中古住宅のリノベーションのメリット・デメリットとは?失敗しないためのポイントや注意点を解説
「中古住宅のリノベーションをしたいけれど、何から始めたらよいか分からない」
「中古住宅のリノベーションで失敗したらどうしよう」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。」
中古住宅をリノベーションする際、限られた予算を物件と工事費に割り振る必要があります。
後から予算オーバーにならないためには、リノベーションにどれくらいの費用がかかるのかを知っておくのが大切です。
本記事では、中古住宅のリノベーションにかかる費用相場やリノベーションに失敗しないためのポイントを解説します。
費用を少しでも抑えるために活用できる補助金制度なども、あわせて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
中古住宅のリノベーションの魅力・メリットとは?
初めに、中古住宅をリノベーションする魅力・メリットを紹介します。
- 流通量が多い
- 建売住宅より自由度が高い
- 注文住宅より費用が抑えられる
それぞれ順番に紹介します。
1-1.流通量が多い
中古住宅のリノベーションの1つ目の魅力は、流通量が多いことです。
希望しているエリアでは、新築の物件を見つけることはなかなか難しい場合でも、中古住宅は流通量が多いため、見つけやすい傾向にあります。
東京大学の令和5年住宅・土地統計調査によると、中古物件(空き家)の数は、2018年時点で848万9,000戸ほどとなっています。
年々、空き家数が増えているため、中古物件の選択肢はたくさんあります。。
なかには築年数の浅い中古物件もあるため、より多くの選択肢の中から適した物件を選べます。
中古住宅を探す際、住民税が安いエリアや利便性の高いエリアなど、希望するエリアで探すのがおすすめです。
中古物件はたくさんあるため、理想のエリアかつ、リノベーションによって理想の住宅が見つかる可能性が高いです。
1-2.建売住宅より自由度が高い
2つ目の中古住宅のリノベーションの魅力は、建売住宅より自由度が高いことです。
国土交通省が2022年に行った「住宅市場動向調査」によると、新築の一軒家の平均価格は4,214万円、それに対して中古の一軒家は平均3,340万円と約900万円もの価格差があることが分かります。
この差額900万円を中古住宅のリフォームに使えば、新築の家と同じ予算で、好みに合わせた内装や設備を選べます。
900万円あれば、リノベーションによって間取りの変更も可能です。
そのため、同じ金額をかけても、「中古住宅購入+リノベーション」の方がお気に入りの家が作れて、型にはまった新築の建売住宅よりも満足度が高いと感じる人が多いです。
1-3.注文住宅より費用が抑えられる
3つ目の中古住宅リノベーションの魅力は、注文住宅よりも費用が抑えられることです。
前章と同様、「住宅市場動向調査」によれば、新たに土地を買って家を建てる場合の平均的な費用は約5,436万円です。
すでにある家を取り壊して新しい家を建てる際には、平均で約4,483万円かかります。(土地の価格は含まない)
一方、中古の一戸建て住宅(土地代を含む)の平均的な購入価格は約3,340万円であり、これらは新築や建て替えに比べてそれぞれ約2,096万円、約1,143万円安いことになります。
費用の差額を見ても分かるとおり、注文住宅より費用が抑えられるのが、中古住宅リノベーションの魅力といえるでしょう。
中古住宅のリノベーションに失敗して後悔する原因・デメリットとは?
次に、中古住宅をリノベーションするデメリットを紹介します。
- 工事中に修繕箇所が増える可能性がある
- 耐震性能が低い場合がある
- すぐに住むことができない
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
2-1.工事中に修繕箇所が増える可能性がある
中古住宅をリノベーションすると、工事中に修繕箇所が増える可能性があります。
中古住宅は築年数が経っていると、家の大事な支えである柱や梁が傷んでいる場合があるため、追加で柱や梁の修繕費用が必要な場合があります。
具体的な修繕事例は、シロアリの被害です。
木造住宅の場合、シロアリの被害を受けていることも珍しくありません。
シロアリ被害がひどい場合、家の内部を取り壊して骨組みだけにしてから、床や壁、天井を新しく作り直す大がかりな改修作業が必要になります。
2-2.耐震性能が低い場合がある
耐震性能が低い場合があるのも、中古住宅のデメリットの2つ目に挙げられます。
現在適用されている建物の耐震基準は、1981年に見直された新耐震基準で決められたものです。
1981年以前に建てられた中古住宅は、新耐震基準よりも緩い旧耐震基準で建てられています。
そのため、築年数が古い中古住宅を購入した際には、必要に応じて家の耐震性を高めるための補強工事が必要です。
しかし、旧耐震基準だから安全性に問題があるわけではありません。
建物の劣化状態や管理状態によって耐震性は変わるので、、必要であれば新しい中古住宅であっても、補強工事が必要になります。
2-3.入居までに時間がかかる場合がある
中古住宅をリノベーションする際、引越しまでに時間がかかります。
中古住宅を購入し、実際に入居するまでに、下記のような工程が必要です。
- 中古住宅の購入
- リノベーションの打ち合わせ
- 打ち合わせを経て、設計
- 設計図面に沿って工事
- 工事終了後、引越し
前の家を出るタイミングによっては、一時的に別の場所で暮らす場合もあるので、注意しましょう。
2-4.使えると思っていた既存設備が壊れて改修費用がかかる
中古住宅を購入し、リノベーションする際に使えそうな設備は、そのまま使用するケースが多いです。
しかし、まだ使えると思っていた設備が、入居後に壊れて使えないと判明するケースが珍しくありません。
壊れやすい既存設備として、給湯器や換気扇が挙げられます。給湯器と換気扇は耐用年数10〜15年が一般的です。
古い中古住宅の場合、耐用年数を超えていることもあるため、一見利用できるように見えても実は故障している場合があります。
中古住宅をリノベーションする際のポイントとは?
中古住宅をリノベーションする際には、失敗しないためのポイントが3つあります。
- 希望のリノベーションができる構造かどうか確認する
- 建築基準法に抵触していないか確認する
- 住宅ローンが組めるか確認する
それぞれのポイントを詳しく解説します。
3-1.希望のリノベーションができる構造かどうか確認する
中古住宅をリノベーションする際、まず希望のリノベーションができる構造かどうか確認しましょう。
リフォームやリノベーションの内容によっては、構造的に施工できない場合があります。
柱の位置や建築年数などによって、希望のリノベーションができるかどうかが分かります。
中古住宅が構造上リノベーションが可能かどうかは素人では判断が難しいため、事前に専門業者に建物調査や現地調査をしてもらい助言をもらうようにしましょう。
3-2.建築基準法に抵触していないか確認する
中古住宅をリノベーションをする際の2つ目のポイントは、建築基準法に抵触していないかの確認です。
中古住宅の増築リフォーム・リノベーションを検討している場合、下記の項目をチェックしておきましょう。
- 住宅の建蔽率
- 容積率
- 床面積
- 全体の形
- 高さ
場合によっては地域の条例や建築基準法に抵触してしまうかもしれません。
計画の段階で、専門業者に増築して問題ない住宅かどうか、確認してもらいましょう。
3-3.住宅ローンが組めるか確認する
中古住宅をリノベーションする際、住宅ローンが組めるか確認しましょう。
中古住宅を購入してリフォームやリノベーションする場合、新築物件を購入するときに比べるとローンの審査が厳しくなる傾向にあります。
建物の価値は耐用年数で判断されるため、築年数が経っている中古住宅では、住宅ローンの担保価値が低くなってしまいます。
ある程度、費用に余裕を持つのが安心ですが、ローンが組めるかどうか確認してからリノベーションを検討しましょう。
中古マンションの住宅ローンに関して詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
リノベーションに適した中古住宅の選び方とは?
本章では、リノベーションに適した中古住宅の選び方を解説します。
中古住宅の選び方のポイントは以下の3つです。
- 新耐震基準は満たしているかどうか
- 立地が安全な場所かどうか
- 住宅の基礎や土台がしっかりしているかどうか
- 間取りの変更が可能な物件かどうか
- 増築が可能な物件かどうか
それぞれ解説するので、中古住宅を選ぶ際の参考にしてください。
4-1.新耐震基準は満たしているかどうか
中古住宅のリノベーションを考えている際、新耐震基準を満たしている中古住宅を選びましょう。
前述した通り、1981年以前に建てられた中古住宅は現在適用されている耐震基準よりも緩い基準に則っています。た
そのため、耐震補強で余計なコストがかかる可能性があります。
したがって、現在適用されている新耐震基準で建てられている中古住宅を購入するのがおすすめです。
4-2.立地が安全な場所かどうか
リノベーションに適した中古住宅を購入したい場合、立地が安全な場所か確認しましょう。
中古住宅の強度や耐震性の確認の他、立地している地盤の確認も必要です。
具体的な確認方法としては、国土交通省が公開・運営している「ハザードマップポータルサイト」を確認するのがおすすめです。
4-3.住宅の基礎や土台がしっかりしているかどうか
住宅の基礎や土台がしっかりしてるかどうかもリノベーションに適した中古物件を選ぶ際のポイントです。
基礎や土台部分に何らかの欠陥があり、住宅の耐久性に欠けていた場合には、予定していたよりも大がかりなリノベーションになる可能性があります。
欠陥がひどい場合には、住宅丸ごと解体し、建て替えする必要がある場合もあります。
そのため、事前に中古住宅の基礎や土台がしっかりしているか確認するようにしましょう。
建物の構造や劣化状態を客観的に診断するために住宅建築の専門家が行う調査のことを「ホームインスペクション」といいます。
ホームインスペクションが事前に行われている物件かどうかも一つの判断材料になるでしょう。
4-4.間取りの変更が可能な物件かどうか
中古住宅を購入する際、リノベーションで間取り変更が可能な物件かを必ず確認しておきましょう。
中古住宅の場合、構造が間取りの変更に向いておらず、希望通りのリノベーションができないケースがよくあります。
具体的には、以下の構造の場合は間取り変更が難しい場合が多いです。
- プレハブ工法
- ツーバイフォー工法
中古物件の購入前に、物件の構造を確認し間取り変更が可能かを確認するようにしましょう。
4-5.増築が可能な物件かどうか
物件のなかには増築が難しいものがあるため、購入前に確認しておきましょう。
原則、建築基準法に触れる物件の場合は、増築が難しいです。
具体的に確認するための指標として、建ぺい率と容積率があります。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積(=家の広さ)の割合を指します。
例えば敷地面積100平米に対して、建築面積が60平米の場合、建ぺい率は60%になります。
容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合を意味します。
例えば敷地面積150平米に対して、1階の床面積が50平米・2階の床面積が50平米の場合、容積率は約67%となります。
建ぺい率と容積率が地域ごとに「何%まで」と定められています。
決められた割合以上の増築はできないため、事前に確認しておきましょう。
中古住宅のリノベーションにかかる費用相場とは?
リノベーションを前提に中古住宅を購入する際、工事にどれくらの費用がかかるのか気になりますよね。
中古住宅のリノベーション工事にかかる費用の相場は、フルリノベーションと部分リノベーションで異なります。
ここからは、それぞれの相場を順番に紹介します。
5-1.戸建てをフルリノベーションする場合の費用相場
戸建てをフルリノベーションする場合の相場を確認しましょう。
平米数 | フルリノベーション費用 (平均/税別) |
70平方メートル | 1218万円 |
80平方メートル | 1479万円 |
90平方メートル | 1425万円 |
100平方メートル | 1726万円 |
110平方メートル | 1774万円 |
*SUVACO掲載の最新92事例から平米数ごとに平均価格を算出(2022年10月時点)
*上記はあくまで参考・やりたい内容や建物状態によって費用は大きく変わる
マンションと同じく3LDK程度の広さである70平方メートルで考えた場合、フルリノベーション費用の相場は約1,218万円です。
マンションの業界相場と比較すると、やや高額になります。
マンションでは共有部分のため工事できない外装や窓、柱などの構造部分の工事が可能であることや断熱工事などが必要な場合があることから、高額になる傾向にあります。
中古戸建てのリノベーションにかかる費用をより詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
5-2.戸建てを部分リノベーションする場合の費用相場
中古マンションや中古戸建ての部分リノベーションを行う場合にかかる、内容ごとの費用相場を紹介します。
- キッチンを新調する
- システムキッチン本体の費用相場
- キッチンの場所を移動しない場合
順に紹介します。
5-2-1.キッチンを新調する
キッチンを新調する場合の相場は、90〜250万円ほどです。
キッチン本体のグレードや、キッチンの設置場所の移動が必要かによって費用が異なります。
5-2-1-1.システムキッチン本体の費用相場
キッチンを新調する場合のリノベーション費用は、キッチン本体の価格によって大きく上下します。
システムキッチンの本体価格は選ぶメーカーやグレードによっても異なり、20〜170万円程度が相場です。
本体価格には、食洗機やグリルなどの標準仕様に追加するオプション設備や、配送・設置費用も含まれます。
キッチンメーカーによって、ラインナップや種類、付けられるオプションなどが異なるため、気になるメーカーのショールームなどで実物をチェックするのがおすすめです。
また、リノベーション会社によっても得意なメーカーや割引き率が違うので、事前に確認するとよいでしょう。
5-2-1-2.キッチンの場所を移動しない場合
キッチンを元の位置から変更せず、壁や床などの内装もそのままで、機器だけ交換するのであれば、「キッチン本体価格+撤去費用」「新しいキッチンの組み立て・設置費用」程度で済みます。
例えば、新しく設置するキッチンの本体価格が70万円の場合、90〜100万円程度を見込んでおくと安心できるでしょう。
5-2-1-3.キッチンの場所を移動する場合
キッチンを移動する場合、上記に加えて床の解体や給排水管・換気ダクトの延長、電気・ガスの移設、内装工事などが必要になります。
キッチン本体のグレードにもよりますが、関わる業者も増えるため工事費用が高くなり、全体で150〜250万円程度必要になると想定しておくと安心です。
特に以下のようなケースでは、移動が困難、あるいは移動できない可能性があるため注意が必要です。
- 換気扇からの排気ルートの変更が構造上難しい場合
- 排水管に十分な勾配が取れない場合
- マンションの管理規約で禁止されている場合
キッチンの移動を含むリノベーションを検討するときには、目視や間取り図だけで判断できない場合もあるため、事前に管理規約を確認したりリノベーション会社に移設の可否を確認してもらうのがおすすめです。
5-2-2.LDKを広くする
和室をフローリングにしてLDKと一体化させるリノベーションの場合、費用は45〜100万円前後が相場です。
特に、戸建ての場合、和室は床が敷居の分だけ一段高く、天井は洋室よりも少しだけ低くなっているのが一般的です。
そのため、和室とリビングを一体化させるリノベーションは、一体感のクオリティをどこまで求めるかによって費用が大きく上下します。
下の表は、和室とLDKの一体化リノベーションで、重視する内容別の費用や工事内容の違いをまとめたものです。
費用 | 工事内容 | |||||
壁紙の張り替え | 床の張り替え | 天井の調整 | ||||
和室 | リビング | 和室 | リビング | 和室 | ||
コスト重視 | 45万円 | ◯ | ◯ | ◯ | × | × |
バランス重視 | 60〜70万円 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × |
クオリティ重視 | 100万円 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
なお、和室ではなく洋室をつなげてLDKを広くする場合、フローリングとクロスの全張り替えをする場合で50〜70万円前後が相場です。
5-3-3.収納を増やす
収納を増やすリノベーションは、設置する収納棚の大きさや規模によって10〜100万円と幅があります。
小規模な収納棚を設置する場合で10〜30万円、天井までの壁面収納に変更する大がかりな工事だと、50〜100万円必要です。
簡単な造作収納であれば、10〜30万円で設置可能です。扉付きのおしゃれなクローゼットにする場合は50〜100万円が目安です。
中古住宅のリノベーションにかかる費用を抑えられる制度とは?補助金・減税金等を使用
中古住宅を購入してリノベーションするには、物件価格やリノベーション工事費以外にも費用がかかります。
少しでも費用を抑えるために活用できる下記の制度を紹介します。
- 減税制度
- 補助金制度
それぞれの制度を解説します。
6-1.減税制度
特定のリノベーションやリフォームを行った際、所得税や固定資産税、贈与税などが控除される減税制度は下記のように複数用意されています。
- リフォーム減税
- 固定資産税の減税制度
- 贈与税の非課税処置
順番に紹介します。
6-1-1.リフォーム減税
住宅ローン減税とは、10年以上の住宅ローンを利用して中古住宅をリフォームやリノベーションしたときに、一定の条件を満たすことで所得税が減税される制度のことです。
適用年度(入居した年) | 借入限度額 | 控除率 | 控除期間 | |
2022年(令和4年)1月〜 2023年(令和5年)12月末まで | 認定住宅:ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 0.7% | 10年間 |
上記以外 | 2,000万円 |
出典:国土交通省|「長期優良住宅化リフォームに関する特例措置」
6-1-2.固定資産税の減税制度
中古住宅に対して一定のリフォームやリノベーションを行った場合、固定資産税の減税が受けられます。
リフォームの内容 | 軽減額 |
耐震リフォーム | 2分の1 |
バリアフリーリフォーム | 3分の1 |
省エネリフォーム | 3分の1 |
長期優良住宅化リフォーム | 3分の2 |
【出典】国土交通省「耐震改修に関する特例措置」「バリアフリー改修に関する特例措置」「省エネ改修に関する特例措置」「長期優良住宅化リフォームに関する特例措置」
6-1-3.贈与税の非課税措置
親や祖父母などから住宅取得資金などの贈与を受けてリフォームやリノベーションを実施したときには、一定の上限額まで贈与税が非課税とされます。
制度期間 | 2026年(令和8年)12月31日まで |
受贈者 | 18歳以上 |
非課税枠の上限額 | 耐震、省エネまたはバリアフリーの住宅用家屋:1,000万円 上記以外の住宅用家屋:500万円 |
【出典】国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」
なお、それぞれの制度や措置には、リノベーション費用や改修場所など一定の諸条件があります。
詳しくは国税庁ホームページにてご確認ください。
6-2.補助金制度
中古住宅に対するリノベーションは、減税制度のほかにも国や自治体が補助金制度を用意しています。
- 国からの補助金
- 地方自治体からの補助金
コストを抑えてリノベーションするために、補助金も理解しておきましょう。
6-2-1.国からの補助金
現在国では、SDGsへの関心の高まりや空き家問題などの社会問題から、中古住宅の有効活用に対する支援を積極的に行っています。
これまでにも、環境省や経済産業省、国土交通省などが複数の補助金制度を設けました。
6-2-2.地方自治体からの補助金
リフォーム・リノベーションについては、自治体独自で設置している補助金制度があります。
地方自治体の補助金制度は、工事は地元の工務店に依頼する、地元産の建材を使用するなど、地域の環境や産業に関わることを条件にしているものが多いです。
例えば東京都では、中古住宅に設置されている窓やドアを、高断熱窓や高断熱ドアに改修するリフォームをした場合に補助金を交付する「家庭における熱の有効利用促進事業」を提供しています。
お住まいの自治体でどのような補助金があるのかは、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和3年度版)」で調べられるので、ぜひ利用してみてください。
中古住宅(戸建て)のリノベーション事例6選
ここでは、ゼロリノベが手がけた中古住宅のリノベーション事例を3つ紹介します。
- 千葉県|キッチンを中心とした暮らし
- 東京都|育てる家
- 東京都|白く美しく
1つずつ順番にに紹介します。
7-1.千葉県|キッチンを中心とした暮らし
リノベーションプラン | PLUSプラン |
専有面積 | 18歳以上 |
築年月 | 2004年9月 |
1つ目の事例は千葉県のPLUSプランでリノベーションした事例です。
下記のような形でガラッと間取りをフルリノベーションしており、キッチンに重きを置いた間取りとなりました。
コンセプトとしては、下記の4つです。
- 夫婦で同線を気にせず使える二型に配置した造作キッチン
- リビングの一角に設けたボックス型ソファーのあるライブラリー
- 視線のつながりに配慮したキッチン、リビング、ワークスペース
- 天井の傾斜と梁を活かして生み出した秘密基地のような造作ロフト
リノベーション前と後の写真は下記の記事にて掲載しているので、詳しく確認したい方は下記記事をご覧ください。
7-2.東京都|育てる家
リノベーションプラン | PLUSプラン |
専有面積 | 117.14平米 |
築年月 | 1971年12月 |
2つ目に紹介するリノベーション事例は、東京都で行ったPLUSプランでの事例です。
1つ目に紹介した事例よりも専有面積が広く、築年数が古い物件でしたが下記のように間取りを変更し、回遊動線で使いやすくインテリアが映える家にリノベーションしました。
コンセプトとしては下記です。
- 最低限度の設備変わりゆく生活スタイルに耐えうる余白
- こだわりの家具が引き立つインテリア
- 家事動線を優先した周回できる間取り
リノベーション前と後の写真は下記の記事にて掲載しているので、詳しく確認したい方は下記記事をご覧ください。
7-3.東京都|白く美しく
リノベーションプラン | PLUSプラン |
専有面積 | 88.81平米 |
築年月 | 2010年5月 |
最後に紹介するリノベーション事例は、「白」をモチーフにフルリノベーションした東京都の事例です。
専有面積が88.81平米となっており、築年月が2010年5月と今回紹介した事例の中では、最も築年数が新しい物件でした。
間取りは下記のように変更し、開放感が生まれる空間へとリノベーションしています。
コンセプトとしては下記です。
- 1階の和室を取り払い開けたリビング空間に
- 階段の壁を取り除いて、アイアンの手すりをつけお部屋のポイントに
- 脱衣室から洗面化粧台を出して、トイレの近くに設置
リノベーション前と後の写真は下記の記事にて掲載しているので、詳しく確認したい方は下記記事をご覧ください。
中古住宅リノベーションに関するよくある質問
最後に、中古住宅のリノベーションに関する質問を紹介します。
- リフォームとリノベーションの違いとは?
- 中古住宅が人気な理由とは?
- 平屋の中古住宅リノベーションのメリット・デメリットとは?
- ローコスト住宅と中古住宅のリノベはどっちがおすすめ?
中古住宅のリノベーションを検討している方はぜひ参考にしてください。
8-1.リフォームとリノベーションの違いとは?
リフォームとは、家の原状回復のことを指します。
例えば、使えなくなった設備を使えるように修理したり、傷ついた壁を元の状態に戻したりします。
それに対し、リノベーションとは家の機能を向上させることです。
例えば、間取りを変更しより大きな部屋にしたり、元々はなかった収納を設置したりするのがリノベーションです。
まとめると、リフォームは家を元の状態に戻し、リノベーションは家の機能を向上させることを指します。
8-2.中古住宅が人気な理由とは?
中古物件が人気な理由はいくつかありますが、大きな要因は新築価格の上昇です。
先述した通り、国土交通省が2022年に行った「住宅市場動向調査」によると、新築の一軒家の平均価格は4,214万円で、中古の一軒家は平均3,340万円となっています。
約1,000万円の差があるため、新築購入よりコストを抑えられることが人気の理由に挙げられます。
8-3.平屋の中古住宅リノベーションのメリット・デメリットとは?
平屋の中古住宅をリノベーションするメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・間取りを変更しやすい ・屋根裏の活用ができる ・バリアフリー化しやすい | ・物件数が少ない ・防犯対策が必要になる ・家族間のプライバシー確保が難しい |
平屋は2階が無い分、リノベーションの自由度が高く、間取りの変更がしやすいです。
また、階段も無いため、バリアフリーに適している老後まで住みやすい家になります。
ただし、日本の戸建ては2階建てが主流なため物件数が少なく、探すのに苦労する場合があります。
また、1階建てなので窓の数だけ防犯対策が必要になります。
家族全員が1階で生活するため、家族間でのプライバシー確保が難しいのがデメリットです。
8-4.ローコスト住宅と中古住宅のリノベはどっちがおすすめ?
ローコスト住宅と中古住宅のリノベは、入居者の希望によってどちらがおすすめかが変わります。
それぞれどのような人におすすめかを紹介します。
ローコスト住宅がおすすめな人 | 中古住宅のリノベがおすすめな人 |
・新築の家に住みたい ・設備にあまりこだわらない | ・自分好みの家にしたい ・家のデザインにこだわりたい |
まとめると、設備やデザインにこだわりがなく、コストを抑えて新築の家に住みたい方はローコスト住宅がおすすめです。
ローコスト住宅より費用はかかるが、設備やデザインを自分好みの家にカスタマイズしたい方は、中古住宅のリノベーションがおすすめです。
ご自身の好みに合わせてどちらを選択するかを決めましょう。
まとめ
中古住宅のリノベーションは、以下のように一長一短です。
メリット | デメリット |
・流通量が多い ・建売住宅より自由度が高い ・注文住宅より費用が抑えられる | ・工事中に修繕箇所が増える可能性がある ・耐震性能が低い場合がある ・すぐに住むことができない |
中古住宅の物件によっては希望のリノベーションができない場合がありますので、本記事で紹介したようなポイントを押さえたうえで、中古住宅を選んでみましょう。
また、本記事では中古住宅のリノベーションにかかる費用の相場や諸費用の目安、活用できる補助金制度なども紹介しました。
補助金や減税制度をうまく活用し、コストを抑えつつ、中古住宅のリノベーションを成功させてください。
「予算立てから物件選びまでを、すべて自分自身で進めるのは不安」と感じる人も多いのではないでしょうか。
そのような方は、予算立てから物件選び、プランニング、工事までをワンストップで行えるリノベーション会社に依頼すると、安心して進められます。
本記事とあわせて、ワンストップリノベーションについて紹介している下記記事もご覧ください。
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