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300万円の費用でどこまでリノベーションできる?具体的な4つの事例や押さえておきたいポイントも紹介!

「新築で購入したマンション。子どもが巣立ったタイミングで設備を綺麗にしたい。」
「住まいを購入してリノベーションをしたいけど、安く抑えたい。」

費用300万円でできるリノベーション内容は限られます。しかし、既存設備を活かせるリノベ済み物件を選んだり、設備のグレードを見直すなど、少しの工夫で今の生活にフィットした形に家をつくり変えることが十分可能です。

そのためには、メリハリをつけた費用計画が大切になります。見た目の印象を大きく変える壁紙と床材に費用をかけるのか、古くなった設備を交換するのか、部屋の状態に合わせて必要な工事を、専門家に相談しながら取捨選択していきましょう。

本記事では、実際にリノベーションを行う一級建築士が、300万円の予算でできる具体的なリノベーション事例を紹介します。また、リノベーションで費用を抑えるコツも解説するためぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

一級建築士
西村 一宏

東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。

目次

費用300万円でどこまでリノベーションできる?

費用300万円でどこまでリノベーションできる?

工事費用の予算が300万円の場合、部分的なリノベーションなら手を加えて空間の雰囲気を変えることが可能です。しかし、お部屋全体を一度リセットするフルリノベーションとなると、広さにかかわらず難しい面があります。

部分リノベーションといっても、選べる工事内容は限られます。手を加える範囲が広がれば工事費用も増えていくため、ファミリータイプの家であれば壁紙の交換と床板の張り替えで予算を使い切る可能性もあります。

この記事では、予算300万円のリノベーションでできること、できないことや予算300万円で可能な工事の種類などについて詳しくご紹介します。

1-1.費用300万円のリノベーションでできること

300万円の費用内でできる主な内容は以下の4つです。

  1. クロス張り替え、床上張りで全体を綺麗にする
  2. 水まわりの設備を全交換する
  3. リビング横の和室をフローリング化し、広いLDKをつくる
  4. 既存設備を活かして収納やワークスペースをつくる

基本的には、1〜4の中から1つを選び、予算に余裕があればその他の箇所を部分的に改修していくイメージになります。

各項目について詳しくは2章をご覧ください。

ノート
これから物件を探すなら「リフォーム済」も視野にこれから物件を探すなら、築古のリフォーム済み物件を購入し、再リノベーションするという方法がおすすめです。なぜなら、都内のターミナル駅等、利便性の高い立地で築浅の物件を選ぶと価格が高くなってしまいがちで、リノベに予算がまわしにくく、今の間取りのまま我慢しなければならない可能性が高いからです。

その点、築古のリフォーム済みであれば既存設備を活かせる分、間取り変更や収納設備の造作といった工事に費用をまわすことができます。

「築古物件が不安……」という人は、ワンストップリノベーションの会社に仲介を依頼することで、物件の管理状態やリノベーションに不利な制約などがないか事前に調査してもらえます。

1-2.費用300万円のリノベーションでできないこと

費用300万円では、予算的な理由からスケルトンリノベーションができません。また、費用にかかわらず、建物の構造やマンションの管理規約に制限のある工事は実施できない可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

ただし、戸建ての場合はマンションのような制約が少なく施工可能な工事もあります。

▼スケルトンリノベーションが必要な工事

  • 配管配線の交換
  • 大幅な間取り変更
  • 水まわり設備の移設

▼費用に関わらず、物件特性によって実施できない可能性がある工事

  • トイレの移設
  • 壁式構造の物件を間取り変更する
  • 玄関ドアや窓ガラス、サッシの変更

それぞれ詳しく解説していきます。

1-2-1.トイレの移設

スケルトンにした場合でも、トイレの移設は難しいケースがあります。理由は、トイレの給排水にかかわるPS(パイプスペース)の移動ができないためです。PSにはマンションを縦に流れる給排水菅、ガス管などが入っており、マンションそのものの構造に影響するためPSを動かすことはできません。

PSとトイレの位置が離れれば離れるほど、配管の勾配が必要になるため床がせり上がってしまうことに加え、詰まりやすくなるといったリスクが生じます。そのため、トイレの大幅な移設はスケルトンリノベーションであっても避けた方がよいでしょう。

ただし、戸建ての場合はトイレ移設ができる可能性があります。PSに影響を受けないことに加え、床下にスペースがある場合が多く配管に勾配をつけやすくなるためです。給排水に差し支えない範囲で移動ができるかどうか、設計担当者に相談してみましょう。

1-2-2.壁式構造の物件を間取り変更する

マンションの構造には2種類あります。ラーメン構造と呼ばれるものと、壁式構造と呼ばれるものです。

ラーメン構造と壁式構造

ラーメン構造は柱と梁で建物を支えるのに対し、壁式構造は名前のとおり壁で建物を支えています。そのため、各居室の壁が建物構造に関係しており、取り壊すことができないのです。

広いLDKにしたい、空間を一つの大きなワンルームにしたい、といった希望がある人は、リノベーションしたい家が壁式構造でないかどうか確認しておきましょう。

1-2-3.玄関ドアや窓ガラス、サッシの変更(マンションの場合)

玄関ドアや窓は、共有部分とみなされるため、個人で取り替え・修繕するのが難しい設備です。クロスを張り替えると古びたサッシが気になるという人が多くいらっしゃいますが、「塗装して見た目を綺麗にしたい」といった場合は、それが可能かどうか管理組合に確認する必要があります。

ただし、窓の内側であれば専有部分の扱いになるケースが多いため、インナーサッシ(二重窓)を取り付けることで見た目を綺麗に見せることができます

また、管理規約等に左右されない戸建てであれば、窓ガラスやサッシの交換も可能です。費用相場はおよそ20万〜40万程度となっています。

ノート
戸建ての大幅な間取り変更は経験値のある会社に依頼しよう戸建ては多くのマンションと異なり、建物の構造に関係する壁が多くなります。そのため、間取り変更などを行いたい場合は、戸建ての施工実績が多く信頼できる会社に依頼するようにしましょう。

また、在来工法、ツーバイフォー工法、どちらで建てられたかによって間取り変更の制約度合いも変わってきます。柱・梁・筋違い・耐力壁で家を支える在来工法なら、構造に関係ない壁を取り壊すことができます。しかし、壁4面・天井・床で家を支えるツーバイフォー工法では、基本的に間取り変更は難しいケースが多いです。

費用300万円でできる工事は?ケース別の4つの事例を紹介

費用300万円でできる工事は?ケース別の4つの事例を紹介

物件の広さを60平米と仮定し、300万円でできることを4パターンでシミュレーションしていきます。資材や設備のグレードを安価なものにすれば300万円での施工が可能なものですので、参考にしてください。

  • クロス張り替えと床上張り+一部設備を交換
  • 水まわりの設備を交換する
  • 和室を洋室にして広いLDKをつくる+一部設備交換
  • 既存設備を活かして間取りを変える

それぞれ、詳しく解説していきます。

2-1.クロス張り替えと床上張り+一部設備を交換

クロスとフローリングの張り替え

築年数が経過し、家全体が古ぼけた印象に感じられるケースでは、表面積を多く占める壁と床に費用を割きましょう。残った費用で、風呂、トイレ、キッチンなど劣化の気になる設備を取り替えることも可能です。

ただし、設備のグレードによっては予算オーバーの可能性もあるため、グレードを抑えたものを選びましょう。

2-1-1.工事にかかる費用相場

以下の表にクロス張り替え、フローリング重ね貼りにかかる費用相場をまとめました。なお、現在世界的に木材の価格高騰が続いており(ウッドショック)、ここで示した金額よりも上がってしまう可能性があります。あくまで目安としてご参考ください。

リフォーム内容 費用相場
クロスの張り替え 一般的なグレードのもの:2,000円/㎡
例)60㎡の物件の場合、クロス張り替え面積250㎡で50万円
フローリングの重ね貼り 1万1,000~2万円/㎡程度

※2024年5月時点での費用相場です。

予算300万円の場合、床の重ね貼りの施工方法なら可能です。工事期間も短く済み、壁など他の部分への影響が少ないといえます。

また、床材の場合は以下に示した中で素材の違いによっても大きく費用が異なります。

床材 費用目安/約8畳
フローリング 元の床の上に重ね貼り:8万~10万円
フロアタイル 元の床の上に重ね貼り:6万~10万円
クッションフロア 元の床の上に重ね貼り:5万~11万円

※2024年5月時点での費用相場です。

2-2.水まわりの設備を交換する

持ち家のリノベーションや、中古物件を購入してリノベーションする人では、水まわりの設備を全交換したいという人が多くいらっしゃいます。

費用が300万円あれば、キッチン、風呂、トイレ、洗面台といった水まわりの設備を一度に交換することができます。しかし、グレードの高い設備を選ぶと予算オーバーしやすいため、トイレは低いグレード、風呂とキッチンは中間のグレード、といったように調整して予算を決めましょう

水回りのリノベーション事例は以下の通りです。

<ユニットバスのイメージ>

<システムキッチン>

<トイレ・洗面台>

サニタリーのリノベーション

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2-2-1.工事にかかる費用相場

水まわりの設備交換にかかる費用相場を以下の表にまとめました。どの部分にお金をかけるか、参考にしてみてください。

※2024年5月時点での費用相場です。

さらに、各設備の選び方を詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。

▼キッチン

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▼ユニットバス

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▼洗面台

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2-3.和室を洋室にして広いLDKをつくる+一部設備交換

費用が300万円あれば、和室の洋室化も可能です。さらに残った費用でキッチンや風呂といった設備交換ができる余裕もあります。

「古くなった設備を交換したい」、「人を招きやすいようにLDKも綺麗にしたい」。人気の高い工事をいいとこどりした内容です。

<beforeイメージ>

<afterイメージ>

2-3-1.工事にかかる費用相場

▼費用内訳イメージ
和室の洋室化:40~100万円
クロス張り替え:70万円
風呂、トイレの交換:120万

※2024年5月時点での費用相場です。

2-4.既存設備を活かして間取りを変える

既存設備を活かした表層リノベーションなら、より自分の暮らしに合った住まいになるようカスタマイズすることができます。

例えば、下の間取り図のように、広くしたリビングにワークスペースを造作することもできますし、洋室を一部屋小さくして、空いたスペースにウォークインクロゼットを増設することも可能です。

<before間取り図>

リノベーション前の間取り図

<after間取り図>

費用300万円でできるリノベーションの間取り※こちらはイメージです。実際は300万円から増減する可能性があります。

<リビングのワークスペース>

和室を洋室にしてLDKを広くする

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<ウォークインクロゼット>

間取り変更のリノベーションでウォークインクロゼットを作る

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2-4-1.工事にかかる費用相場

▼費用内訳イメージ
和室の洋室化:40~100万円
土間玄関:30万円〜
間取り変更(壁の撤去・新設):約100万円
造作棚・造作家具の設置:計100万円程度

※2024年5月時点での費用相場です。

2-4-2.兼ねるアイデアで追加できる機能

既存設備を活かして間取り変更等に費用が割けるときには、上記でご紹介したリビングデスクやウォークインクロゼットの他にも、趣味や仕事で使える作業スペースを設けられることがあります。

例えば「玄関土間とデスクを兼ねる」、「ウォークインクロゼットと書斎を兼ねる」といったようなアイデアで、機能を追加するイメージです。

兼ねるアイデアで空間の使い方に幅を持たせ、限られたスペースでもうまく空間を活用することができます。

<玄関土間にデスク>

玄関土間にピッタリサイズの造作家具を取り付けるだけで、立派なワークスペースになります。リビングとの距離も遠くなるため、二人同時に在宅ワークしたい人におすすめです。

玄関土間のワークスペース

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<玄関土間にアトリエ>

玄関土間なら、汚れも気にならないためDIY用の作業スペースにもってこいです。置き場所に困るアウトドアグッズも造作棚をつくれば専用の収納になります。

玄関土間にリノベーションでアトリエを作る

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<ウォークインクロゼットに書斎>

ウォークインクロゼットの中に、このようなデスクを設置することもできます。壁と扉ではなく、用途を兼ねた箱で空間を仕切っているため圧迫感もなく、通気性も問題ありません。

ウォークインクロゼットの中の書斎

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300万円内でリノベーションするには?費用を抑える5つのポイントを紹介

300万円内でリノベーションするには?費用を抑える5つのポイントを紹介

リノベーションを行うためには300万円という予算は行える工事に限界があります。ここでは、リノベーションの費用を抑える5つのポイントを紹介します。

  • 減税制度を利用する
  • 設備や内装材のグレードを落とす
  • リノベーション内容に合わせた業者を選ぶ
  • 補助金を活用する
  • 見積もりは複数社とる

自身が望むリノベーションができるように参考にしてください。

3-1.減税制度を利用する

リノベーションをする際に減税制度を利用することで、控除された税金分を工事費用にあてられます。

例えば、国のリフォーム減税制度を利用することで、所得税などが軽減されます。リフォーム減税制度の対象となる工事内容や所得税の控除額は以下のとおりです。

減税制度の対象となる工事内容 所得税の控除額
耐震改修 最大25万円
省エネ改修 最大25万円
長期優良住宅化のための改修 最大50万円
バリアフリー改修 最大20万円
三世代同居のための改修 最大25万円
子育て対応のための改修 最大25万円

リノベーションをする際は、リフォーム減税制度を確認して条件にあてはまる場合は活用しましょう。

3-2.設備や内装材のグレードを落とす

リノベーションにかかる費用は、変更する設備や素材によっても大きく料金が変わります。例えば、内装材であれば布クロスや紙クロスは費用が高額になりがちですが、ビニールクロスであれば安価な料金でリノベーションが行えます。

そのため、できるだけ安くリノベーションをしたい場合は設備や内装材のグレードを落とすことも1つのポイントです。ただし、あまりにも安い素材を使用するとせっかくリノベーションをしても安っぽい作りとなってしまう恐れがあります。あらかじめ許容範囲を決めてグレードを落とすようにしましょう。

3-3.リノベーション内容に合わせた業者を選ぶ

自身が実現したいリノベーション内容に合わせて業者を選ぶことでも費用を抑えられます。リノベーションの依頼先には以下の業者があります。

依頼先 特徴
リノベーション専門会社 ・設計事務所やハウスメーカーに比べて費用は割安・フルリノベーションから水回り限定の工事まで対応範囲が広い
ハウスメーカー ・他の業者と比べて費用は割高な傾向・間取り変更も含めた大がかりなリノベーションに対応可能
設計事務所(建築家) ・費用は割高な傾向・デザインを重視した個性的なリノベーションをしたい方におすすめ
工務店 ・設計事務所やハウスメーカーに比べて費用は割安・小規模な工事が得意な工務店や、大がかりな工事まで対応できる工務店などさまざま

業者によってもリノベーション内容により料金が異なります。また、工事の得意不得意も異なるため、行いたいリノベーションが得意で料金が安い依頼先を選ぶようにしましょう。

3-4.補助金を活用する

国や自治体が補助金を利用することで自身が支払う費用を抑えたリノベーションが可能となります。例えば、国の補助金事業には子育てエコホーム事業や先進的窓リノベ2024年事業があります。条件を満たすことで数万円〜数百万円の補助金が交付されます。

また、自治体が独自に実施している補助金には以下のようなものがあります。

  • 断熱改修や高効率機器などの省エネに関する工事の際に利用できる助成金
  • 耐震改修に関する工事の際に利用できる助成金

国の補助金制度や自身の住む自治体の補助金制度のなかに条件に当てはまる制度がないか確認してお得にリノベーションを行いましょう。

3-5.見積もりは複数社とる

リノベーションをする際はおおよその費用を確認するために見積もりを取ることが一般的です。見積もりを出してもらうためにはリノベーション会社に住宅まで来てもらい調査をしてもらわなければなりません。

見積もりを出してもらうのは手間がかかるため、人によっては1社のみにしか見積もりを出してもらわない場合もあります。リノベーションは施工会社によっても工事の費用が異なります。複数社から見積もりを取り比較することで最安の施工会社にリノベーションを依頼でき費用を抑えられます。見積もりを取る際は3〜5社程度の会社に依頼して比較してみましょう。

300万円でリノベーションする際に気をつけることは?注意点を3つ紹介

300万円でリノベーションする際に気をつけることは?注意点を3つ紹介

リノベーションをする時はいくつかの気をつけるべきことがあります。ここでは、300万円でリノベーションをする際の注意点を3つ紹介します。

  • リノベーション費用とは別に必要なお金を把握しておく
  • 保証やアフターサービスがあるか確認しておく
  • リノベーション範囲の優先順位をつけておく

それぞれ確認していきます。

4-1.リノベーション費用とは別に必要なお金を把握しておく

リノベーションにかかる費用は工事費だけではありません。工事費に加えて数%の諸経費が必要となることがあります。また、リノベーションにも消費税がかかります。

工事費用で300万円ちょうどで見積もりをとっていると諸経費や消費税で予算オーバーとなる可能性があります。そのため、リノベーションをする際は、工事費用の総額がいくらになるのか見積書に記載してない出費をリノベーション会社に確認しておきましょう。

4-2.保証やアフターサービスがあるか確認しておく

300万円でリノベーションをする際は、工事後の保証やアフターサービスを確認しておくことも大切です。リノベーション後は、生活をはじめてから後々問題が発覚することもあります。

保証やアフターサービスがないリノベーション会社で工事を行うと、もしもの際に追加の費用が発生することがあります。リノベーションの際は費用面ばかり目が行きがちですが、保証やアフターサービスを確認しておくことで、工事後にもしものことがあった場合でも安心できます。

また、多くのリノベーション会社は保証やアフターサービスを行っておりますが、会社によっても保証内容や期間などが違います。リノベーションをする際は、保証やアフターサービスの内容も精査しておきましょう。

4-3.リノベーション範囲の優先順位をつけておく

300万円でリノベーションをする際は工事範囲の優先順位をつけるようにしましょう。住宅の全ての範囲をリノベーションするには300万円の予算では困難です。

そのため、自身がリノベーションしたい場所の優先順位を決めておくことで予算内で満足のいく工事が可能となります。水回りの工事を優先したいのかクロスや床を張り替えて部屋の雰囲気を変えたいのか、工事をする範囲に絞ってリノベーションを行いましょう。

費用300万円で効果を最大化できるリノベーション会社は?選び方のポイントを紹介

費用300万円で効果を最大化できるリノベーション会社は?選び方のポイントを紹介

リノベーション費用300万円を有効活用するためには、敷地面積に応じて費用が決まる料金プランや、表層リノベーション専門のプランなど、料金プランが明瞭な会社に相談することをおすすめします

予算が決まっているのにやりたい工事が複数あるとき、どうしても費用が膨らみやすくなってしまいます。決まった費用の中で工事を決めていく定額プランの方が、予算オーバーの心配が少なく相談を進められるためオススメです。

また、現在の状況によって会社選びの視点が少しずつ異なります。次の2つのケースに分けて、会社を選ぶ際のポイントを解説していきます。

・現在居住中の物件をリノベーションしたい人
・これから物件購入する人

5-1.【持ち家の場合】リノベーション会社を選ぶ3つのポイント

居住中の物件をリノベーションしたい場合は、

  • 会社のコンセプト
  • 施工実績
  • 丁寧なヒアリングをしてくれるかどうか

上記3点に注意して会社を選びましょう。それぞれ解説していきます。

5-1-1.会社のコンセプト

自分と会社の相性を見る上で参考になるのが、会社のコンセプトです。会社や事例の紹介ページをよく見て、自分に合うものがあるかどうか判断しましょう。

相性のよい会社や設計担当者とリノベーションプロジェクトを進められると、やりとりがスムーズだったり、後から「こんなデザインになるはずじゃなかった……」と後悔することもありません。

5-1-2.施工実績

気になる会社を見つけたら、必ず施工実績を確認するようにしましょう。十分な施工実績があったり、受賞歴がある会社であればデザイン力・施工力にも信頼が持てます。特に戸建てでは間取り変更が建物の構造に直接関係する可能性もあるため、必ず戸建ての施工実績があるかどうか確認しましょう。

5-1-3.丁寧なヒアリングをしてくれるかどうか

担当者が丁寧にヒアリングをしてくれるなら、予算内で自分のイメージにピッタリな工事を提案してくれたり、さらにその上をいく費用配分を提案してくれることもあります。

まずは気になる会社に問い合わせ、設計担当者に相談してみましょう。

5-2.【物件購入の場合】ワンストップリノベーションの会社がおすすめ

これから物件購入する人は、リノベ向きかどうか見極めてくれる会社に仲介も依頼しましょう。リノベーション会社の中には、物件探しなどの仲介業務と、リノベーションの設計・施工を全て自社で完結させる「ワンストップリノベーション」という仕組みのものがあります

下の図は、不動産仲介、リノベーションの設計施工を別に依頼した場合と、ワンストップリノベーションの会社に依頼した場合を図にしたものです。

ワンストップリノベーションとは

物件を契約した後にリノベーションだけ依頼するのもOKですが、その場合は後から「実は壁式構造で間取り変更ができなかった」、「管理規約でフローリングNGだった」といったような制約が見つかる可能性もあります。

そういった事態を避けるため、リノベーションの知識が社内共有できるワンストップの会社に依頼するのがベストです。

ワンストップリノベーションの会社は、不動産仲介、リノベーションの設計施工を全て社内で完結させているため、他部署間でノウハウの共有・蓄積がされやすいのが強みです。

リノベーションに向いている物件が目利きできるほか、社内に施工部があるため物件探しの段階で「こういう工事はできる?」といった相談も可能です。

物件内覧の際に希望工事が施工可能かどうかを確認することもでき、リスク回避につながります。

物件探しからの会社選びについてより詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

【10~50万円】予算に余裕があれば検討したい部分リノベ

【10~50万円】予算に余裕があれば検討したい部分リノベ

せっかく工事をするなら、少し費用をプラスして今の暮らしに合った家にしませんか?

以下に、10~50万円程度でできる追加工事の内容をまとめました。ぜひやりたい! という工事があれば、予算アップも含め検討してみてはいかがでしょうか。

6-1.一部屋だけ間取りを変更

「子供が巣立って、洋室が物置状態になっている……」といったように、購入時の間取りが今の生活スタイルに合わないこともあるかと思います。そうした部屋の壁を動かし、ウォークインクロゼットを新設したり、書斎を設けたりすることで、より満足度の高い住まいに変化します。

▼工事内容例

壁の新設:50万円~
壁の撤去:60万円~
壁・天井仕上げの変更
床仕上げ変更
扉新設:12~25万円

※2024年5月時点での費用相場です。

<beforeイメージ>

和室を洋室にリノベーション before

<afterイメージ>

和室をウォークインクロゼットにリノベーション

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6-2.造作棚で収納力を高める

部屋や持ち物にピッタリ合わせた造作棚をつくると、飾り棚を兼ねた見せる収納ができるようになったり、足りない部分に収納を付け足したり、といったような工夫ができます。

▼工事内容例
小物・棚の設置 約10万円
造作家具 5~50万円

※2024年5月時点での費用相場です。

<棚、造作家具>

キッチンに造作棚をつけたリノベーション

キッチンに造作棚をつけたリノベーション

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6-4.古びた窓枠を隠して遮音・遮熱性を高める

インナーサッシを設置すると、古びた窓枠を綺麗に見せられるだけではなく、遮音性・遮熱性を高めて住み心地をよくする効果も得られます。

▼工事内容
インナーサッシ 12~15万円

※2024年5月時点での費用相場です。

リノベーションでインナーサッシを設置

1972年築のヴィンテージマンションをリノベーションした事例です。白く塗装した壁に合わせて、白のインナーサッシを取り付け、全てを新しくしたような印象を与えます。

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6-4.和室を洋室化する

リビング横の和室を洋室化し広いLDKにするという工事はリノベーションをする人の中でも人気の高い工事です。人が集まる場所を広々使いたい人、開放的な空間でくつろぎたい人におすすめです。

▼工事内容
和室→洋室 40~100万円

※2024年5月時点での費用相場です。

<before>

和室を洋室にリノベーション before

<after>

和室を洋室にリノベーション

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6-5.玄関に土間をつくる

実際にリノベーションする人の中でも人気の高い工事が玄関を広げて土間にするという工事です。マンションの玄関は狭いものが多いですが、リノベーションで広げることで開放感が生まれ、収納なども増やすことができます。

▼工事内容
土間 約30万円

※2024年5月時点での費用相場です。

<土間玄関>

玄関土間に収納を追加したリノベーション

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6-6.スイッチコンセントを交換する

スイッチコンセントをおしゃれなデザインのものに全交換するだけで、気分転換になります。費用も12万円程度と他の工事に比べてあまりかからないため、余裕があればぜひ試したいリノベーション内容です。

▼工事内容
スイッチコンセント全交換 約12万

※2024年5月時点での費用相場です。

<スイッチ>

スイッチのリノベーション

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費用300万円のリノベーションに関するよくある質問

費用300万円のリノベーションに関するよくある質問

300万円の予算でのリノベーションはさまざまな疑問や悩みを抱える方も多くいます。ここでは、費用300万円のリノベーションに関するよくある質問を5つ紹介します。

  • 費用300万円のリノベーションでどんなことができるの?
  • 300万円の費用では施工できないリノベーション工事って?
  • 300万円でスケルトンリフォームはできる?
  • 築40年の物件は300万円でどのようなリノベーションをすべき?
  • 築50年の物件は300万円でどのようなリノベーションをすべき?

疑問や悩みの解消に役立ててください。

7-1.費用300万円のリノベーションでどんなことができるの?

クロス・フローリング全張り替え、水まわり設備の複数交換、設備は既存利用で間取りを2部屋程度変更、といったような工事なら300万円で施工できます。

詳しくは費用内訳など詳しくは「2. 費用300万円でできる工事は?ケース別の4つの事例を紹介」をご覧ください。

7-2.300万円の費用では施工できないリノベーション工事って?

配管交換、水まわりの移動、大幅な間取り変更などの、スケルトン工事が必要な内容は予算的に不可能です。

また、マンションの場合は構造や管理規約の規制上できない工事もあります。

7-3.300万円でスケルトンリフォームはできる?

300万円の予算では大掛かりな工事がともなうスケルトンリフォームを行うことは困難です。スケルトンリフォームとは、部屋の中をほぼすべて取り除いて骨組みだけの状態に一度リセットしてから、配管の交換など見えない部分も含めてリノベーションをする工事のことです。

建物の状態や大きさにもよりますがスケルトンリフォームをするためには1000万円以上の費用が必要な場合がほとんどです。予算が300万円の場合は、特定の範囲に絞ったリノベーションがメインとなります。

7-4.築40年の物件は300万円でどのようなリノベーションをすべき?

築40年の建物は、旧耐震基準で建築されている可能性があるため耐震性に関するリノベーションを優先して行うべきです。

ただし、建物によっては旧耐震基準でも耐震診断を行ったり、すでにマンション自体の耐震補強がなされている場合もあります。そういった適切にメンテナンスされている建物の場合には、設備交換や壁・床の張り替えなど別の部分に費用を充てることができるでしょう。

7-5.築50年の物件は300万円でどのようなリノベーションすべき?

築50年の物件も旧耐震基準で建築された建物が多いため耐震性を向上させるリノベーションが求められます。

また、耐震性に加えて築50年の建物は独立キッチンの住宅が多く、キッチンとリビングが離れていることがあります。現在では家事をしながら家族とコミュニケーションを取れるオープンキッチンが主流となっているため、LDKへリノベーションをするケースが多くみられます。

まとめ

予算300でリノベーションをしようとしたとき、できること、できないことの目安は次の通りです。

◎費用300万円のリノベーションでできること

  1. クロス張り替えと床上張りで全体を綺麗にする
  2. 水回りの設備を全交換
  3. 和室を洋室に変更してLDKを広くする
  4. 既存設備を活かしてワークスペースを新設するなど間取りを変える

◎費用300万円のリノベーションでできないこと

  1. トイレの移設
  2. 壁式構造の物件を間取り変更
  3. 玄関ドアや窓ガラス、サッシ交換

このほか、部屋の壁を取り払うようなスケルトンリノベーションの場合は対応できません。限られた予算の範囲で最大限に効果のあるリノベーションをするには、部屋の大きさや既存の建物の劣化具合、間取り変更の程度なども考慮されます。

予算をバランスよく配分して心地よい住空間を作るためには、プロからの工夫やアイデアを取り入れてもらうのがおすすめです。

ゼロリノベでは不動産仲介からリノベーション設計、施工までワンストップでサポートしています。当社で物件探しをされる方の特別メニューとして、部分・表層リノベーション対応の「ECOプラン」をご用意していますので、なるべく価格を抑えて理想の住まいを手に入れたいという方はぜひお気軽にご相談ください。

毎週開催中の無料オンラインセミナーでは、ブログでお伝えしきれない長寿命物件の選び方や、無理のない予算の考え方についてもお話しています。顔出しなし&ミュートで参加でき、セミナー後のセールスは一切ありません。

気になる方はぜひお気軽にご参加くださいね。

この記事の制作体制
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

  • 西村 一宏

    リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。

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