむ一方です。しかし、優先順位を決め、メリハリをつけて希望を伝えれば、実力のある設計担当なら予算内で希望を叶えられる方法を一緒に考えてくれるはずです。
そこで、前章であげた「リノベ費用への影響が大きい6項目」と「あなたのイメージ」に優先順位をつけて組み合わせたときの費用感のつかみ方をわかりやすくまとめてみました。
5-2.具体的なリノベーション費用の例【70㎡・デザイン重視の場合】
リノベーションする広さを仮に「70㎡」だとします。もう一度、次の相場一覧表をご覧ください。
平米数 | フルリノベーション費用(平均/税別) |
40㎡ | 770万円 |
50㎡ | 859万円 |
60㎡ | 1050万円 |
70㎡ | 1155万円 |
80㎡ | 1340万円 |
スケルトンリノベーション(70㎡)の平均相場は1,155万円です。
たとえば「キッチン重視さん」は、強くこだわった赤枠(影響度 大)が複数あるので「相場の高い側」に位置するため、1,155万円よりも+αの費用を見込んでおきましょう。
ゼロリノベでは次の3つの費用プランをご用意しています。
ゼロリノベの3つの料金プラン
注文住宅のように、ゼロから自由な空間をつくれるフルリノベ『BASIC』と『PLUS』 スケルトン工事せず、既存を生かした部分リノベ『ECO』いずれも、選べる仕様/設備が決められておらず、世の中にある設備や素材から自由に選べることが特徴です。
また、平米数ごとの費用目安は以下の表のとおりです。
ゼロリノベの平米数別の料金相場
フルリノベの場合には、広さによって基本料金が決まる『BASIC』と『PLUS』 プランがあります。
平米数 | BASICプラン 11~13万円/㎡+450万円 | PLUSプラン 14万円/㎡+450万円 |
---|---|---|
〜39㎡ | 879万円〜957万円 | 990万円 |
40㎡ | 890万円〜970万円 | 1,010万円 |
50㎡ | 1,000万円〜1,100万円 | 1,150万円 |
60㎡ | 1,110万円〜1,230万円 | 1,290万円 |
70㎡ | 1,220万円〜1,360万円 | 1,430万円 |
80㎡ | 1,330万円〜1,490万円 | 1,570万円 |
BASICプランの施工事例 | PLUSプランの施工事例 |
このように優先度のつけ方で費用は大きく変わります。そのため、現実的かつ効率的にリノベーション会社との話を進めたいのであれば、最初に予算上限を決めておくことをおすすめします。
そして、素材や設備のグレードを下げてもよい箇所の優先度も検討しておきましょう。リノベーション会社の担当者にもメリハリがある希望内容を明示しておくと安心です。予算内でできる理想のリノベーションプランを提案してもらいやすくなります。
ゼロリノベの施工事例紹介では費用プラン別に事例を検索できます。イメージと相場観のすり合わせのためにご覧ください。
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中古マンションをリノベーションする際にかかる忘れがちな費用
マンションリノベーションで必要な物件費用と諸経費、リノベーション工事費についてみてきました。ここではつい忘れがちになる、その他の費用を確認しましょう。
6-1.約3〜4ヶ月間の「仮住まい費用」
いま住んでいる自宅をリノベーションする場合は、約3〜4ヶ月間の「仮住まい費用」が必要です。なぜなら、粉塵や工事の危険が伴うため、住みながらのリノベーションはできないケースがほとんどだからです。
一般的な工事期間は3ヶ月前後ですので、その期間に合わせて仮住まいを用意しておきましょう。
工事期間中は、家財道具はレンタルしたトランクルームに置いて、ウィークリーマンション・マンスリーマンションを仮住まいにするケースが多いです。
6-2.荷揚げ代金
エレベーターがない、またはその他の搬入経路が確保できないケースは荷揚げ費用が必要になることもあります。
クレーンなどの重機を使ったり、作業としても通常より大掛かりになるからです。荷揚げ費用は、各会社によって差はありますが50万円前後を想定しておくと安心です。
6-3.住宅ローンと賃料の二重払い
中古マンションを購入してリノベーションする場合は、工事が終わって入居するまでの間「いま住んでいる物件の賃料」と「住宅ローン」の二重払いが発生します。
二重払い期間を短くするには、できるだけスムーズに設計〜工事を進ませる必要があります。そのために不動産売買契約後は、すぐに設計の打ち合わせをスタートさせましょう。
二重払い期間の短縮については以下の記事の「7.物件探しはリノベ会社に任せるべき5つの理由」の章をご覧ください。
中古マンションのおしゃれなリノベーション事例
次に、ゼロリノベで設計・施工した中古マンションのおしゃれなリノベーション事例を3つ紹介します。
7-1.マンションのリノベーション事例①
西海岸を思わせるブルーに、キッチンの腰壁はアイコニックな花ブロックで仕上げ、住まいの象徴としました。また、愛犬が住みやすい部屋を希望していたため、ワンちゃんのバギーやキャリーバッグがストレスなく収納できる玄関土間を確保し、来客時はカーテンを閉めれば目隠しになるよう工夫しました。
また、洗面台は幅広のミラーや造作洗面台はボウルの両サイドに余裕をもたせることで、複数人が並んで同時に使用できる仕様を実現しました。
7-2.マンションのリノベーション事例②
デンマークのヒュッゲのようなスタイルで、開放感のあるリビングをご希望されていました。そのため、空間の半分以上をLDKに変更し、シンプルで自然のぬくもりを感じられるデザインを反映。窓からの光が降り注ぐ明るいLDKは風通しもよく、サボテンや観葉植物を楽しめる空間になりました。
また、デスクや棚はナラ集成材で造作しており、シンプルでありながら壁を彩り空間のアクセントになっています。
7-3.マンションのリノベーション事例③
キッチンカウンターは海外のカフェから着想を得たコンクリートブロックを使用し、見栄えの美しくないものはすべて隠したいとのご相談をいただきました。そのため、とにかく美しさと合理性を兼ね備えた空間をデザイン。材料の色味や質感、それぞれのバランスを緻密に設計することで統一感と立体感を両立し、野暮ったさのない美しい空間を演出しました。
シンプルな動線に加え物体の輪郭線や異素材の交わる部分で無駄な線が出ない納まりとし、空間にノイズを生まない、シンプルな意匠としています。訪れた友人たちからはバーやホテルみたいとの声をもらうそうです。
おすすめのリノベーション会社の特徴と選ぶポイント
次に、おすすめしたいリノベーション会社の特徴と、選ぶときのポイントを紹介します。
8-1.リノベーション会社の選び方【物件探しから始めたい場合】
物件探しから始める人は、ワンストップリノベーションを行う会社を選ぶようにしましょう。ワンストップとは、物件探し、設計・施工まで、すべて1つの窓口で依頼できるリノベーションのことです。
自社に物件仲介担当や現場監督、施工を担当する大工が在籍している場合には社内の連携がスムーズで、一貫して同じ会社が対応してくれるため、必然的に対応やサービス、仕上がりのクオリティも高いものを期待することができます。
スムーズにリノベーションが進むほか、社内ノウハウを共有しリノベ向きの物件を見極められる強みがあります。
ワンストップリノベーション会社について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
8-2.リノベーション会社の選び方【リノベーションだけしたい場合】
リノベーションを依頼できる会社・専門家の数は東京都だけでも82社にのぼります(SUVACO掲載数)。
80社以上の中から自力で数社に絞り込むのは大変ですよね。また、会社のランキング記事には広告が含まれていることがあり、判断に困ってしまうこともあるかと思います。
そこで、以下の基準を元にリノベーション事業を行う大手会社を14社選び、目的別で3つにカテゴリ分けをしました。
【選定基準】
・不動産仲介からの対応も可能(ワンストップ)
・戸建/マンションいずれも対応可能
・自社サイト事例掲載数(実績数)と年間施工件数が100件以上
・対応エリア一都三県以上
・社員数30名以上
【カテゴリ】
1.リノベーション専門の大手会社
2.リフォーム・リノベーションサービスを持つ大手会社
3.リノベーション済住宅の販売事業を行う大手会社
各社の特徴や対応エリアなどの情報をまとめています。ぜひ、会社選びの参考にしてみてください。
大手リノベーション会社ついて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
8-3.リノベーション会社は「見積書」を見るべし!【リノベーションだけしたい場合】
実際にリノベーション会社を選ぶときには、見積書の「工事費」の内訳を解説してくれるような会社を選ぶと、納得感を持って依頼できるのでおすすめです。
リノベーション費用は大きく以下の2つに分かれます。
- 工事費(人件費を含む)
- 設備、建材費
工事費はある程度固定されますが、設備・建材費は選ぶ種類やグレードなどにより自分でコントロールが可能です。
リノベーション会社によっては、工事費の内訳を詳しく説明してくれないところもあります。そのような会社は避け、以下のような費用内訳を見積もり書に載せておき、しっかり説明してくれる誠実な会社を選ぶとよいでしょう。
工事費内訳例:解体工事、廃材処分費、電気設備工事、給排水設備工事、左官工事、人件費、など
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中古マンションのリノベーションで後悔しないためのコツ
次に、中古マンションのリノベーションで後悔しないためのコツとして以下の3つを解説します。
- 担当者に予算を明確に伝える
- リノベーションしたい場所に優先順位を付ける
- リノベーション依頼先は2~3社に絞って検討する
9-1.担当者に予算を明確に伝える
まずは、予算を明確に決めて担当者に伝えましょう。予算を先に伝えるとあまった予算で不要なオプションや機能を付けられてしまうと考える方もおられるかと思います。たしかに、一部のリノベーション会社ではそのような対応をすることもありますが、伝えた予算で自動的に契約が成立するわけではありません。
実際には、予算を伝えることでリノベーションの費用感が明確になり、自分自身も整理しやすくなります。
また、よいリノベーション会社なら予算内で希望に沿った最善の方法を提案してくれます。
そのため、予算を担当者に伝えるだけでなく遠慮せずにどの部分をリノベーションしたいかも伝えるとよいでしょう。
9-2.リノベーションしたい場所に優先順位を付ける
リノベーションをする際には、優先順位を付けましょう。予算が不足する可能性もあります。そのため、特に優先したいポイントを洗い出し、リノベーションの優先順位を決めてから相談することが大切です。
優先順位がわからない場合は、どのような生活をしたいかを考えれば優先順位は付けやすいでしょう。優先順位を明確にしていれば担当者からの提案を整理しやすく、担当者との相性を見るためにも役立ちます。
9-3.リノベーション依頼先は2~3社に絞って検討する
リノベーションの見積もりを検討する際には、会社を2〜3社に絞りましょう。提案内容とともに見積もりを受けるため、各社に要望を伝えたり現地調査をしてもらったりと、自分とリノベーション会社の両者に多くの労力が必要です。
多くの会社で見積もりを出すと時間や手間がかかるだけでなく、選択肢が多すぎて逆に検討しづらくなってしまうこともあります。
施工事例や口コミなどを参考に2~3社に絞った上で提案や見積もりをもらい、リノベーションの検討を進めるとよいでしょう。
同時に複数の会社と打ち合わせをしたりするのはなかなか大変だったりします。気疲れもしてしまうでしょう。最初のうちは各社のHPでサービス内容を見てみたり、資料をダウンロードしてみたり、セミナーに参加してみたりするなどして”ご自身の感性と合うか”を判断してみてください!
中古マンションのリノベーションをする際に知っておいてほしい住宅ローンのこと
住宅ローン借入額の上限は5,000万円〜1億円程度と、多くの金融機関がかなり大きな金額を設定しています。返済期間も最長35年まで設定可能で、金利もリフォームローンと比べて低いため、月々の負担を小さく抑えられます。
中古マンションを買ってリノベーションする場合は、「物件の購入費用」だけでなく「リノベーション費用」もまとめて借入れできます。
そうすることで、購入費用とリノベ費用を一本にまとめられるだけでなく、リフォームローンに比べて金利を抑えることも可能です。最終的な返済額を考えると、リフォームローンを中古物件の購入費用とは別に利用するより、住宅ローンでまとめて借入した方がお得になります。
さらに住宅ローンは要件を満たすことで、リフォームやリノベーションであっても住宅ローン減税の対象となります。
そのため、物件購入と同時にリノベーションする場合は、住宅ローンの利用をおすすめします。
ただし、住宅ローンはリフォームローンよりも審査基準が厳しいため、審査期間が長くなる傾向があります。利用する場合には、期間に余裕を持って申し込むようにしましょう。
まとめ
中古マンションをリノベーションする際の相場や、費用に与える影響が多い項目などを紹介してきました。リノベーション費用はリノベーションの規模によって大きく異なることがご理解いただけたのではないでしょうか。
またリノベーションは、次の6つの項目が費用に大きく影響を与えます。
- 平米数
- 間取り
- 壁/床の素材
- キッチン
- お風呂・洗面所
- 特注/造作
予算をオーバーしそうになったときには、これらを見直すことで予算内に収めた家づくりができるかもしれません。
とはいえ、実際に物件選びからリノベーション内容まで、すべて自分たちで予算を立てて進めるのは簡単ではなく、不安に感じる人も多いでしょう。
リノベーションは、購入・工事が終わればそれで終了ではありません。その後も余裕を持った生活を送り続けるためには、無理のない返済計画を立てた上で、予算に合った中古物件選びとリノベーション費用の最適なバランスをとることが何よりも大切です。
ゼロリノベでは、中古物件のリノベーションに関するあらゆる疑問や不安にお答えするセミナーを毎週開催しています。ミュート&顔出しなしのオンライン形式ですので、ご自宅から気軽に参加していただけます。まずは以下からお気軽にお申し込みください。
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編集後記
わが家は新築戸建ての注文住宅でしたが、土地が高かった分建物で削れるところは削り費用がかさみすぎないようにしました。せっかくだからという気持ちもありますが、「中古マンションのリノベーション費用に関わる6つのポイント」をもとに優先順位をつけ、無理のない予算でリノベーションを行いたいですね。
予算がまだ決まっていない場合は、年収別の住宅ローンの借り入れ目安の記事も参考にしてみてください。
リノベーションは大きなお金が動くからこそ、資金計画と予算保守はシビアに追求したいですよね。まず正確な適正予算を把握することはもちろん、物件探しやプランニングの段階において担当者の予算コントロール意識が高く、代替案を提示してくれるかどうかも重要なポイントです。
お洒落にこだわってリノベしたいと思っても広さや設備でどれくらいの金額がかかるのか知らない人も多いと思います。平均リノベ価格を目安にどこにお金をかけてどこを削るのかを事前に決めておくとで設計時にも悩まずに進められそうですね。