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資産価値の高いマンションは立地・築年数・物件特性で見極める。14のチェックポイント&資産価値の基本・価値が下がる要因を解説。

マンション 資産 価値画像

資産価値の高いマンションを選ぶには、「立地」「築年数」「物件特性」からなる14のチェックポイントを知っておくことが大切です。

「マンションの購入を検討しているけれど、どんなマンションの資産価値が高いんだろう?」
「不動産の資産価値ってそもそも何?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

マンションの資産価値は、基本的には築年数と共に下がる傾向にあります。ただし、全てのマンションの価値が年々均等に落ちていくのではなく、価値が落ちにくいマンションも存在します。

どんなマンションの資産価値が高いのかを知らないまま物件を購入してしまうと、後で「購入前に学んでおけばよかった…」「あのとき別の方の物件を選べばよかった…」と後悔してしまうこともあります。

そこでこの記事では、以下について解説していきます。

  • マンションの資産価値の基本
  • マンションの資産価値が下がる要因
  • 資産価値の高いマンションを選ぶ14のチェックポイント
  • マンションの資産価値の調べ方
  • マンションの資産価値を調べる場合の注意点

また、よくある質問として以下の内容についても解説していきます。

  • 階数は資産価値に影響するのか
  • 今検討中の物件の資産価値は調べられるのか
  • マンションと戸建てでは、どちらの方が価値が落ちにくいのか

この記事を最後までお読みいただくと、マンションの資産価値とは何か、具体的に資産価値の高いマンションの選び方や選ぶ際の注意点がわかります。

後悔のない住まい選びに役立てていただけますと幸いです。

よくあるご質問

マンションの資産価値とは?

マンションの資産価値には、「売却価値」と「収益価値」の2つの側面があります。「売却価値」とは、保有しているマンションの市場での評価額を指します。「収益価値」とは、賃貸として貸し出して収益を得られる物件のことです。「売却価値」は築年数と共に下落する傾向にあります。

マンションの資産価値は下がりますか?

マンションの価格に大きな影響を与えるのは築年数です。マンションの価値は、新築時をピークに築年数と共に毎年下落していく傾向にあります。ただし、すべてのマンションの価値が年々均等に落ちていくのではなく、価値が落ちにくいマンションも存在します。

資産価値が下がりにくいのは、人口の流入が継続的に見込める人気のエリアなどが該当します。人気のエリアは地価が下がりにくいため、築年数により建物自体の価格が下がったとしても一定の資産価値を維持するケースもあります。

マンションの資産価値は住んでいる階数によって変わりますか?

住んでいる階数は資産価値に影響します。階数は、一般的には高層階のほうが低層階よりも人気です。そのため、資産価値も高層階のほうが落ちにくくなります。特に、眺望が美しいエリアでは、高層階の部屋の査定価格も高くなります。そのため、資産価値の高さを重視したい場合は、高層階を選ぶと良いでしょう。

今検討中のマンションの資産価値を調べることはできますか?

可能です。「全国マンションデータベース」は、過去の中古販売金額や相場を詳しく確認できるサイトです。検討中の物件の客観的な価値を比較したいときに利用してみると良いでしょう。「会員登録」→「確認したい物件のマンション名を検索」→「物件詳細ページ」を確認すると調べられます。過去の取引金額の推移も閲覧できるので、資産価値の下落ペースも確認可能です。

マンションと戸建ての資産価値は異なりますか?

比較的価値が安定しているのは、一般的には戸建てよりもマンションだと考えられます。マンションと戸建ての価値の比較は、物件ごとに状況が異なるため一概には比較しにくいです。しかし、一般的な条件ですと以下の表の通り、マンションの方が価格の急落はなく、安定していると考えられます。

項目マンション戸建て
【売却価値】建物の価値主流は鉄筋コンクリート造(RC造)となり、法定耐用年数が長い(47年間)主流は木造であるため法定耐用年数が22年と短い。鉄筋コンクリート(RC造)なら価値は下落しにくい
【売却価値】土地の価値区分所有のため土地価格の変動による影響を受けにくい需要の高い土地に建つことが多いため急激な土地価格の下落リスクは低い土地も所有しているため相場の影響を受けやすい。相場が上昇すると得をする
【収益価値】賃貸需要一般的には貸しやすい条件によるが貸しにくいことが多い
総合評価急激な価値の変化は少なく安定している土地の相場の影響を受けやすく、損する場合も得をする場合もどちらの可能性もある
マンション購入後、資産価値を落とさないようにするには?

売却時や賃貸に出す際に資産価値を落とさないようにするには、専有部分のメンテナンスや設備投資が重要です。大きな設備が古びている場合は、ダイノックシートで扉を美しくするだけでも充分でしょう。また、他の設備に比べて比較的安価な照明やトイレ、防犯設備に投資するのもおすすめです。

この記事の監修者

宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

目次

マンションの資産価値とは?

マンションの購入を検討し始めると、利便性や価格など、さまざまな要素を考慮する必要がありますが、その中でも多くの方が気になるのが「資産価値」だと思います。

将来売却する可能性を考えると、できるだけ資産価値の高いマンションを選びたいですよね。

マンションの資産価値には、以下の3つの特徴があります。

  1. 物件の価格は築年数と共に下落するものである
  2. 資産価値には「売却価値」「収益価値」の2つの側面がある
  3. マンションは一戸建てよりも「収益価値」が高いと考えられる

この3点を知っておくと、資産価値の高いマンションの選び方をスムーズに理解できますよ。

詳しくは以下で解説していきます。

1-1.築年数別のマンションの資産価値の推移

マンションの資産価値を考えるときに、最初に物件の価格に大きく影響する要素は何か、が気になると思います。

結論から言うと、マンションの価格に大きな影響を与えるのは、築年数です。マンションの価格は、新築時をピークに築年数と共に毎年下落していきます。

レインズデータライブラリーの「中古マンションの築年数別売却価格の推移」によると、以下の表の通り、中古マンションは、築5年の段階で価格が新築のときと比べて80%程度に、15年後には50%程度にまで下がり、その後も価格は下落し続けるということがわかっています。

中古マンションの築年数別売却価格の推移

出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリー」

築年数は後から変更できるものではありませんので、まずここでは、マンションの価値は築年数と共に下落しておく、ということを覚えておきましょう。

1-2.「売却価値」「収益価値」の2つの側面がある

築年数と共に物件の価格は下落するとお伝えしましたが、これは資産価値の片方の側面「売却価値」でしかありません。

不動産の資産価値には、「売却価値」(売却できる価格)と、「収益価値(賃貸にしたときの家賃収入)」という2つの側面があります。

築年数と共に購入時と比べて売却価格が下落してしまっても、賃貸にしたときに収益が出せる物件なのであれば、「収益価値」の観点からは資産価値が高い物件だと考えられるでしょう。

また、この「収益価値」の観点で、マンションは一戸建てよりも有利な側面があります。詳しくは以下で説明していきます。

1-3.マンションの収益価値が高いのは専有面積あたりの単価が割安だから

分譲マンションは、戸建てと違って「土地と建物を区分所有する」という仕組みになっています。

それによって、本来であれば土地の価格が高いエリアでも、住人たちでその費用を負担し合うため、専有面積あたりの単価は割安になります。

そうすると、賃貸に出すときもコスト面でメリットを出すことができるため、借り手がつきやすくなるのが一般的です。その点でマンションは、一戸建てよりも収益価値が高いと考えられています。

マンションは資産にならない?マンションの資産価値が下がる要因

マンションの資産価値が下がる要因は、築年数が経過することの他に、周辺環境の悪化や経済状況の変化などが挙げられます。

マンションの資産価値が下がる要因は、主に下記の5つです。

  • 築年数の経過
  • 周辺環境の悪化
  • 競合物件の増加
  • 経済状況の変化
  • 構造上の問題

一般的に、マンションの資産価値は築年数が経つほど低下します。そのため、新築時をピークに資産価値が下がる物件がほとんどです。

一方、人気のエリアにある物件や交通の利便性が良い物件は、資産価値が極端に落ちることはないでしょう。

事実、購入時より高く売れている物件もあるため、マンションが資産になるというケースも存在します。

資産価値の高いマンションを選ぶ14のチェックポイント

マンションの価格は築年数と共に落ちてしまうことや、資産価値には「売却価値」と「収益価値」の2つの側面があること、マンションは一戸建てよりも賃貸に出しやすい、という点についてお伝えしました。

ただし、どのマンションも同じように築年数に応じて価格が下落したり、賃貸に出しやすかったりするわけではありません。

「売却価値」と「収益価値」が落ちにくいマンションの選び方として、14のチェックポイントをご紹介します。

ここでは、以下の3つのポイントごとに見極め方を紹介します。

  • 魅力的な立地の見極め方
  • 築年数の見極め方
  • 物件特性の見極め方

それぞれ解説していきます。

3-1.魅力的な立地の見極め方

最初に重要なのが立地です。不動産は需給バランスで価格が決まると言われており、多くの方が住みたいと考える物件は、価値が落ちにくくなります。それに大きな影響を与えるのが「立地」です。

具体的には、以下の6つのポイントを意識して選びましょう。

  • 最寄り駅から近いか
  • 周辺環境の利便性が高いか
  • 将来性のあるエリアか
  • 多くの人から人気のエリアか
  • マンション付近の景観が良いか
  • 安全性が高いか

それぞれ解説していきます。

3-1-1.【POINT1】最寄り駅から近いか

近年はテレワークが増えた影響から自宅で働く方が増えてきましたが、それでも通勤や通学、休日のお出かけなどの機会が全くなくなるわけではありません。

そのため、最寄り駅やバス停などから遠い場所にある物件は、基本的には不人気だと考えた方が良いでしょう。

以下の調査でも、物件選びの際に最も重視するポイント第1位は「最寄り駅からの所要時間」という結果になっています。

順位物件選びの際、最も重視したポイント回答比率
1位最寄り駅からの所要時間27.2%
2位価格21.8%
3位間取り11.9%
4位周辺施設7.9%
5位通勤・通学手段や所要時間/面積・広さ6.7%

出典:マンションマーケット「物件選び」に関する実態調査

そのため、資産価値が落ちにくいマンションを選びたい場合は、まずは「最寄り駅から近いこと」を重視するのが大切です。

3-1-2.【POINT2】周辺環境の利便性が高いか

次に重要なのが、周辺環境の利便性です。ポイントは下記です。

  • スーパーやコンビニ、ドラッグストアが近隣にある
  • 公共施設(学校や病院、公園、図書館、役所など)へのアクセスが良い
  • スポーツジムや学習塾などが近くにある

これらの条件が整っていると、利便性が高いと判断されるので、将来売るときや貸すときに有利になります。いくら素敵な住宅でも、最寄りのスーパーまで距離が遠く徒歩で30分かかる、病院が近くにない、といった環境ですと、住みにくそうだと判断される可能性が高くなってしまいますよね。

ただし、スーパーや病院、ジムなどは数年後にはなくなっている可能性もあります。徒歩圏内に複数の施設があるか、という点にも注意しつつ、周辺環境の利便性を確認すると良いでしょう。

3-1-3.【POINT3】将来性のあるエリアか

そのエリアの将来性を見極めることも重要なポイントです。例えば、以下の条件に当てはまると、その物件の人気が高まるため、将来性が高いと考えられます。

  • 現時点では駅や商業施設が近くにないが、将来的に再開発の予定がある
  • 近くに新駅や大型ショッピングセンターの建築計画がある

再開発の状況については、鉄道会社や大手デベロッパーがHPで発表しています。ただし、全ての会社のHPをひとつずつ見ていくのは大変なので、情報をまとめて閲覧できるWEBサイトを利用して情報収集すると良いでしょう。

例えば、都市レポというサイトでは、3大都市圏を中心とした再開発情報を調べられます。

3-1-4.【POINT4】多くの人から人気のエリアか

多くの人が「住みたい」と思うかどうかも重要な要素です。毎年さまざまな雑誌やWEBメディアで「住みたい街ランキング」が更新されますが、その上位にランクインするエリアは、やはり安定的な人気を誇っています。

例えば2023年に発表されたSUUMOの「住みたい街ランキング2023関東版」では、以下の駅が人気となっています。

  • 1位 横浜
  • 2位 吉祥寺
  • 3位 大宮
  • 4位 恵比寿
  • 5位 新宿

住みたい街に選ばれる理由としては、「商業施設や映画館などの施設が充実している」だけでなく、「人からうらやましがられそう」「カルチャーを感じる店がある」「昔から良い場所とされている」などの項目が影響しており、利便性だけでなく、イメージも重視する方が多いということがわかります。

そのため、こうしたランキングも参考にして、多くの人が良いイメージを持っているエリアかどうかを判断することも大切です。

3-1-5.【POINT5】マンション付近の景観が良いか

マンション付近の景観も重要な要素です。以下のように窓から見える景色が良い眺めだと、毎日こんな景色を楽しみたい!と考えてもらえる可能性が高まります。

  • リビングが湾岸エリアに面しており開放的な展望を楽しめる
  • マンションの近くに公園があり緑豊かな雰囲気を感じられる
  • 高層階に位置しておりきれいな夜景を見られる

反対に、いくら駅から近い便利な物件でも、マンションの前に墓地が広がっていると、ちょっと住みたくない…と思われてしまう可能性もあります。そのため、マンション付近の景観もきちんとチェックしましょう。

3-1-6.【POINT6】安全性が高いか

最後に大切なのは、安全性です。家は生活の基盤ですので、何よりも求められるのは、安心してその場所で暮らせるかということです。例えば、以下のような場所ですと住みたいと思う人が少ないため、価値も落ちてしまいます。

  • 犯罪が多く治安が悪い
  • 土砂崩れなどの自然災害が発生しやすい

犯罪の多いエリアかどうかは、そのエリアに強い不動産会社へ事前に確認しましょう。また、自然災害のリスクの有無については、国土交通省が運営している「ハザードマップポータルサイト」で確認できます。地震や浸水などの被害に遭うリスクが高いかどうかを、前もって調べるようにしましょう。

3-2.築年数の見極め方

次に重要なのが築年数です。一般的に、マンションは築年数の経過と共に資産価値が下がることからも、築年数は重要な要素のうちの1つです。

具体的には、以下の2つのポイントを意識しましょう。

築年数による値下がりは落ち着いているか
昭和56年以降に建てられたマンションか

それぞれ解説していきます。

3-2-1.【POINT7】築年数による値下がりは落ち着いているか


東日本不動産流通機構の発表している中古マンションの実際の売却価格を見てみると、以下の表のように、1㎡あたりの売却価格は築年数に応じて下落していき、築25年程度で値下がりが落ち着きます。

中古マンション成約状況(万円、1㎡あたりの売却価格)

築年数価格1㎡あたりの売却価格
築0~5年6,13697.63
築6~10年5,53882.83
築11~15年4,88669.41
築16~20年4,68564.35
築21~築25年3,74654.10

出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)

購入時の価格と売却価格に大きな差が生じるのを防ぐため、築年数による値下がりが比較的落ち着いてきた築25年以降の物件を選ぶと良いでしょう。

その際は、建物の管理状況が良い物件を見極めるのが重要です。管理組合や住民の管理意識は、資産価値に大きく影響します。見極め方は「住宅自体の価値の見極め方」で解説します。

3-2-2.【POINT8】昭和56年以降に建てられたマンションか

築年数を確認するときにもうひとつ重要になるのが、建築された時期です。ポイントは以下です。

  • 建築されたのが建築基準法が改正された昭和56年(1981年)よりも後の物件を選ぶ
  • 昭和56年(1981年)よりも前に建築された物件の場合は、耐震改修工事が行われていることを確認する

日本では、昭和56年6月1日に建築基準法が改正されて、新しい新耐震基準が導入されました。

実際に阪神・淡路大震災でも、この基準を満たしている建物は30%しか被害を受けなかったのに対して、新耐震基準を満たしていない建物(築年数が昭和56年以前)は、65%近くが被害を受けてしまったそうです。

参考:阪神・淡路大震災による建築物等に係る被害

新耐震基準を満たしていない物件の場合、高値売却しにくくなります。そのため、もし昭和56年以前に建てられたマンションを購入する場合は、耐震改修工事が行われているかどうか、必ず事前に確認しましょう。

3-3.物件特性の見極め方

次のポイントは、住宅自体の価値です。マンションの場合は、自分一人の意思で気軽に建て替えたり、大規模な改修工事を行ったりはできないので、資産価値に影響する部分について、きちんと見極めるようにしましょう。

具体的には下記の6つのポイントを意識しましょう。

  • 管理体制がしっかりしているか
  • 日当たりが良いか
  • 周辺と比較したときに競争力が高い要素があるか
  • 大手デベロッパーの人気ブランドマンションか
  • 見た目に高級感があるか
  • 住民同士の属性・ライフスタイルは近いか

それぞれ解説していきます。

3-3-1.【POINT9】管理体制がしっかりしているか

マンションの資産価値に大きく影響する要素のひとつが、「管理体制」です。マンションは、出来上がったあと何年も経過する中で、管理体制がずさんだった場合、建物自体の劣化が進んでしまったり、住人の質が落ちたりしてしまいます。マンション全体で、資産性に対する意識が高い物件を選ぶのが失敗しないコツです。

具体的には、以下のような管理が行われている物件が安心です。

  • マンション共用部の清掃が行き届いている
  • エレベーターや消防設備などの法定点検を確実に行っている
  • 長期修繕計画に基づき大規模修繕が行われている、あるいは施予定である
  • 維持管理に力を入れており外観や内廊下などが老朽化したままになっていない

多くのマンションでは、こういった業務を専門にしている「管理会社」に上記のような業務を委託しています。管理会社がきちんと管理をしていると、物件の価値も落ちにくくなります。そのため、事前に口コミでそのマンションの管理会社の評判を調べたり、内見の際にどのような管理をしているのか確認したりするなどして、質の高い管理が行われているかどうかをチェックしましょう。

3-3-2.【POINT10】日当たりが良いか

日当たりの良さも重要なポイントです。最近では築年数が進んだ物件でも、リフォームやリノベーションできれいにすれば買い手はつきますが、物件の建つ向きだけは後から変更できません。

ポイントは以下です。

  • おすすめの向き:南向き(日当たりが良い)
  • 避けるべき向き:北向き(採光力が少ない)

ただし、同じ南向きのマンション内でも部屋の場所によっては日当たりが悪い場合もありますし、隣に大きなマンションが建っていれば、陰になってしまうこともあります。

そのため、内見の際にその点もきちんと確認しておきましょう。

3-3-3.【POINT11】周辺と比較したときに競争力が高い要素があるか

周辺の物件と比較したときに競争力が高いかどうか、も確認しておきましょう。例えば以下のようなものです。

  • ペット可のマンションが少ないエリアで、1棟だけペット可のマンションがある
  • 他では見られないおしゃれなデザイナーズマンションである
  • 周辺と比較すると、そのマンションだけスーパーやジムなどの設備が併設されている

上記のように、近隣エリアと比べたときに、他のマンションにない要素があると強みとなります。

こうした、そのエリアの他の物件と比較したときに競争力がある物件は、値下がりしにくいと言えるでしょう。

3-3-4.【POINT12】大手デベロッパーの人気ブランドマンションか

住宅の価値には、「マンションの開発事業者や施工会社のブランド力」も影響を与えます。マンションを購入するときは、住みやすさだけでなく、そのブランド自体にも価値を感じる方が多いためです。

特に、大手デベロッパーは品質の良さや安全性の高さが広く認知されているため、大手のブランドマンションは資産価値が落ちにくくなります。

定期的にメンテナンスや賃貸サービスなどアフターサービスも手厚いため、信頼性を求める方には人気が高いです。

例としては、以下のようなブランドがあります。

テレビCMや電車の広告などで、一度は見たことのあるブランドも多いのではないでしょうか。こうした人気ブランドの物件ならば、資産価値は落ちにくいと考えられます。

ブランド名デベロッパー名
プラウド野村不動産
ブランズ東急不動産
パークマンション、パークコート三井不動産レジデンシャル
ブリリア東京建物
ザ・パークハウス /ザ・パークハウス グラン三菱地所レジデンス
グランドヒルズ、シティタワー住友不動産

3-3-5.【POINT13】見た目に高級感があるか

5つ目の要素は、見た目の高級感です。安っぽい見た目のマンションは、年を経つごとに劣化状態が気になるものですが、共有部分に高級感や重厚感のあるつくりのマンションは、多少築年数が古くても人気が落ちにくくなります。例えば、以下のようなマンションは高級感を感じられることが多いです。

  • 共用ロビーに大理石が使用されている
  • 内廊下に絨毯が敷いてありホテルのように暮らせる
  • 共同玄関が吹き抜けで開放感がある

このように、多くの方が魅力を感じるつくりのマンションなら、資産価値が落ちにくくなるでしょう。

3-3-6.【POINT14】住人同士の属性・ライフスタイルは近いか

最後に重要なのは、住人同士のトラブルが生じにくい物件かどうか、です。これは、住んでいる人の性格や相性に依存するのでは?と思われるかもしれませんが、実はマンションの間取りによって、トラブルが起こりそうかどうかをある程度推察できるのです。

(例)1LDKと3LDKが混在しているマンションの場合

一人暮らしや夫婦2人暮らしの世帯もいれば、子育て中の世帯も混在する。そうすると、それぞれ生活リズムや騒音に対する許容度が異なるため、トラブルを招きやすい。

そのため、極力マンション内の住人の属性・ライフスタイルが近い方が、住人が住みやすく人気を維持しやすいマンションだと言えます。

マンションの資産価値の調べ方とは?

マンションの資産価値が20年後、30年後にどうなっているのか気になる方も多いでしょう。

ここでは、マンションの資産価値を調べる3つの方法について解説します。

  • 土地総合情報システムで調べる
  • 不動産のポータルサイトで調べる
  • レインズマーケットインフォメーションで調べる

それぞれ解説していきます。

4-1.土地総合情報システムで調べる

土地総合情報システム

出典:土地総合情報システム

土地総合情報システムとは、国土交通省が提供するWebサイトです。不動産の取引価格や地価公示・都道府県地価調査の価格を検索して確認できます。

過去5年間にわたってマンションの取引相場を確認できるので、年代ごとの価格の動きも比較できます。

ただ、土地総合情報システムのデータは購入者のアンケートを基に作成されているため、全ての取引データをチェックできるわけではありません。

4-2.不動産のポータルサイトで調べる

現在販売中の物件を、不動産のポータルサイトで調べる方法もあります。

不動産のポータルサイトでは、購入者を募集中の物件が数多く掲載されているため、調査したい物件情報を入力すれば似たような物件の価格を確認できます。

4-3.レインズマーケットインフォメーションで調べる

レインズマーケットインフォメーション

出典:レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットインフォメーションとは、レインズ(不動産流通機構)が提供するWebサイトです。日本全国の売却事例を無料で調査できます。

調査したいマンションと似ている売却事例を確認することで、おおよその資産価値が調べられます。

マンションの資産価値を調べる場合の注意点とは?

前章でマンションの資産価値の調べ方について解説しましたが、マンションの資産価値を調べる場合は、下記の2点に注意しましょう。

  • 売れた価格がよくわからない場合
  • 他物件と比較し価格に反映させるのが難しい場合

それぞれ解説していきます。

5-1.売れた価格がよくわからない場合

一般的に、不動産の価格は販売価格から割引して取引されることが多く、マンションの場合は500万円ほど割引されることも少なくありません。

実際に、似たような物件の販売価格を参考に販売に出したが、なかなか売れなかったというケースもあります。

そのため、最終的に売れた価格を調べるには「フルリフォーム」をしている業者の販売価格を参考にするのがおすすめです。

売主が業者の場合は、営利目的で販売していることがほとんどなので、販売価格より大幅な値下げをして販売することが少ないためです。

5-2.他物件と比較し価格に反映させるのが難しい場合

マンションの価格を決める際に、書類に記載されている内容だけでは算出ができず、実際に現地に行かなければ確認できないポイントもあります。

周辺環境や眺望が良いかなど、似たような物件でも細かい条件が異なる場合は、価格決定が難しくなることもあるでしょう。

そのため、プラスになる要因とマイナスになる要因をしっかりと把握しておくことが重要です。

まとめ

この記事ではまず、マンションの資産価値の基本として、以下の3つの要素をご紹介しました。

【マンションの資産価値の特徴】

  1. 物件の価格は築年数と共に下落するものである
  2. 「売却価値」「収益価値」の2つの側面がある
  3. 専有面積あたりの単価が割安であることから収益価値が高いと考えられる

次に、実際に資産価値の高いマンションを選ぶため、14のチェックポイントを「立地」「築年数」「住宅自体の価値」の3カテゴリに分けてお伝えしました。

【資産価値の高いマンションを選ぶ14のチェックポイント】

  1. 最寄り駅から近いか
  2. 周辺環境の利便性が高いか
  3. 将来性のあるエリアか
  4. 多くの人から人気のエリアか
  5. マンション付近の景観が良いか
  6. 安全性が高いか
  7. 築年数は浅い方が価値が高い
  8. 耐震性が安心なのは昭和56年以降に建てられたマンション
  9. 管理体制がしっかりしているか
  10. 日当たりが良いか
  11. 周辺と比較したときに競争力が高い要素があるか
  12. 信頼性のある大手デベロッパーの施工物件か
  13. 見た目に高級感があるか
  14. 住人同士の属性・ライフスタイルは近いか

この記事で、マンションの資産価値について知識を深めていただき、実際に資産価値の高いマンションの選ぶためのポイントを学んでいただいたことで、損をしないマンション購入に役立てていただけますと幸いです。

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この記事の制作体制
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

  • 鰭沼 悟

    宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

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